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H3ロケット打ち上げ成功、国際競争に復帰 宇宙開発弾み - 日本経済新聞
日本経済新聞
土屋 武司東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授
ロケット市場に日本が返ってきました. https://newspicks.com/news/9031140?ref=user_2112738 以上のコメントを再掲します. これまで日本のロケットの色はオレンジ色でしたが,H3は薄い黄色になったのに気が付いたでしょうか. タンク周りに吹き付けた断熱材の色なのですが,もともと白い色であるところ,長期保存すると紫外線で黄色からオレンジに変化していきます.つまり,この薄い黄色には,ロケットを製造したらすぐに打ち上げますよ,高頻度,即時的に打ち上げますよ,という目標を意味しています.今後,射場に現れたロケットの色に注目していくと面白いと思います. このサイズのロケットは1発100億円あたりが相場です.海外のFalcon9で打ち上げ相場にファルコンショックをもたらしたSpaceX,異なる2つの静止軌道に衛星を乗せることができるため実質半額のアリアンがライバルです.H3も狙うは1発50億円です. これまでの日本のロケット,HII,H-IIA,H-IIBの1段エンジンはスペースシャトルで採用された二段燃焼サイクルを採用した最先端のLE-7シリーズでしたが,開発に時間がかかり,出来上がったエンジンも溶接部位を職人が平らに削るなど職人が仕上げた芸術的なエンジンになってしまいました. それをシンプルなエキスパンダブリードサイクル方式に変更.部品点数は2割減.低コスト,高信頼性の一方,燃費と推力が多少劣るところを,技術開発で補いました.その技術開発の過程で技術的課題が見付かり,2年遅れました. 日本には小型ロケットの開発を行っている民間企業はありますが,この大きさのロケットはH3しかありません.大型ロケット技術を継承するためにも重要なロケットとなります.もちろん,民間移管も進めます. 補足します. 欧州のアリアン6も打ち上げ間近.サイズはどちらも同じ程度ですが,固体ロケットブースターの能力差により,アリアン6の打ち上げ能力はH3の2倍近くある.アリアン6は衛星を2機同時に打ち上げて,1機当たりの打ち上げコストを低価格にすることを目指している.アリアンは打ち上げ待ちの衛星が多いときに成り立つが,2機がそろわないと上げられないか,かえって高コストになる可能性もある.一方,H3は受注を受けてから頻度良く上げていくことが目標になっている.
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H3ロケット打ち上げ成功 JAXA、失敗から1年
共同通信
土屋 武司東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授
ドッグレッグターンが凄まじいですね.SRB分離後に機体が横向きになるのが見えました.一瞬,大丈夫かと思いました. 太陽同期準回帰軌道という南向きの軌道にいれるとき,フィリピン上空を避けるため,いったん東向きに上げて,SRBが切り離されて機体への負荷が減ったところで,機体の方位角(Azimuth)を南に向ける.速度ベクトルを90度曲げることになるので,地上から見るとほぼ横向きに見えます. 地球を一周回ったところで,2つ目の衛星を分離し,向きを180度変えて2段目を再着火.減速して,地球に再突入して落とす.ここまでがミッションです.貴重な再突入飛行.何かできなかったか? ところで,このロケットの1段目エンジンLE-9は未完成品です.1号機はType1,2号機はType1A,完成品がType2になります.エンジン開発中にターボポンプが共振で破損する不具合が見つかり,その後の修正が間に合わず,1号機はType1エンジンとして回転数を落として飛行させました.その意味で,H3の1号機は1段エンジンが最も心配だったのですが,まさかの2段エンジンの未着火.2号機でも開発は間に合わず,つなぎのType1Aエンジンです.面白いことに,2号機では2基のエンジンのうち,1基がType1,もう1基がType1Aという異なるエンジンの組み合わせになっています.若干,燃焼効率に差があるという.今後,Type2が完成して,H3は完成です.
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