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中ロ首脳「対話解決」を強調=和平案、ウクライナに対応要請―習氏、プーチン氏の訪問招請
時事通信社
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
中国側が示したのは、ロシアとウクライナ以外の諸外国は、「中立」であるべきだ、という主張です。  中国はロシアに兵器を供給しない、だからNATO諸国もウクライナに兵器を供給しない。  また、中国は欧米諸国にもウクライナにも経済制裁はしない、だから欧米諸国もロシアや中国に経済制裁しない。  この「中立」要求を、プーチン大統領も全面的に支持しました。 いうまでもないですが、この諸外国の「中立」が実現すれば、実際のところ、ウクライナは1年もせずに全土を占領されます。  習近平主席は、この「中立」案を提唱するのは、中国が「中立」だからに他ならない、という論です。  しかし、この「中立」がまかり通るなら、ロシアは旧ソ連諸国を全部占領できるし、中国も台湾や、東南アジア諸国の一部を占領できるでしょう。 ロシアの提唱する「多極化」について、中国はやや消極的ですが、首肯している向きもかなりあります。  旧ソ連のことはロシアに任せて欧米諸国は介入するべきではない、アジアのことは中国に任せて欧米は介入するべきではない、というのは、中国にとって利益が大きいように見える提唱です。  第2次世界大戦の時にドイツがヨーロッパ諸国を、日本がアジア諸国を占領したようなことが起きます。  それでは軍事力を持つ国に蹂躙される国の方が多くなるので、そうならないためにできたのが、現在の国際関係の枠組みです。  ロシアはそれに真正面から挑戦し、中国を引きずり込むためにしきりに働きかけています。 その他、表に出てきた具体的な合意は、主に貿易に関することで、特に、 ・人民元決済による貿易の拡大。中露2か国だけではなく、アジア、アフリカ、中南米でも人民元決済を拡大してい方針 です。  中国側から、表立って兵器を供給するとはいいませんが、鉄鋼やその他の物資を供給するなら、半ば以上兵器を供給しているようなものです。  それに対して、ロシアはエネルギー資源と食料を中国に供給できますが、人民元での決済であれば、米国の経済制裁を回避しやすくなります。
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日本のヤクザや世界の独裁者をも支援──こんなに黒かったクレディ・スイスの実態
クーリエ・ジャポン
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
ゴルゴ13のような日常的に殺人を行っている人物ですら口座を安全に保持して、個人情報が流出することもない国なのですから、ヤクザや世界各国のその他犯罪組織、独裁者などもスイスの銀行に口座を持つでしょう。 犯罪組織や汚職政治家、宗教団体などは大口の預金者ですから、それらの顧客の獲得競争は、世界中で激しさを増しており、現在の人気はやはりドバイです。他にもキプロスやレバノンなど、出どころは問わない金を受け入れる(つまりマネー・ロンダリングですが)ことで財政の足しにしようとする国は、いくつかあります。  最近はビットコインなども出てきたので、マネーロンダリングを請け負う競争は激化しています。  ドバイは、不動産も買えるうえに亡命も受け入れるので、最近は人気です。  カルロス・ゴーン氏のようなレバノン人であれば、レバノンもいいですが、最近はレバノン自体の存続も怪しいので、人気が落ちました。  資産の安全性からいえばスイスですが、スイスは犯罪者の逃亡先には不向きなので、その筋だとドバイの方が好まれます。 なお、ゴルゴ13が口座を持っているのは、クレディ・スイスではなく、もっと小規模なプライベートバンクでしょう。  スイスのプライベートバンクであれば、口座番号だけ渡せば、誰でもその口座に振込ができる匿名口座を開けます。依頼人がゴルゴ13の個人情報を知る必要はありません。
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戦争の行方左右、ロシアに半導体流出か-米ハイテク規制強化でも
Bloomberg.com
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
現代の兵器は、ミサイルはもちろんですが、戦闘機も、ドローンも、砲弾でさえ、GPSを使って飛びます。  歩兵も、GPSは必須です。カーナビのような装置が、多人数での共同作戦で非常に有益なのはわかりやすいでしょう。  GPSというのは、衛星と通信しながら衛星との距離を測定し続けつつ、三角関数を使った計算で現在地と目的地との距離を計算し続ける装置です。  つまり、ある程度の水準の計算機が必要です。  小型計算機が高速で計算を続けるのに必要なのは、半導体です。  半導体の数が、ミサイルや戦闘機やドローンの数、それに戦車部隊や砲兵や歩兵の戦力の高さに必要です。 ロシアは、原油とガスを売り続けることができる以上は、金はあります。  あとは、どこから半導体を買うか、です。  ロシア政府が現地人を使ってダミー企業を設立すれば、日本ででも買えるでしょう。EU諸国や米国でも買えます。  そこからロシアに直接運び込むのはむずかしいですが、UAEやトルコやカザフスタン、ウズベキスタンを経由すれば、問題ありません。 ロシア政府が設立したダミー企業だと見破られるかもしれませんが、イラン人や中国人がつくったダミー企業もあります。そもそも、ダミー企業ではなくても、中国の国営企業や名だたる大企業であれば、半導体の購入など、容易でしょう。 かつて、日本は日中戦争で、中国の補給ルートに使われているというので、ベトナムやミャンマーに攻めこみました。  ベトナム戦争では、米軍は、ベトナム戦争への補給ルートに使われているというので、カンボジアやラオスに攻めこみました。  国際的な補給ルートを断つ、というのは簡単なことではなく、どうしても新たな敵をつくることになります。場合によっては、泥沼への道になります。
