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【盲点】サステナブルな社会が「不足経済」を助長する
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「大量消費社会に別れを告げる」ということは、この200年間、ついぞ起きませんでした。  しいていえば、ソ連の実験ですが、あれは、計画経済で物を効率的に生産しようとしたら、政府の都合で軍需産業に偏重して物不足になっただけです。  物不足は古代から繰り返し起きてきたことです。18世紀まで、人類の最大のエネルギー源は森林でした。メソポタミアをはじめ、世界各地の文明が、木を伐りすぎて、エネルギーを確保できなくなり、衰退しました。  人は、物不足で滅亡するとわかっていても消費を続けます。消費を節制したことで生きながらえた文明は存在しないでしょう。  18世紀、木を伐りすぎてどうにもならなくなったヨーロッパでは、技術革新、つまり蒸気機関と石炭のガス化によって、エネルギーの確保に成功しました。石炭が主要なエネルギー源になりました。  20世紀になると、石油、天然ガス、ウランが新たなエネルギー源になっていきました。  エネルギーの問題だけではなく、古代では錫が不足して主要な素材である青銅が生産できなくなる文明が増えました。多くの場合、製鉄技術の確立によって、素材不足は克服されました。  20世紀は、石油からプラスティックを、ボーキサイトからアルミニウムをつくる技術が確立されて、素材の供給が可能になりました。 つまり、技術革新によって物不足が克服されてきた(さもなくば滅亡した)のが人類の歴史です。それが、この250年間で急加速して、サイクルの回転がどんどん速くなっています。  物不足が進むと技術革新が必ず起きるという保証はありません。しかし、今のところは、資本の集中と投下によって、技術革新を加速する余地は十分あるように見えます。  ムーアの法則の話でいえば、スーパーコンピュータの計算速度を競っていたような時代から、量子コンピュータの開発へとすでに技術革新の目標は移行しています。コンピュータも、20世紀半ばは真空管でつくっていました。それが半導体に移行しましたが、電子材料もまた従来のものとはかなり異なるものになっていくのでしょう。
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成長続く世界の「水ビジネス」市場、日本企業にチャンスはある?
ニュースイッチ
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
水ビジネスといっても、ダム、上下水道、海水淡水化プラント、等々、多岐にわたります。  中東やアフリカ、南アジア、中央アジアの多くの地域で、水は農業生産を劇的に減らすほど不足してきています。すでに紛争を引き起こしている地域もあります。  また、川の水が減ると水質汚染が起こり、公害病の原因にもなります。 インド、6億人が水不足 汚染で毎年20万人死亡 https://www.nishinippon.co.jp/item/o/430296/ インドの成長 水不足が阻む https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48641300W9A810C1945M00/?unlock=1 イラクの水不足、農業用地の消滅 https://twitter.com/DRovera/status/1456999159022694405 イラクの水質汚染 https://twitter.com/jenanmoussa/status/1058683069622861824 北米や南米でも、現在の農業、畜産業の生産水準を維持することは、水不足のために困難になってきています。 干ばつ、世界で相次ぐ 農業への打撃が食糧供給リスクに https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1807B0Y1A810C2000000/ ポイントは、いかに水を効率よく使うか、になります。  マクロなレベルでは、国境を越えて、ダムを活用した水の配分を決めていくことで、ある程度はしのげます。  今のままだと、エチオピア、スーダン、エジプトで、ナイル川の水の利用をめぐって戦争になります。  トルコやイラク、シリアを流れるティグリス川、ユーフラテス川をめぐっても争いが起きています。 立場の弱い人々は水へのアクセスを奪われ、工業や農業、畜産業で生計を立てることもできなくなります。  水質浄化を専門にしている日本ポリグルという企業があります。特にこの会社の水質浄化剤は、容易に水の浄化ができるため、災害被災地や難民キャンプで活用されています。 納豆菌から開発した水質浄化剤で開発途上国を支援(日本ポリグル株式会社・会長 小田兼利氏) https://www.njh.co.jp/small_company/sc14/
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【肉好き必見】牛丼が「贅沢品」になる日が来るのか?
