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700社の「新規上場企業の株価」を分析して分かった「驚くべき事実」時価総額が「10倍」になったのは、いったい何社?
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
【マネー現代寄稿】
今回は過去8年にIPOした発行体700社の現在の時価総額を検証しました。
分析に時間がかかりましたが、一定の示唆を与えてくれました。
・700社のうち、約6割が現在も時価総額100億円未満。
・約6割の企業が初値を超えられていない。
・時間が経てば時価総額が増えるわけでもない。
・それでも上場後時価総額を10倍以上にしたのは7社。全体の1%。
・この7社は業種、上場時期、公開時の時価総額、上場市場、主幹事等、バラバラの印象(7社の共通項分析は次回)
引用
要は現在の企業価値は、公開価格の概ね1.5倍となる初値を超えることが出来ていない企業が半数ということになります。
中略
但し、注目すべきは上場以降、時価総額を初値の10倍以上に引き上げている企業もあるということですね。
表の発行体は2015以降の上場で2024年2月までに時価総額を10倍以上上げている発行体の概要です。7社なので全体の1%となります。
ご覧になれば分かる通り、ソシオネクストの20倍超からラクスまで、業種、上場時期、公開時の時価総額、上場市場、主幹事等、バラバラであり、この概要だけでは成長の規則性、要諦がある様には見えません。しかし、どこかに成長の共通項が必ずあるはずです。
次回はこの7社の成長戦略を分析し、どの様にして初値の壁を超えていったかを検証します。
SBI証券に一部業務停止命令へ 金融庁、IPOの株価操作で
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
こういうことが起きるので、IPOのプライシングは引受側は低めにしている背景もあります。また一方で、上場後、数年経っても公開価格や初値を超えられない(いわゆる上場ゴール)発行体もかなりの数になります。このテーマは次回の「マネー現代」で書きます。
引用
SBI証券は主幹事を務めたIPO3銘柄で、上場後に初めてつく「初値」が公開価格を下回らないように人為的に株価を操作していた。執行役員らが主導して提携する金融商品仲介業者(IFA)に指示して個人投資家174人に買い注文を出させていた。香港現地法人の社員にも勧誘を依頼し機関投資家9社から買い注文を受託していた。
こうした注文を受ける行為が金融商品取引法で禁止する「作為的相場形成」にあたると認定した。立ち入り検査した証券取引等監視委員会が2023年12月15日に、SBI証券に対して行政処分を出すよう金融庁に勧告していた。
「割安退場」許さず、株主が異議
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
これ、難しい議論で、最後はマーケットに委ねるしかないと考えています。発行体側、特別委員会のFAは大和ですが、Valuationの上限が9564円であり、そもそもPBR 1倍に達していないですが、これは時期的に昨年夏の経産省の「企業買収における行動指針」の手続きを踏まえた上での動きであると思われ、その意味合いでは、手続き論としては適正かと思われます。
また、公開買付に対する意見表明では、発行体側は純資産未満で買収する理由にも言及しています。
「ただし、公開買付価格は純資産額10,132.42円を14.93%下回っていますが、純資産額は清算価値を示すものではなく、資産には流動性の低い事業用資産が多く含まれているため、企業価値の算定において純資産額を重視することは合理的ではないと考えられます。」
一方で、買付価格を8620円でなく、上限近くの9500円程度まで引き上げる交渉は必要だったかもしれません。
実はこれ、11月15日に発行体側から「8900円でどうか?」の逆提案があり、買付者が「8900円はムリ。8450円で頼む。」とのやり取りがあったため、ここで既に上限9500円の遥か下で逆提案していることが今後論点になる可能性はあります。
まぁ、ただ現在株価が8600円近辺で推移しており、純資産の遥か下で動いていることを鑑みれば、マーケットとしてはこのMBOを受け入れているとも言えますね。
どうしても不満があれば、スクイーズアウト時に代表訴訟すれば良いかと思います。
引用
MBOに限らず、買収においては株式をいくらで買い取るのか、その額に同意するのか、株主への説明が求められる。取締役会で、M&A経験者や投資家の視点を入れた議論ができる体制を整えておくべきだ。取締役のスキルと取締役会の実効性が問われる。
宝の山だった「IPO銘柄」に異変が「小粒上場」「上場ゴール」が日本の株式市場に与える悪影響
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
【マネー現代寄稿】
今年はまた、少し対外的に執筆して行こうと思います。今回4年ぶりに【現代ビジネス】に寄稿させていただきました。今年もよろしくお願い申し上げます。
引用
新規上場(IPO)ーー。企業にとっては事業規模を拡大するための船出であり、投資家サイドにおいても、IPO銘柄は手にすればほぼ確実に「勝てる」、「宝の山」と表現されることもあった。ところが2023年のIPOを案件を振り返ると、時価総額100億円未満の「小粒上場」が多く、公募割れの銘柄も増えている。上場して利益を得ればそれでおしまい、という「上場ゴール」は、株式市場の健全性や柔軟性を妨げる一因になる。ここで改めて総括し、今後求められる施策を検討したい。
【ハイライト】
1. IPO社数は2022年より5社多い96社
2. 主幹事件数トップはSBI。初めて大手の牙城を崩す
3. 2023年の最大IPOはKOKUSAI ELECTRICの時価総額4239億円
4. 小粒IPOの解決策は大きく上場基準の上場維持基準の2つ
【峰岸会長】リクルートが守り続ける「大原則」を教えよう
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
リクルートは10年前は海外売上はゼロでしたが、現在は50%を占めます。
以前峰岸社長のお話を聞いたことがあります。
峰岸社長は、
市場に参入する場合、
小さい過ぎないか?
