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【提言】日本の「オーバーツーリズム」はこうして防げる
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
経済同友会が提言している宿泊税の基準決めを国が行うのがベターな施策だと思う。その基準をもとに導入是非を自治体で判断する。今は、定率なのか定額なのか、いくらなのか、何に使うのかなど、全国の自治体が同じような議論を各所でおこなっていて非効率な面があるので、基準があると導入までが短縮化できるはず。また、税の徴収を宿泊施設が行うことが前提になっていてそれ自体は構造上仕方ない面もあるが、徴収作業に対する対価が明示されていないのでそれも導入が足踏みする要因の一つのはず。対価の明確化は今後必ず議論になるので、早めに決めておきたい論点。個人的にはオーバーツーリズムに関わらず、自治体・DMOの観光経営には財源の問題が必ず絡んでくるので、一般財源ではなくて宿泊税などの受益者から徴収する特定財源やビジネスなどから生み出す自主財源の確保が早晩必須になると考えている。優秀な人材を確保するにも、具体的な施策を導入するにもカネの問題が必ず出る。そういう意味では、熊野トラベルの旅行事業売上はほんとにすごい。
"2023年は外国人約1.8万人、日本人は約5000人が訪れ、手数料収入がメインの旅行事業の売上高は8.6億円に達した。"
【発見】日本の超高品質な「日常」は巨大ビジネスになる
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
ガラパゴスというよりも元々並行輸入などで海外で一定人気があった商品が円安もあり訪日時のマストバイになってるイメージ。例えばお菓子は海外向けサブスクが結構人気出ている。根本は品質の高い商品が安いというところなので、今後の日本企業における課題はプライシング。既存顧客である日本人を気にすると需要に対しての適切なプライシングができないというジレンマ。二重価格が話題だが、消費財での一物二価は賛成できないので、既存商品は維持しつつ、品質も価格も高い商品群を用意して、いわゆる松・竹・梅のプライシングで全体の価格をリフトアップするのが日本型の値上げな気がしている
【超逆転】観光バブルで「オフラインの復権」が始まった
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
メンバーシップアプリを多言語対応して結構利用されているというのが意外で、三越伊勢丹も今期中に外国人向けアプリを出すと発表していたので、今後は富裕層顧客の囲い込みが激化すると思われる。金融資産が一億円以上ある人は世界に2000万人と言われており、この限られた富裕層の訪日機会を如何にして捉えるか、囲い込むかは重要なテーマだろう。阪急百貨店は中国現地の百貨店と連携して訪日時の販売を強化していたりもするので、アプリなどを活用した自社顧客の囲い込み、海外店舗と連携した顧客獲得などは重要なテーマ。
三越伊勢丹の記事はこちら。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC06BP40W4A600C2000000/
"2025年3月期中に外国人向けのアプリを始める。帰国後も情報提供し再度日本に来てもらうように促す"
【完全図解】今、日本で最も「お金の匂い」がするビジネス
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
お金の匂いがするというのは否定しないが、インバウンド産業でビジネスしようとすると様々なステークホルダーが絡むので課題も山積しており一朝一夕で儲かるわけでもない。違法民泊や免税の追徴課税、混雑やゴミ問題など、コロナ前はそのあたりが放置されていて、コロナを経て少しずつ是正が入ってる段階なので、新規参入は歓迎しつつもコロナ前と同じ状況になるのは避けたいところ。また、この数ヶ月間の訪日客数の伸びは、単月過去最高という報道がメインだが、2019年と比べると伸び率が一服している感があり、300-330万人/月くらいで頭打ちしそうな気もしている。これを打破するためには、政府が取り組んでいる燃料不足対策や空港のグランドハンドリング対策はとても重要な活動で、さらにアジアを中心として近中距離の国際線を地域の空港とダイレクトに繋いでいかないと、島国日本は基本的に航空便での入国が前提になるので、早晩頭打ちになってしまうのは見えている
【提言】観光立国ニッポンに、どうしても言いたいこと
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