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
牛肉の生産国は、 1位 米国 1226万トン 2位 ブラジル 990万トン 3位 EU    800万トン 4位 中国   644万トン 5位 インド  627万トン 6位 アルゼンチン 305万トン  このうち、米国、EU、中国は、国内消費分が大きいため、輸出国の順位は以下のようになっています。 1位 ブラジル 208万トン 2位 オーストラリア 166万トン 3位 インド  156万トン https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_000879.html つまり、日本で安価な牛肉が入手できるかどうかは、ブラジルとオーストラリアで、安価な牛肉の生産が続けられるかどうかにかかっています。  特に、ブラジルは、牛肉の国際相場を左右するくらいに輸出量が多いです。ブラジル産牛肉の価格は、2011年と比べると、3.5倍になっています。 https://www.indexmundi.com/commodities/?commodity=beef&months=120&currency=brl  ブラジル産牛肉の価格高騰の最大の要因は、最大の輸入国である中国の需要増大です。飼料であるトウモロコシの価格も高騰していますが、これも直接の原因は中国が輸入を増やしたからでしょう。  「日本で牛丼が贅沢品になるか?」という問いへの答えは、中国が現状の牛肉消費を続ければそうなる、というのが一番確実な答えです。  気候変動で牛肉生産が減少して世界的に品薄になる、というようなことも長期的にはあるかもしれませんが、現在の生産水準が維持されても、日本人の購買力が増えない限りは、すでに贅沢品です。  他の食品と同じですが、世界的にはインフレが続く一方で、日本人の購買力は増えていないので、食品輸入のコストは上がり続けています。国際的に人気で品薄の産品については、日本の商社などが買い負けて、日本国内には入って来なくなる、ということもすでに起きています。
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【全貌解説】なぜ今、世界は「モノ不足」の危機なのか
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
今年のクリスマスはチキンが値上がりするそうです。  というより、すでにコンビニや居酒屋、弁当屋のから揚げは原材料不足と価格高騰の影響を受けています。  これは、日本の鶏肉の最大の輸入元であるタイで、感染拡大とロックダウンが長引いたためです。 安いから揚げ もう限界? いったい何が https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211029/k10013325831000.html 半導体や自動車の部品だけではなく、多種多様な産品のサプライチェーンが世界中に張りめぐらされるようになりました。  から揚げ1つ、ピザ1枚でも、複数の国からの輸入品の組み合わせです。特に冷凍食品はそうです。 コロナ禍によって、当初トイレットペーパーなどの物不足が懸念されましたが、世界の物流は、思いのほか機能し続けました。これが、100年前のスペイン風邪の時は、もっと早く物流が寸断されていました。14世紀のペストであれは、ヨーロッパの人口の3分の1が失われたのは、ペスト菌そのものだけではなく、物流の断絶による餓死も大きな原因でした。  医学的な検査、予防措置、衛生管理、等々が、現在は100年前とは比べものにならないくらい発達しています。そして、物流も、はるかに大規模にシステムが発展し、無人化、省力化も進みました。これらのことが、2020年と21年には物流の寸断が起きるのを押し止めてきました。 日本人が最もイメージしやすい物不足は、第2次世界大戦の末期と戦後の数年間でしょう。あれは、経済制裁と、物流が米軍の潜水艦などによって寸断されたことで起きました。コーヒーやチョコレートはいうにおよばず、砂糖や、米ですら不足していきました。  日本を含め、世界の大部分の国は肥料の自給はできませんが、肥料が入手できなくなった時点で、食料を自給するだけの農業はできなくなります。北朝鮮をはじめ、いくつかの国で、今、これが起きています。  今の日本は、世界でも圧倒的に物を買う力がある側の国です。餓死者が出るほどの物不足は、中東やアフリカ、南アジアの一部で深刻化してきています。物流が、そこまで行き届かなくなってきているからです。
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「12月1日にクーデターが計画されている」…ウクライナ大統領、ロシアや財閥トップの関与指摘
読売新聞
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