大き過ぎないか?
そこで勝てるのか?
買収は、自分たちにアセット含めた強みがないと上手くいかない。
営業利益率世界トップを維持する。
変えないことだけ(企業文化)を決めれば、
あとは全て変えて良い。
など、非常に勉強になりました。
引用
例えば、創業から長い年月がたつと、「既存事業の成長でいくら、周辺領域への拡大でいくら、足りない売り上げはM&Aで補います」といった売り上げ数字からバックキャストした中期計画を作る企業が増えてきます。
長期目標に向かうために、一番しなければならないアジェンダが中期計画に反映されていないことが多い。
売り上げを作るための机上の設計作業をしているように見える場合もあります。
「短期的な売り上げを作るのではなく、長期的にやらなければならないことに資源を全て投入したほうがいいんじゃない?」という話は、食事したときなどによくしますね。
東洋建設、買収提案反対 提案者推薦が過半の取締役会で - 日本経済新聞
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
長いですね。1年半以上です。それだけファンドが本気だということなのでしょうが。スタート770円からですから、ここまでで株主はそれなりに恩恵を受けていると思われます。
ここまで株価が上がり、DDコストをかけていると、ファンドとしてもなんとしても「取り切る」覚悟が必要なのかもしれませんが、ここからの値上がり余力も無くなって来るので、悩ましいところです。
引用
YFOは1年以上にわたり、東洋建設の同意を前提にしたTOBを提案している。YFOは9月、TOBを従来提案の1株1000円から1255円に引き上げ、買い付け開始を12月下旬とする提案を出していた。東洋建設は社外取締役全7人で構成する特別委員会を立ち上げ提案の検討を開始したほか、YFOによるデューデリジェンス(投資先審査)を部分的に受け入れていた。
【激白】大正製薬のMBO価格は「さすがに安すぎる」
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
ここは買い手の大手門のFAが野村、三菱UFJ、発行体のFAがみずほ、第三者委員会のFAがSMBC日興とほぼオールメンバーであることを考えても相当に議論されたはずです。
昨日の終値は8627円。ビミョーに買付価格より高いんですよね笑。これが株価が安過ぎるというメッセージまではいかないとは思いますが。行くならPBR1倍の10,141円まで行くはずなので。
公開買付届出書はまだザッとしか見てませんが、資本コストも永久成長率も割と納得感のあるものだったと思います。ただそれでもオーナー一族が買い戻すにあたり、PBR1倍割れでいいのかというのは、個人的にはまだ答えが見出せていないというのがホンネですね。
一方で長期に渡り、PBR0.5倍で放置されていたものを45%プレミアムで買い戻すことは、おそらくかなりの株主にメリットがあることだとは思います。
正直、結果を受け入れるしかないと思います。
また、仮にこの価格でMBOが成立しても少数株主は代表訴訟を起こして、裁判所に答えを求めることも出来ますし。
引用
もともとの株価が安かったので、5割以上のプレミアムを乗せても、買い付け価格が割安であることに変わりはないということだ。
買い付け価格の1株8620円を株価純資産倍率(PBR)で見ると、理論上の解散価値(PBR1倍)を下回る0.85倍。
日本酸素ホールディングス、孝行息子の胸の内 市場が勧める親離れ - 日本経済新聞
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
日本酸素のPBRは1.8倍、三菱ケミカルは0.8倍。Mcapは日本酸素が1.5兆円、三菱ケミカルは1.3兆円です。
ですから三菱ケミカルはスクイーズアウト出来る3分の2取得出来る約3000億円超かけてTOBするか、完全売却して他に投資するかですが、今の三菱ケミカルにはどちらも出来ない気がします。
引用
三菱ケミGは14年、TOB(株式公開買い付け)によって大陽日酸(現日本酸素HD)の株式保有比率を51%まで高め、子会社化した。足元の株価は3611円とTOB価格(1030円)を大幅に上回り、保有株の時価は約8000億円まで高まった。親子の時価総額も22年8月に初めて逆転し、足元では子が親を1400億円上回る。
親子上場の意義、東証が開示要請 1000社超が対象
