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英、50年ぶりに法人税引き上げ 23年に19%から25%へ
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
アンチ・キャメロン、アンチ・オズボーンのジョンソン、といったところ。政敵の内閣がしたことと反対のことをする。同じ保守党政権だから、根本的な政策指向は変わらないはずなのに、この有様。
キャメロン内閣(2010~2016年)では、オズボーン財務相が主導して、(銀行税は入れたが)付加価値税率を引き上げて法人税率を引き下げるという、グローバル化に即した消費課税中心の税制を指向した。ドイツなどEU諸国でも同様の税制を指向した。
確かに、19%という法人税率は先進諸国の中では低い方だから、コロナ禍で財政難となり、多少引き上げるというのはわかるが、ジョンソン内閣がしたことは、将来的に目指す税制を示さないまま、臨時的な付加価値税率引き下げと法人税率引き上げ。キャメロン内閣と同じ保守党政権とは思えない反動ぶりである。

【1分解説】日本も本格議論スタート。「炭素税」は実現するか
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
炭素税入門として、とてもわかりやすい。
わが国での議論の最前線は、
環境大臣の諮問機関である中央環境審議会地球環境部会カーボンプライシングの活用に関する小委員会
https://www.env.go.jp/council/06earth/yoshi06-19.html
と、経済産業省に設置された、世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/
である。
特に、記事でも触れられたEUが検討中の炭素国境調整措置で、日本企業が不利にならないようにするにはどうすればよいかという警戒感が、図らずもわが国での議論の起爆剤にもなっている。
実現に向けた議論が進むなら、炭素税をどのように課税するか(温対税を拡大するか、既存のエネルギー諸税を縮小・廃止して新たなCO2排出量比例の税を課すか、など)にも及ぶだろう。続編を待望。
体調不良で山田真貴子広報官 辞職 菅首相長男らが接待
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
入院報道の直後に、辞職報道。健康上の理由ということにできるのでしょうか。
追記
それにしても、この不祥事で国家公務員の人気が下がるとの見方もあるが、国家公務員の試験専門委員を務めた者(官報で公表されるので公開情報)として、そんな程度で国家公務員の志望をやめるなら、国家公務員にならない方がその人のためでもあると思う。この不祥事で官僚が懲罰を受けたからといって、それは法令に基づいたものであって、予見できない理不尽な懲戒や更迭ではない。法令を遵守すれば、職務は全うできる。「接待」というわかりやすい不祥事だからこそ、ここまで報道で取り上げられた面があって、接待に関わらなければ官僚の仕事に重大な支障があるわけではない。
国家公務員になって政策立案などに関わりたいという志のある若い人たちは、この不祥事に惑わされることなく、引き続きその志を大切にして欲しい。
環境省、「炭素税」本格導入を検討…段階的に税率引き上げへ
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
今は「頭の体操(思考実験)」の段階。段階的に引き上げるとも引き上げないとも断定していない。ましてや、いつ上げるなどと決め打ちできるはずもない。
ただ、将来像として、いずれの時期にか段階的に税率を引き上げることで、脱炭素化に向けた国内の動きを加速させる必要があるというコンセンサスを作ることが重要で、今はそのための地均しをしているというべきだろう。現時点で、そのコンセンサスはまだできていない。
炭素税にいつまでも消極的だと、欧米から「日本は遅れている」と見なされ、日本企業を対象に入れた懲罰的な措置を講じてこないとも限らない。せめて、議論の姿勢だけでも「前向き」と国際的に見せることで、日本企業に欧米で不利にならないようにしなければならない。
炭素税論議の時期として、一つの焦点は、今夏の税制改正要望。これを環境省(と願わくば経済産業省との共同で)から要望すれば、税制審議の与党プロセスに乗せられる。もちろん、与党がどのような結論を出すかは不透明だが、少なくとも議論の俎上に載る。今夏に税制改正要望が出せなければ、そもそも与党内での本格的議論にすらならず「不戦敗」状態になる。今夏に税制改正要望を出せるか否かが、菅義偉内閣として炭素税に前向きか否かを占う試金石になるといえるだろう。
困窮世帯への給付金検討へ 政府・与党、追加経済対策を4月にも取りまとめ
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
4月に取りまとめるというのは、いかにも予算審議との兼ね合い。目下衆議院で2021年度当初予算政府案の審議中で、3月2日に予算委員会と本会議を開いて採決を行うとセットしたばかり。
さりとて、困窮世帯への給付金について、一旦衆議院で議決されたばかりの予算政府案を修正するとなると、衆議院で議決をし直さなければならない。
3月2日よりも衆議院通過を遅らせると、4月からの新年度に予算成立(予算の自然成立によっても)が間に合わず、内閣の沽券に関わる。
必要性や緊急性が高い予算なら、昨年末の予算政府案の閣議決定前に、きちんと仕込んでおかなければならなかった。今頃議論しても当初予算案に盛り込むには遅い。