観光業に携わる人は必読の記事。いつも感じるのは観光産業に関わるステークホルダーはかなり多く利害が一致しないことが多いので、バランスを重視した取り組みが求められる。地域内調達率を重視しすぎて食事やサービスを提供すると顧客の体験価値が損なわれて一部の人しか来なくなり(他の地域の方が美味しい素材があるのに地元優先しすぎる など)、地域に訪れる人が少なくなって消費活動が限定的になると、観光に取り組む最大のメリットを地域全体が享受できない。少人数で高単価は理想形だがそれで地域に消費が循環するかというと限定的なので、ある一定の規模を確保する必要があり、そうすると投資が必要になる。一方、妙高のような2千億円規模の投資はどのように回収するのかイメージが中々湧かず、ハコモノの開発後に、今の人手不足下で誰が運営するのか?サービスレベルは高いのか?持続可能な取り組みになるのかなど、大規模な投資が一時的なバブルに留まる気もしていて悩ましい。以下のコメントに集約されてると思いますが、理想と現実の間をうまく着地させることが一番難しい産業ではないかと思っています。
"やはり、そこに本質的なものがないから。作られた流行は流行にすぎないので、飽和したら一気に冷めていくのが世の中の常なんだと思います。"
"ある程度、大きなスケールにしていかないと海外資本と戦えないのですが、そのためには資本が必要です。そして大きな資本を出す側は、やっぱり大きなリターンを求める傾向にある。話のつじつまが合わなくなるわけです。"
わずか374人の訪日観光客で免税売上1704億円?~転売目的の影響度を簡単に調べてみた~
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
昨日の朝、個人的には衝撃的なニュースを見まして、免税品の購入金額が1億円を超える人が昨年度に374人いたと。さらに1億円以上の方の合計額は1704億円とのことで、目玉飛び出るくらい驚いて、これって日本全国の免税販売額に対してどれくらいのシェアがあるのか気になったので急いでnoteにまとめてみました。
結論としては、シェアは分からなかったのですが、一部企業や業態の免税売上と比較するとかなり大きい金額であることが分かったので、この取り締まりや現在検討中の免税制度改革によって、転売目的が締め出されることになると、一部企業には大きな影響がありそうだなと思っています。
この374人は一時的とはいえ、転売できるまでの間かなりの金額を立て替えているということなので、一体何者なのかというのが個人的にかなり気になります。お金持ちであればそもそも転売する必要が無いので、この一時的なキャッシュアウトを支える組織的な動きがありそうなきな臭さを感じます
【直言】日本よ、観光「依存」を恐れるな
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
どの観光地でも同じ問題に直面することがよく分かる記事で、ベネチア現地在住者に取材してる点も注目。この問題は結局以下の最後の一文に帰結すると思う
"特に日本の観光業は成長期ですから、今重要なのは、どのような観光地になりたいのかというビジョンです。文化的な観光地になりたいのであれば、例えば、観光に異文化への理解を求めるような層だったり、買い物をしてほしいと思ったら爆買いが多い中国の方だったりと、ターゲットに合わせた発信をすべきでしょう。そして、なりたい観光地になるために、どのような観光商品を開発し、適切なメッセージを発信するかが重要なポイントです。オーバーツーリズムに関わる研究者の多くは、オーバーツーリズムを回避することを中心に考える傾向にあります。しかしオーバーツーリズムになったあとで、どのような選択をするかも大事ではないでしょうか"
【図解】世界の観光地を破壊する「オーバーツーリズム」の正体
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
とても分かり易い良記事。訪日外国人が主たる原因のように感じるが、マクロでみると2019年の日本人の延べ宿泊者数は年間で4.8億人の一方、訪日外国人の延べ宿泊者数は1.1億人で1/4以下。日本人はこの数字に日帰り客も加わるので、日本全体における観光市場での移動人数は日本人の方が圧倒的に多い。メディアで報道されるオーバーツーリズムは、京都のタクシー乗り場やバス乗り場、鎌倉の踏み切り前、富士山など一部のみで、かつ見た目で分かり易い外国人を映すので、少し誇張されてるように印象づけられます。
先日、銀閣寺へ訪問しましたが全く混んでいなくて快適でした。混雑は本当に局所的に発生しているはずなので、場所や交通手段を特定し、そこに対策を講じるのが比較的実効性あると思います。特に、事前予約・時間帯指定が "混雑" という課題に対しては即効性があるはずなので、人気の寺社仏閣などが事前予約制になれば自ずと人の分散が起こると思っています。
