中野 香織

ウェアのデザインやデザイナーの選び方もさることながら、公式写真のこの構図や見せ方からして各国のセンスが表れていますね。日本は白々とした照明のもと工業製品を平たく見せるような構図というか。そこには日本のイメージをより印象的に伝えようという意識はそもそもないようです。

デザイナー、ミシェル＆アマゾンカのインスタグラムで、細部の写真を見ることができます。 https://www.instagram.com/michelamazonka/ 見れば見るほど、モンゴルの歴史やアイデンティティを刺繍や細部に精緻に織り込んだ、すばらしい作品であることがわかります。 モンゴルの富裕層の購買力はひそかにうわさになっており、日本の一部高級スキンケアもモンゴルの富裕層を対象に売れているそうです。東西をつなぐ中継ぎ貿易の成功者が富裕層を形成しているらしいです。そうした層がミシェル＆アマゾンカのようなデザイナーを育てる土壌を作っているのかな。 このブランドが世界的に飛躍する契機になったと同時に、モンゴルの洗練されたイメージが格段に上がりましたね。

品質、ブランディング、コラボレーション、オペレーションの巧みさとたえざる改善に関しては日本でも多々、指摘されてきました。 この記事でユニークなのは、海外の視点からユニクロの文化的な魅力が指摘されていることでしょうか。 「日本文化において重視されるシンプルさ、品質、機能性は、すべてファーストリテイリングのコアバリュー（本質的価値観）と完璧に合致する。その統合は、日本製品と同義であるミニマリストの美学や入念なクラフトマンシップをますます求めるようになった世界中の消費者……」 LVMHの猛威に対抗し業界を再編成していく力をもつダークホースがユニクロなのかもしれません！

さっそくキム・カーダシアンら招待客がインドブランドのファッションやジュエリーをインスタグラムで披露しており、日本では伝えられることが少ないインドのファッションブランドのことがわかる絶好の機会にもなっています。 とりわけ顔まわりを飾るフェイスジュエリー、ボディジュエリーは全く日本にはない文化なので興味が尽きず、眼福です。インドでもラグジュアリービジネスを興す動きが高まっているとは伝えられていますが、こうした素地があればインド伝統文化に根付いたよいビジネスが期待できるのでは。 遅ればせながらご結婚を心よりお祝い申し上げます！

Hopを屋内栽培するスタートアップ、ekonoke。 レタスのようなコモディティだとスケールしない、だけどHopのように高付加価値がつくものだと可能性が大きい、という話に納得。屋内植物栽培に失敗した孫さんが「しょ・・・」というだけでキレる（笑）っていうエピソードにつなげるところがこの番組らしくて好き。 今回も爆笑しつつ勉強になりました！

広告宣伝費、アンバサダーおもてなし代、場所代などイメージにかかわる経費が価格の大きな部分を占めていますね。利益を還元して地域を修復し社会の幸福のために使うクチネリのようなブランドもありますが、あるコングロマリットみたいにトップ層がますます潤って寡占的になっていくところもあります。高度資本主義が生む格差社会に支えられるビジネスなので、資本主義の終焉とともに行き詰まるのではないでしょうか。終焉するのか、修正が加えられるのか、これからの人間次第ですが。 購買者も購買者で、人間の虚栄心やマウント欲に対してもっと冷静な見方ができるように賢くなるとよいですね。あるバッグを「買わせていただく」ために買い物実績を重ねる姿とか、ある限定品を「買わせていただく」ために「マラソン」する姿なんて、50年後の視点から見ると、シュールな笑い話にしか見えませんよねえ。

自動ロボットAI石加工技術。短時間で石像も作れちゃうというユニークな技術。びっくり。 一方、ヨーロッパの石像職人さんたちのお仕事はどうなってしまうんだろうという一抹の不安もあります。そんなこと言ったらあらゆる分野がそうなんですが。 いつもながら話の運びがテンポよく楽しく、オチのまとめ方もくすっと笑えて、最高です。

一歩引いて部外者の目でこの状況を見てみると、視野狭窄で欲の強い購買者、ブランド戦略に長けた老舗企業、そして抜け目ない中古市場が織りなす笑劇のようにしか見えません。その経済圏内でみんなハッピーならそれでよいのでは。（エルメスの歴史には敬意を抱いています）

１０人中８人がスニーカー。この流れはもう不可逆ですね。 スニーカークリーニングなら男性のみならず女性需要も多く、時代に合っているのでは。 （私も頼んでみたい）

上記の「コメント」欄でもどなたかが素朴な質問をしていますね。「LVMHが何でもかんでも手に入れる必要があるのか？」 アート、メディア、スポーツ、ホテルと広げてきたら当然、レストランも。資金力が豊かなので事業継承を助けられるという社会貢献的な一面もありますが、「文化帝国」を着々と築いているのが実態。 パリオリンピックでも多くの場面でＬＶＭＨ傘下のブランドが関わっています。よくもわるくも気がつけばＬＶＭＨ的美意識や価値観が浸透していく…ということを、少なくとも自覚しておきたいものです。

パリオリンピックでは、LVMH傘下のブランドがユニフォームからメダルにいたるまでばっちり関わりPR効果を期待していますね。 LVMHは、アート、ポップミュージックの世界をすでに巻き込み、今度はスポーツ！という勢いです。ケリング傘下のブランドも映画制作をはじめ、もはやあらゆる場面にブランドコングロマリットの影響が及んでおります。彼らは文化帝国を目指しています。 資本力を背景にしたこういうブランドの影響力を、私たちはいつの間にか受けてしまう。これを自覚しておくことが大事かな、と。 それにしても、ジャイアンツの文字がティファニーブルー。球場の背景もティファニーで、すっきり高級化した感はありますが、マッチョ感が薄くなっていますね。「ビール飲みながらメガホンで声援」の世界から「シャンパンとオペラグラスで観戦」が似合う世界へ移行したりして。

フレッシュで生々しくて面白く、深い感動を与えてくれるインタビューでした。「最初に稼いだお金」のストーリー、そのまま映画化できますね（今も村本さんは映画になってますが）。 もともと社会風刺のセンスが優れていた村本さんは、「内輪いじり」ばかりやってる芸人が売れる日本よりも、アメリカのほうが絶対に合うと思う。 43歳ですべてをすててゼロから、ハンデだらけで、新しいチャレンジを始める村本さんもかっこいいし、話を聞きだす後藤さんの言葉の選び方のセンスやノリもいい。最高です。 「こっちの土に埋まってたらどんな花が咲くんだろう？」きっと大輪の花が咲くでしょう！