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【勃発】中国とオーストラリアの「リチウム戦争」が凄まじい
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
リチウムはオーストラリアやチリで採れますが(そして中国は産出量世界第3位)、リチウムイオン電池をつくるのにはリチウムだけではなくニッケルやコバルトも必要です。
インドネシアやフィリピンで採れるニッケルも中国企業が押さえているシェアが圧倒的に大きいですが、コンゴ民主共和国やロシアで採れるコバルトはほどんど中国が押さえています。
オーストラリアが、コスト度外視でリチウムの精製をしたとしても、リチウムイオン電池の主要生産国にはなれません。
原材料を圧倒的に確保しているのは中国だけで、生産コストからいっても中国で全部つくってしまう方が競争力があります。
EVまで中国でつくってしまうほうがコスト面では合理的だし、実際、その製品は世界的な競争力があります。
オーストラリアは、精製前のリチウムを大量に中国に買ってもらう国、ということで、それなりに恵まれた国ではあります。
オーストラリアがリチウムイオン電池生産国として中国に取って代わるなら、オーストラリア単独では無理ですが、日本企業であれ米国企業であれ、残念ながらオーストラリアに手を貸しても中国に替わるリチウムイオン生産地にはなりえません。人材や設備の問題もありますが、コバルトを中国が押さえている時点で無理です。
中国、ASEANへの投資拡大=高まる影響力に警戒感も
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
これは長期に渡る傾向ですが、加速を続けています。
基本的には、中国国内での投資で大きなリターンが望めなくなっているからでしょう。これ以上住宅やインフラを国内に増やすわけにもいきません。テーマパークとかもだめでしょう。つまり、1990年代の日本です。
ドルに対して強くなった人民元は国外への投資を進めています。
同時に、ASEANへの投資は、複数の必要性に迫られてのことです。いずれも、中国国内の人口減少、人手不足(高学歴化)、人件費高騰の結果です。
① 生産拠点の国外移転。これは特に労働集約型の軽工業、繊維や雑貨、さらには農業や漁業なども国外で経営する企業があります。
② 外国人労働力の導入。全ての産業が国外移転する訳にもいかず、それに中国政府は資本の国外移転に必ずしも好意的ではありません。国内で操業を続けるためには中国人だけでは人手を確保できず、ベトナム人、カンボジア人、ラオス人などが中国へ働きに来る、ということが増え続けています。
③ 資源の確保。これはずっと前からの傾向ですが、ASEANだとミャンマーで顕著です。アフリカ諸国やアフガニスタンにも進出していますが。
プラザ合意後の1990年代の日本に近く、企業などがやむにやまれず東南アジアへ進出している、というのが実際のところでしょう。
もちろん、これで中国のASEANへの政治的影響が強まる、とはいえますが、中国に経済以外でASEANを意識した外交政策があるかというと、あまりないでしょう。
中国の外交政策は、まず米国を意識したもので、それに台湾、日本、韓国などが付随してきます。ASEANはさらにそれらの外側にあり、米国の側につかなければそれでいい、くらいの意識でしょう。
トルコ大統領にエルドアン氏 野党統一候補との決選投票制し
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
大統領選決選投票の前に、議会の議席は確定していました。
エルドアン大統領の政党(AKP)は、国会(1院制、総議席600)で268議席持っていて、トルコ民族主義政党と連立すれば320は超えるので、安定感があります。
クルチダルオール候補の政党(CHP)は128議席、政策の異なるリベラル政党やイスラーム政党、クルド人政党と連立したとしても、270程度で、過半数はとれません。
議会多数派と同じ政党の大統領の方が、法案はすぐに通るので、実効力が保障されています。
エルドアン大統領当選で、トルコリラはさらに下がり、初めて1ドル=20リラになりました。エルドアン政権当初は1ドル=1.5リラ程度だったのですが。
日本でいえば、10年間で1ドル=100円から1ドル=1400円になったようなものです。
それは、輸入した食料品をはじめ、インフレにもなります。
トルコの通貨安とインフレは、新興国の多くで共通して見られることですが、トルコは程度がひどく、長期間過ぎます。
当然、対外債務返済が困難になっていきます。
通貨安とインフレはイデオロギーや、近隣諸国との外交、ましてや民族間対立を煽っても解決するものではなく、新産業の育成と輸出主導型の経済成長によって解決されることが望ましいです。
エルドアン政権は、対外債務の増大と、国内のインフラ整備を含む建設業への投資が大きすぎました。
