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東京のオフィス勤務正常化、欧米はまねできず-リーディー
Bloomberg.com
辛坊 正記経済評論家
『島』と呼ばれる配置の机を挟んで係員が向き合って座り、ホストの席に係長・課長といったリーダーが座ることが多い我が国の伝統的な企業と違い、欧米、ことに米国のオフィスは席が離れていたり仕切りがあったりすることが多いです。日本型の座り方は互いの仕事が見えて共同作業をするには良いですが、個々人が集中力を発揮するには不向きです。命じられた仕事は何でもやることを前提に採用された従業員に上司が仕事を割り振る日本型の雇用と、ジョブを前提に採用された従業員を目標管理で使う欧米流の仕事の違いが座席の配置に表れているのです。 互いにどんな仕事をしているか、繁閑の程度はどうかというのが互いに分かり、良く言えば融通無碍に助け合って仕事をする上で島型の机の配置は最適で、この働き方はリモートワークに馴染みません。働く側も、仕事を分け合う仲間と一緒にいなければ不安を感じることになって来る。一方、ジョブ型雇用が前提で仕事の独立性が高い米国型の働き方は、リモートワークに馴染みます。一旦それを経験すれば、オフィスに戻る必要を感じぬ向きが増えても不思議ではありません。会社の側が総合的な視点で出社を要請しても、個々の従業員が必要性を感じなければそれまでです。オフィスに人が戻って都市が活気を呈するのは良いことですが、それが我が国の効率性を高める上で良いかどうかは別問題じゃないのかな・・・ 資本コストが低いのは投資を促す上で良いことですが、株式コストが低いのは日本企業の生産性が低い、あるいは日本企業に対する期待値が低いことの表れですし、負債コストが低いのは、日銀が金利をインフレ率以下に抑え込んで実質金利を大幅なマイナスにして国民が確定利回りで稼ぐ機会を奪っているからで、どちらも中長期的に見て良いこととは言えません。「多くの外国人投資家は、安い資本コストのおかげで高い賃貸利回りが得られる」というのは取りも直さず日本が生み出す価値を安売りすることですし、「日本で働く人が増えているデジタルワーカーにとっては、円安のおかげで何もかもが50%割安になっている」というのも、日本の普通の従業員が円で受け取る賃金の価値が半分になっているのと同じです。 「東京のオフィス勤務正常化、欧米はまねできず」という評価を喜びつつも、複雑な思いが拭えません。日本国民の多くがコロナ禍を経て貧しくなったことは間違いないですからね。 (._.)
430Picks
為替介入「コメント差し控える」と財務官、年初来の円安に警戒感
Reuters
辛坊 正記経済評論家
為替介入に限らず相場を動かす政策の方向性がはっきりしていれば、投機筋は確実に稼げます。政府が財政赤字を積み上げ日銀が円を無制限に市場に供給して円の価値を積極的に落とす中、為替介入で円高にしても再び円安に戻ることは必定ですから、為替介入の要件がはっきりすれば、投機筋にとってこれほど楽なことはありません。財務官がコメントを控えるのはむべなるかな。 昨年9月22日の最初のドル売り円買い介入時、ドル円は145円から140円36銭まで円高に振れ、揺り戻しが起きて前日比1円63銭の円高で取引を終えました。10月21日の介入は151円94銭が146円21銭になったのち、前日比2円49銭の円高で一日を終えています。この時の介入は大規模でその後更に円高になってそれなりの期間介入効果を維持しましたが、12月の介入を経て再び円安圧力が強まって、昨年10月の円安のピークを再び伺う情勢になったわけですね。 日米の金利差といった投機的、かつ短期的な要因の影響はありますが、円安の背景に政府と日銀が組んで行う円の実質的な毀損策がある以上、介入しても効果は限られるでしょう、たぶん。仮に今回の激しい動きの裏に介入があったなら、介入効果は去年のものより限定的。外貨準備の制約を受けるドル売り円買い介入の効果の限界を見透かされたらそれこそ投機筋の格好の餌食です。 円安がインフレを起こして実質賃金を下げコツコツ貯めた預金の価値を落として国民を中長期的に貧しくするのは必定です。急激な変動に介入で対処することはあるにせよ、本質的な要因で進む円安に介入で対処することはできません。難儀なことではありますね・・・ (・・;
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【山崎 元】がんになって再確認「がん保険は要らない」
NewsPicks編集部
EV走行中に充電、初の公道実証 10秒で1キロメートル - 日本経済新聞
日本経済新聞
辛坊 正記経済評論家
「道路に埋め込んだ装置から10秒充電すると、約1キロメートル走行できる」 (@@。 ゴルフ場のカートよろしく道路にガイドラインを埋め込み信号機等と交信して走る『我が国独自の自動運転技術』もそうですが、道路に細工するのが政府も技術者も好きですね。世界の国々が急速充電器を充実させてEVへの切り替えを急ぐ中、電圧やら設置場所やらに多々規制を残して性能の良い急速充設備の拡充を妨げ、道路に充電機能を持たす技術を開発してどこまで世界に広がるものか・・・  世界初のレベル4の自動運転実現といった記事が時折メディアを賑わせますが、これらは殆どすべてゴルフカート方式の自動運転で、世界が凌ぎを削る自動車自体が判断して動く自動運転は、規制が邪魔してまともな公道実験すら出来ません。道路にガイドラインを埋め込んだり、信号機に自動車との通信機能を持たせたり、道路に充電設備を埋め込んだりする技術を開発すれば、道路に利権を持つ国交省、警察、土木建設事業者、それを支える議員さん等々は大いに潤うでしょうけれど、車が空を飛ぼうかという時代に、莫大なインフラ投資を要するそんな技術を採用する国がどれほどあるものか。今ある道路、トンネル、橋等の維持すら予算が不足して危うい我が国だって、田舎道の隅々までそんな装置を行き渡らせることは無理でしょう。こんなことに憂き身をやつしているうちに自動運転でも自前の急速充電器の普及でも後れをとって、我が国の自動車産業は大丈夫 (・・?
