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シャープ、9月までに堺工場停止 テレビ液晶パネル、赤字1499億円
時事通信社
Kato Junユーザベース SPEEDAアナリスト
下記が今回発表された中計の資料。見たが、残念な思いを感じずにはいられない。 特にスライド7の「マネジメントの強化を図るとともに、負のサイクルから脱却し、持続可能な収益構造の確立が急務」とされている。負のサイクルというのはデバイス事業が、技術・向上への投資が不足し、成長分野の開拓が進まず業績が低迷することを特に指しているように窺える。でもこれは液晶で負けが込んだ2010年代前半には分かっていたこと。というか分かる人には堺の投資時点で分かっていたことで、投資余力に勝るSamsung・LGが液晶に本格的に投資をし始めていたから(そしてシャープが他国ではなく日本で堺G10投資を決めて、Samsungトップのイ・ゴンヒが狂喜乱舞したという嘘か本当か分からない噂もあるくらい…なぜならハイリスクだから)。だからHon Haiと提携せざるを得なかった。 そのうえで、Hon Haiおよびテリー・ゴーとの間でSDPについて売却や取得が何度も繰り返された。直近では2022年に子会社化したが、この投資が不足する資本体力の構造はとっくに見えているのに、大規模工場を買収することに全くの合理性がない。それができてしまって、最後はこの着地になってしまった。 最初のリスクテークは、まだ勢いがある時期だし、自社要因ではなく円高もあった(とはいえ、一国に集中してしまった意思決定は自社のもの。そして、その後は会計上の利益のために無理に稼働を上げて在庫減損のサイクルだったりもあった。 不正会計こそないものの、東芝と同じレベルの失敗の塗り重ねで、また同じように現実を直視できない様々な内部的なしがらみがそれを引き起こしたように見える。もちろん、現場中心にそれぞれ精一杯頑張られている方は大勢おられるだろうが、結果として従業員含めたステークホルダーの不幸せに経営のエゴがつながったと見え、ただただ残念に思う。 https://corporate.jp.sharp/ir/event/policy_meeting/pdf/240514pre.pdf
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シャープ 大阪 堺市でのテレビ向け大型液晶パネルの生産停止へ
NHKニュース
Kato Junユーザベース SPEEDAアナリスト
チャレンジの終焉を感じるし、シャープの液晶での戦略や、そこでの失敗からの立て直しについての戦略について考えさせられる。 液晶や半導体は巨大な設備を使うので、「赤字でも稼働させる方が売上が立ちCF的にはマシ」ということがあり、それが安値競争にもつながる構造。 堺・SDPはもうすでにかなり減損は進んでいると思い、このよう利益とCFの差分は少ないと思うが、業績改善には人件費など残っている固定費についての対応も必要。 ここからは歴史の話。 シャープは、ソニー・パナに比べてブランドも資本体力もなかった。そこを液晶に絞り、亀山モデルによって先行し飛躍した。ただ、FPDはプラズマではなく液晶と大勢が決まっていく中で、まずは韓国メーカー、そして次に中国メーカーが巨額の設備投資で台頭した。シャープは、亀山モデルでブランド面含めて成功したことで、パネルを外販ではなく自社の完成品に使うことに拘った。 堺はG10とよばれるサイズのガラス基板を使う世界最初の工場だった。大きいガラス基板ほど大型の液晶パネルを低コストで理論的には作れる。ただ、そうならなかった。なぜかというと、前述のように資本体力に勝る韓国メーカーなどが投資をしまくったこと、円高でコスト競争力が完成品・部品の両方で減ったこと、自社モデルに初期は拘ったがその販売力が弱くて稼働率を上げられなかったことが主。そしてこれらへの対処が遅れ、作りすぎて在庫減損というサイクルになり、Hon Hai傘下になった。 そこからだが、Hon Haiのトップのテリー・ゴー氏の投資会社が過半を持ったり、その後2022年度から再度連結したりと、状況が定まらなかった。
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中国「過剰供給」、世界と摩擦 EVや太陽光パネル輸出急増 内需より生産優先 - 日本経済新聞
日本経済新聞
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