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劉慈欣 中国のベストセラーSF小説「三体」の著者
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「-「三体」では女性科学者が文化大革命(一九六六年から約十年続いた政治・権力闘争。多くの人が迫害され、社会が大混乱に陥った)を経験し、世の中に絶望することが物語のカギとなる。自身の経験は。
文革が最も激しく、混乱がひどかった時代に私はまだ小さく、文革の一部しか経験していない。陽泉は闘争が最も激しかった地区の一つであり、とても残酷な一部分は覚えているが、記憶は曖昧だ。しかし、紅衛兵(文革の推進力となった青年組織)の最後の世代である私たちにとって、文革のもたらした精神上の影響はとても重く、抜け出すことはできない。」(記事引用)
話題のSF『三体』はなぜ文革の歴史的描写から入るのか知りたかったが、著者・劉慈欣(りゅうじきん)さんのインタビューで納得。現代中国の社会や文化を語るうえで、文革をはずすことはできないのだと思う。しかし劉慈欣(りゅうじきん)さんの以下のコメントを読むと、複雑な背景を感じる。SFに仮託して歴史の意味を物語化することで、逆説的に歴史のリアリティが立体化するのかもしれない。
「中国の現代史において、人生に徹底的に絶望しうる事件は文革以外に思い付かなかったからだ。八〇年代以降に生まれた中国人は文革に興味がないし、それ以前の人たちは意識的、無意識的にこの歴史を忘れようとしている。当局もこの時代を振り返るのをあまり推奨していない。」
【新】矢沢永吉、70歳。「不器用で結構だ、ヨロシク」
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「ミュージシャン人生の中での一番大きなターニングポイントは、やっぱりキャロルというロックバンドが終わったとき。悩んで悩んで悩んだけど、もうバンドはやらない。俺はソロでやる。肩からベースも外す。一本で、ピンでやっていく。そう決めた。言葉で言うのは簡単だけど、怖かったです。」(記事引用)
組織やグループに頼らず一人立ちする瞬間は、人生において遅かれ早かれやってくる。そういう通過儀礼を早めに体験すると、その後の人生が変わる。孤独であること、支えも導きもないこと、社会的アイデンティティも失うこと、その恐ろしさの先に、たくさんの人々、存在に支えられて自分が存在できている真実に気づく。僕の場合、2005年に離職し一人立ちしたことが大きな転機となり、当時思い描くことなど不可能だった人生をいま生きている。(ちなみに本記事で矢沢永吉さんと同じ誕生日(9月14日)と知りました~)

会社は“バンド化”する。激変する令和時代のトレンドを読む
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「文明史的な話になりますが、僕は数万人規模の会社はやがてなくなっていくと予測しています。そして、将来の会社は「バンド」みたいになっていると思います。」(記事引用)
同質な大集団がピラミッドの堅牢な構造体を維持し統制をとれた活動をする組織から、多様で個性的な人々が独立性を維持しつつ、離合集散する小集団に移行するという見立て。それは概ね当たっていると思うが、多様で独立し、分散して活動する小集団は、それら個別性を集約する「何か」を必要とする。ネットワークとなるもの、プラットフォームとなるもの、あるいは、思想や価値観を共有する物語が、今後は決定的に重要な基盤となっていくだろう。
巨象・NOKIA(ノキア)が「瀕死の危機」からV字回復できたワケ
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「たとえばレンタカーを利用したことがある人は、そのレンタカーを運転することはあっても、洗車したことがある人はほとんどありません。それはその車に自分がオーナーシップを感じていないからです。これと同じで会社を単なる生活費を稼ぐ場所と考えれば、オーナーシップなど持ちえないでしょう。逆に会社を、キャリアを通じて成長する場だと考えたり、そこでの仕事を自分の「使命」と感じられるようになれば、それがオーナーシップへと育っていく。私はだれもが自分の使命を探求し発見する資格があると信じています。オーナーマインドを持てた人は仕事でもうまくいくし、やりがい探しで苦労することなどなくなるのです。」(記事引用)
跡見学園の教授で立教でも教鞭をとる細川あつしさんは、コーオウンドビジネスを推奨している。従業員が企業を所有することで、オーナーシップが発揮されるようになる。しかしそれだけでなく、より成果があがり、しかこよりハッピーになるという。さら事業性ミッションだけでなく、社会性ミッションにも心配りをするようになり、SDGsの時代にふさわしい経営が実践できるようになる。オーナーシップを株主や企業トップに独占させず、これをより広いステークホルダーに開放しシェアすることで、ビジネスも社会も変わる可能性がある。
大学関連:「化粧は対人関係の鏡」 化粧文化研究者らが横浜で講演会
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「北山代表は基調講演で、多くの研究者による「化粧の定義」を紹介。「人間の世界と自然界との境界線を引くために、体に色や傷をつけたことが化粧の始まり。装いと粧(よそお)い関わるすべてが化粧で、身体ケアや身体表現、身体加工も含まれる」と語った。」(記事引用)
化粧の英語はmake upだが、この意味を探ると、「〈物語などを〉作る」が出てくる。北山先生が解説された「人間の世界と自然界との境界線を引く」最も基本的な方法に物語がある。物語を生成し共有することで、有史以前から人類は、脅威に満ちた(驚異に満ちた)自然と折り合いをつけてきた。
make upにはさらに「〈…を〉埋め合わせる, (補って)完全にする」という含意もある。メタな物語は神話であり、神話によって人類は、自然の脅威(驚異)を人間と本質的な関係性を結ぶ聖なるもの(神仏や精霊など)として認識できた。さらにいえば、(儀式の場のために)化粧することで、人間は聖なるものに変容できる。
化粧は単なるメークアップを超えた深い意味があることに気づかされる。
我が子の就活、オヤカクしますか 望む仕事と親の思い
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「親子関係は多様で簡単に決めつけることはできない。大企業に行くのもベンチャー企業に行くのもそれぞれの判断だ。それでも、学生は社会に出る前に、自分が心から喜べることは何なのかを知ってほしいとアラフィフ記者は願うばかりだ。」(記事引用)
就職(大卒なら22歳前後)は、今日の日本社会における成人式にあたる。伝統社会における成人式は、文字通り、子どもから一人前の大人と認められるための「通過儀礼」。今日の社会では、しかしほんの数十年前までは機能していた、最初の就職というほとんど唯一の通過儀礼たる就職(大卒後の最初の就職)が、オヤカク(親確認)という親子の相互行為によって、台無しにしている。通過儀礼は心身の越境の儀式であり、新しい物語の始まりを意味する。巣立ち、羽ばたく時は、遅かれ早かれかならずやってくる。「冒険の旅」へ誘う心の声に耳を傾ければ。

