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欧州、エーザイ認知症薬「レカネマブ」 の承認否定 副作用を懸念
Reuters
高橋 義仁専修大学 商学部教授
効果について、「レカネマブ」の日本での承認時に検討されたデータとして、主に米国で企画された臨床試験で、「レカネマブ」と「プラセボ(偽薬)」で二重盲検比較試験が行われています。主要評価項目である治験薬投与後18 カ月における認知スコア(CDR-SB)の規定値からの変化量は、「プラセボ」群と比較して27.1%抑制しています。また、「レカネマブ」群では、投与後6カ月以降の全ての評価時点において、プラセボ群と比較して認知スコアの悪化抑制が示され、投与群間の治療効果の差の絶対値は経時的に増大していますが、「レカネマブ」群も低下していることから、進行を遅らせる結果が示されています。 副作用および有害事象について、「レカネマブ」群、「プラセボ」群いずれかの群で5%以上に発現した有害事象による死亡は、「レカネマブ」群で6例、「プラセボ」群で7例に認められていますが、いずれの群も治験薬との因果関係は否定されています。重篤な有害事象は、「レカネマブ」群14.0%(120/898例)、「プラセボ」群11.3%(94/897例)に認められています。治験薬の投与中止に至った有害事象は「レカネマブ」群 6.9%(64/898例)、「プラセボ」群 2.9%(28/897 例)に認められています。治験薬との因果関係が否定されない有害事象は、「レカネマブ」群44.7%(401/898 例)、「プラセボ」群 22.0%(197/897 例)に認められています。 費用について、「レカネマブ」の治療費(日本)は、年間約300万円の薬価がついています。欧州ではそれと同等以上の価格で販売されることが予想されていましたが、上記のデータ(効果、副作用、費用)を総合的に判断して、欧州の審査当局は使うべきでない医薬品と判断したため、今後欧州での使用は認められない可能性が高いと思います。 米国でも承認に議論を呼んだ医薬品でした。米国は国内判断を優先するため、ほとんど影響がないと思いますが、米国独自に臨床成績の追加試験が求められているため、その結果次第で現在の承認内容が見直される可能性があります。日本は、基本的に米国の審査結果の追随、場合によっては欧州の審査結果を追随しているため、欧州委員会の今回の判断をもって、将来影響を受ける可能性は否定できません。
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イーライリリー、時価総額18兆円失う-肥満症薬で競合企業の開発進展
Bloomberg.com
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事に書かれている、ロシュ社が開発している「CT-996」は2 型糖尿病と肥満の両方の治療薬とし1 日1回経口投与のGLP-1受容体作動薬で、低分子設計とし、経口投与を目指しており、ノボノルディスク社やイーライリリー社がすでに発売している注射を必要とするGLP-1受容体作動薬に対し、差別化が図れるとみられます。 「CT-996」はヒトに投与して効果と副作用を確認するために少数例で検討する再初期段階の試験で、3つのパートから構成される「臨床第1相試験」の途中です。その内、パート1は過体重または肥満の参加者 40 名に対する単回漸増用量試験、パート2は2型糖尿病を患っていない肥満の参加者合計25名からなる3つのコホートに対する複数回漸増用量試験でした。コホートとは、調査時点で、仮説として考えられる要因を持つ集団と、それを持たない集団を追跡し、両群の疾病の罹患率または死亡率を比較する方法の総称です。 パート2の結果は、学会で議論される前の社内データの段階として、2024年7月18日に発表されました。肥満で2型糖尿病のない被験者にCT-996を投与したところ、4週間以内にプラセボ調整後平均体重減少が-6.1%と臨床的に意義のあることが示されています(p <0.001)。ロシュ社の株価は、この結果を受けて上昇しています。 今後のパート3では、肥満および 2 型糖尿病の参加者30名からなる2つの連続コホートに対する複数回漸増用量試験が、2024年第4四半期に開始予定されています。試験の主要評価項目は CT-996 の安全性と忍容性であり、副次評価項目には CT-996 の薬物動態の評価、体重と血糖恒常性への影響が含まれます。これら臨床第1相試験の結果を評価して、今後臨床第2相試験に進むことが検討されます。 今後、臨床第2相、3相と進むことができれば、少なくとも数千例の患者に対してプラセボまたは既存薬との比較試験が行われますが、確認に5年以上かかりますし、今後の結果の保証もありません。イーライリリーの株価の下落については、バイオ領域の株式は過敏すぎる反応を見せやすいことに加え、イーライリリーの株価の調整、GLP-1受容体作動薬市場見通しの影響も併存していると思います。
