小川 一

少し角度を変えてコメントします。よく聞かれるたのは、これほど現代の生活リズムからかけ離れた夕刊を、なぜ新聞社は発行し続けるのか、ということでした。真っ当な疑問だと思いますが、瞬時に答えられないところに新聞業界の悩みがあります。ひとつは朝夕刊セット価格で売上を立てているため、夕刊はなくすとそのセット価格を動かさなければならない面倒さがあります。今の販売店の多くは複数の新聞を扱っているため、一紙が夕刊をやめても販売店の労務状況は変わらず、販売店の売上だけが落ちるという結果になります。また70代のコア読者に夕刊は深く愛されています。その他いくつもの理由からなかなか廃止できないままに現在に至っています。 ただ、これまで新聞業界はデフレのもとで逆風を凌いできました。インフレの今、紙の新聞は本当の逆風にさらされています。 今年はいろんな意味で転換点になると思います。

私たちの社会ももうそろそろ一歩進まないと、との思いが強くします。バカッターは明らかに減ったと思っていましたが、またぞろ復活の兆しがあり、誰かが炎上の対象になったら、それに便乗して、誹謗中傷だけでなく違法の領域まで突き抜けてしまう‥。数々の悲劇を生んだ失敗はもう乗り越えましょう。なんとしてでも。

被害想定を「責任逃れ」の口実にしてはなりません。大被害のあと「ほら、言ってたでしょ」という意味合いに使われるものではそもそもないのです。ひとりひとりを防災や減災に向かわせるインセンティブの役割こそが大切です。その意味でも、個別具体的な説明を丁寧にすることです。この建物は耐震工事で、被害想定がここまで減った。この避難塔によって何人の命が新たに救われる。といった試算が示せるような手法が理想です。努力が実を結んでいることをわかるような説明にすること。メディアにも同様の使命と責任があります。

肝の据わった大人物でした。この人がドンと構えていた首相官邸は安心感がありました。当時は安倍政権時代と違い、首相官邸に官僚への直接の人事権はなく、官僚のコントロールが難しい時代でした。そこをビシッと抑えることができたのが石原氏でした。インタビューをしたこともありますが、いつもきちんと自分の意見も言い、見出しどころのある内容で、助かりました。鹿児島県庁時代、屋久島を訪れて病みつきになったという登山に備えるため、いつも階段を使っていました。追いかける記者が息をあげてしまう健脚でした。平成も遠くになりにけり、です。合掌。

細田氏にとってこれはかなりリスキーな判断だと思います。三権の長は負けるわけにはいきません。しかし、このままの情勢ではなかなか厳しいと思います。統一協会の問題だけでなく、セクハラの報道もボディブローのように効いてくると思います。

円安が外国人労働者の生活を直撃していると伝えられたのは、昨年の終盤です。それはまだ今回の統計に反映されていないのではないでしょうか。もしかすると、今年を境に減少に転じ、どんどん減っていくかもしれません。そうならない対策が求められます。