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
【親子上場と小規模IPOはこれから10年かけて解決して行く課題】
個人的にはこの親子上場の問題と先般の小規模IPOの問題は、政府と民間がこれからの10年をかけて、日本のガバナンスも含めた企業競争力の強化とキャピタルマーケットの活性化のために解決していかなければならない問題だと考えています。
親子上場のメリットが唯一あるとすればコングロマリットディスカウントの解消です。
私は以前から親子上場反対の立場を取っていますが、自分規則で認めている限り、この問題な解決しません。その過程で先にマーケットから親子上場にNOを突きつければ、規則改定のスピードは一気に早まると思います。
親子上場では常に親会社と子会社の少数株主との利益相反や、親会社から見た子会社少数株主への利益流出などが課題とされており、私も実務で過去に何社かその課題解決に携わってきました。
特に子会社の上場については、親会社に依存することなく、独立した事業運営が可能か否かが、審査上重要であり、ヒト、モノ、カネ、情報等すべてにおいて、一定の定量的な数字をクリアしなければならず、結構ハードルが高い項目もあります。
具体的には、親会社から出向していた主要部門長を転籍させたり、親子間で取引を行っていた場合、その商取引の価格含めた取引条件が第三者と取引を行う場合と、遜色のないものに条件変更したり、役員構成の過半数を親会社出身以外の人間にすることが必要になるということですね。
ただし親子上場の問題を解決させるには、最終的にはその本丸である日本郵政グループの3社上場を解消させるしかないと考えています。
引用
東証は親子上場に関する開示要請とあわせて、親会社や個人の支配株主を持つ上場会社で独立社外取締役が果たすべき役割をまとめた通知も出す。独立社外取締役は「少数株主の利益を保護するという重要な責務を負う」と明記し、取締役会や特別委員会での役割などを示す。独立社外取締役が役割を十分に発揮できるよう、取締役会をはじめ会社側にも体制を整備するよう求める。
【解剖】マッキンゼーの秘蔵っ子「AI技術者集団」の正体
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
多分ここが一番重要で、何でも成功させるためには、ある一定量のトライ&エラーが必要なので、そこに到達するための時間が飛躍的に短くなるということなのでしょうね。
個人的には「質」を高めるには「量」、数をこなすことが必要だと考えています。
引用
マッキンゼーもその流れの中にあると思います。生成AIに限らず、デジタルの能力がなければ、企業の生産性改善の提案も、実行もできません。
いらなくなる仕事に目が行きがちですが、ポジティブに考えれば、プロセスが飛躍的に短くなることで、いろいろなことを何度も試せるチャンスになります。経営判断の質も劇的に上がると思っています。
生成AIで財務分析や戦略策定 中堅企業のIRや開示充実 - 日本経済新聞
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
金融は客観的なデータが大量にあるので、ヒストリカル(時系列 タテ比較)、マルチプル(同業他社 ヨコ比較)が可能となりわAIが最も得意としている分野ですね。
引用
実績の分析だけでなく、業績予測などにもAIの活用が今後広がりそうだ。経済予測AIのゼノデータ・ラボ(東京・台東)は年内にも、1年先までの企業業績を予測の根拠と合わせて提示するサービスを始める。証券アナリストがいない中堅企業の業績も予測できるようになる。金融機関などでの活用を想定する。
約4万5000の経済指標の中から、業績に先行するものを企業ごとに見つけ、先行指標と企業が産業構造上も関係があることを、解析用に購入したニュース記事などをもとに生成AIで分析する。企業ごとに業績と先行指標の誤差も表示することで、予測の信頼度を高める。
年末IPOラッシュに異変 進む小粒化、市場改革に逆行
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
今年が特にMcapが小さいのは、この2〜3年の大型調達のあとグロース出来なくて、やむを得ずダウンラウンドのものもあるからでしょうが、昔からIPOの公開価格ベースのMcapは30億円半ばで変わりません。