クルチダルオール陣営が、経済政策の転換に向けた処方箋を示せていれば結果は違ったかもしれませんが、クルチダルオール候補が当選したからといって、経済政策が変わりそうな展望が見えませんでした。
トルコ大統領選 決選投票始まる 現職と野党候補の接戦か
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
エルドアン大統領支持層:地方農村部、地方都市、イスラーム色の強い層、トルコ民族主義者
クルチダルオール候補支持層:ヨーロッパ寄りの西部大都市(イスタンブル、イズミルなど)、東部のクルド人、アルメニア人、世俗的リベラル層
クルド人は重要な票田ですが、ほぼクルチダルオール候補支持で固まっているので、変動は無く、票の積み増しにはならないでしょう。
変動しうる(フェンス・シッター)のは、それほどイスラーム熱心でもなくリベラルでもない都市部のトルコ人でしょう。
仮にクルチダルオール候補が当選したら、対ウクライナ政策に多少の変化はあるかもしれませんが、トルコ国内では対シリア政策の方がはるかに問題になっています。
ロシアもウクライナもトルコに対して何かしてくるわけではないですが(小麦と原油とガスが輸入できればそれでよいので、その意味では、おそらくエルドアン政権とあまり変わりありません)、シリアからは300万人の難民が来ているからです。
シリア難民300万人を、エルドアン大統領は12年間に渡って追い出せずにいる、ということを、クルチダルオール陣営は攻撃材料にしています(こういう点では、クルチダルオール陣営は欧米でいう意味でのリベラルでは全くありません)。
そうはいっても、クルチダルオール陣営に具体策があるわけではありません。300万人もの人間を無理矢理国境の向こうに押しやる、というのは、武力を使わずにできることではなく、まず虐殺を引き起こします。
比較的円滑に進めるには、シリアのアサド政権と協力して送還を進めることになりますが、そういう実行力ではエルドアン大統領の方が上でしょう。

【孤立の社会学】日常に潜む「人とのつながり」を断つ要因
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「孤独」は社会学の古典的なテーマです。
フランスのデュルケームが1897年に『自殺論』を刊行して、工業地帯では農村よりも自殺率が高いこと、そして工業地帯でも自殺率が高いのは、農村から出てきてそれまでのような共同体に属さずに共同体への帰属や規範を失った(アノミー状態)工場労働者たちである、ということを統計によって検証しました。社会学を確立した基礎の1つといえる記念碑的研究です。
米国でも1950年にリースマンの『孤独な群衆』が刊行されました。
米国の人間関係がマスメディアによって変わりつつある、という話です。流行や規範、育児法などまで、人々は地域社会や職場の同僚、あるいは家族でさえなく、マスメディアから影響を受けるようになっている、という話です。
社会学だけではなく、メディア論、コミュニケーション論の古典です。
「孤独」が論じられる時、だいたい新しい技術のせいにされます。
工業化が悪い、マスメディアが悪い、この記事だとソーシャルメディアが悪い、とされています。
そして、多くの場合、「孤独」への処方箋として、昔の共同体や昔の技術(手紙とか)へ回帰することが勧められます。
ソーシャルメディアが大学生を本当に孤独にしているのか、については、少なくとも教壇から観察しているよりは、統計的に検証した方がいいでしょう。
新しい技術は、確実に人間関係のあり方を変えます。
それは、古い人間関係が失われていくことであり、かつてはありえなかったような新しい人間関係が可能になる、ということでもあります。
結局のところ、ケースバイケースで、私のように友人といえる人間はほとんど外国にいるし、それは技術によって可能になった、というケースもあるでしょうし、自分の大学内に友人がいないと不安、という人間もいるでしょう。
確実なのは、個々の人間がどう感じようと技術は人間の関係のあり方を変えていくし、数十年もすれば人間が技術に適応していく、ということです。
日本映画、カンヌでW受賞 役所さん男優賞、坂元さん脚本賞
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「日本映画W受賞」といいますが、ヴェンダース監督の『パーフェクト・デイズ』は、主演が役所広司(トイレ清掃員役)、舞台も東京、配給会社も日本の会社ではありますが、「日本映画」であることにあえてこだわる必要はないのでは。
カンヌ映画祭では、日本映画以外にも多くの優れた作品が登場しており、日本映画だけにこだわって他に注目しないのはもったいないことです。
今年のカンヌでは、最優秀監督賞(『青いパパイヤの香り』の監督)と、若手監督に与えられる最高の賞であるカメラ・ドールがいずれもベトナム出身者であったことが興味深かったです。
