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アマゾン、処方薬ネット提供開始 薬局2500店舗と連携
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
オンライン診療とオンライン処方はセットで考えられがちですが、オンライン処方が当たり前となった地域で医療をする立場からは、実際のところ両者を別に考える人も多く、オンライン処方箋はオンライン診療の拡散には必ずしも貢献しない可能性があります。
今回の改正のように、対面診療後の処方をオンラインに切り替える人が今後大きな部分を占める可能性もあります。実際、私個人も患者として対面診療とオンライン処方の組み合わせを使っています。また、高齢者診療にあたり、そのような患者さんを多く経験しています。診察はあくまで対面が良いが処方はオンラインで配送が良いという層も一定数いるのではないでしょうか。
オンライン処方箋のダウンサイドは、小回りがきかず、急な変更やトラブルへの対応が悪くなる傾向にあることでしょう。地元の薬局なら容易に対応できたような問題でも、オンライン上ではプロセスがブラックボックス化しやすくなり、責任の所在も分かりにくいため、トラブル対応が悪化したり遅くなる可能性があります。このため、どれだけオンライン処方箋が広がってもローカルの薬局のニーズがなくなるとは考えにくく、両者をうまく使い分ける必要が出てくる可能性が高いと思います。
年収差はまさかの2,500万円以上?日本と「違いすぎて泣ける」米中間層の実態とは
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
中間層の所得上限で2位となったニュージャージー州に住んでいます。
なぜニュージャージーと思われるかもしれませんが、ニュージャージーの東側のエリアは、ニューヨーク•マンハッタンと隣接しており、ニューヨークに勤務する高所得層が数多く住んでいるから、というの大いにありそうです。
私自身、ニュージャージーから日々マンハッタンに通勤していますが、電車で5分でマンハッタンです。しかし、物価はニューヨークに比べて安く、食料品には消費税がかかりません。また、所得税も大きく下がるため、ニューヨークから引っ越すだけで収入が増加するなど、ニューヨークから転居する理由が複数あります。
ただし、家賃は急上昇しており、ビルは古くなっても賃料は上昇していく一方です。年収3000万円とか4000万円とか聞くと多く感じられるかもしれませんが、物価や家賃を考えると、日本の1500万円や2000万円と考えてもいいのかもしれません。
豆乳類、生産量「20年で8倍」の要因は? 健康志向で売れ筋も変化
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
物事は広告の謳い文句ほどはっきりとはしていません。豆乳が本当に健康志向の人の健康に繋がっているのかは、実際のところよく分かりません。
牛乳や乳製品はカルシウムやリン、多くのビタミンを代表とする栄養素の摂取源としての役割を果たしている一方、近年言われるようなマイナスの影響には十分確立した科学的根拠はありません。また、代替ミルクについても、それぞれで含有するビタミンなど栄養素の違いがあり、良さもあると理論上は考えられるものの、実際のところどのような健康への好影響、悪影響をもたらすのかは十分分かっていません。
各国の栄養摂取のガイドラインを見渡してみると、牛乳および乳製品は、多くの国で1日あたり(牛乳で)500ml程度飲むことが推奨されています。今のところは各国でプラスの要素が大きいと判断されている証拠なのだと思います。
ただし、健康の話から離れれば、牛乳摂取には「環境問題」「温暖化」との関連が見逃せない側面もあります。そういったこともあって、ビーガンを代表とした層に広く受け入れられているという背景もあるでしょう。
「ポケモンスリープ」と食事管理で“ダイエット効果”は2倍に 大規模調査で明らかに
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
不明な点が多すぎるのですが、一体どこが「明らか」なのか説明が欲しいところです。少なくとも示されたデータからポケモンスリープの「ダイエット効果」とは言えないでしょう。
そもそも比較をした両群でポケモンスリープを使っていたように読めるのですが、そうではないのでしょうか。仮にそうでなかったとして、交絡因子はどこまで調整できたのでしょうか。論文をぜひ拝読したいところです。
また、仮にこの効果が真実だったとしても、変化量の比較を割り算で行い、「2倍」と数字を大きく見せていますが、差分で見てみると、その差は0.1や0.2といったところです。約3ヶ月でBMI25の方が24.8になったか24.7になったかの差を見ていて、体重換算では身長170cmの方で300g程度の差だと思います。意味のある差と言えるのでしょうか。
なぜ全国1位だった沖縄県民の平均寿命は短くなったのか…和田秀樹が指摘する脂肪と健康の意外な関係
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
基本的には著者ではなく記事単位で判断してコメントをしている私ですが、流石にこれだけ繰り返されてしまえば、この記事の著者は著者単位で読まなくてよいと言っていい段階にあると思います。実際に多くは読んでいただきたくないので、コメント依頼をいただいても、わざとコメントもしていません。
国外のエビデンスを持ち出して、国内では当てはまらないと主張し、自論を展開して、まるで根拠に基づく正しい主張のように見せる、比較的典型的な手法を用いた誤情報です。
