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【養老孟司】日本人に伝えたい「未来予測」より大事なこと
NewsPicks編集部
大橋 純斗University of Liverpool Management School
日本は人口過密により空気や同調圧力が社会を動かすようになった、という ----- そもそも日本人は「実感」を重視する民族です。実感もないのに、「20XX年にこういう問題が起こる」などと言われたところで、何もできないのです。 もっと言えば、日本人は「言葉」では動きません。 憲法9条への対応がわかりやすい例です。あそこまで言葉で「武力の放棄」とはっきり書かれているのに、なんとか解釈をつけて自衛隊を運営しようとしている。 一方で、無理に言葉で人を動かそうとすると、「本土決戦」「一億玉砕」のように変な方向を向いてしまった過去もあります。 この日本人特有の感覚は、江戸時代の国学者、本居宣長が重視した「もののあはれ」という言葉で説明されます。 折節の物事の変化、状況の変化を目で実際に見て、やっと気持ちが動く。この根本的な仕組みが、本居宣長が重視した「もののあはれ」です。 この感覚は、日本が「人口過密」であるから発生したものだと考えられます。 例えば、人口が少ないというイメージのある島根県でも、可住地面積当たりの人口密度は、ヨーロッパで最も人口密度が高いオランダの3倍以上です。 これだけ狭い土地に多くの人がいる状況だと、否が応でも他人が何を考えているかを事細かに察知しなければいけなくなります。 その結果、いわゆる「空気」や「同調圧力」が社会を動かすようになったのです。 要するに日本では、物事が先にあって、そのあとで言葉が出てくる。そこが、西洋との決定的な違いです。あちらは「始めに言葉ありき」(旧約聖書)の文化ですから。 こうした意味でも、日本人は「未来予測」とはあまり相性がよくないと言えます。
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論理か、情熱か。変化を乗り越える新規事業開発の勝ち筋とは
大橋 純斗University of Liverpool Management School
「出してみるまでわからない」。本当の競合は、予備校ではなく一般的なサブスクリプションサービスだった、とのこと。 ------- ──なぜ売れなかったんですか? 大きな要因は、予備校を競合とみなして価格を設定していたことです。予備校は1教科につき月2万5000円程度。仮に3教科を受講したとすると7万5000円にもなります。一方、当初の「スタディサプリ」の価格は月額5000円でした。 ──十分安いように感じます。 予備校のリアルな講義でしか提供できない価値があるのも事実ですが、私たちも5000円という破格であれば受け入れられると考えていました。でも実際は、価格面での競合は予備校ではなく、一般的なサブスクリプションサービスだったんです。当時、サブスクリプションサービスが定着しておらず、課金へのハードルが今よりも高かった。 そんな中、月額980円で見放題というエンターテインメント動画配信サービスが出てきて話題になりました。私たちもこれをベンチマークとし、価格を980円に設定しなおしたことで、事業が拡大していきました。 ──月額5000円から月額980円は大転換です。なぜそこまで思いきれたのでしょうか? 価格を1/5にするのはかなりの冒険でしたが、コンテンツの質への評価は高く、一定の認知も取れていると確信していたため、売れない要因は価格だと気づいてテコ入れすることができました。この経験から、改めて、市場に出してフィットするかを確かめながら、課題が何か因数分解し特定していくことの重要性を認識しました。その後11年間にわたって、時代の変化に適応し続けるうえでもよい経験になっています。
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【サンデル教授】エリートの「やればできる論」は、他人を駄目にする
NewsPicks編集部
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