主演女優賞は、トルコの閉塞感あふれる農村を描いた映画の学校教師役でした。
これらの映画も非常に興味深いです。
陸自、静岡で「富士総合火力演習」 国内最大の実弾射撃訓練、主力装備が勢ぞろい
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
御殿場の「富士総合火力演習」は、年に1度の恒例行事ですが、今年度から最も変わったのは、一般公開が中止されたことです。
これまでは観覧希望者の応募倍率30倍前後の人気イベントでしたが、今年度からYouTubeでのライブ配信のみとなります。
「我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しく複雑になる中、防衛力を抜本的に強化していく必要があることを踏まえ、部隊の人的資源を本来の目的である教育訓練に注力するため一般公開を行わないことといたしました。」
とのことで、これだけだとよくわかりませんが、装備と戦術の増強に伴い、機密保持のためでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=GY2bqfCaSGk
演習の主なシナリオが島嶼部への侵攻阻止、奪還を想定したものであることは、2014年から続いていることです。
米債務上限問題 “来月5日に債務不履行陥るおそれ” 財務長官
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
なぜこれまで「6月1日が期限」とイェレン財務長官は言っていたのに、「6月5日が期限」に延びたのかというと、
もともとイェレン長官が言っていたのは、「予算が尽きるのは6月上旬、早ければ6月1日」と言っていた(5月1日の発言)ので、6月1日に完全に予算がゼロになる、というわけでは元々なかった、とのことです。
しかし、6月1日には1300億ドルの支払があり、それはクリアできるものの、
6月5日に920億ドルの支払があり、それは今のままだと本当に払えない、という具体的な数字がきのう示されました。
いくら何でも来週末、6月2日金曜日までには合意するべき、ということになるでしょう。
そこを過ぎると、マーケットの反応、というものがあります。
https://www.cnbc.com/2023/05/26/treasury-says-it-wont-run-out-money-until-at-least-june-5-buying-time-for-debt-ceiling-talks.html
“日本語教師を国家資格にする” 法律が成立 在留外国人増加で
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
日本語教育の整備、具体的には教育内容の規格化と教育を受けられる場所を増やすことはどんどん必要になってきています。
日本に住む外国人が増えているからです。
技能実習生(現在35万人)だけであれば、そこまでの日本語教育は必要ありませんでした。農作業や工場の流れ作業に必要な日本語です。それに、最長3年間しかいることができないので、そこまで(運転免許や技術の資格試験に合格するのに必要なほど)日本語を学ぶ動機もありませんでした。
技能実習制度は廃止され、特定技能制度に一本化されます。
特定技能は、5年間ですが、更新可能です。更新後は家族を連れて来ることもできます。
10年間続ければ永住権もとれます。
子どもも日本の学校へ通うことになります。
日本の小学校や中学校が、まだ日本語が全然できない外国人の子どもに日本語教育をしなければならない状況はどんどん増えます。
企業にしても、外国人が5年、10年、さらに長く働き続けるのなら、多くの仕事を任せたいし、資格をとってもらおう、ということになります。
連れてこられた家族のうち、母親も、パートで働くくらいには日本語ができた方がいいでしょう。
これらだけでも、日本の社会が少なからず変わっていきますが、毎月何万円もお金を出して自発的に日本語を学ぼう、という外国人は決して多くはないので、公的に無料で、半ば強制的にでも日本語を学ぶようにした方がいいです。
日本語がわからないまま、日本企業の労働力にもならず、閉鎖的なコミュニティが大きくなってしまうよりも、そうした方がましです。
手を打つのは早ければ早いほどいいです。
そのためには、日本語教師を国家資格にする、だけではだめで、予算をとって、外国人が日本語を学ぶ仕組みをつくり、日本語教師にも公的に給与が出るようにする必要があります。今のままだと、大変な仕事なのに待遇が悪すぎて、成り手がいません。
米債務協議が合意に近づく、上限2年引き上げと歳出削減で=米当局
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
共和党が債務上限引き上げに合意するために示した条件は、歳出削減です。