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「独裁経営者」の時代、ただし永遠にあらず
The Wall Street Journal
高橋 義仁専修大学 商学部教授
読み応えがありますが良記事だと思います。デュアルクラス株とは、株式の議決権などに及ぼす影響を種類別に区別する意図で発行されるものです。日本では、種類株式という名称で呼ばれ、配当・残余財産の分配・議決権・譲渡などに関する事項に特典(優先)、もしくは制限があるなど、普通株式とは異なる権利内容が盛り込まれています。 株式会社の形態のメリット・デメリットとして押さえるべきことは「1株1票の原則」と「有限責任制」「譲渡の自由」です。これらの特徴により、多くを出資すれば企業経営への影響力が大きくなり、株式の流動性が確保しやすいという退出障壁も低くなることから、株式取得への参入障壁が下がります。結果、多くの資本家をひきつけることができ、結果として多額の出資が募りやすくなり、株価を高く維持できるようになります。 しかしながら、この外部から株主を呼びやすくなる特徴により、企業が買収される可能性が高くなり、それを望まない株主(例えば創業者)からはこの点は「危険性」として認識されます。しかし、出資を募りやすくはしたいので、特別な株主に対し、議決権を多く付与した種類株式を付与して、安定を図ろうとするものです。つまりこれをすすめるということは、望むものに対してだけ、メリットに比べデメリットを少なくすることであり、当然に株式会社の公益性を揺るがします。 これを避ける制度として、日本にも2006年の会社法で合同会社(LLC: Limited Liability Company)の形態が導入されています。株式会社が原則1株1票の議決権であるのに対し、合同会社は事業のルールや利益配分のルールを出資者間で決めることができます。資本よりもむしろ知的財産が企業の競争力を決定するような場合に適した会社形態で、出資者はすべて有限責任、株主総会や取締役会などの会社機関を設置する必要もありません。株主にあれこれ言われたくないなら、株式会社のまま非公開企業(上場廃止)するか、合同会社などに移行すべきでしょう。 株式会社ながら、特定株主だけが良いとこどりを意図している規約の企業について、ここに投資する側からみれば、一般に不利になると考えて良いと思いますし、このような企業は、一般にコーポレート・ガバナンスに問題がある企業が多いとみて差し支えないと思います。
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小林製薬、会長辞任の小林一雅氏に月額報酬200万円 異例の処遇、経営刷新に疑問符
産経ニュース
高橋 義仁専修大学 商学部教授
小林一雅氏は、かつてトップ高額納税者として紹介されていた方ですし、小林製薬の大株主ですから、月額200万円程度の報酬が欲しいわけではないことはわかっています。しかし紅麹問題はあるものの、中興の祖としての実績は誰の目にも確かなものでしたから、社内に向けた貢献度合が可視化できるものとして、「特別顧問」という肩書をつけたかったことも理解できます。 ただ今回のケースでは、それをすると、今回の記事のように書かれることが予想できるため、そのような「見かけの厚遇」を示すことにリスクを感じる方が身近に1人ぐらいいても良かったですし、いたかもしれませんが、実際には誰も「問題点」を元会長に言えなかったのだと思います。 本来、このようなときのために社外取締役がいるのですが、その方々すら今回の結果のように適当に流してしまったので、このような問題が発生することになりました。防護壁がいろいろと機能しておらず、残念です。 「取締役」は会社法で規定されているポストです。取締役と会社との関係は委任契約関係で、取締役は会社に対して善良なる管理者に期待されるべき注意義務(善管注意義務)を負います。会社法では第423条で「その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を(自己の財産により)負う」と定められており、ミスが直接法的な責任につながることから、責任あるポストです。 一方、日本企業に特有にみられる「顧問」、「特別顧問」という「意見は言うが責任はない、経営者としての公式のポジションでない役職」は、責任関係が非常にあいまいであるばかりか、社内の意思決定の遅延につながる恐れがあり、コーポレート・ガバナンス上問題が多いと言わざるを得ないポストと認識されています。
