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【挑戦】リサイクルで利益を狙う、あの日本企業
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
リサイクルが成り立つかどうかは、採算が合うかどうかが問題で、採算が合うかどうかは規模の問題であるところが大きいです。  規模を大きくするには、世界の何か所かに廃プラスティックを集積して、巨大なリサイクル工場で再生処理するのがいい、ということになります。 現実はそうはなっていません。  廃プラスティックが集積される国、というのはあります。  しかし、そこでリサイクルは行われてはいない、という場合が圧倒的に多いです。  先進国は廃プラスティックを、途上国に金を払って引き取ってもらいますが、途上国の輸入業者は、金だけ受け取ってリサイクルはしない方が儲かるからです。廃プラスティックは山奥などに廃棄されてきました。 プラスチックごみに埋もれた村 日本から違法輸入も https://www.youtube.com/watch?v=rDLFr5eGlLw 衣料類ごみについては、今はアフリカや中南米に集積され、廃棄されています。 「アフリカ人はどんな服でも着ると?」 ガーナで聞いた古着商の憤り https://www.asahi.com/articles/DA3S15398729.html 砂漠を汚染する「ファストファッション」 廃棄した古着から有害物質 チリ https://www.afpbb.com/articles/-/3375578 結局、リサイクルするよりも、アフリカなどに輸出してしまった方が、安く処分できる、というコストの力学で廃プラスティックは動いています。 この状況を止めるべく、2020年に改正バーゼル法が締結されました。  廃プラスティックを他国に輸出することを規制する条約です。  世界のどこかにプラスティックを集積しても、リサイクルなどされていない、という現実があってのことです。 市場の力学では、一番安く引き取ってくれるところに廃プラスティックが集まって、アフリカに廃棄されて巨大なゴミの山を築くことになります。  国際的に、諸国の政府が金を出して、アフリカやバングラデシュやチリなどに巨大なリサイクル工場をつくるなどしなければ、廃棄された衣類が持続的にリサイクルされるということにはならないでしょう。
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NY市の薬物過剰摂取による死者、22年は過去最多の3000人強に急増
Bloomberg
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
現在、コカインは市場価格が下落し、中南米の農家が生活苦にさらされています。 https://www.theguardian.com/world/2023/sep/13/colombian-coca-market-collapsed-cocaine-precursor フェンタニルを含むオピオイド系麻薬に米国市場のシェアを奪われたからです。  オピオイドというのは、opium、つまりアヘンの仲間で、ケシの花から生成されます。  原材料であるケシの花から取るアヘンの、世界生産の9割を超える原産国はアフガニスタンです。  アフガニスタンで取られたアヘンは中国やインドに出荷され、加工された製品として米国へ輸出されます。 米国は、ある程度の中流層以上にならないとまともな医療を受けられない国なので、病気になってもオピオイドの摂取で済ませてしまうことが多く、そのまま中毒になる米国人が多いです。  医療へのアクセス困難とオピオイド中毒の増加は、現在の米国では一層進んでおり、中毒の末に死亡する米国人も増えています。  解決策は、米国に住む全ての人に、安価な医療へのアクセスが保障されるようにすることしかありません。日本ではずっと前から実現していることですが。  米国で、「大麻を合法化した方がまだましなのではないか」という主張への支持が高いのは、こういう医療のあり方があってのことです。 米国のオピオイド禍と日本への教訓 https://synodos.jp/opinion/international/21894/
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【最前線】あなたのゴミは今、「お金」に変わっている
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
2018年に中国がプラスティック輸入を禁止したのが世界的なターニングポイントでした。  日本を含め、先進国で集められたプラスティックごみは、それまで中国に買い取ってもらっていたのが、ベトナムやマレーシア、フィリピンに送られるようになり、そこでも河川や海を汚染する邪魔ものでしかなく、社会問題となりました。  2020年になると、西アフリカ諸国にプラスティックごみを輸出するのが世界の主流になりました。 西アフリカのプラスチックごみ問題は誰の責任か – Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/videos/2022-08-30/RHEL3SDWX2PW01 2020年に、改正バーゼル条約が締結され、日本国内でも2021年にバーゼル法が施行されました。 リサイクルに適さない汚れたプラスチック等の輸出について(注意喚起) https://www.env.go.jp/recycle/yugai/recycle.html プラスティックごみの輸出が規制されたことにより、国内でのプラスティック処理が必要とされるようになりました。  だいたいは、ゴミ収集して焼却炉で燃やす、というのが主な対処ですが。 2022年は原油価格が高騰して、ペットボトルリサイクルが増える、ということはありました。 ペットボトルごみ、争奪戦 取引価格4倍、リサイクル原料に 飲料メーカー https://www.jiji.com/jc/v8?id=202212keizaihyaku084 2023年は原油価格が下がったため、新品のペットボトルを製造するコストが下がったため、ペットボトルのリサイクルは割に合わなくなっています。 廃ペットボトル5割安 23年度上期、再生樹脂に割高感 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB131FR0T10C23A3000000/
