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宇田川准教授が語る、企業変革の4つのプロセス──経営の自立とは他者からの支援という依存先を増やすこと
宇田川 元一埼玉大学経済経営系大学院 准教授
ローランド・ベルガー プリンシパルの野本周作さんとの対談です。
今回は、『企業変革のジレンマーー「構造的無能化」はなぜ起きるのか』(日本経済新聞出版)で書いた変革の4つのプロセスを入口に、変化をどう支援するか、ということについてお話をしています。
何よりも、意味が感じられない、自分と関係ないものとして変革が進められてはいけないし、今、多くの会社における変革は、この点に本当に苦労されているように思います。このことについても本当に簡単な答えはないけれど、今いる場所から、「分析においては革新的、理念においては理想的、方法においては保守的、行動においては現実的」(Drucker, 1942)に変革をしていくほかないわけです。
ではその変革をどう進めていくのか、ということについて考えなければなりません。
野本さんご所属のローランド・ベルガーは戦略コンサルティングファームですが、コンサルティングファームは外部の支援者として、変革にどう関わっていく必要があるのかということに議論が及びます。
例えば私が本に書いたような組織の「慢性疾患」であるならば、コンサルティングを通じた支援のあり方というものも、変化が避けられないからです。このことついて、野本さんが様々にお話をくださいました。
是非ご覧ください。
慢性疾患期の企業で人を動かし、戦略を実行するには──『企業変革のジレンマ』の構造的無能化を読み解く
宇田川 元一埼玉大学経済経営系大学院 准教授
ローランド・ベルガー プリンシパルの野本周作さんと対談をしました。今回は前後編の前編です。
野本さんとは『企業変革のジレンマ』の執筆を始めようかという時期に知り合い、それ以降、内容についてよくディスカッションの機会を頂いた方です。
当時は、プロ経営者として急性期の企業の変革に取り組まれていたので、私の議論と相性が悪いのではないかと思っていました。しかし、実際はこれらのフェーズは地続きの問題であり、むしろ、私の研究しているテーマは、元々野本さんの取り組みの中での実感に近いと非常に共感を頂いた経緯があります。
今回は、野本さんの変革への取り組みについてもお話をお伺いつつ、私の3冊書いてきた著作の位置づけを野本さんの視点から整理いただきながら、一連の議論の特徴に対して見解を頂きました。私もこうした着想に至った研究上の背景などについても語っています。
是非ご覧いただけましたら幸いです。
「経営ダッシュボード」の一般社員開示でNECは何を目指しているのか
宇田川 元一埼玉大学経済経営系大学院 准教授
これが機能するには、何のための情報であるのか、その合理性の基盤として、戦略が明確に共有されていることが前提ですね。
そうでなければ、ダッシュボード上の情報は、単なる進捗管理をするためのものでしかありません。そして、しかも、その進捗自体にいかなる意味があるのか、そこに意義が感じられなければ数字に追われるような感覚になるだけでしょう。そうなれば、今風に言えば、「エンゲージメントが下がる」でしょう。
でも、きっとそうではないのだと思います。ただ、その判断をする情報が記事には不足しています。
NECは変革が進んでいる企業であると私は研究上認識していますが、このダッシュボードそのものの技術的意義よりも、むしろ、これが機能しているのであれば、なぜ機能しているのか、その点の掘り下げの情報を期待します。
パナソニックHD社長、結果にこだわり信賞必罰-株価低迷に危機感
宇田川 元一埼玉大学経済経営系大学院 准教授
昨年度の統合報告書のp.10あたりに書かれていることを実行するという話かと思います。
(https://holdings.panasonic/jp/corporate/investors/library/annual-report.html)
さて、各事業部を厳しく評価するとしても、「実は全社戦略がない」という問題については、明確に議論がなされているのでしょうか。
少なくとも上記統合報告書からは、目標はあれども戦略はなさそうという印象です。もちろん、色々と秘匿すべき情報もあろうし、その後の議論もあると思うので、あくまでも外部からの印象に過ぎません。
しかし、どのような戦略ロードマップで、今後の変革を行っていくのか、可能な限り具体化したうえで、こうした各事業部門の評価を行う、というのであれば、事業部門についてはある程度何を基軸に変革すればよいのかわかるだろうと思います。
一方で、戦略なき段階で変革せよと言われたらコストを削るくらいしかしないというか、できないでしょう。
つまり、戦略なき成果への要求は、余計に既存事業への慣性力を強め、長期的な変革を滞らせる逆効果を生みます。
変革において最も大切なのは、経営、本社の力です。慣性力が働いている事業部門にはやれることが限界があります。この点がどの程度踏まえられた話か、というのは、記事からはなんとも言えませんが、そこが気になりました。
NORMAL
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