また、コロナを経て二次交通事業者の人手不足や運航本数の減少、車両などの設備投資不足なども、混雑を可視化してしまう要因の一つと思われるので、乗車料金のコントロールは当然重要ですが、オペレーション側の対策や支援も一考かと思います
【逆潮流】日本の勝ち筋は「ガラパゴス」にこそある
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
読み応えのある面白い記事。アニメを中心としたソフトコンテンツは日本の強みであることは間違いないし、麹や納豆などのヘルシーで日本独特な食文化もユニークで我々のオウンドメディアでもオリジナル記事を多言語で作って発信していて反応が良いです。また、最後に書かれていた部分が本質だと感じていて、ガラパゴスだから刺さるのではなく究極に突き詰めた何かが国籍を超えて人を惹きつけているのかと。
コーヒー納豆起業家
https://www.tsunagujapan.com/shonan-soy-studio-onoka-keita/
味噌
https://www.tsunagujapan.com/unpacking-the-versatility-and-benefits-of-miso-at-a-100-year-old-brewery/
"「日本人は世界のトレンドから外れて、ある意味で『自分勝手なモノ』を作ったときのほうが面白い。ただ世界のマーケットを見て、なんとなく世界の人に売り込むような物を作るとそれはうまくいきません」"
"日本で生まれたり、育ったり、日本社会が持つカルチャーや市場の文脈を無意識に浴びるなかで、自らのクリエイティビティ・クオリティを極限まで突き詰めたモノこそが、世界の消費者らにも伝わり、結果的に「日本的」と評価されているだけともいえる。"
【人間国宝】ディープ過ぎる日本文化体験がすごい
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
日本のモノづくりの勝ち筋の一つとして産業観光はかなり良いと考えていて、作っている人や場所、工程を見ると今までと商品の見え方が変わってくるはず。最終製品の見栄えは似通っていてもそこに至るまでの歴史やストーリーが見える化できるのが観光であり、その中でもインバウンドは海外展開する際の入り口として最も適しているはずなので、海外目指してるモノづくりの企業は取り込む価値あると思います。
"工房に行くと、職人さんの顔と、全部手作りしていることが分かる。信頼と価値がバーンと上がります。その瞬間にその辺のお土産屋さんの漆器(うるしを塗り重ねた工芸品)ではなくて、このおじさんがこの場所に居て、作る作業も見せてくれて、一緒に手も動かして見て、この技術はすごいと思う。それからお店で見ると、さらに美しく見えてくるわけです。"
【爆増】世界は今、ニッポンに旅行したがっている
中西 恭大(株)D2C X 代表取締役 / インバウンド屋
本文中にある訪日中国人の消費単価については、おそらくビジネス客ではなく留学生が引き上げていると思われます。滞在期間が長いので必然的に単価が上がる構造です。消費動向調査は連続性を持って同じやり方で同じ項目で四半期ごとに行われており、今回の結果は旧正月期間中に空港の対面調査で帰国前の留学生に調査したのでは?と考えています。そのあたりはnoteで纏めましたのでよければご覧ください。
訪日中国人消費単価 74.7万円は少し高すぎる? ~訪日外国人消費動向調査(23年1-3月)をやや深堀りしてみた~
https://note.com/ynakanishi/n/ne740cd159f69
また富裕層については今後めちゃくちゃ重要なターゲットだと思いますが、そこに偏重するような報道の仕方は注意かと考えております。100万円消費する人を100万人連れてきてようやく1兆円であり2030年目標である15兆円の1割に満たない。一方、仮に金融資産1億円以上の人を訪日旅行消費100万円以上の人と定義した場合、対象者は全世界に2000万人程度と言われており、そのうち日本が世界で2番目で3-4百万人占めることから、富裕層を毎年数百万人誘致し続けるというのは中々難しいチャレンジなので、本来的には中間層やエントリー層も手厚くしていかないと産業としては大きくならないとも思っています。そちらもかなり前にnoteにまとめたのでご覧ください
安売りインバウンド観光は本当に悪なのか? ~1杯の牛丼から考えを巡らせる~
https://note.com/ynakanishi/n/n88b7a49da9c0
金融資産1億円以上の富裕層
https://twitter.com/uki__/status/1477403060809125890?s=46&t=pe-KR3pK1j5AdEDwIX4c7g
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