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「アフガニスタンが国際テロの起点になること懸念」 公安調査庁が今年度の「国際テロリズム要覧」発表
TBS NEWS DIG
韓国大統領「北朝鮮が核使用なら体制終焉」、10年ぶり軍事パレード
Reuters
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
北朝鮮は、国民を飢えさせて自由を奪うという愚劣の極みのような体制ですが、現在のキム家の体制をいかにして存続させるか、ということにかけては、非常にしたたかな計算ができます。  そして実際に存続に成功してきました。 北朝鮮が核兵器を使うも使わないも、キム家体制の存続にプラスになるかどうか次第です。  重要なのは、北朝鮮が核兵器を使っても体制が存続し、韓国に対して優位にも立てる、というような「ワンチャンあるかも」などという考えは夢にも持たせないようにすることです。  そのためには、韓国の軍事力が北朝鮮を圧倒しうる、というのは、基本的に重要なことではあります。 ただ、北朝鮮は常に米国と中国を最重要の要素と考えています。  北朝鮮が「ワンチャンある」と考えるのは、1つには、核兵器を使っても米国は介入してこないのではないか、という考えを持った時です。  これは、韓国と日本に米軍が駐留している限りは成り立たない考えです。 もう1つは、中国に、「必ず守ってやるから鉄砲玉として全力で暴れてこい」と命じられて断れない時です。  中国の保障というのはあまり安心できるものではありませんが、こちらの方がまだありえます。  中国も、自分で核兵器を撃つよりは北朝鮮に撃たせた方が余裕をもって事後に備えることができるでしょう。 韓国の軍備だけではやはり足りず、米国、中国を勘定に入れた計算が必要になります。
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大学の統合・再編促進へ 少子化加速で規模是正
共同通信
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
企業の合併でもそうですが、合併したからといって社員の数を減らせるかというと、必ずしもそうでもないし、減らすのはかなり大変なことなのですよね。  先日のそごう・西武のストライキのように、社員の数を減らすというなら、ストライキに出るくらいのことは起きます。 大学の合併、というのはすでにいくつか試みられていて、 大阪市立大学と大阪府立大学の合併もそうだし、 それ以前の大阪大学と大阪外国語大学、 名古屋大学と岐阜大学の例、などがあります。  いずれも学生数は減っていません。教員数は多少減っているところがありますが。 一方で、大学の廃校、経営悪化などによるハードランディングの破綻で、救済合併などされない場合であれば、教員数も学生数も確実に減ります。   今のところこの例は少ないです。  経営が悪化している私立を救済合併したがるところはあまりないですが、多くの場合、地元の自治体が公立化して救済するからです。  地域経済への悪影響や地価の下落を恐れた自治体が、破綻しそうな私立大学を救済して市立大学にする、というケースは多く、これが日本に800近くある大学の数が減らない最大の理由です。
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ロシア黒海艦隊司令部にミサイル攻撃=クリミア半島、黒煙上る
時事通信社
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
ドローンや通常弾頭のミサイルで軍事施設を攻撃しても、大したダメージを与えることはむずかしく(弾薬庫などを狙った方が、大きなダメージになりやすいです)、象徴的な攻撃になりがちです。  それでもウクライナ軍が繰り返しクリミア半島にあの手この手で攻撃を仕掛けるのは、クリミア半島に決定的な重要性とこの戦争の転機があると考えているからです。 ロシア・ウクライナ戦争の始まりは、2014年のロシアによるクリミア半島占拠であったといえます。  ロシアは、クリミア半島こそ最優先で手に入れたかった、といえます。  クリミア半島は、18世紀以来、ロシア海軍の重要拠点で、今回の戦争でも、黒海を封鎖するロシア海軍の基地になっています。 2023年6月から続くウクライナ軍の反攻作戦は、南下してクリミア半島近くまで迫り、クリミア半島を孤立させる、ひいてはクリミア半島を奪還する、ということを目標にしています。 この戦争でウクライナが勝利するために、ロシア軍をウクライナの国土から完全に駆逐する、というのは、あまりにも時間と犠牲が必要になり、欧米からの支援が今のペースで続いたとしても、何年もかけてもできるかどうか、難しいところです。  それでは、ロシアにとって最重要であるクリミア半島を失うか、あるいは海軍基地として使用できなくなって維持する意義を失えば、ロシアはウクライナの国土を占領する意思を無くすのではないか、というのがウクライナの希望的観測です。  そのために、ウクライナ軍の地上部隊がクリミア半島まで迫るにはまだまだ遠いですが、あの手この手で、クリミア半島への攻撃を続けています。
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