黒瀬 浩一

住宅が普通の人に買えないほど値上がりして、世界中で住宅政策が政治問題化しています。なっていないのは日本だけです。これは実は深刻な問題なのです。というのも、住宅を買う30代より、住宅を保有して値上がりを享受する高齢層では人口が違うからです。政治としては、投票率が高く票の多い高齢層を優先するからです。しかし、これは人口減少に拍車をかける深刻な事態、自分で自分の首を絞めているです。

紙の新聞の凋落は世界共通です。悪貨は良貨を駆逐する、が起きているということだと思います。悪貨＝悪いメディアが広がることで、良貨＝良いメディアに対する需要はむしろ強くなっています。若者にも有料で買う習慣が広がっています。悪い面ばかりではないと思います。

この会社の迷走が明らかになったのは、2016年に当時の会長兼CEOだった鈴木氏を、社外取が中心になって追放した事だと思います。そして、今回のM＆Aについても社外取が方向性を示すことになっています。英米をまねて取り入れた社外取制度ですが、ここまで会社の盛衰に決定権持ってしまった以上、社外取制度を見直す機会にすべきだと思います。弁護士、元官僚、大学教授、女優、スポート選手などビジネスの経験がない社外取ばかりなのは世界で日本だけです。

経営戦略と人事戦略を一致させる、年功廃止、是非取り組んでいただきたいと思います。みずははメガの中ではPBRが低く、放置すればいずれはアクティビストに食い荒らされる可能性さえあります。一般論として銀行の人事は、人事部経験者がエリートです。社内で人事部銘柄とよばれ、出世することが決まっています。もし支店に出て営業成績が悪くてもS（特別良い）になります。そうしないとダメ評価をした支店長にバツが付くのです。表の人事考課とは別の裏人事情報があり、それを人事部経験者は共有しているからだとされています。また、加点主義ではなく減点主義です。５の利益を出すために１の損失を出したら、マイナス１だけが成績になります。こんなことを長年続けた結果が、業界全体でPBRが0.5（2024/7東証発表）、断トツで世界最低です。これでも最近の２年で２－３倍と株価は急騰したのです。改善余地は青天井ぐらい大きいと思います。

地球温暖化でこういう水害は今後も増える可能性が高いと思います。不動産価格にどういう影響を与えか、考えておくのが得策だと思います。

憲法違反の疑いが濃厚ですね。

今、銀行業界は収益性と人事のスタンスの差で給料に大きな差が付き始めていますね。年収の差は当然として、福利厚生、交際費、タクシーや航空機のビジネスクラスやラウンジや新幹線のグリーン車の使用の可否、で年収以上の差が出ています。学生さんの就職先選びでは、こっちこそ本当の収益性の差が出るので、ご注意ください。

上場企業の数は、世界中の多くの先進国で今世紀に入って減少基調にあります。カバナンス改革に付いて行けない企業が上場廃止したからです。しかし、日本だけはガバナンス改革の実効性がなかったため、上場企業の数が増え続けて異常に多くなりました。東証自身は、上場企業の数が増加する程に利益が増える構造です。世界から遅れること20年、東証もついに本気になって身を切ってガバナンス改革を進める意思を固めたという理解で良いと思います。

AIを中心にバブルに懸念があるハイテク株は調整色が強いものの、高配当、中小型、景気敏感株は高値を更新するなど循環物色が良く効いています。腰の強い相場に典型的な動きです。ただ、M7などハイテク株は時価総額が1社で300－500兆円あります。中小型株は1500億円程度と1/3000です。循環物色が進んでも、ハイテク株の下落を補うには無理があることには注意が必要です。

2023年の年初頃に不安感が高まりました。しかし、損失処理や投げ売りが一通り終わり、FRBも銀行に対し貸し剥がしをやめるよう警告し、債務リストラに協力を要請したことで、やっと底が見えてきたのが今の状況だと思います。米国リート価格も底打ちが鮮明です。欧州も類似の状況です。中国と香港は底なし沼の状況ですが、この原因は世界経済ではなく、中国の住宅バブル崩壊です。こっちはまだかなり長引き、日本のバブルのように銀行の不良債権、貸し剥がし、不動産投げ売り、不祥事やスキャンダル、とスパイラル的に悪化する可能性が高いと思います。

先行きの米国経済は、深刻な景気後退（ハードランディング）になるか軽微な景気減速（ソフトランディング）になるかが、注目されています。分けるカギとなるのは、金利敏感部門、特に住宅部門です。利下げで住宅ローン金利が下がれば、家を買いやすくなるからです。また、住宅が売れると家具た家電もくっついてきます。このニュースは、ソフトランディングに向けた明るいニュースと理解して良いと思います。

今日の東京市場に関しては、日銀総裁が国会の閉会中審査で答弁します。これが注目です。植田総裁ほ、4月の政策決定会合の後の記者会見でハト派だったことから160円まで円安が加速、その後に介入しました。7月は正反対で、政策決定会合の後の記者会見でタカ派だったことから世界中の株価が急落、円急騰となりました。こうなった根本的な原因は市場の信認、コンフィデンスの喪失です。既に内田副総裁が市場が不安定な中では利上げは継続しないと講演で述べています。植田総会も同じ内容のことを言うと思います。植田総裁は自分の言葉で話す人ですので、市場に影響が出る可能性はあります。