コレステロールを低下させる健康への効果は、日本人でもMEGA Studyなどで同様に示されており、総死亡、すなわち原因を問わない死亡にも減少が見られています。こう言った点にも言及しなければフェアな記事とは言えませんが、自論をサポートできる研究だけが紹介されています。
はじめは論文をもとに語ったようでいて、後半戦は、コレステロールを下げることで、免疫力が下がり、がんが増えと書かれるものの根拠は示さないところがミソかもしれません。読んで納得してしまった方は内容を忘れてください。この記事から何かの大切さを感じてはいけません。Pickもされないことを強くオススメします。
米、アルツハイマー薬を承認 「ドナネマブ」、日本で申請中
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
先にレカネマブが承認されていますので、既定路線かとは思います。
プラセボと比較して、ドナネマブで治療された臨床試験の参加者は、病気が悪化するリスクが39%低かったと報告されています。
楽観的に捉えれば、先行して承認されたレカネマブと同様、アミロイドベータに対する投薬で認知症の進行をゆっくりにできることが繰り返し示されたと言えます。
悲観的な言い方をすれば、同種の薬剤の効果は、進行を遅くするだけで、認知症を改善することは期待できない現実を繰り返し知らされたとも言えるかもしれません。
レカネマブよりも良好な数字が報告されており、レカネマブよりも好まれる選択肢になる可能性が高いと思います。しかし、実際には試験で対象となった患者が異なり、数字だけでその効果を比較することはできません。
また、今回のドナネマブでも投薬と関連した死亡が複数報告されています。少なくとも2人は薬剤のよく知られた副作用である脳のむくみや出血が原因で死亡したと判断されています。
また、過去の同種薬剤では長期投与により逆に脳の萎縮が進行する可能性も指摘されています。そうなると、長期成績は投与した方が悪いという可能性も残されます。まだ曇り空がスッキリ晴れたという状況ではないという捉え方をする必要がありそうです。
手足口病の患者数が全国で「警報レベル」 13週連続で増加
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
手足口病は、エンテロウィルスという仲間のウィルスによる感染症です。子供に流行しがちですが、大人にも感染します。鼻水や唾液、便などを介して感染が広がりますので、感染予防のためには手洗いと自宅の清潔が非常に大切です。感染は症状出現からはじめの1週間が起こりやすいので、ご家族が感染したら、この時期は特に注意が必要です。
症状として、読んで字のごとく、手、足、口の中に赤いボツボツが出たり、水ぶくれができたりします。痛みを出すことも多く、口にできると喉の痛みが出て何かを飲み込むのが辛いというような症状が出ます。また、高い熱が出ることもあります。手足口病と言いますが、手、足、口全てに症状が揃わないことも多いです。
特別な治療は要さず、通常2-3日をピークに症状は良くなっていきます。痛みや熱に対しては、アセトアミノフェン(カロナール)やイブプロフェン(イブ)と言った薬で症状を和らげることができます。しかし、お子さんに同じく解熱剤のアスピリンを投与すると、Reye症候群という重大な病気を引き起こす可能性が指摘されており、アスピリンは避けた方が良いとされています。
お子さんに喉の痛みが強く、ご飯が取れない状態が続いたら、ぜひ病院を受診させてください。
「普通のインフルより1000倍危険」 鳥インフル大流行ならゴーグルも必須に?
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
「鳥インフルエンザ」というネーミング自体、すでにミスリーディングなものになりつつあります。すでに哺乳類への感染が広がっているからです。
牛への感染が広がり、牛の飼育を行う人間での感染も度々報告されるようになりました。相変わらず、致死率も高く、警戒すべき病原体だと思います。牛乳からもウイルスが検出されていることから、こちら米国では加熱処理していない生の牛乳の摂取をしないようFDAなどから度々アナウンスをされています。
1年前のものになりますが、鳥インフルエンザについてはトピックス記事にもまとめていますので、ご関心のある方はこちらも合わせてご確認ください。
https://newspicks.com/topics/yuji-yamada/posts/57
将来「寝たきり」にならないために…40歳以上の女性が「健康診断」で追加すべき「指標」を知っていますか?
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
なぜこういうデタラメな内容がまとまって本になり、記事で取り上げられ、メディアで拡散されるのか理解しがたいのですが、それだけ「医療の専門性」が高く、他のあらゆる場所がチェック機構として働かないということの証明だと思います。
リウマチ因子は、たしかに関節リウマチの発症前に血液中に見られることがありますが、無症状のリウマチ因子の陽性者の多くは関節リウマチに進行しないことが繰り返し示されています。そのため、リウマチ因子の測定はスクリーニング検査としては不適切です。この記事は読まないでください。読んだ方はその内容を忘れてください。この内容が含まれてしまっているのですから、紹介されている本も買わない方が良いと想像します。
参考文献
BMJ. 2012;345:e5244. Epub 2012 Sep 6.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=22956589
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