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イラク戦争から きょうで20年 その後の国際情勢に大きな影響
NHKニュース
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
1991年の湾岸戦争と2003年のイラク戦争は似て非なるものです。  湾岸戦争は、イラクがクウェートを武力で占領して併合したので、それは国連憲章違反なので阻止する、という名分がありました。安全保障理事会で、このことが確認され、安全保障理事会で決議もされました。 イラク戦争は、名分としては ・イラクが大量破壊兵器を保持している ・イラク政府がアル=カーイダと関係がある といったものでした。  いずれも事実ではありませんでしたが、仮に事実だったとしても、これらが武力で阻止されなければならないほどの国連憲章違反かというと、それは国連憲章では判断できません。  「武力で阻止するべき」という合意も、安全保障理事会ではされませんでした(国連憲章上、イラク政府に問題がある、という程度の確認はされましたが)。 そもそも、大量破壊兵器を国際的な合意なく保持しているのが武力で阻止されなければならないのなら、イスラエルもインドもパキスタンも北朝鮮も、多国籍軍によって侵攻されなければなりません。 代わりに米国から出てきたのが、いわゆるネオコンによる、「中東民主化」論ですが、武力侵攻で占領して民主化することで現地の人々の利益にもなるし、国際的にも有益(ヨーロッパに移民が来なくなる)というものでしたが、相手国の合意を得たものでもなく、国際的に合意したことでもありません。植民地支配の論理と変わりないものです。   結局、米国はリソースと信用を失ったのですから、米国(ブッシュ政権)の失策でしょう。 2011年にはオバマ大統領がイラク戦争の終結を宣言、その後イスラーム国を名乗る勢力が台頭し、イラクは北半分を占領されました。  それは何とか掃討しましたが、当時のイラク政府に力を貸したイランが、イラク政府への圧倒的な影響力を持つようになりました。 国連憲章も一種の法ですが、法というのは、文章による規範に過ぎないので、上が守らなければ守られなくなります。  法律がある国でも、政府やその手下が日常的に殺人や略奪を繰り返す国では、法律を誰も真面目に気にしなくなり、自分たちの身を守るために、民間の武装勢力を頼りにします。  上が法律を守らない、という実例を米国が示したことが、ロシアや中国、中東やアフリカに、国連憲章を気にしない行動をとらせるようになった、という面はあります。
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日独首脳、経済安保や防衛で連携 日本に軍艦艇を派遣へ
共同通信
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「第1回日独政府間協議 共同声明 」は、経済安全保障に関する内容が半分以上を占めています。  また、日独両国に共通点が多く、国際的に共同の姿勢を取ることの利点が、繰り返し挙げられています。 https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100476975.pdf ・「2つの主要な先進工業及び民主主義経済である日独が、ルールに基づく多国間秩序、普遍的人権、自由貿易及び気候行動の促進のための共同のコミットメントを強化し、多国間主義の強化における共通の利益を再確認するための新たなプラットフォームを提供する」 ・「日独は、日本国の自衛隊とドイツ連邦軍との間の協力を促進するとのコミットメントを改めて表明した。両者は、後方支援の提供等、二国間の防衛及び安全保障協力に係る活動のための法的枠組みを構築する」 ・「日独は、重要・新興技術の保護及び育成に当たり協働することにコミットした。両者は、技術の急速な発展足並みを揃える形で、軍事目的で使用され得る材料、技術及び研究の効果的かつ責任ある輸出管理を強化するに当たり、他国と共に引き続き取り組む」 ・「両者は、途上国及び新興国の主要な二国間債権者として、予測可能かつ適時に、秩序立った方法で連携して、債務支払猶予イニシアティブ(DSSI)後の債務措置に係る共通枠組を実施することを含め、債務破綻状態の国に対する協調した債務措置を促進するた」 つまり、先進技術国、エネルギー資源輸入国、貿易立国、債権国という共通点があるため、中国とロシアに安全保障面で対決することでも協同しますが、その先のエネルギー確保、途上国及び新興国の経済破綻にも協同で備えていこう、という内容です。
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マスク氏「ユートピア」構想、テキサスに町建設
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
マスク氏はテキサス州オースティンの50km郊外に24万㎢の土地を購入済みだそうで、品川区くらいですね。  間違いなく値上がりしますから、それだけでも相当に資産が増えるでしょう。 マスク氏は、よくいえば新しい社会をつくりたがる人、 悪くいえば、既存のルールに従うのを嫌う人です。 新しい社会、といっても、教育から医療から電力から警察から小売業から、全てまでを自分の会社で賄うことはできないでしょうから、大都市オースティンから離れ過ぎず、近過ぎず、という位置につくるのでしょう。  位置的には、オースティンとヒューストンの間になります。  そして、テキサスは、米国で最も将来性のある州の1つでしょう。カリフォルニアと互角以上に競えるかもしれません。 町の名前、スネイルブルック(カタツムリ川)の由来となったボーリング社は、石油とかではなくトンネルを掘る会社ですが、今のところ手がけているのは、オースティンの近郊や近くのサン・アントニオですが、テキサス州は、人口ではカリフォルニア州に次いで全米2位、伸び率はカリフォルニア州よりはるかに高いですから、これから都市開発の需要があるのでしょう。
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