これは上場規則として、この規模感を認めている以上、小粒案件が多いのは、発行体だけの責任ではないでしょう。東証はIPOのMcapを大きくして流動性を高めたいなら、レギュレーションのMcapのハードルを高める(要は業績基準をもっと高くする)しかないですよね。
引用
次のテーマはグロース市場――。東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの議論の次に課題として取り組むのは、市場を通じたスタートアップ企業の後押しだ。「規模と流動性の観点からセカンダリー(流通市場)でもなかなか参加しづらい」。東証が市場改革に向けて運営する有識者会議では、IPO銘柄の小ささが機関投資家の参入を阻んでいるとの指摘があがる。
【沸騰】生成AIで稼げ!コンサルで激化する「異種格闘技戦」
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
これはこの通りで、既に今の段階でFAの仕事の60%くらいは生成AIで出来てしまうので、従来ほど人を採用せず、生産性を上げて少数精鋭の人材に多額の年俸を払うスタイルになると思います。
あとは生成AIで出来ないことは、個人のネットワークを活かした「営業」なので、昔の投資銀行のMDみたいな、「顧客を喜ばせる」人がバリューがあると思われます。
引用
コンサル会社はクライアント企業の役員に売り込みをかけ、案件を受注する。自社が持つ能力をまずは知ってもらわなければならない。
そこでアクセンチュアは年に1回、企業の社長を集め「CEOワークショップ」を東日本と西日本で開いている。テクノロジーや企業改革のトレンドを伝え、受注につなげようという狙いがある。
CEOに限らず、CSO(戦略責任者)やCMO(マーケティング責任者)、CTO(技術責任者)、CIO(情報システム責任者)など、あらゆる役員に向けたイベントも用意する。
「藤田晋、60歳」社内資料に愕然…サイバーエージェントが本気の後継者選びに乗り出したワケ
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
先日のファーストリテイリングの監査役が32歳であった様に、10年後の後継者を育てる、見つけ、その人に10年経営を任せるのであれば、必然的に今の人材プールは30代前半になりますね。
引用
22年の夏。都内ホテルの会議室で、サイバーエージェントの16人の幹部社員のプレゼンテーションが始まった。この16人が、藤田の後継者となる社長候補だ。
「16人を選んだ基準は、まずは年齢です。若返りが狙いの一つである以上、僕より一世代下の年齢層がターゲットになります。その中で、社内で評価され重要な幹部ポストに就いている社員を中心に選びました。最若手は30代前半の専務執行役員です」(藤田)
ベネッセがMBO 欧ファンドと「進研ゼミ」立て直し
田中 博文ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社 Founder and CEO
あるディールの関係で、この半年に早稲田アカデミー(早稲アカ)、リソー教育(TOMAS)、ステップ(STEP)、学究社(ena)の経営陣と話す機会があり、どこも業績は好調です。
今の受験は主戦場が、大学高校から中学受験(中受)に移ってきており、更には東大志向のトップコース(結果的にはこの層がMARCHレベルも牽引します。SAPIX層の合格偏差値の中央値は早慶上智でなくMARCHです。)と、学校の授業に付いて行けない層をなんとか大学入学まで押し上げるクラスの2極化が進んでいます。
一般的に東大を狙える層の子供は、自己管理も出来るため通信でも可能ですが、それ以外の層の子供は難しく、遊んでしまうのはご存知の通りで、この3つの学習塾が圧倒的にチカラを入れているのが、体面学習、しかも最近は個別指導に舵を取る様になっています。
更にはコホート分析的には、受験が一段落してKPIが下がりやすい、中受が終わった中1の受講生数、高校受験が終わった高1の受講生数を下げず、そのまま小5〜高3まで1人の子供を8年間囲い込む施策を取っており、更にはこれが最近では就学前の幼児教室、学童施設、スイミングスクールの上場企業との提携が始まりつつあるところですね。
NORMAL
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