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テレ東「警察密着24時」を審理 逮捕後の不起訴言及せず、BPO
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ドキュメンタリー番組ならば、特定の主題についての事実で構成する必要があります。しかし現実には、「報道のようにみえる番組」に、(1)間接的にスポンサーが存在していたり、(2)通常は取材を許さないけれども取材を許すケースがが存在しています。これらのケースでは、企業は広報を目的としているため、企業側に都合が良い情報でないと金銭を支払ったり、協力したりする意味はありません。 テレ東「警察密着24時」は、警察関係者の協力を得て制作しています。警察としては広報の一環として番組に協力し、テレビ東京としては安い製作費ながら安定的に高い視聴率が稼げるドル箱として利用できるため、双方の利害は一致していたと思います(視聴者が正確な内容を知る権利は害します)。 ドキュメンタリー番組の体裁をとるのなら、少なくとも立件できなかった範疇の事件であるとして、事実に基づいて正確に構成する必要がありました。しかし、今回問題の「逮捕」は捜査機関の活躍を称賛するストーリーを描くことが目的ですから、内容を正確に報道すると「称賛どころか失態」のイメージにつながります。警察広報との間で結ばれた信義則を破ることになれば、今後は警察からの協力が得られなくなるため、制作側として正確な報道を避けたのだと思います。 報道番組の構成ながら実際は広報というタイプの番組をうまく利用して、視聴者を誤認させて利益を上げる手法については、報道機関のモラルが問われて然るべきでしょう。
「下請け」は差別的?改名案浮上 公取委、20年前は見送り
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
下請けは英語でも「Subcontractor」という言葉が存在しますが、本来は、下請けのポジションが必ずしも高収益を得られないわけではありません。 競争戦略のフレームワークでは、「事業の中心」と定義した企業から見て、(1)原料やサービスの供給者を売り手、川上、上流などと呼び、(2)商品を販売する先を買い手、川下、下流などと呼びます。 「事業の中心」から見て売り手は下請けのポジション、買い手から見て「事業の中心」は下請けのポジションです。お客様から見て、商品・サービスの販売者は弱いかというとそうでもなく、条件次第で強くも、弱くもなります。 売り手は常に弱いかというとそうではありません。売り手が強くなるケースは以下にあげる条件を満たすときです。 ・売り手市場が数社で寡占されている ・売り手企業から見て、取引先企業は重要な買い手とみなされない ・売り手の製品には競合する代替品が少ない ・売り手の製品が差別化されている ・売り手製品が買い手製品の品質に大きな差をもたらす ・買い手が最終ユーザーの意思決定を左右できない 買い手が売り手(下請け)より弱くなる例としては、 ・ダイヤモンド原石企業に対する宝飾品メーカー ・自動車メーカーに対する自動車販売会社 ・PCの部品であるCPUメーカーやグラフィックボードメーカーに対するPCの完成品メーカー などがあり、必ずしも買い手が弱いわけではありません。 以前、日本のカーエレクトロニクス企業の海外工場見学に招待いただいたことがあります。自動車の電装と自動化に大きく貢献していると自負し、「自分たちなくしては車は作れない」と聞いたので、「自動車メーカーに代わって、電気自動車をつくれば?」と尋ねました。その質問で即座に顔色が変わり、「自動車メーカーさんとの関係が崩れる。あり得ない」と叱責に近いコメントをもらいました。 その後テスラやアップル社の自動車販売が本格化しました。日本の多くの企業は、大手企業でも関係構築を最も重視するようです。一方で、欧米は違うという印象を持っています。競争戦略を理解すれば、下請けという言葉がナンセンスであることがわかります。
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マスク氏、スペースXの女性社員らと一線越える関係
The Wall Street Journal