通常、予算の追加を要する議論は、予算審議中に政府内はもちろん与党も持ち出さないのが仁義。政府・与党の不統一を露呈して、予算審議で、野党に格好の審議拒否材料を与えてしまう。なのに、こうした観測記事が出るというところは、政権の求心力の衰えの一端が垣間見られるということか。
オンラインで大学がアップデート。「共感力」がつなぐ学びを
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
オンラインだからこそ、対面ではできないきめ細かい対応がデジタルでできる。それは、たとえリアルタイムでなく、オンデマンドであってもである。単に、一堂に会するか否かの違いだけでなく、対面≒アナログ、オンライン=完全デジタル、という差異も大きい。デジタルでできると、教える側の限界コスト(初期費用はかかるものの、学生が追加的に1人増えたときの費用)が劇的に下がる。その分、きめ細かい対応も可能になる。
学生は、デジタルだからこそきめ細かくできる教員側の対応によって教育効果が高まるという意味で、恩恵が受けやすくなっているだろう。対面だと人目をはばかって質問ができないが、オンラインなら気にせず質問できる場合もある。
経済学者の池尾和人氏が死去 慶大名誉教授
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
巨星墜つ。<同じ訃報の別の記事へのコメントを転載>
1999年から19年間、同じ学部で同じ分野の教員としてご一緒させて頂きました。2004年度からは共同で企業金融論を担当し、池尾先生がたずさわられたコーポレートガバナンスコードの策定など、リアルタイムで、わが国における企業金融や企業統治の課題に向き合う機会を頂きました。池尾先生が日銀審議委員に推薦されるとの新聞辞令を受け、内輪でフライングの前祝いをしたり、2018年3月の慶應での最終講義の際にパネルディスカッションを企画しモデレーターをさせて頂いたことが、まるで昨日のことのようです。財政投融資などで政府の審議会での委員もご一緒したり、深く議論させて頂いたり、大変お世話なり誠をありがとうございました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
池尾和人氏が死去 経済学者、慶応大名誉教授
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
巨星墜つ。
1999年から19年間、同じ学部で同じ分野の教員としてご一緒させて頂きました。2004年度からは共同で企業金融論を担当し、池尾先生がたずさわられたコーポレートガバナンスコードの策定など、リアルタイムで、わが国における企業金融や企業統治の課題に向き合う機会を頂きました。池尾先生が日銀審議委員に推薦されるとの新聞辞令を受け、内輪でフライングの前祝いをしたり、2018年3月の慶應での最終講義の際にパネルディスカッションを企画しモデレーターをさせて頂いたことが、まるで昨日のことのようです。財政投融資などで政府の審議会での委員もご一緒したり、深く議論させて頂いたり、大変お世話なり誠をありがとうございました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
「ウーバー運転手は従業員」 英最高裁が判断
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
イギリスの法体系で、フリーランスをどう位置づけることにしたから、このような判断になったのだろうか。私が知る限り、米仏独やわが国では、「労働者性」が争点になっている。労働者性が認められると「従業員」とされ、否定されると「従業員ではない」と判断されている。
わが国では、2020年7月に閣議決定された「成長戦略実行計画」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/ap2020.pdf
で、フリーランスとして業務を行っていても、(a)実質的に発注事業者の指揮監督下で仕事に従事しているか、(b)報酬の労務対償性があるか、(c)機械、器具の負担関係や報酬の額の観点から見て事業者性がないか、(d)専属性があるか、などを総合的に勘案して、現行法上「雇用」に該当する場合には、契約形態にかかわらず、独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法に加え、労働関係法令が適用されることを明確化することとされている。
ワクチン接種管理システム 民間企業と3億8500万円で契約
土居 丈朗慶應義塾大学 経済学部教授・東京財団政策研究所上席研究員
電子母子手帳のノウハウは、ワクチン接種管理にはかなり有用。子供のワクチン接種スケジューラはもちろん、母子手帳での発育記録は、接種後の経過観察記録に相通じる。
接種管理に、マイナンバーを使うか否かは、住民票(住民基本台帳ネットワークシステム)とどちらを使うか次第だろう。ワクチン接種券は、住民票に基づいて配布され、接種管理は(マイナンバーを使わなくても)住民票に基づいて行われるから住基ネットと紐付けるのは容易だ。
しかし、住基ネットには、氏名、生年月日、性別、住所だけでなく世帯構成まで収録されている。接種管理をそこまで紐付ける必要はない、と考えれば、そうした個人情報と紐付けられる心配がないマイナンバーと紐付けて接種管理をした方が無難なのだが、そうした国民的合意が得られるかどうか。
「マイナンバーカードの利用」と「マイナンバーの利用」は次元が異なる。そもそも、マイナンバーは住民票コードから生成されている。接種管理に(マイナンバーカードでなく)マイナンバーを利用することは、本人がマイナンバーを忘れていても自治体側が把握している。マイナンバーの利用に、目くじらを立てる必要はないはずだが・・・

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