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国際共著論文の拡大へ。文科省が新たに支援する「国際先導研究」とは?
ニュースイッチ
【解説】中台が参加表明。今、TPPに注目すべき理由
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
今、TPPが注目されるべき理由、それは、中国の経済が持つ特徴が際立って異なっている、ということが重要になったからでしょう。中国における国家と経済の関係が、米国などとは異なっている、ということですが、そのことがアジア太平洋地域で持つ意味がどんどん大きくなっています。  国家と経済の関係が米国と異なるのは、決して中国だけではなく、カンボジア、ラオス、ミャンマーは明らかに中国側です。ベトナムも、本当はかなり微妙なところです。マレーシアも、米国というよりは中国寄りでしょう。  TPP(環太平洋パートナーシップ )がCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)という新しい名称になったのは、2016年に米国が撤退し、その後残った国で2018年に協定に署名した時からです。  米国だけではなく、カナダも2017年には離脱しています。カナダは、国内のフランス語を話す少数派の特別な地位がTPPで失われるのは受け入れられない、という理由でしたが、そんなことをいえば、マレーシアなどは絶対に加盟は無理です。  TPPはもともと、貿易、投資、そして非関税障壁のサービスまでルールを共有しようというもので、無理があるくらい野心的でした。主導者の米国が撤退したくらいで、トランプ政権の特殊性によるものとも見られていましたが、バイデン政権になっても復帰の見通しは立ちません。  今のCPTPPは、日本、オーストラリアが主導といえば主導の立場ですが、主導力にも積極性にも欠けています。日本国内にCPTPPを熱望するだけの世論があるかというと、そうでもないでしょう。  TPPで提示されたような貿易、投資、サービスのルールを呑みたいような国がどれだけあるのか、本当に積極的なのは、シンガポールと台湾くらいではないでしょうか。  ここにきて、中国が加盟しようとするのは、ひっかき回すだけの結果に終わるかもしれないし、CPTPPが骨抜きにされるかもしれません。しかし、それを受け入れかねない素地がCPTPP加盟国にあるともいえます。TPPは、本来は米国の力業であり、米国が協力に推し進めれば成り立つかもしれない、というような構想でした。
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【衝撃】文化人類学で、あなたの価値観は根底から覆る
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
人類学というのは、欧米の植民地支配がなければ発生しなかったもので、かつてのキリスト教の宣教師らの後裔にあたります。  戦国時代に初めて日本に接したヨーロッパ人の中で、誰よりも熱心に日本語を学び、日本についての膨大な報告書を書いたのは、ルイス・フロイスのような宣教師たちでした。それは、キリスト教を宣教するためであり、聖書を現地語に翻訳するという目的があったからでした。  教会が欧米で最も強大な組織だった時代が終わると、英国やフランスのような近代国家が植民地のために現地調査を行いました。政治、経済、地理から宗教、植物、文学まで現地人よりもはるかに細かく調べ尽くそうとしました。そういう情報が、統治と経済開発のために非常に役に立つことを理解していたからです。  米国の人類学者ルース・ベネディクトが太平洋戦争の開始直後、米軍の依頼で日本占領政策策定のチームに参加し、その時の研究をもとに『菊と刀』という著書にまとめたことは有名です。日本軍も東南アジア各地の調査を依頼しましたが、人類学者の層の厚さが、米国には遠く及びませんでした。  20世紀になって、植民地統治の時代が終わっていくにつれ、アジアやアフリカの調査は、人類学という分野に衣替えしました。ベトナム戦争やイラク戦争でも米軍からの発注はあり、近代国家は今もなお人類学の重要な顧客です。しかし、グローバル企業の時代になると、企業が主な顧客になっていきました。  企業文化の研究、というのが人類学の大きなジャンルになりました。その時代に盛んになった産業に合わせて、開発人類学、医療人類学、観光人類学といったジャンルの研究が盛んになりました。ある種のヒッピー文化、文化相対主義、近代文明批判の旗振り役にもなりました。  ただ、人類学というのは、数十人~数百人程度のミクロな研究対象に密着する研究です。そういう小規模な未開社会を研究することで人間のあり方を理解できる、という前提でやってたのですが、1つの村についての研究は、1つの村を理解しているに過ぎません。そこからより大きな社会や国家、文明を語ると根拠のない主観にならざるをえませんでした。  現在のデータ・サイエンスで、複雑な社会で起こることを数学的に検証しようとするようになる以前は、それでも「社会科学」という扱いでしたが、社会についての研究は大きく変わろうとしています。
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タリバン 女子の中等教育認める方針も女性の権利への懸念残る
NHKニュース
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