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事前半、スペースXに在籍していた「今回のマスク氏のお相手」に関しては、自由恋愛の範疇と感じますが、一般論として「優越的地位にある方は、このような自由恋愛に対して慎重であるべき」という意見が多いと思います。もちろん、自由恋愛に対して第三者がとやかく言う資格はありません。しかしながら、優越的な地位にある方が劣位の方との私的な交際をする場合は、ハラスメントの問題に発展する確率が高いと思います。また、交際中の人物間や夫婦間に優遇があるように疑われてしまえば、弁解の余地を持つことが難しいという点も問題になります。 地位の非対称が問題となる例として、企業において人事権や考課の権限がある上司とその部下の関係、学校において成績付与の権限がある教授・教員と担当学生・生徒の関係、犯罪捜査を担う刑事と容疑者の関係などが挙げられます。 一般にマスク氏のようなケースが企業内で発覚すると、企業人事は当事者双方に事情を聞きます。そのうえでセクハラなどの不当な扱いや人事上の優遇が確認できなかったとしてもなお、「人事権を使い恋愛中の片方を異動させる」ことは珍しいことではありません。人事の透明性を維持し、企業内の秩序を図るためです。 「上司ができないなら部下に求めることはできない」というのが通常の感性ですから、企業としてこのような人物を上級管理者に登用することにも慎重にならざるを得なくなります。
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「iPS創薬」ALSの進行抑制 京大治験、白血病の既存薬活用
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
これまでの研究では、(1)実際の患者さんの体内では、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行の確認はされていませんでした。また、 (2) iPSを使った技術は直接的には医薬品の開発に使われてはいませんが、iPSで作られた細胞を既存医薬品のALSに対する効果予測に使ったところ、「ボスニチブ」については効果が示唆される結果を得ていました。 つまりは、これまでの研究では、医薬品の効果スクリーニング(選別)に対して、通常は動物の細胞などを使うケースが多いところ、より実際の投与対象に近い実験系を用いるためにiPSの技術を利用していました。その結果、既存の慢性骨髄性白血病に用いる医薬品「ボスニチブ」が効果を有する可能性がわかっていました。 今回は、既存医薬品「ボスニチブ」をALS患者に投与して、臨床試験で有効性をみた(患者26人中、少なくとも13人で病状進行が抑制)という内容です。 「ボスニチブ」は、現時点では慢性骨髄性白血病治療薬として使われています。慢性骨髄性白血病患者の遺伝子には、「フィラデルフィア染色体」という異常な遺伝子の発現が高頻度に見られています。この染色体が作り出す「チロシンキナーゼ融合タンパク質」が慢性骨髄性白血病の原因となることもわかっています。 「チロシンキナーゼ融合タンパク質」と患者体内の「ATP」という物質が結合すると、核内の増殖シグナルが恒常的に伝わり、白血病細胞の無秩序な増殖が起こることが、慢性骨髄性白血病が発症の主原因とされています。「ボスチニブ」は「ATP」に先回りして、「チロシンキナーゼ融合タンパク質」と患者体内の「ATP」の結合を阻止する作用機序を持ちます。 他方ALSは、運動ニューロン(生物の脳を構成する神経細胞)が選択的にかつ進行性に変性・消失していく原因不明の疾患とされてきました。 「ボスニチブ」が慢性骨髄性白血病治療薬として承認されるためには、「ボスニチブ」による慢性骨髄性白血病の発症メカニズムやALSと慢性骨髄性白血病の関連の詳細な解明と、より多数例での臨床試験の成功が必要になると思います。 (先のコメントに誤認が確認されたため、内容を修正しています)
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定昇、ベアに続く「第3の賃上げ」とは 実質的に手取りを増やす方策
毎日新聞
高橋 義仁専修大学 商学部教授