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キリンによる買収劇、狙いは「ファンケルの特許」。識者が語る2200億円TOBの真実
Business Insider Japan
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事中の分析についてはほとんど同意見ですが、主題の「特許数をもっての将来性の予測」については、やや感覚が異なります。特に化合物の物質自体の特許は「数」ではなく「質」が重要なはずですから、「数の多さにより同社の特許に魅力」という分析については疑問があります。特許の申請に係る弁理士氏の立場と、製品開発のバックグラウンドをもつものの立場との考え方の違いでしょう。 ファンケル社主力のサプリメント事業については、キリンがファンケルの買収を決断した時期にはなかった「望まれない外部環境」へと変化しています。今回の価格での買収がキリンにとって有利なものかについては、疑問をもちます。 キリンの事業ドメインは、かつて国内ビール市場中心でした。しかし、アルコール飲料への嗜好の変化により、他のアルコール飲料やソフトドリンク市場に参入するようになりました。さらに、アルコール飲料総マーケット減と国内人口減が加わり、海外に活路を見出します。まずは、ブラジル2位のビール会社を買収し、その後ブラジル撤退で大きな損失を計上しました。ついで、日本政府の後押しもあり目を付けたのが、ミャンマーの国営(政変前から実質軍営と言われていた)ビール会社でした。ミャンマー政変前ですら、軍への資金還流がミャンマーの一部民族への人権侵害に使われていると国際人権団体に指摘され窮地に陥っていた企業でしたが、買収後に軍事クーデター(政変)が起こりました。ミャンマーでのビール事業の問題は決定的になり撤退、ここでも大きな損失を計上しています。 そこで次の柱として、サントリーやアサヒが先行していた「サプリメント」マーケットを、今回の多角化のターゲットとして選びます。しかし、小林製薬のサプリメント(食品扱い)による健康被害問題が発生します。ファンケル製品も基本的に同じカテゴリーの商品ですから、今後多くの海外市場と同様に、サプリメント事業が規制対象になることも考えられることから、サプリメント市場予想の見直しは不可欠でしょう。その中で、ファンケル社のTOBはすでに決定した事項として強行する点については個人的に疑問を持ちますが、同社の社風を理解すれば、むしろ違和感はないのかもしれません。
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iPS肝臓で肝硬変改善 移植に代わる治療に期待
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
記事にあるように肝臓は再生しないことから、人工肝臓の移植は、再生医療の中でも特に生命を救う効果が高いものとして期待されていました。実際に2005年頃、iPS細胞が発見される以前の万能細胞として知られていたES細胞(胚性幹細胞)からの人工肝臓の事業化に関わったことがありますが、当時の技術では、研究室レベルでの肝細胞への分化はできるものの、事業化レベルが困難なことと、研究室レベルでも人工肝臓(臓器レベル)までへの育成は難しい状態でした。 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、同様のレベル(肝細胞への分化)までは行えていることは、まずは今後の医療発展や医薬品開発につながっています。例えば、再生細胞ができるレベルであったとしても、ヒトの生体細胞を使って医薬品開発時に薬理実験をすることにより、ラットの細胞を使って同様の実験をする場合などより、ヒトにおけるより正確なデータを得る研究に利用できます。(ヒトES細胞はヒトの卵子からつくられるもので、生命倫理の問題が存在しており、iPS細胞が発見された後は、メインステージをiPS細胞に譲っているのが現状です。) 今回の報道は、細胞を病変を伴う肝臓の表面を、健康な肝臓細胞に置き換えるだけで、再生肝臓までは行かずとも肝機能を改善することを見出している点に学術貢献があるもので、これを汎用性があるものと理解すれば、生体肝移植などでも同様の効果があることになります。これは、臓器移植という手段を用いる治療において、低侵襲、中効果を狙う新しい治療の考え方として、今後注目されることになるかもしれません。ただ、記事からは、なぜそうなるのかがわからないことと、ラットでの初期的な実験であることから、今後の研究の蓄積が必要と思います。
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タンクに青カビ付着を認識も放置 検証委、小林製薬創業家2人辞任