彼らが言うところによれば、 ・小学校は男女共学でもよい ・中学校からは、男女は別の教室で授業を受けなければならない。その準備が整ったら、中学生以上の女子も教育を受けられる ということになります。その準備が整えられるのか、が、1つの問題でしょう。  こういうことを言う人間はムスリム諸国ではめずらしくなく、サウディアラビアやそのいくつかの周辺国では小学校から大学まで、完全に男女別の学校です。  ただ、サウディアラビアの場合、予算があるので、男子学校と女子学校の別の校舎をつくれるし、教員も、外国人を雇えば間に合います。  アフガニスタンの場合、多くの途上国同様、学校も教員も絶対的に不足している、という状態が続いています。日本でいうような学校にはそもそも通えない子供が多いです。モスクに付随したマドラサと呼ばれる施設でイスラームの勉強だけする、という子どもが多く、ターリバーンの主な基盤になってきました。  ミャンマーなども、少し前までは、地方では学校もなく、仏教寺院やキリスト教会が教育の受け皿になっていました。  アフガニスタンでは、そもそも学校に通えない子供が従来から非常に多いのですが、米国が金を出して、学校や教員は都市部を中心にある程度は増えています。今ある校舎を活用して、午前は男子、午後は女子の授業をする、という対応もあります。 アフガニスタン 子どもの半数、370万人学校に通えず 女子の割合60%、一部地域で85% https://www.unicef.or.jp/news/2018/0096.html ↑これは、米国が介入して17年間経った2018年でも、なおこの状況だった、という話です。男子でも半分近くは、学校には通えていません。
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バイデン政権、難民受け入れ上限の引き上げ検討=国務省
Reuters
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
米国では、毎年大統領が次年度の難民受け入れ数の上限を発表することになっています。毎年、10月1日までに議会との協議を開始しなければいけません。  この受け入れ上限数は、ベトナム戦争後の1970年代後半に最も高く(毎年25万人前後)、一度低下し、湾岸戦争後の1990年代に一時的に上昇しました(毎年15万人前後)。そして、トランプ政権下の2017年から、急速に下がりました(毎年2万人前後まで)。  バイデン政権になって、2021年には毎年6万人程度に増えました。2022年には12万5千人にする、というのが今出ている案ですが、これはアフガニスタン難民受け入れが大きな要因でしょう。  米国へ入国する難民は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が斡旋することになっています。アフガニスタンやイラクから来る難民はそうやって割り当て人数を決めればいいのですが、それとは別に、中南米から何万人も入って来て、難民申請をしています。このことが、米国の難民政策を複雑にしています。  ハイチなど中南米からメキシコ国境を越えて入って来て、テキサス州に最も多く難民申請者が集まっています。この人数はコントロール不能で、毎年の難民受け入れ数上限にどれだけ含めるのか、判断を難しくしています。
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米国境にハイチ人殺到 深まる「移民危機」
産経ニュース
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
「テキサス州の橋の下に1万人のハイチ人が住むようになってしまった。」というテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)のツイートです。 https://twitter.com/tedcruz/status/1438704128037900289  ただ、地図を見ればわかりますが、ハイチはテキサス州と国境を接しているわけではありません。船に乗らないと米国には行けませんが、直接上陸するならフロリダ州ですが、とにかくテキサス州に向かっています。この背景には、移民をめぐる政治・経済があります。  まず、ハイチ政府ですが、機能していません。7月の大統領暗殺をはじめ、混乱していますが、黒幕は、その後現在まで大統領代行を務めることになった人物ではないかと見られています。しかし、誰も暗殺の下手人を探そうとはしていません。国会議員も3分の2は外国に移住していて、政治家であれ官僚であれ、金のある人間から国外へ出ています。庶民が米国へ密航するのを止める者はいません。  米国は、コロナ禍で外国人労働力が減少しました。特に、最大の農業・牧畜州であるテキサス州は、外国人労働力が必須です。ハイチ人にすれば、フロリダ州に向かうよりもテキサス州に向かった方が、仕事があります。  ハイチからの移民の主流は、まずブラジルやチリに船で向かいます。そこから陸路でメキシコを目指し、国境を越えてテキサス州に入ってきています。  テキサス州に数万人のハイチ人がいる、ハイチに送還すればいい、といっても、簡単ではありません。彼らはメキシコから入ってきました。その前はブラジルやチリにいたといいます。彼らがハイチのパスポートを所持していなければ、彼らをどこに送還すればいいのか、断定できません。米国だと、彼らは黒人として扱われる、ということも、政治的な対処を難しくします。米国には彼らを支援するNGOがたくさんあるし、経済界も移民労働者の必要性を知っています。 https://www.nytimes.com/2021/09/17/us/del-rio-texas-migrants.html
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米軍、アフガン誤爆認める 子ども含む10人殺害
共同通信
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
