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現金離れで銀行店舗「ひそかに」激変? 三井住友らが進める「銀行カフェ」とその狙い
永吉 健一株式会社みんなの銀行 取締役頭取
私が所属するグループ銀行でも地元のカフェを併設した店舗が幾つかありますが、来店されるお客さまにとっては、ちょっとした憩いの場、コミュニティスペースになっています。
銀行に対するネガティブなイメージとして、昔から「お堅い」「敷居が高い」といった声もありますが、昨今のデジタル化の波で店舗に来店する機会も激減している今、どの銀行も各エリアで一等地にあるリアル店舗を今後どのように活用していくかに思いを巡らせています。
ちなみに、私のところで運用しているコワーキングスペースなどは、フリーランスやベンチャー企業の方々に利用して頂いていますが、銀行施設の中にあることで、起業・創業や資金調達の相談が気軽にできたり、銀行の取引先とのビジネスマッチングの場になったりと、具体的な効果も出ています。
銀行の機能や看板を上手く活用することで、これまでにない付加価値をどう創出するか?アイデア次第でいくらでも沸いてきますねw
生成AI、Z世代の2割「ほぼ毎日」業務利用 X、Y世代は?
銀行って何だろう?
永吉 健一株式会社みんなの銀行 取締役頭取
「銀行って何だろう?」現役銀行員に問いかけても、シンプルで奥の深い問いですね。
預金、融資、為替といった所謂「銀行の3大業務」は私たちの生活に欠かせませんが、その根底にあるのは「(預金)口座」とそこに記録される「情報」です。預金口座は「アカウント」とも呼ばれますが、これはまさに現在の様々なサービスにおけるIDと同じ意味を持つとも言えます。
銀行業務は、預金口座への入金記録から始まり、融資審査という「情報分析」、そして送金指示に基づく口座間の資金移動という「データ処理」へと展開されますが、その全てに関与しているのが「口座」であり、口座に刻まされた「情報」を起点に、緻密な情報管理と処理を行う巨大な情報処理機関としての役割を担っている訳です。
銀行は免許ビジネスで、銀行のことを「預金取扱等金融機関」と表現するのも、まさにこの機能と役割に起因しているからですね。
経営企画・マーケティング担当者400名に聞く「高齢者市場攻略に向けた取り組み状況実態調査2024」 高齢者マーケティングへの取り組みは売上向上の鍵であることが明らかに
永吉 健一株式会社みんなの銀行 取締役頭取
高齢者人口の増加は、日本にとって大きな課題であると同時に、新たなビジネスチャンスでもあります。これまでの高齢者向けビジネスといえば、介護や医療分野が中心でしたが、これからの高齢者の実態は従来のステレオタイプなイメージとは大きく乖離しています。
例えば、スマホやインターネットを当たり前のように使いこなすアクティブシニア層の増加は、新たな商品やサービスに対しても意欲的なので、旅行、学習、趣味、美容など、従来の年齢にとらわれない多様なニーズに対応したビジネスが求められています。
それ故に企業は、従来の固定観念にとらわれず、高齢者を“ひとりの生活者”として捉え直すことがこれまで以上に重要になりますね。
これらの潜在的なニーズを掘り起こしてカタチにすることができれば、高齢者を対象とした新たなビジネスがどんどん産まれてきそうなので、うかうかしていられません。
Z世代の約半数は家族の経済支援に頼っている…バンカメの最新調査で
永吉 健一株式会社みんなの銀行 取締役頭取
Z世代の経済不安、親からの援助に頼る現状は、高インフレ下のアメリカにおいて当然の結果とも言えます。
そのような中で、「ラウド・バジェティング」という新しい価値観で、お金の話をオープンにする行動はアメリカならでは?なのか興味深いですね。
ただし、真の解決には、経済的自立に向けて家計簿アプリやキャッシュレス決済を駆使し、支出を可視化、管理することが重要です。また、世界一学費が高いとも言われているので学生ローンの利用なども有効な選択肢となりえます。
いずれにしても、金融サービスを上手に活用することで、経済的に安定した生活を送れるようサポートすることができれば、銀行としては嬉しい限りです。(同業者として同意w)
楽天ブックス、ゆっくり配送でポイント付与 「待っトク便」開始
永吉 健一株式会社みんなの銀行 取締役頭取
物流2024年問題など、宅配業界の人手不足は深刻化しており、私たち消費者が配送のあり方を見直す必要性に迫られています。
「待っトク便」のように、急ぎでない配送にインセンティブを設けることは、消費者の行動変容を促し、物流の効率化にも繋がるので、航空券やホテル予約で一般的なダイナミックプライシングの考え方を配送にも応用した例とも言えますね。
今後、配送の時間指定や速さに対する価格設定の幅が広がれば、ユーザーはより柔軟に選択できるようになり、物流の負荷分散にも貢献できます。企業努力だけでなく、私たち消費者が積極的にこうしたサービスを選択していくことも重要ですね。
いよいよ始まる「給与デジタル払い」 「PayPay給与受取」のメリットと難しさ
永吉 健一株式会社みんなの銀行 取締役頭取
PayPayが開始した「PayPay給与受取」。キャッシュレス決済の雄の挑戦ですが、デジタル給与払い普及への道のりは、まさにこれからです。
みんなの銀行が昨年11月に発表した「デジタル給与の個人利用意向調査(マネーインサイトラボ)※」では、Z世代を中心に全世代で5割から6割程度が「利用したい」との意向が確認されました。しかし、その裏側で別途実施した給与を支払う事業者を対象にした調査では、「導入予定」「導入に向けて検討中」と回答した先はほとんどなく、「導入はしない」「何も対応していない」と回答した先が約8割を占めるという結果も出ています。個人の利用状況と併せて「従業員からの要望がない」「メリットを感じられない」という企業側の本音を覆すようなムーブメントが作れるかが、今後のポイントの一つになりそうです。
※デジタル給与の個人利用意向調査(マネーインサイトラボ)
https://note.minna-no-ginko.com/n/n458cffb7fc4e
銀行業界も脱・年功序列 「役割」重視、中途採用拡大
永吉 健一株式会社みんなの銀行 取締役頭取
デジタル化など時代の変化に合わせ、スキル重視の人事制度へと舵を切らざるを得ないのは当然の流れで、成果主義の導入と併せて若いうちから相応の報酬やキャリア採用者でも責任あるポジションに就くチャンスが生まれるのは、優秀な人材を獲得するうえでは重要なことです。
一方で、長年銀行を支えてきたベテラン行員の経験と知識も、規制業種としての銀行にとっては大きな財産であることも事実。
一過性のムーブメントに終わらずに優秀な若手、専門スキルを持つキャリア人材、そしてベテランといった人材の多様性と一体性を活かせる組織カルチャーのもとで、新しい銀行の未来を描いていきたいものです。
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