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
青カビの付着を不問とするのは、製造工程を事前登録するような形で製造承認を取得する医薬品の製造ならあり得ず、即座にラインを止めます。医師からの健康被害の問い合わせに、「腎疾患の症例がない」と回答していたことについては、時期がわからないためコメントができません。しかしながら、同社に健康被害が相次いで報告されたときの対応は医薬品の場合はあり得ない対応でした。医薬品の場合は関連が疑われる副作用および、感染症、死亡など、生命に重篤な影響があると思われる場合には関連の確認が取れなくても、まずは全症例を厚生労働省に迅速に直接報告する対応を取ります。厚生労働省は、その報告の集まり方で、暫定的な出荷の停止などの対応を製薬企業に指示するか、あるいは製薬企業が自主的に出荷を停止します。 もし紅麹関連商品が医薬品なら、同社の対応に問題があったことは明らかです。そもそも論になりますが、薬効を期待して高濃度で含有させる成分が入った商品を食品として、ほぼ無規制で販売することができる状態を見直すことが必要でしょう。 創業家出身者2名の代表取締役辞任は、2024年7月23日開催の臨時取締役会において決定しています。代表取締役には非創業家から就くとのことです。同社(同族経営)の性格としてはイレギュラーなことです。 小林彰浩氏(前代表取締役社長)は取締役は辞任せず、次の株主総会までは取締役として企業の意思決定に関わります。補償問題の対応は労力がかかる重責ですから、取締役メンバーが担当することは妥当な判断のように思えます。 小林一雅氏(前代表取締役会長・取締役)は引責で取締役を辞任することをもって代表取締役会長の資格を失いますが、日本企業に特有にみられる「特別顧問」という「意見は言うが責任はない、経営者としての公式のポジションでない役職」につかれることについては、企業のシステムから見た場合の意味が分かりません。 全体として、問題解決に向けて前向きに動くための辞任・役職変更という点で、評価できると思います。
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外資系経営コンサル会社、MARCH・日東駒専クラス出身者が増加の理由
ビジネスジャーナル
高橋 義仁専修大学 商学部教授
私が指導するゼミナールの出身者で外資系、国内系ともに戦略コンサルティングで活躍している方は定期的にいますが、採用をもらう方の特性ははっきりしており、バランスも重要だと思います。気づいている点をあげると、 1 必須項目(すべてが必須) 仕事に関連する知的好奇心が並外れて強いこと コミュニケーションを伴う行動力が並外れて高いこと 論理性を重視した思考力(地頭)が高い(良い)こと 分析・立案業務に対する体力が並外れて高いこと 学力自体が目的化していないこと 2 推奨項目(欠ける部分が2~3程度まで) 求められたときに論文レベルの文章群を書ける能力を保有していること 起業活動またはビジネスを計画する能力が秀悦で、実行までしていること 英語でのコミュニケーションにほぼ支障がないこと 基本的なビジネスフレームワークを運用できること 中級以上のプログラミングなど一般に誰でも保有していないビジネスに関係する技能を有していること 難関資格を有していること(公認会計士など) 上記プロファイルに適合する方が、難関大学出身者に多いことは承知していますが、上記のプロファイルがあることが優先されますので、もし有していれば採用の対象に上ると思います。
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アマゾン、処方薬ネット提供開始 薬局2500店舗と連携
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
日本でオンライン処方が実質的に可能になったのは、2022年3月31日付けの改正省令が公布された後です。この改正では、ようやく「薬剤師の責任・判断により初回からオンライン服薬指導を実施可能とする」「オンライン診療・訪問診療において交付された処方箋以外の処方箋においてもオンライン服薬指導の実施を可能とする」になりました。それまでは、「オンライン診療を受けて発行された処方箋しか、オンライン服薬指導ができない」という奇妙なものでした。 「服薬指導」とは、薬剤師の業務の一つで、患者に対して処方薬の薬効や副作用などの説明(情報提供)を行うことです。 薬剤師法で義務として定められている業務ですから、行わずに医薬品を渡すと法に違反します。(医師が診察なしで処方箋を発行するのと同じく) 薬局の開設には、調剤薬局ごとに基準を満たし、個別に開設許可を得る必要があります。 