福利厚生とは、労働者の福祉向上を目的として、社員およびその家族のために企業が提供する諸施策の総称で、様々な内容が含まれてますが、2つの要素に大別されます。 第1は、「法定福利制度」と呼ばれているもので、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険などを指します。上記に書かれているものは、被雇用者が費用を出していますが、雇用者にも同等以上の費用負担が法律で義務付けられており、雇用者側から見ると人件費の一部で、経済負担がかかっています。 第2は、「法定外福利制度」と呼ばれているものです。具体的には、住宅補助、医療・保険、慶弔見舞金・共済、文化・教育・レクリエーション、食事補助、財産形成、自己啓発支援などを指します。今回の記事は、この部分について書かれています。 かつての日本の大企業は、終身雇用制から、「就職するとは、新卒入社後約40年間企業内で、その後は企業OBとしてメンバーシップの権利を手に入れること」と考えたため、世界に類を見ないレベルで「法定外福利制度」を充実させていました。 しかし、1990年代前半のバブル経済の崩壊により、企業経営に暗雲が立ち込め、それまで非常に待遇がよかった大企業は、まず手を付けやすい「法定外福利制度」の縮小を急ぐようになりました。その結果、企業が所有する保養所などの不動産が売却されていきました。 当時は組織内で「仕事ができる」と見なされた社員は極めて多忙で、保養所の活用やレクリエーションのベネフィットを利用する時間すらありませんでした。一般に保養所などを利用するのは比較的暇な社員であり、第三の給与である法定外福利厚生費が優秀な社員にわたらないのは問題であるとし、外国の影響を受けた「No work no payの原則に則らない悪い人件費の使い方」との主張が企業側から出され、「法定外福利厚生費を削減し、成果主義移行の原資として使う」方向に舵が切られました。 GoogleやOracleなどの社員食堂を見ればわかりますが、一方で外国企業の優良企業は、ほぼ無償で上質のレストランで出されるような食事を法定外福利厚生の一環として提供されています。社員のリクルート・つなぎ止めや、法人税節税に効果的で、これに倣って、かつて法定外福利厚生制度に乏しかった日本のIT企業などは法定外福利制度縮小の流れに逆行し、「今風」の福利厚生制度を充実させてきました。
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バイアグラが認知症に効きそう、という研究結果
ニューズウィーク日本版
高橋 義仁専修大学 商学部教授
発売に至った最初のED治療薬「バイアグラ」の商品名で知られる「シルデナフィル」は、サイクリック GMP(cGMP)の特異的ホスホジエステラーゼ・タイプ5に選択的に阻害作用を示す薬で、ホスホジエステラーゼ5阻害剤(PDE5I)と呼ばれ、PDE5酵素の活性を抑制することにより、平滑筋の働きを弱めて、血流を増加させる作用があります。 シルデナフィルは、当初からED治療薬として開発されていたのではなく、狭心症の薬として開発をすすめていました。しかし、その用途での効果と副作用のバランスで望ましい結果が得られなかったため、一旦は実用化が断念されました。その後、製薬企業の臨床試験およびマーケティングにかかわった社員が、臨床試験の参加者からの「服用した後に性的機能が改善したという報告」に注目し、目的とする効能を「勃起不全治療」に変更した上で、用量設定から臨床試験を再度実施し、今度はその有用性が認められるに至りました。 PDE5Iとして同じ系統の医薬品成分「タダラフィル」は、2007年に勃起不全治療薬「シアリス」として、2009年に肺動脈性肺高血圧症治療薬「アドシルカ」として、さらに2014年には排尿障害治療薬「ザルティア」として発売されています。 PDE5Iは、比較的広い範囲の平滑筋の弛緩が期待されることは過去の研究成果から推測できますが、脳血流の循環改善による認知障害の改善用途での臨床試験が不十分のため、認知障害用途には使えません。使用を想定した場合、予防効果から見た副作用(勃起の惹起など)に対してどのように対処するかなどの課題もあり、新しい認知症治療薬として使えるようになるかは未知数です。 脳血流の循環改善や代謝改善といった効能が期待される成分は、アルツハイマー型認知症に効くかもしれないという仮説は立ちます。かつて武田薬品工業は、「アバン」「カラン」という商品名の脳代謝改善、脳循環改善作用を有する医薬品を発売し、日本国内での販売額は、ピーク時、年間1000億円以上ありました。両剤は、プラセボを対照とした比較試験で効能を取得したものですが、その後の医療技術を取り入れた「再評価制度」に基づき、再度の臨床試験を行った結果、効果が確認できず承認が取り消された経緯をたどります。医薬品の販売には、新発売までおよび発売後にも、多くのハードルがあります。
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米大学で学費の高騰が止まらない! その額、年間1000万円超え | 高等教育は高嶺の花に?