3Picks
ドル150円台乗せ直後に急落、介入有無「ノーコメント」と財務省
Reuters
辛坊 正記経済評論家
昨年9月22日の介入でドル円は145円90銭から瞬間的に140円台まで円高になりました。10月21日の介入では151円99銭が5円76銭円高の146円23銭になり、12月20日の介入では137円48銭が一時130円58銭まで6円90銭円高に動いています。仮に同様の為替介入があったとすれば「150円16銭まで上昇。直後に1円超急落し、その後147円30銭台まで下げた~~足元は149円台前半まで戻している」というのは、過去3度の介入と比べても円高誘導の力強さに欠けますね・・・  過去3回の介入は時間の経過とともに押し戻される結果になって、円安の流れが止まりません。政府が借金で財政赤字を積み重ね、日銀が大量の円を供給して金利を抑えて実質的な円安政策を採っていますから、日米金利差といった投機的な要因を脇に置いても、本質的なところで円安が進むのは当然です。財務大臣がファンダメンタルズに基づく円安は容認するかの如き発言をされていますが、限りある外貨準備を使って為替介入してもこの程度しか円高に押し戻せないとしたら、かなり深刻な事態であるように感じます。 為替介入の有無について言及できないのもむべなるかな・・・ (・・;
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三井住友FGの太田社長、「日銀の金利正常化への環境整いつつある」
Bloomberg.com
辛坊 正記経済評論家
預金に潜在成長率+インフレ率程度の金利がついて、元本保証の預金や債券で蓄財できるのが健全な経済環境で、そういう環境下なら国民は将来に備えて一定額を心穏やかに貯蓄に回し、残りは安心して使えます。事実、私がアラフォーになる頃まで、我が国はそういう環境下にありました。銀行預金を旨とした私の親の世代が、大した投資もせず老後資金を蓄え得たのはそうした環境のお陰です。ワリコー、リッキー、ワリチョー(今は無き割引興銀債、利付き興銀債等の債権)等もしきりに話題になりました。 ところがその後、日銀が金利を極端に抑圧し、預金で置くと実質的な資産価値が目減りするようになりました。日銀に極端な金融緩和を迫って預金から金利を奪った政府は国民に盛んに投資を勧めていますけど、コツコツ貯めたなけなしのお金を元本すら定かでない投資に回さざるを得ない状況下では、日々の生活の安心が得られません。消費に元気が出ないのは当然です。 長期金利が多少上がってマイナス金利の解除も取り沙汰されていますけど、足元の高いインフレ率を斟酌すれば、多少金利が上がっても、金利が正常化したとは言えません。金利のある世界を取り戻したい銀行が期待を込めて前向きに語るのは分かりますけれど、「日銀が取り得るオプションは広がった」というのは本当か (・・? 政府が巨額の財政赤字と借金を抱え、日銀も巨額の低利国債を抱える環境下、問題を表面化させぬためには名目金利を潜在成長率+インフレ率以下に抑え続けることが必須です。盛り上がる期待に水を差したくはないですが、大きな変化を望むことは難しいんじゃないのかな・・・ (・・;
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「水準は判断基準にならない」と財務相-1ドル=150円台目前で
Bloomberg
辛坊 正記経済評論家
「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」 (@@。 手持ちの外貨準備の範囲内でしか出来ない円買いドル売り介入は自ずと限界があり、本質的なところで円が安くなっているなら、介入しても効果は一時的なものに留まります。イエレン米財務長官が容認したのも急激な変動に対する介入に限られますからね・・・ 「水準は判断基準にならない」というのもむべなるかな。 それはそれとして、円の実力(実質実効為替相場)は異次元緩和で日銀が積極的に円の価値を毀損し始める前の半分に落ちています。通貨の強弱は国の経済の強弱の反映です。今の円安がファンダメンタルズを反映したもの、つまり日本経済の弱さを反映したもので、更に円がじわじわ弱くなってもファンダメンタルズの反映で仕方がないと財務相が考えているとしたら、これは大変な事態です。海外旅行に出かけるとなにもかもが高くなり、外国からのお客さんが日本は何でも安いと喜ぶ背景に、日本人が円で貰う給料の価値が円安で極端に下がった事実があるのです。こうした傾向が日本の弱さを表すファンダメンタルズを反映してこの先も進むとすれば、その先に待っているのは、まともな食料が輸入できずエネルギー資源を買い負け、病気になっても薬が無くて満足な治療が受けられない新興国並みに落ちた貧しい日本の姿です。 なぜそんなことになってしまったか。政府が借金を積み上げて円を国民にばら撒き、日銀が異次元緩和で円を大量供給してそれを支える構図を十年以上に亘って続けた結果、大量にばら撒かれた円の価値が下がったことは想像に難くありません。この間、高齢者と女性を働かせて労働力こそ増えましたが、財政支出と金融緩和で一時的な需要を生み出して景気を支えるカンフル剤に頼るばかりで日本経済低迷の本質的な要因を放置した結果、資本設備と技術が日本で伸びず、全要素生産性が下がり続けていたのです。 ファンダメンタルズを反映して円が安くなり続けることを是認するわけには行きません。財政支出の拡大と異次元という名の異常な金融緩和でファンダメンタルズが改善しないことは昨今の日本経済の動きを見れば明らかです。じわじわ進む円安を容認するが如き発言が財務相という偉い立場の人から出て来るところが不安です (・・;ウーン
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