例えば、 (1) 薬局であることがその外観から明らかであること (2) 面積は、おおむね一九・八平方メートル以上 (3) 医薬品を通常陳列し、薬剤や医薬品を交付する場所は60ルクス以上、調剤台の上は120ルクス以上の明るさであること (4) 冷暗貯蔵のための設備を有すること (5) 鍵のかかる貯蔵設備を有すること (6) 調剤室は6.6平方メートル以上の面積を有し、薬剤師不在時間には閉鎖できる構造であること (7) 薬局の開店時間内は、常時、当該薬局において調剤に従事する薬剤師が勤務していること (8) 薬局における1日に扱う平均処方せん数が、40までの場合は1名、40以上は、プラス40(またはその端数)ごとに1名ずつの薬剤師を置くこと 薬局の開設基準にオンライン専業とリアル店舗の区別はありません。オンライン調剤薬局も医療機能を担う調剤薬局で、薬剤師有資格者自身がパッケージング(調剤)を行うことを前提として、上記(8)がありますから、アマゾンが得意とする規模の経済が獲得しにくい環境にあります。したがって、アマゾンは、現時点では「ウエルシアなどリアル調剤薬局を有する企業と協業を行う方がまし」という判断をした模様です。ウエルシアなどリアル調剤薬局にとっても、アマゾンが日本でリアル店舗を開設してくることは絶対的な脅威になり得ることから、協業に関しては利害関係が一致したということになるでしょう。
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【ニデックの買収劇から考える】今はM &Aブームなのか?経産省の新指針「同意なき買収」の中身とその行方は?
月刊誌「Wedge」のウェブ版
高橋 義仁専修大学 商学部教授
様々な資料によると、M&Aに関する経済産業省の主観としては2つの方向性があります。 1 賛成の立場 日本企業は後継者難に苦しんでおり、それを理由とする廃業がかつてない規模で増加しています。これに対してM&Aで対処することにより、事業承継を可能にして、産業の延命を図りたいとする場合は賛成しています。 2 反対の立場 経営手腕が振るわない企業について、買収して事業の再構築を行うことができれば企業価値が上がりますから、外国企業から見て経営手腕が振るわない日本の企業はねらい目に移ります。しかし、その企業が、日本の重要なインフラの一部を担っている有力企業や政府に近い企業の場合、政府に助け舟を求めているようで、これに応じる場合は、反対しています。 政府ですら立場により賛成、反対のどちら側にもついています。どうしたいかという点では意思が反映されるわけですが、本質的には、企業は上場した時点で、株式の公開を行い、その購入者は基本的に外国人を含め誰でもなれ、買収や合併も日本政府が認める資本政策の一つですから、経済産業省がいろいろ言うまでもありません。記事には「ニデックの買収劇は指針が有利に働いた」との記載がありますが、買収したい立場の方においては、関係なかったと思います。
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新型コロナ、8~9月に流行拡大 有識者、治療費軽減を要望
共同通信
高橋 義仁専修大学 商学部教授
ワクチンに関しては、現在全額国費で実施されているものが、自由診療(自費診療)になっています。インフルエンザワクチンの接種と同じです。治療に関しては、健康保険の自己負担の範囲で、医療費の支払いを求められるようになっています。記事にある、自己負担1.5万円であれば、保険適用前の医療費として5万円に相当しています。 医薬品の価格が高いから、患者が来ず、社会的に損失をまねくというのが医療機関の言い分ですが、新型コロナ用の医薬品が高額であることは、薬価のルールに基づくもので、このような価格でないと、利益が出ないというところから計算され、国が指定したものです。 2類感染症に指定されていた時は、蔓延防止の対策から、ワクチン、医薬品ともに全額国費負担でしたが、5類移行によりワクチンは全額自己負担に、医療費は3割負担(ただし高額医療費上限まで)に代わっていました。また国費負担にするためには、2類に戻さないと法律上対応できないと思います。そうすると行動制限を伴わせないと、片方でブレーキ、片方でアクセルを踏んでいる状態ですから、ちぐはぐな感じが否めません。 現状程度では、深刻な状態ではあるものの、医療費だけを低減することは医療機関や製薬企業の経済的保護になるだけですから、法律の制約上できないでしょう。必要があるレベルなら、再び行動制限を伴わせながら国費負担ということになると思います。
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