梅田 修平

道徳、外国語、プログラミング、そして「金融」。どれもあればベターなことは間違いありません。でも、部分最適でベターを積み上げればボトルが崩れます。俯瞰的な全体最適の担いを明確にしたいところです。

公教育は変化すべく「周辺環境」の整備は進んでいます。その方向性がいずれであれ、教員の「労働環境」が整わない限り変化は実現しません。 教員は、校務に追われ教務に時間を割けず疲弊、または、教務を求め民間へ転身。そして、教員を志していた方々は現実を知り志を断念。 この負のスパイラルを断ち切り、ボトルネックを解消しない限り、残念ながら何も変わりません。

私的な口癖ですが　　で？　　ですね。 いったんfactはそうだとして、何が課題で、課題があるなら、誰が、何を責任持ってやるんでしょうか。

大人の「理想」に基づき決まったようです。一方、現場では、定期テストにスピーキング配点など、まずありません。教育におけるこのギャップ、「ものさし格差」と呼んでいますが、大きな影響を受けるのは子どもたちと教員です。ギャップを埋めるため、どのようなhowが示されるのか、注視します。

グローバル化が1つのキーワードである「学習指導要領の改訂」と、ネットワーク環境も整いつつある「1人1台端末」。踏まえた、興味深い施策であることに加え、コロナ禍がもたらした海外とのオンラインによる「新しい距離感」。拡がる予感がします。

確かに、全国学力・学習状況調査は、掲げた目的（メリット）が叶っているか、懸念（デメリット）が大きくなっていないか、の点から再考の余地がある。ただ、文末の「付記」が主たるメッセージならば残念。あくまで、相関関係であり、因果関係ではない。

常に中途採用の門戸を開く当社においては、数年前から教員の方からの応募が著しく伸長しました。多くの方は「教えたくて教員になった。が、公務に追われ教務に時間が取れない。でも教えたい。だから、民間。」がその理由です。私たちが「フォレスタネット」を始めたこともここに起因します。 由々しき事態を打開するためには、ここにあるような火消しではなく、抜本的な対応が必要です。

こんなにも簡単なトップの総括で終わらないことを願います。「逆ピラミッド」で言えばトップにある児童・生徒、教員、学校、市区町村教委の定量・定性データも踏まえ、丸投げにある1人1台端末をいかに活用するか等、ギャップを埋めるための議論の端緒としてもらいたいと強く思います。

今井先生からお話のあった「ICAPモデル」は、私自身の経験と照らし合わせた際にとても腹落ちしました。 タブレットを使い基礎学力を育成する教室、「フォレスタ学習道場」を例にとると、 ・Ｐ→ タブレットに表示される情報をインプットする ・Ａ→ 問題を解くことでタブレットにアウトプットする ここまでは、当たり前の話です。 以降、実際に教室で目の当たりにした、ユニークな一場面を紹介します。 ・Ｃ→ タブレットだけでは分からない問題の説明を講師から受けた小2の女の子。「わかった！」、「じゃあ、私も問題考える！」。情報の吸収が、彼女の既知と結合。これが刺激となり、新しい知識を創り出そうと動き始めました。 ・Ｉ→ 2分後。「問題できた！これ、分かる？えーっと…」 　１＋２＝０ 　３＋６＝１ 　７＋５＝０ 　９＋８＝３ 「じゃあ、４＋０はなーんだ」。講師は悩みます。そして、この声が聞こえた周りの生徒たちも考え始めます。 「えー、わかんない」「『いち』とか読み方に関係ある？」「なに？ヒント！」「私も問題つくってみる！」「新しい問題できた！」 生徒と講師だけでなく、生徒同士が結びつくことで新しい知識がどんどんと生まれていきます。　 学習塾の環境があるから先生や生徒たちが周りに居る、だからこそＩやＣが自然と生まれる。 基礎学力の定着に向け、これからも「場」の重要性を意識していきたいと強く感じました。 ちなみに。この問題、わかりますか？ 小2の子らしい問題ですが、私は答え（ルール）を聞いて、これを彼女が創ったことに、とてもとても感動しました！

私たちが世界11ヵ国で行ったリサーチから、子どもに対する保護者の学習面での関心度は、圧倒的な最下位であることが分かっています。 学習だけでなくそもそも子どもに寄り添っているか。学校のせいに、学習塾のせいに、社会のせいに、仕事のせいにしていないか。 子どもには関係のない話です。再考する端緒にしたいと思います。

「ひとりごと」、フル活用していました。「話せる」とは、勝手に「フレーズが出る」と考え、そのためには「暗記する」ことで自分に「取り込む」が近道と捉えたためです。電車での移動中、歩いている時、常にボソボソです。つまるところ母国語も一緒かもしれません。一度取り込んだものは容易には抜けません。