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アセトアルデヒドがDNA損傷 飲酒ががん引き起こす可能性
原田 洸総合内科医 医学博士
あくまで実験室レベルの研究結果であり、全容を解明したというわけではありませんが、飲酒とがんとの関係を紐解くヒントになる内容だと思います。
「酒は百薬の長」といわれるほど、一昔前までは「適量の飲酒は健康に良い」とされていました。しかし、最近の疫学的な研究では少量でもがんなどのリスクが上がることがわかっており、健康のためには「お酒は飲まないに越したことはない」というのが通説になっています。また、一緒に食べるおつまみは高カロリー・塩分過多のものが多く、糖尿病や高血圧につながる可能性があります。
飲酒によりコミュニケーションが円滑になって話が弾むなど、プラスの側面もあるかもしれませんが、少なくとももともとお酒を飲まない人や好きではない人が無理して飲む必要はないと思います。
患者と医師「女性同士」が有益 東京大など調査、死亡率など低く
原田 洸総合内科医 医学博士
高齢の女性患者を診療する場合、女性医師の方が死亡率や再入院率が低かったことを示した、興味深い研究です。過去にも女性医師の方が男性医師よりも優れた結果を示した例はいくつもあります。例えば、待機的手術を女性外科医が行った場合、男性外科医が行うよりも死亡率が低かったことがわかっています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8655669/
莫大な量のデータを統合した後方視的な研究結果であり、これらのデータからその理由を推察するのは難しいかもしれませんが、日本ではこういった研究結果とは対照的に、医学部入学での女子差別が近年話題になってきました。女性医師が増えることのメリットがこのように可視化されてきたことは素晴らしいことです。
【3分解説】小林製薬の対応の何がまずかったのか
原田 洸総合内科医 医学博士
紅麹サプリメントの摂取後に腎障害が起こったという健康被害に関して腎障害の具体的な内容が不透明でしたが、日本腎臓学会が医師に対してアンケート調査を行い集計した47例の中間報告が報告されています。
https://jsn.or.jp/medic/newstopics/formember/post-557.php
こちらの内容は、患者さん側からではなく医師側からの報告であるため、医学的な妥当性は高いと言えますが、後方視的な調査であり様々なバイアスがあるため注意が必要です。
・患者は40歳~69歳が約9割を
・女性がやや多い(66%)
・4割が1年以上服用しているが、短期間で発症するケースもある
・症状は倦怠感や食欲低下、尿の異常で、腎機能障害(検査値異常)で見つかるケースもある
・近位尿細管と呼ばれる部位の障害を疑うような電解質異常が多い
・腎機能低下、尿蛋白増加が多い
・横紋筋融解症(筋肉のダメージ)による腎障害ではない
・透析を要したのは2例、うち1例はすでに透析不要になるまで回復
・原因物質については特定されていない
「紅こうじ」継続摂取の1人死亡 腎疾患、小林製薬が因果関係調査
原田 洸総合内科医 医学博士
この1つの事例に関しては「紅こうじを内服していた」「腎疾患があった」「死亡した」という内容が書かれていますが、それぞれの因果関係はわかりません。「紅こうじ以外の腎疾患の原因があった」かもしれませんし、「腎疾患以外の死亡の原因があった」かもしれません。
しかしながら、複数報告されている紅こうじ内服中の方の腎疾患の報告があることから、事態が深刻であることには変わりありません。ニュースが広がりサプリメントの存在が広く知られたことで、これまでに腎疾患をわずらったものの「原因不明」とされていた方が、「自分もサプリメントを服用していた」ということに気づいて報告するケースが考えられます。そのため、健康被害の患者数は今後ますます増えてくるものと予想されます。
消費者としては、不用意にサプリメントを内服しないことをおすすめします。例えば、「コレステロールを下げる」ことをうたっているサプリメントは数多くありますが、実際に臨床試験で悪玉コレステロールを下げることを示したサプリメントはなく、病院で処方される薬(スタチンなど)が最も効果的です。この事件をきっかけにサプリメントの服用を見直してみてはいかがでしょうか。
「紅こうじ」サプリ入院26人に 小林製薬、健康被害拡大
原田 洸総合内科医 医学博士
薬が原因で腎機能が悪化することは珍しいことではありませんが、誰でも買えるサプリメントでそれが起こるというのは、多くの方が想定していなかったでしょう。
サプリメントの内服を中止することで多くの場合は改善すると考えられますが、場合によっては腎臓に不可逆的なダメージが起こり、透析が必要になる場合があります。実際に、紅麹を服用していた方で透析にまで至ったケースが報告されています。
ニュースが広がりサプリメントの存在が広く知られたことで、これまでに腎疾患をわずらったものの「原因不明」とされていた方が、「自分もサプリメントを服用していた」ということに気づいて報告するケースが考えられます。そのため、健康被害の患者数は今後ますます増えてくるものと予想されます。
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