クーリエ・ジャポン
高橋 義仁専修大学 商学部教授
米国やタイなどは、高度な教育は基本的に「私立大」の範疇です。学費は高額ですが奨学金を充実させ、極めて優秀かつ経済的には基準以下の方を取りこぼさないようにしています。ただし、成績が上位から落ちれば奨学金は打ち切りますから、学生は必死になります。こういう大学は成果も上がるため、国はここに大きな研究予算を投入します。一方、学費を抑えたい方は、国公立が費用を抑えた教育を行うというもので、ここにも政府は大きな予算を投入しています。 北欧に多く見られるものは、大学や大学院を無償または極めて安価に設定し、国は税金を投入し、人材育成により国家基盤をつくることを目指しています。 日本は国、企業とも高等教育の質を重視しない国家という印象をもちます。ですから、個人も教育費は安い方が良いと考えるのではないでしょうか。日本の国公立大学は固定費割合が高かったため、国はこれを問題視、これからは「自己責任」だとして、国公立大学の運営費を毎年1%程度削減するよう、研究者には「競争的研究資金を獲得して賄いなさい」との方針を出しました。 しかし、国等が定める「競争的研究資金獲得」のルールは申請プロセスが極めて非効率で、合わせるための管理業務と費用が増え、研究費をとるための雑用により研究どころではなくなり、また、大学に要求された経費削減の矛先が教育・研究に向かい、教員の一人当たり授業数が増加、研究生産性が低下しているというのが現状だと思います。 日本は、国内総生産(GDP)に対する全教育段階の公財政教育支出の割合は3.5%で、OECD加盟32か国(本統計母数、現在は38か国)の各国平均の4.8%を大きく下回り、下位数か国に入っています(現在の為替レートでは最下位水準)。 また、初等中等教育の公財政教育支出の割合は2.7%、高等教育の割合は0.5%で、OECD各国平均(各々3.4%、1%)をいずれも下回っています。(出所:Education at a Glance 2021 : OECD Indicators) 特に高等教育に関しては、OECD平均の半分に満たないGDP比の公的支出しかされていません。さらに、その支出が特に東京大学など特定の大学や医学部に極端に傾斜配分されているため、該当しない国立大学は窮地に陥っていることがわかります。(東京大学も世界水準では全く不十分なのが現状だと思います)
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【門外不出】学生をCEOに化けさせる、MITの秘密授業
NewsPicks編集部
高橋 義仁専修大学 商学部教授
MIT経営大学院は、いわゆる普通のMBAプログラムで基本カリキュラムが構成されています。すなわち、講座のコアカリキュラムは、経営戦略、人的資源、ファイナンス、アカウンティング、ファイナンスなどで、ケーススタディーを基本とした座学です。他の米国のトップスクールと同じく、高いアカデミックスキルがないと同校の専任教員になることはないので、教授陣は若いころから研究に明け暮れていた方ばかりで、起業の経験がある方は極めて例外的です。(ただ、ファカルティに入った後、企業の社外取締役として企業経営にかかわっている方は非常に多くいます) 記事にあるように、MITが特徴的なのは、単位非認定科目として「アントレプレナーシップ・ラボ」(サークルのような位置づけ)が開設されていることで、このラボの担当教授はビジネス経験があります。ただ、万能にビジネスを教えるということはしておらず(そのようなスキルと有する方は、どこを探してもいないと思います)、ここの教授の仕事は、研究等の経験を踏まえて、クラスのディスカッションやプロジェクトを進行させるためのメンターの役割が最も大きいと思います。また大学らしく、学説に基づいた起業家の考え方の伝授やチームでのプレゼンテーションへのアドバイスなどが多かったと思います。MITではビジネスプランのコンテストをしており、筆頭に選ばれれば、スタートアップするための最低限の資金が支給されます。(ただしMITの授業料は、奨学金を得られなければ年間1000万円以上かかります) またMITの特徴として自然科学系の学部が多いことと、米国を含む世界の特徴として学生が基本的に起業を志していることが挙げられます。そのような自然科学の技術を有する学生が、「経営戦略、人的資源、ファイナンス、アカウンティング、ファイナンスなど」の経営技術を有する場を求めて集まる場が、アントレプレナーシップ・ラボという位置づけです。 日本では大学での学びが社会に役立つことを理解して勉学に励んでいる方は全体から見ると少数派だと思いますし、企業も有能な若者の才能を生かすようなポストを新卒採用のポストでは与えてきませんでした。この点は問題でしょう。日本では、起業を志す学生で大学の授業を軽視する方は見られますが、MITの起業サークルでは、学問とのバランスをとる方はいるものの、軽視する方はいなかったと思います。