9月11日にニューヨーク・タイムズなどが出した調査報道で、誤爆なのは確定していました。この内容は、米軍内部からのリーク無しではまずできないもので、米軍内部でもよほど問題視する人たちがいたのでしょう。 https://twitter.com/evanhill/status/1436422176425578496  カブール国際空港で米軍兵士13人などが殺害されたのが8月26日、米軍の撤退完了予定が31日でした(一方、この攻撃でアフガニスタン人は170人以上殺されています)。  米国政府としては、何としても撤退完了までに攻撃の再発を防ぎ、そしてイスラーム国集団への報復もしておかなかればならなかったでしょう。このままだと、イスラーム国が最後に米軍に勝利したような印象を与えかねません。  米軍は功を焦ったといえるでしょう。それでも、それだけ重要な報復攻撃にもかかわらず、調査報道で明らかになったように非常に薄弱な根拠で、報復に踏み切っています。攻撃対象になった男性が車にポリタンクをいくつも積んでいて、それがガソリン爆弾に違いない、というだけの根拠でした。男性は米国のNGOで働いていて、ポリタンクはその活動のために大量の水を運んでいただけでした。  米軍による最後の攻撃が、ドローンによる誤爆だというのも、この戦争を象徴するものでした。2001年にアフガニスタンに攻め込んだものの、最後まで目的が定まらず、米軍は過酷な山岳ゲリラ戦を嫌って、ドローン攻撃に頼るようになりました。  ドローン爆撃による「スマートな」戦争は、特にオバマ政権で推進されて、2021年までに米軍はアフガニスタンで1万3千回以上のドローン爆撃を行いました。そのうち少なくとも8割、おそらく9割近くは、アル=カーイダでもターリバーンでもないアフガニスタン人が犠牲になったと見られています。今回は、カブールの街中だったので、すぐにバレましたが、20年間の戦争でどれだけの誤爆があったのか、が、この戦争の検証では本当は非常に重要です。 https://www.washingtonpost.com/politics/2021/09/16/murphys-misfired-claim-that-8-out-ten-us-drones-miss-their-target/
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女性問題省が勧善懲悪省に タリバン、抑圧懸念強まる
共同通信
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
勧善懲悪省、というのは、似たようなのはいくつかのムスリム諸国にあり、サウディアラビアには勧善懲悪委員会というのがあります。  要は、PTAや国防婦人会のようなものが見回りをしていて、「悪」らしきものを指導します。男女がデートしていたら、すでに婚姻関係にあるか確認し、未婚であるなら指導します。スカーフをしていない女性、ラマダーン中の昼間に食べ物を売っている店、モスクで集団礼拝をしているのに参加しない男性、などに指導します。だいたいは口頭指導ですが、逮捕権を持っている国もあります。  イランだと、警察にそういう指導をする部署があります。生活安全課にやや近いでしょうか。マレーシアやインドネシアのアチェ州でも、組織は小規模ですが、逮捕権があります。  非常に多くの人員を必要とするので、ボランティアに委託している場合が多いです。自転車の違法駐輪を見回るようなかんじで、そこら中をパトロールしていたりします。  ターリバーンも含めて規範としているイスラームの法学では、政府の役割というのは非常に小さく、主なところは軍事と外交くらいです。中世に考えられたものだからそういうものですが、政府が徴税したり、経済政策や教育をするといったことは想定されていません。あとは、漠然としていますが「善の勧めと悪の阻止」も政府の義務であるとされています。そのため、イスラームに基づいていると主張する政府は、まず勧善懲悪委員会のようなものをつくろうとします。
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【深井龍之介×北川拓也】物理学と社会科学の意外な「共通点」
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
社会科学を科学にする、というのは、見果てぬ夢ののようなもので、まだ試行錯誤中です。  19世紀にマルクスが「科学的社会主義」を唱え、自分の経済学と歴史学は科学である、と主張しました。自然科学が台頭していく時代に、社会についても科学的に研究できる、という主張でした。マルクスの「社会科学」は膨大な信奉者を得ましたが、20世紀後半になると、それは科学でも何でもなく、科学的な根拠のない疑似宗教のようなものだったことが明らかになりました。誰がやっても同じ結果が出る実験のようなものではなく、人によっては「共感」できる言説を振りまくことしかできていませんでした。  20世紀になると経済学は数量的データを集めて科学的に証明可能な理論を確立しようとしだしました。心理学も実験でデータを集め、人間についての科学を確立しようとしました。社会学や政治学も統計学と結びつきました。しかし、自然科学のような科学には程遠いままでした。  数学を頂点に、物理学も化学も、自然科学は自然を数量化してとらえ、実験を繰り返し再現することで、科学的に証明できる法則を確立してきました。社会科学は、経済にしても政治にしても、実験を繰り返す、というわけにはいきません。もちろん、歴史もそうです。  現在、データ・サイエンスとかビッグ・データとかいわれるもの、あるいはAIで、従来よりもはるかに膨大なデータを社会と人間について集めることができるようになりました。世界中で消費されるファッションの傾向とか、6世紀から20世紀までの日本の短歌の変遷とか、何であれ社会と人間について膨大なデータとその相関関係を計算することで、はるかに精緻な検証が可能になりそうに見えます。  ついに社会科学と人文学が科学になる機会が到来、という期待も一部にありますが、まだ使いこなせてもいないので、実際どこまで可能かは、まだわかりません。
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