まず大前提として、ロシアはハイブリッド戦争を仕掛けてくるに違いない、ということがあります。  ハッキング、フェイクニュース、犯罪集団、移民難民志望者、なんでも使って、敵国を撹乱し、隙をつくって攻め込む、というのがロシアの常套手法であるのは、今や多数の先例があります。  ロシアにとって最も利用価値があるのは、敵国内の対立です。元首相とか国会議員とかが米国との安全保障条約がロシアとの平和条約の障害だと発言するのを支援したり、米軍基地は撤退するべきだと運動する団体を支援するのは、極めて安価に利用できる駒です。  ウクライナは、国内が分裂しています。2014年のロシアの侵攻で直接占領されたクリミア半島、そして東部は親ロシアの武装勢力がロシアからの支援を受けて実質統治しています。  ロシアから見れば、自国軍を動かさずとも、ウクライナ国内に利用できる駒がたくさんあります。  ウクライナの大統領が、獅子身中の虫を疑うのは、無理もありません。というより、内部の対ロシア通敵者をあぶり出すのが、ロシアの侵攻を防ぐうえで、必須の諜報戦です。  今回名前を挙げられたリナト・アフメトフ氏は、多数の金属、鉱業、銀行などの企業を保有するウクライナ最大の富豪です。タタール人ムスリムですが、東部の親ロシア派を支援する活動を行ってきました。  獅子身中の虫はしらみつぶしにしていかねばならないのですが、それは膨大な労力と疲弊、疑心暗鬼を生じさせる作業でもあります。もちろん、そうなるだけでもロシアのチャンスは広がるので、ロシア政府は、虚実混ぜながら、疑惑の種をバラまいています。
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【解説】米中「新エネルギー競争」で遅れたアメリカの大失策
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「中東には石油があるが、中国にはレアメタルがある。」という鄧小平の言葉通り、中国は多くのレアメタル、レアアースの埋蔵量において世界でも圧倒的に多く、レアメタルを経済戦略の中心に据えてきました。  国内のみならず、国外のレアメタルの権益も可能な限り確保しようとしてきました。中国のレアメタル確保の国外最重要拠点は、1つはミャンマー、もう1つがコンゴ民主共和国です。他のアフリカ諸国や中南米でも、可能な限り権益を確保しようとしています。  もう1つのレアメタル埋蔵大国、オーストラリアについては、中国は手を出せていません。  中国のコンゴへの関与は、極めて大規模で包括的なものです。単にコバルト、リチウムといったレアメタルや銅を採掘するだけではなく、広大な森林を伐採して、中国に木材を輸出しています。  中国企業がコンゴ民主共和国の森林を切り尽くしているようなことは、欧米企業は環境団体が怖くてできないでしょう。コンゴ民主共和国にも反発する人々はいます。しかし、コンゴ民主共和国の経済が圧倒的に中国に依存しているという事実があります。 世界の土地囲う中国 農業・鉱業、10年で600万ヘクタール チャートは語る https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA221I70S1A620C2000000/ 米国は、1970年代からモブツ政権に軍事支援などを行ってきました。しかし、軍事支援だけでは現地の経済は支配できません。  モブツ政権は、1988年、中国の支援を受けた武装勢力、ローラン・カビラに倒されました。以後、30年間カビラ親子の統治が続き、コンゴ民主共和国は、「アフリカ大戦」とも呼ばれた5年間の陰惨な戦争、第2次コンゴ戦争に突入しました。  この間、米国のブッシュ政権の関与はあまりにも限られており、オバマ、トランプ政権でも同様でした。日本は、なおさら地味な関与しかしていません。  一方で、中国とコンゴ民主共和国の2国間貿易額は、2004年には1億ドル程度でしたが、2020年には60億ドルに達しました。  中国との関係の似たような変化は複数のアフリカの国で起きています。中国が石油資源で莫大な投資を行ってきたアンゴラは、また別の形態だし、ナイジェリアやエチオピアもまた違いますが、中国との経済関係の急速な深化には違いありません。
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慶応大と東京歯科大、「23年合併」見直し
時事ドットコム
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
少子高齢化を見越して、大学の合併を進める、というのは、文部科学省の方針として進められてきました。  ただ、経済産業省が民間企業の合併を進めようとしても、そう簡単ではないのと同じように、うまくいっていないところもあります。合併すれば、非主流派になり、日陰に追いやられる人たちが出てくるからです。  キャンパスの統廃合ということが起こり、場合によってはリストラされることもありえます。教員よりも、事務員については特にリストラの可能性があるでしょう。  大学全体の経営でいえば、統合によるメリットというのはあるでしょう。しかし、そこに自分の居場所はあるのか、というのを気にする人たちは、当然ながらたくさんいます。 医学部、薬学部、歯学部は、学部出身者が業界の派閥にそのままなるため、特に利益関係がついて回ります。そのため、合併はOBも巻き込んで難航します。  大阪外語大を大阪大学が吸収した例は、比較的抵抗が少なく実現しました。  名古屋大が岐阜大と統合する件は、東海国立大学機構という上部組織を設けてその下に両大学が属する、というゆるやかな統合なので、何とかできそうです。  静岡大学と浜松医大の統合は、かなり難航しています。
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