【桜木建二】好きなことに打ち込め。「教師」は「コーチ」に変われ
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「もはや先生と名のつく立場だからといって、話したことを鵜呑みにしてもらえる時代ではないんだ。一方的に知識を分け与えてやるのだという態度ももちろん通用しない。」(記事引用)
教育現場や国家資格プロフェッション(医師、弁護士など)では慣用的に「先生」と呼ばれるが、この呼称を背負って長く仕事をすると、認知の偏りが生まれる。本来、対等で双方向的であるべきコミュニケーションやラーニングプロセスが、上下関係で一方通行になる。これでは、双方に学習と成長の機会が奪われる。個人的には、大学という場の一歩外に出たら「梅本さん」と呼んでもらうようにお願いすると、関係性が変わり、風通しがよくなる。
【瀧口範子】「AIの最前線」は5年間でどう変貌したか
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「応用の可能性は無限にある。AIのうまい使い方を考えることこそ、その開発者や企業の存在意義になるのではないだろうか。深い社会洞察や未来へのアイデアが求められるところだ。」(記事引用)
立教大学大学院人工知能科学研究科が2020年4月に開校する。AIの知の体系をいかに社会に有用な形で実装していくか。当研究科のサイトに次の言葉がある。
「AIの活用にあたっては、「ELSI」("Ethical, Legal, and Social Implications"=倫理的、法的、社会的諸問題)に十分な配慮が求められます。本研究科ではAIにかかわるELSIを重点分野と捉え、人工知能の倫理を専門とする教員を配置し、AI ELSIを学ぶ科目を1年次必修とします。」
https://ai.rikkyo.ac.jp/outline.html#sub01
AIの発展が人間性の成長進化につながる道を探究する研究科になってくれることを希望。

【バイヤーMB】日本人のスーツ姿が「カッコ悪い」理由
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「そうです。「ドレス=絶対的な正解」と「カジュアル=相対的なバランス」という二項対立がここにも存在しているわけです。」(記事引用)
フォーマルとインフォーマルを二項対立とみなすのが、ひとつの判断基準になるが、この対立項を「崩す」ことでファッションも、ライフスタイルもオシャレで楽しいものになる。ドレスをあえて着崩すドレスダウン。個性を優先させ、ルールを縛られすぎないスタイルは粋だ。同時に、ここぞというときのドレスアップ。最もフォーマルなドレスを求められるTPOで、プロトコルの最高位を決める。そのためには日常からの所作が決め手となる。ファッションは、ライフスタイルであり、その背後に歴史の堆積と文化的規範がある。

【図解・チェックシート】「停滞感」から抜け出す5つの法則
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「ここで、興味深いデータを紹介します。会社員とフリーランスを対象に、それぞれが「重要だと考える能力」を比較した調査によると、「自分を売る能力」「顧客・市場ニーズの把握力」「成果に結びつく専門性・能力・経験」などにおいて、会社員はほぼあらゆる能力で後塵を拝していることがわかりました。一方、会社員のミドル・シニアに「あなたが重視する能力は何ですか?」と聞くと、上図のように「忍耐力」が突出しています。」(記事引用)
日本の組織人のコンピテンシーの偏りがよくわかるデータ。
石山さんの研究は、論理実証性を担保しつつ、組織で働く人々への暖かい眼差しと共感が基底にある。それが独特の洞察を生んでいる。本記事のベースとなっている石山さんの『会社人生を後悔しない 40代からの仕事術』は、組織人のライフそとーりーを研究している僕のゼミ生にも、必読書として推薦している。(ありがたいことに、僕のフォロワーシップ論も少し引用いただいています)

【最前線】アマゾン超えを狙う不動産テック
梅本 龍夫慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
「スマートロックが不動産のプラットフォームになり、そこで生まれた消費からお金を取っていけるようになれれば、スマートロックこそスマートフォンに次ぐプラットフォームになるのではないか。それくらいの可能性を感じています。」(記事引用)
ファーストプレイスとしての家を物理的な不動産(ハードウェア価値)から、ライフスタイルを豊かにするアプリケーションを活用するプラットフォーム(ソフトウェア価値)に転換する発想。日本の都市部特有の住宅事情、コミュニティ事情を活かし、安全性を重視する文化的特性ともおりあえれば、面白い展開になるかもしれない。ただ、ファーストプレイスは生活の根幹なので、携帯端末などとはハードルのレベルが違う。新しいファーストプレイス像にわくっとする人たちをイノベーターとして囲い込み、具体的な実証事例を通して、安全性の心配を超える便利さや楽しさを示せれば、可能性が広がる。テクノロジー訴求でなく、ライフストーリー提案にすることがカギだと思う。

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