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CRISPRで風味改良された“ゲノム編集サラダ”、今秋一般向け展開も
WIRED.jp
高橋 義仁専修大学 商学部教授
そもそも品種改良は、望ましい特性をもった種を作り出すために、自然界で起こり得る速度をはるかに超えることを目指して、優良品種を選び出し、種をかけ合わせる人為的な遺伝子操作です。品種改良でおいしいイチゴやマスカットができたことに対し、否定的な反応はあまり聞きません。 (1)品種改良も(2)ゲノム編集(今回の記事にあるCRISPRのケースで、広義の遺伝子組換え)も(3)(異種間を含む)遺伝子組換え(例えば、ある物質を産生する遺伝子を大量培養しやすい大腸菌の遺伝子に挿入し大量生産するケース)のいずれにおいても、目的とする特性だけを獲得できるとは限らず、これを確認していなければ気づかずに流通して健康被害を起こすことが想定されますし、自然界にその生体を放出した場合には、既存の生態系を破壊する可能性があるため、流通前にしっかりした確認が必要になります。 (1)品種改良、(2)ゲノム編集、(3)異種間の遺伝子組換えはいずれも非常に有望な技術です。医薬品の製造においては、(3)の異種間の遺伝子組換え技術は不可欠ですが、遺伝子を組替えた生物の自然界への流出が起こらないような環境で生産されています。品種改良や遺伝子組換え植物の栽培は、自然界に拡散する可能性がより高いと思われるので、その点には注意が必要と思います。 遺伝子組換えの場合、自然界ではありえない変異の速度を得ることが目的ですから、より慎重さが必要です。しかし、品種改良を歓迎する一方で遺伝子組換え作物には一律に拒否反応を示すことへの合理性はないと思います。
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「飲みニケーションは仕事に必要」「だったら会社辞めます!」上司と新入社員、どっちが正しい? - 組織を壊す「自分ファースト」な社員たち 木村政美
Diamond Online
高橋 義仁専修大学 商学部教授
主張が分かれる話題だと思いますが、私は次のように考えます。 1 基本的に仕事にはコミュニケーションが必要 特に、起業・企画系、チームでの仕事については、コミュニケーションの質が成果に影響を与えます。コロナ禍で、米国の友人実業家グループにアンケートを取りました。行動制限下では生産性が変化したとし、その内訳は、「作業型の仕事の生産性は15%ほど向上するが、企画力を必要とする仕事は逆に15%ほど低下する。米国は事業のリモデリングからのイノベーションが生産性の向上を果たすタイプの企業が多いから、コロナ禍が続くと痛い。」とのことでした。 研究者仲間が集まる学会・研究会も懇親会は付随していることがほとんどです。理由は、研究のアイディアや共同研究への発展がこのような自由な発想の場から生まれることの方がはるかに多く必要だからです。他先進国の研究会は、基本的に懇親の場を付随させる設計になっています。 2 条件によって懇親会は生産性の低下を招く 有害ケースの典型は以下の通りと考えます。 (1) 単に権力を見せる場になっている 日本で多く見られる現象ですが、上司先輩が上に立ち、社内地位が低いものに対して、単に飲ませることにより優越感を感じる場になっているケース。生産性が高まるコミュニケーションは対等から生まれるため、このような懇親会は生産性の質的向上には無意味です。強制的に飲ませれば、犯罪の可能性すらあります。 (2) 飲み会自体が目的化している 業務生産性が上がる会合はコミュニケーションの質的向上が目的ですが、中身のない飲み会を高頻度に繰り返すようなやり方は、体力が消耗し、効率が落ちます。自己研鑽の時間も無くなります。 (3) コミュニケーションが生産性向上を生まない 高難度業務でも個人で行う要素が100%近い業務のケースはコミュニケーションをとるよりも、自身の業務を突き詰めた方が得策かもしれません。しかし完全に自分完結し、それだけで高評価を生む仕事はあまりありません。 記事に言及すると、上記2に該当するのに飲み会にひつこく誘うような企業は、行く末も心配ですし、なにより本人のためにならないので、その視点から会社を辞めたほうがむしろ良いのではないかと思います。上記1の機会を自ら逃しているのであれば、考え直した方がよろしいかと思います。
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ラーメンに「1000円以上」払えるか、いまラーメン店が「岐路」に立たされていた…!
現代ビジネス
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