共和党が、といっても、共和党内の主張は一枚岩ではなく、特に過激トランプ派のような人たちは、バイデン政権がデフォルトを引き起こして大混乱になる、というのを望むような議員もいます。
全員ではなくても、一定数の共和党議員が債務上限の引き上げに賛成すれば、議会で通すことはできます。
バイデン大統領側も、歳出削減は合意するとして、問題はどこから削るか、です。
共和党は国防関係は削りたくない、
民主党は教育や環境対策関係は削りたくない、
それでもバイデン大統領とマッカーシー下院議長の間では合意できそうな案件ではあります。
その合意に、どれだけの共和党下院議員が反対するのか、も、場合によっては問題になりかねません。
ベラルーシに戦術核 露が管理権、文書署名
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
核不拡散防止条約(NPT、1968年)は、米国、英国、フランス、中国、ロシアの5か国以外は核兵器を保有しないようにするための条約でした。
しかし、インド、パキスタン、イスラエルは加盟せず、北朝鮮は脱退。これらの4か国は核兵器を保有しています。
ベラルーシはNPT加盟国で、核兵器の保有は条約違反になります。
しかし、核兵器をベラルーシに配備してもそれを保有して管理しているのはロシアであるから、ベラルーシが保有した訳ではない、というのがロシアとベラルーシの言い分です。
実際、ベラルーシがロシアの許可なくその核兵器を使える、ということはないでしょう。
一方で、核兵器を外国に配備する、というのは米国もやっていて、ドイツの米軍基地に配備しています。
これも、あくまで保有して管理するのは米軍で、ドイツ政府に使用決定権はありません。
いずれにしても、ロシアが核兵器を使用可能なこと、ただし使えば米国などの介入を招くのでよほどの状況でなければ使えないこと、には変わりありません。
欧米諸国がロシアとベラルーシをNPT違反で責めるか、というと、微妙でしょう。
日本や韓国にしても、自国内に米国の核兵器を配備してもらった方がいい、という主張はあるので、政府として批判するかというと、微妙です。

【松丸亮吾】日本のビジネスチャンスは「謎解き」にあり
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
謎解きは自治体、テーマパーク、公共交通機関等、様々なところが集客効果を見出して、すっかり恒例化しているところもあります。
そこに、さらにアニメやドラマとのコラボになると、集客効果が跳ね上がります。
大学が謎解き制作会社に発注しているところもあります。
謎解きは言葉遊びが多い、というのもあり、ほぼ日本人の参加者しかいません。
言葉に依存しない謎解き、というのもありますが、多くの謎解きイベントはその土地の文化や伝統、昔話、あるいはアニメやドラマのストーリーなどと結びついているため、おそらく言葉と無関係の謎解きばかり、というのも少しむずかしいです。
日本人でもあまり知らないような、歴史や文化を知っていた方が有利な謎解きもあります。
外国人観光客を謎解きで集客するには、多言語化はどうしても必要になるでしょう。
というより、中国語版は中国語版で、英語版は英語版で、それぞれ問題も別に作る必要があるでしょう。
脱出ゲームは、言語に依存する部分が少ないので普遍性がある、というのはあります。
謎解き自体は世界中にあるので、多言語化はしたうえで、外国人作問者も参加して、少しずつ広めていくことは、十分可能でしょう。

【舞台裏】サイバーが「大規模言語モデル」を生み出した必然
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
まず、言語データのテキストデータ化(デジタル化)がありました。
話される記号、手で書かれる記号であった言語が、0と1で処理されるデジタルデータになったのが、だいたい20世紀の半ばです。
言語がコンピュータで数学的に処理できるようになりました。
コンピュータというのは、つまり大量の計算を高速でできる計算機です。画像であれ言語であれ、デジタル化すれば数学的に処理できるようになり、コンピュータで扱えるようになります。
言語を大量に(それこそ数千億のパラメータ)をコンピュータで処理する、学習させると何ができるかというと、自然な(確率的に頻度の高いパターンの)会話や質疑応答のやりとりができるようになります。
大規模言語モデルは、デジタル化された言語を大量に学習したうえで、文脈に即して、確率的によくある会話や文章を構築して見せるという、コンピュータの数学的な言語処理です。
それだけのものであり、独自に新たな科学的発見をする、といったものではない、ともいえます。ただし、現存する膨大なデータを取捨選択して組み合わせるだけでも、それまでにない知見につながることは十分ありえます。
コンピュータが構築する会話や文章は、どのようなデータ(デジタル化された言語)を学習しているか、で違ってきます。
