松田 馨

現行の公職選挙法にも下記の規定がありますので、法改正は必要ないと思います。問題は取締当局の対応です。候補者による選挙妨害については前例がなく、すぐに取り締まりができなかったのではないかと思います。今回の件で逮捕者が出て、有罪となれば対応も変わるでしょうし、今後の抑止になるでしょう。 （選挙の自由妨害罪） 第二百二十五条　選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮(こ)又は百万円以下の罰金に処する。 一　選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。 二　交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀(き)棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

この記事にもあるように、選挙区内の有権者や政治関係者から出馬要請があると「裏で手を回して…」というイメージを持たれる方も多いと思います。そういう面がゼロではありませんが、世襲については、これまで支援してきた支持者や政治関係者から強く要請があることも多く、政治家との「共依存」のような関係があると感じています。 これまで何年にもわたって支えてきた政治家がいなくなることは、自分たちの影響力が低下すると感じる支持者の方も少なくありません。

市井さんの対応は潔かったと思います。今回のように比例名簿から削除できない場合があることが判明したわけですから、本人が当選を辞退する意向を示している場合には速やかに認められるよう、法改正をしてほしいですね。

この場合の政権交代というのは「自民・公明の議席を足しても過半数に届かないくらい衆院選で大負けする可能性がある」という意味だと思います。政治とカネの問題が長引き続ける中で、スキャンダルもあり、内閣支持率も自民党支持率も低迷しています。野党にとっては大きなチャンスですが、野党に勢いがない点がどうなるか。そもそも、これだけ自民党に逆風のなかで果たして解散総選挙に打って出ることができるのか、というのはあります。

いまの内閣支持率、政党支持率を考えれば当然そうなるでしょう。では負けるとわかっている時期に、果たして総理が解散をするのか。自民党総裁任期が今年の9月末ですが、衆議院の任期満了は来年10月末ですから、まだどうなるかわかりません。

派閥の領袖にはなれなかったとはいえ、座長という暫定トップの座にいたにも関わらず、その責任に見合う行動は最後までされませんでしたね。前回衆院選でも得票を1万票以上減らして小選挙区で落選、比例復活当選をされていました。無所属での出馬となれば次期衆院選では比例復活もできず、そのまま政界引退になる可能性が高いのではないかと思います。

「当事者としての責任を感じる文章では全くない」という自民党の平井卓也デジタル社会推進本部長の発言が引用されていますが、今後はディープフェイク動画を活用した詐欺広告なども増加すると思いますし、早急な対応が必要ですね。

表現の自由や選挙運動の自由については、できる限り認められるべきものと思いますが、だからといって他候補の選挙運動を妨害する自由まで認めるべきではありません。演説を聴きに集まった有権者の「候補者の演説を聴いて投票先を判断する権利」を侵害していることも大問題です。 街頭演説の映像を見ましたが、彼らは乙武候補や小池知事への誹謗中傷をするばかりで、自分たちの選挙運動はしていません。クラクションを鳴らし続ける、わざとハウリングさせる、などの明確な妨害行為をしています。 ■公職選挙法に規定はあるが 公職選挙法225条に「選挙の自由妨害罪」という規定があります。「演説を妨害し」という文言もあるため、つばさの党の根本氏や黒川氏の行動はこれに該当するように思われます。 （選挙の自由妨害罪） 第二百二十五条　選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮(こ)又は百万円以下の罰金に処する。 一　選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。 二　交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀(き)棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。 ■候補者による選挙妨害については前例がない ではなぜ、警察がその場で取り締まれなかったのかというと、根本氏が立候補しているからです。警察側が根本氏から選挙妨害で訴えられる可能性もあり、過去に判例もないことからその場での対応は難しかったのではないでしょうか。 ただ乙武陣営が刑事告訴・被害届提出の手続きを進めているようですので、仮に今回の件で根本氏や黒川氏が逮捕・起訴されれば一定の抑止にはなると思います。 彼らの行動は民意を代表しているものではなく、再生数稼ぎ＝金儲けのためにやっているだけではないでしょうか。こうした行為に共感する人が増えることは、民主主義の崩壊につながります。政治家に不満を持つのは自由ですが、投票所へ足を運び、その政治家の名前を書いた有権者が多数いるからこそ、その政治家は当選し権力を得ているのです。 民主主義は不断の努力によってしか成り立ちません。不満があるならまずは投票へ行く、応援したい候補がいなければ出てほしい人を口説くか、自分が立候補するなど、できることはいくらでもあります。

賃上げに向けて岸田政権はどのような取り組みや政策誘導をしてきたのか、しようとしているのかについて、官邸ホームページに特設ページがあります。 マスコミの報道に比べると、行政や政治家の発信はなかなか届かないため、最近ではこうしたホームページだけでなく、SNSアカウントでの説明も増えてきました。 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/chinage/index.html

やはり小池知事が出馬することはなく、応援に回られましたね。ファーストの会と都民ファーストの会が別組織というのが、ちょっとわかりにくいかもしれません。地域政党と国政政党の違いなのですが、維新を例にすると 【地域政党】大阪維新の会＝都民ファーストの会 【国政政党】日本維新の会＝ファーストの会 乙武さんは、ファーストの会の副代表に就任ということですね。

東京15区に関する記事で、一番読み応えのある記事でした。 ポイントは深谷隆司氏に取材をしている点。深谷氏は自民党都連最高顧問で、小池両氏とも付き合いが長いこと。さらに、小池知事の国政進出については二階氏の存在が大きいこと、今回の二階氏の引退による影響なども解説されています。

自民党内の熾烈な権力闘争を経験してきた小沢一郎氏の視点で見ると、岸田総理は非常に「したたか」であるとのこと。 岸田総理から政局をしかけたことはなく、政治とカネの問題で安部派も二階氏も自滅した感が強いが、派閥の解体や政倫審への出席を決めるなど、その時々での岸田総理の決断が今の流れをつくってきたのは間違いないと思います。