トヨタがはじめての海外生産拠点であったブラジル工場を閉鎖、60年の歴史に幕。建設に際してはトヨタ本社からプレス機を移設し、そのプレス機は本社へと再び戻ることに
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ゼネコンのサンパウロ支社に勤務していた際、このサンベルナルド工場には毎週のように通いましたが、まさかあそこがトヨタ社にとって世界初の工場だとは露知らずでした。思い返せば、ブラジルにありながら徹底されたKANBAN方式による生産管理や安全管理、必要最低限の仕様のバックオフィス、トヨタイズムが現地ブラジル人スタッフにも徹底的に浸透されていた点など、日本の工場そのものが地球の反対側にあるように感じていましたが、それだけトヨタイズムが完徹されていた結晶なのでしょう。
ブラジルにおけるトヨタは、記事にもあるように国内シェアでこそ9%そこそこですが、その数字には表れない重みをよく感じます。タクシーやUberの運転手と話していても、実用車として最も信頼されているのはトヨタだよとよく聞きます。安定感のある車体の仕様、誠実さのあるアフターメンテナンス、故障しても他社(外国車、日本車メーカー含めて)に比べて圧倒的に安い交換部品、そして中古車市場でも高く売れるため、商売をするならトヨタ車というユーザーが圧倒的に多いような気がします。
さらに、KANBAN方式の生産管理は、ブラジルのあらゆる生産現場はもちろん、ベーシックな管理方式の一つとして教育の現場でも使われており、トヨタがブラジルにもたらした功績は相当なものだと在ブラジル一生活者として実感しています。
個人的にも今までブラジルでシトロエンやフォード、VW、ヒュンダイ、三菱、日産などの車に乗ってきましたが、行き着くのはやはりトヨタでした。
ブラジルの車マーケットは中国の電気自動車BYD社による派手なブラジル、南米戦略展開で注目されていますが、ブラジル進出66年を迎えるトヨタには今後とも世界の重要拠点の一つとして力を入れて頂きたいですね。