ネット上の言語といっても膨大ですが、電子書籍であったり、ソーシャルメディアであったり、公文書、新聞雑誌記事、などなど、その全てを学習したAIはまだありません。
ネット上にあるデジタル化された言語の中には、学習が許可されたものとそうでないものがあります。
ツイッター社は、ツイッター社の許可なくツイートをAIに学習させることを禁じています。
新聞社や出版社も自社の言語データを許可なくAIに学習させるのを禁じているところがあります。
大規模言語データは、今や莫大な価値のついた資産です。
おそらく、国家的な戦略的資産になります。
デジタル化した言語を、どのようなテキストを、どれだけ大量に学習したかで、AIの性能が決まります。少なくとも、大規模言語モデルのAIであれば、そうなります。
私大の経営破綻に備え学生の修学継続へルール作りに着手…少子化で284校が定員割れ
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
会社が倒産した時にどうやって処理するのかルールがあった方が社会の安定のためになるのと同じように、大学も閉鎖した時にどうやって処理するのかルールがあった方が安全です。
大学の閉鎖というのは、ある日突然起きる、ということはなく、今いる在学生が卒業するまで、あと数年間はやってから法人として解散します、という場合がほとんどです。
まず、新規学生の募集が停止されて、その後数年してからその大学がなくなる、という場合がほとんどでした。これまでは。
急遽今いる学生にもやめてもらわねばならない、などというのは、よほど経営に問題がある、ということであるし、在学生が卒業するまでは存続する、という方が無難です。在学生を他の大学に引き取ってもらう、などというのよりは。
新規学生の募集停止をやめてから3年間は続けるとしても、留年や休学した学生がまだ卒業できていない、といったことはありえます。
その場合、少数の学生を他大学に引き取ってもらう、ということも必要になってくるでしょう。
ただ、経済産業省がある企業に解散を命じることが基本的にはできないのと同じように、文部科学省も大学に解散を命じることは基本的にはできません。特に私立大学の場合は。
補助金を打ち切ったりはできますが、法人として解散するかどうかは、経営者の判断になります。
企業でもないわけではないですが、後始末もせずに突如大学を解散して高飛びしてしまう大学経営者というのも、現れないとは限りません。大学の場合は組織が大きいので、理事長1人で手続きして解散などできないですが。
銀行でいえば預金者の保護のようなもので、在学生が損をすることのない破綻処理(とりあえず大卒にはなれるようにする)を、行政の支援も含めて準備しておいた方がいいケースは出てくるでしょう。
スーダン首都で再び衝突、停戦合意破棄の恐れ
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
再び、というかスーダン内戦が始まってから40日が過ぎ、その間8回の停戦合意がありましたが、戦闘が停止したことは1時間といえどもありません。
国連機関などが確認している死者数は1800人ですが、実際はずっと多いでしょう。
国外に難民として逃れたのは、確認されているのは130万人です。
戦闘はまだ続くでしょうが、今年終わりまで続けば、国外に逃れるのは500万人は超えるでしょう、その内少なくとも数十万人、ことによると100万人以上はヨーロッパを目指して地中海を渡るでしょう。
戦闘は各地で続いていますが、特に激しいのは首都ハルトゥームの奪い合いで、一進一退の戦いが続いていますが、緊急支援隊(RSF)がどちらかというと優勢です。スーダン国軍は各所で包囲されては壊滅しています。
スーダンは今後、これといった支援も受けられずに放置されるでしょうが、スーダンの周辺のチャドや南スーダン、エチオピアなども内戦続きです。
怖いのは、これがさらに他のアフリカ諸国にもおよび、飢餓と干ばつで飢えた人々の大規模な移動が起きることです。
デサンティス・フロリダ州知事、24年米大統領選出馬を正式に表明
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
デサンティス・フロリダ州知事、両親はイタリア系で父親は視聴率調査員、母親は看護師。
大学はイェールに入り、ハーバードで法学博士号。海軍に勤務し法務官としてSEALsに所属、退役時は大尉。
34歳で下院議員初当選。合わせて3回当選。
40歳でフロリダ州知事に初当選。
経歴は申し分ないです。トランプ氏よりも労働者階級出身といっていいですが、経歴はむしろエリート然としています。
デサンティス氏は、当初はトランプ大統領支持でしたが、その後対立しています。
トランプ氏は、あくが強く、敵も多いです。それでもなお大衆的人気があり、その点ではデサンティス氏はおよびません。

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