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日本人が知らない「目の日焼け」が引き起こす病気の怖さ 専門医は「若者が思っているほど軽いことではない」
dot.オリジナル
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
この記事のデータの解釈には注意が必要だと思われます。 地域ごとの検証がされていることから、おそらく元になったデータは、特定の地域の子どもたちと目の病気のリスクの関連性を検討するものです。引用文献の提示がありませんので詳細は知る由もありませんが、記事のような「関連性」が見られる可能性はあるものの、これは「因果関係」を保証するものでは全くありません。 よく考えていただければ明らかだとは思いますが、地域が異なると食生活も、そのほかの生活習慣も、その傾向が大きく異なるので、本当に紫外線の違いで切り取ってよいのかが分かりません。 これは、反ワクチン活動家が使ってきた手法と似ています。同様のデザインの研究を根拠にコロナワクチン接種回数が高い国ほどコロナ感染率が高いとして、人々にワクチン接種をしない方がいいと説明してきました。 このワクチン接種の例は、因果関係が「関連性」と全く逆になる場合があるということを示す好例です。実際にはひどい感染流行を経験した国でこそ、ワクチン接種回数が増えたという逆の関係も成立しますし、反ワクチン活動家の主張と逆の因果関係が、因果関係を示すに相応しい研究で繰り返し示されています。 記事の鳴らしている警鐘はごもっともだと思いますが、根拠にしたデータは仮説レベルを超えないものであり、解釈に注意が必要だと思います。
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「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」報告 過去最多ペースで増加
NHKニュース
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」について補足します。 このレンサ球菌は、通常「のど」の感染症など比較的軽症の感染症の原因となりますが、この菌の仲間の中で、特に特定の毒素を持つ仲間が、重症の感染症を起こすことが知られています。 報道の通り、この菌の広がりによって、劇症型溶血性レンサ球菌感染症は日本のみならず、ヨーロッパ諸国や米国でも増加傾向にあることが報告されています。50代以上で頻度は高いものの、特に20代から30代の、持病のない方での発症が増加しており、多くの方にとって必ずしも「他人事」ではない感染症です。 若い世代で増加しているのは、特にマイナーなケガの後や、妊娠後期からお産直後との報告もあります。 なぜこうした感染症が増加しているのかは必ずしも明らかになっていませんが、特に持病のないそれまで健康であった方に突然致死率3〜6割とも言われる重症感染症を引き起こすので、各国で警戒されています。 治療については、抗菌薬に加えて、感染が起こった場所の手術が必要になることも多く、その治療過程は非常に難しいものになります。 集団感染の報告もあり、その予防として、この感染症の患者が生じた場合には飛沫感染予防策や接触感染予防策が重要になります。インフルエンザやコロナの流行のたびに聞かれるこの名前ですが、感染予防の基本であり、ここでも登場します。
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“肝臓の炎症防ぐ特殊な免疫細胞を発見”と発表 大阪大学など
NHKニュース
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
MASHは、日本語では代謝関連脂肪性肝炎と呼ばれ、過去には非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と呼ばれていたものです。肝臓に過剰な脂肪が蓄積し、その結果、肝細胞の損傷や炎症が起こります。長期にわたると、肝硬変や肝細胞癌のリスクも高まることがしられています。 MASHの主なリスクには、肥満、2型糖尿病、高脂血症、高血圧などが知られています。症状としては、発症してしばらくはほとんど症状がないことが多いですが、疲労感や右上腹部の不快感などが見られることもあります。診断は血液検査や画像検査、場合によって肝生検などによって行われます。 現在のところ、MASHのための特定の承認された薬剤治療は存在しません。主な治療法はライフスタイルの変更というところになります。低カロリーで健康的な食事を心がけ、飽和脂肪の少ない食品を選んだり、定期的な運動が推奨されます。体重を減少させることが肝臓の脂肪を減少させ、炎症を抑える助けになるからです。また、アルコールは肝臓に追加の負担をかけるため、制限または避けることが望ましいです。 肥満に対しては、肥満治療薬などを用いることもありますが、MASHに対する治療法としてはまだ十分確立されておらず、現在多くの臨床試験が行われています。今回のような新しい発見が新しい治療のアプローチにつながる可能性もあり、期待されます。
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保育園に無料で遺伝子検査キット配布 保育に活用計画したが…
毎日新聞
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
「そんな高度な技術を子育てに活用できるなんて!」 そう感銘を受けた方は、以下のような複数の懸念点があることを十分にご理解いただいた方が良いでしょう。 1. 倫理的問題 遺伝子検査は個人の同意が基本ですが、子どもは保護者の代理の同意によって検査を受けることになります。保護者が代わりに同意した検査で、子どもの将来に影響を及ぼす重大な情報に対する自己決定権を侵害する可能性があります。 2. データの安全性とプライバシー 遺伝子情報は最も重要な個人情報と言っても過言ではないデータです。このようなデータを企業が管理する場合、情報の漏洩や悪用のリスクが高まります。 3. 商業利用の可能性 遺伝子検査を「子供の未来を知るチャンス」として宣伝していますが、これは子どもの遺伝子情報を商業的に利用しているとも受け取れます。このような行為は、(占いのような結果をシェアして消費者を満足させておきながら)子どもの益を考慮していない可能性があります。 4. 社会的影響 子どもの遺伝子情報が早期に明らかにされることで、教育や社会生活においてラベリングや固定観念に基づく不当な扱い、差別を受けるリスクがあります。
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東京の保育園、子どもの遺伝子検査を推奨・仲介 保護者3割が応じる
毎日新聞
最新研究でわかった「メガネは視力だけでなく年収も“3割”上げてくれる」 | 老眼鏡が途上国に与える経済効果
クーリエ・ジャポン
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
こちらの記事および元となったニューヨーク・タイムズの記事では、バングラデシュの高齢な労働者に無料でメガネを提供することが彼らの収入に与える影響についての研究が取り上げられています。この研究は、PLOS Oneという医学雑誌に掲載され、メガネを受け取った労働者がメガネを受け取らなかった労働者に比べ、収入が33%増加したことを報告しています。この研究には、細かい作業を行うお茶の摘み取り、裁縫などの職に就く800人以上の成人が参加したということです。 類似の知見は、過去の研究でも報告されています。例えば、2018年に報告されたインドのお茶摘み労働者を対象とした研究では、メガネを提供された場合の生産性が22%増加し、50歳以上では32%増加したことが記録されています。 これらの研究結果は、公衆衛生上極めて重要だと思います。なぜなら、これまではあまり重要視されてこなかった視力矯正が発展途上国の経済安定と生活の質に深い影響を与える可能性があることを示しているからです。多くの地域で手頃な価格の眼鏡が不足しており、これが生産性の低下や早期退職につながっています。この問題に対処することで、個人の収入が改善されるだけでなく、より国家として経済的利益がもたらされる可能性があります。 発展途上国では、感染症対策ばかりが重視されがちで、視力への介入は見過ごされがちですが、実は費用対効果の高い介入なのかもしれません。比較的低コストで経済的なアウトカムや生活の質を大幅に向上させる可能性のある介入であり、眼科領域への投資というのはもっと促進されて然るべきなのかもしれません。
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NORMAL