Picks
2321フォロー
17445フォロワー


航空エコ燃料「SAF」、米などと共同調達へ 政府が支援策を検討
大場 紀章ポスト石油戦略研究所 エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表
SAFというと、ユーグレナ等の藻類バイオ燃料が想起される方も多いでしょうが、世界でSAFといえば主にパーム油や大豆油由来の廃食油を原料に作られる「HEFA(水素化処理エステル・脂肪酸)」が殆どです。先日の発表にあったように、ユーグレナも当面は藻類ではなく廃食油で航空燃料を製造する計画のようです。
日本では廃食油は約40-45万トン/年出ますが、そのうち大半の22-25万トンは飼料用に使われます。最近では海外での燃料用途に価格が高騰して3割ほどは輸出される一方、国内での燃料用消費はごくわずかです。ちなみにちなみに家庭から出る廃食油の9割(9-10万t)は廃棄されています。
我が国では、国土交通省が2030年の日本のエアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換えるという目標を設定しています。2022年7月に行われた「製造・供給WG」での議論の結果、国内空港でのジェット燃料利用量予測は約1400万kLで、その10%の140万kLのSAFが必要になる見込みです。現在事業者等の供給見込みを足し合わせると約118万kLとなっており、このままでは不足します。
国内の廃食油流通量を考えても、この数字の大半は輸入原料を用いた供給が前提になっていると思われます。国内の廃食油の輸出分や未利用分を足しても、国産(といってもその元の植物油の殆どは輸入ですが)には程遠いでしょう。
そこで、海外調達力を強めるために、こうした取組みが出てきたのでしょう。
記事では「SAF」とだけありますが、海外からSAFを調達する場合、既にジェット燃料と混合された「混合SAF」ではなく、純粋なSAF(「ニート(NEAT)SAF」と呼ぶ)の形で輸入し、国内で混合することが流通上理にかなっています。(ちなみに国内で混合すると「国産SAF」扱いになります・・・)
結局パーム油等の植物油頼みなので、SAF比率を上げていけば、廃食油の世界的な奪い合いになります。世界的に13%混ぜれば7200万kL必要と言われ、SAF必要量は2020年の6.3万kLの1000倍にもなり、圧倒的に足りなくなるでしょう。
そうなった場合、藻類の出番・・・かもしれないのですが。ちとせ研究所が世界最大級の藻類生産設備作ったの、あまり知られてないですね。
https://chitose-bio.com/jp/news/4940/
【注目】日本経済の中心・丸の内で今起こる「地殻変動」
関電の顧客情報不正閲覧4万件超、1000人関与…前回公表から大幅に拡大
大場 紀章ポスト石油戦略研究所 エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表
問題があると認識していた42,7%の人は、想像するに新電力よりも自分たちの方が「正義」だという思いが強く、少しくらいはいいだろうという考えがあったのではないでしょうか。
確かに、現在の電力制度では、新電力よりも旧一電(旧一般電気事業者、いわゆる関西電力や東京電力のようなかつて地域独占していた大電力会社)の方が不利になるように制度設計がされているため(限界費用玉出しの事実上の強制や、供給力維持のための容量市場の整備の遅れなど)、そのような不公平のなかでこれくらいなら、と思ってしまったのかも知れません。実際、新電力のことを感情的に嫌っている旧一電の社員の方をたくさんみてきました。
今回の問題が根深いのは、他の電力会社も不正閲覧はあったものの、関電の自己申告のため課徴金免除(リーニエンシー)制度に基づき処分を免れ、一方の中部電力、中国電力、九州電力の3社は1000億円の課徴金を支払うことになっています。
消費者からすると、全部悪いだけにしか見えませんが、電力業界からすれば裏切り者であって、到底納得はいかないでしょう。電力業界の連携に大きなヒビが入ってしまいました。電力再編論者にネタを与えてしまった可能性もあります。これから電力業界はどうなってしまうのでしょうか。
電力復旧「危険でも続ける」 ウクライナ電力社員 人々の感謝、励み
大場 紀章ポスト石油戦略研究所 エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表
ロシア軍は昨年10月8日にクリミア橋が破壊された(犯人不明)翌日から、その報復としてウクライナ全土のエネルギーインフラ数十箇所対し継続して1000回を超える空爆攻撃を行い続けています。
1月18日に起きた、ウクライナ政府のヘリコプターがキーウ郊外の幼稚園に墜落した事故(内務大臣、内務副大臣、国務長官を含む搭乗者10人全員と、墜落した園内にいた子どもを含め地上にいた4人が死亡)は、濃い霧の早朝の低空飛行のため視界が悪かったと言われていますが、停電で建物の明かりや、衝突防止用のビーコンが消えていたためとも言われており、つまり停電のせいで起きた痛ましい事故ともいえます。
ロシアにとって電力インフラ攻撃は戦略上かなり重視されていて、止まることはないでしょう。ウクライナは燃料があっても変電設備が不足して電力供給ができないというシビアな状況にあります。国民心理や戦況に大きな影響を与えるでしょう。
電気代、追加軽減策検討 首相「ちゅうちょなく」
大場 紀章ポスト石油戦略研究所 エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表
電気代を政府が介入して補助するなら、最初から自由化などやらなければよかったのにと思います。経済対策が必要なら、消費者に補助すべきではないでしょうか。
電力の自由化とは、電気代が高いときもあれば安いときもあるという仕組みであって、消費者や供給関係の事業者がそれぞれ自由な契約でリスクをとることで初めて成立します。
しかし、それを政府が介入して値上げさせなかったり、補助して価格抑制すると、価格変動を前提としたリスクテイカーがいなくなり、自由化の意味が無くなります。電気代は政治的に高騰させられないのであれば、自由化の意義が問われます。
政府のこのような反応を見ると、結局最初から本当の意味で自由化するつもりなどなかったように思えてきます。自由化は別の目的(例えば電力会社の解体、電力制度のイニシアチブを行政が取る、原子力の抑制、学者の実験、等)で行われたに過ぎなかったのかも知れません。
価格抑制「実感なし」=ガソリン補助金、支給から1年―6兆円超投入、見えぬ出口
大場 紀章ポスト石油戦略研究所 エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表
実感がないのは補助金が事業者に出ているために、販売価格のうち何円が補助されているのか見えないようになっているから。実際には補助がなければ昨年の5月から11月まで補助されていなければ200円/Lを超えていた。
現在は基準価格の168円に据え置かれるよう補助金が支給されているため、ガソリン価格は殆ど一定になっていて、変化もないのでなお実感しづらい。1/31の値では、補助なしの価格は185円なので、補助金額は実質17円程度。最も補助されていた昨年6月頃は約42円補助されていて、補助なしでは214円だった。
このような形式になったのは、国民の目に晒される政府ではなく官僚が制度の骨子を考えたからだろう。制度運用が楽というだけでなく、行政は消費する有権者ではなく、家計負担減という統計とグリップしたい事業者の方をみているから。
6兆円は有効に使ったといえるのか。他業種との公平性の問題は。
補助額の上限は12月までは35円だったが、1月から毎月2円ずつ減少し、1月33円、2月31円・・・5月25円となるが、当面は差額は上限未満なので168円のままと思われる。
https://nenryo-gekihenkanwa.jp
政府、GXの基本方針の修正案が判明 原発の新規建設地を限定
大場 紀章ポスト石油戦略研究所 エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表
「まずは建て替え」から「建て替えに限り」に政府方針を修正したということで、主に連立を組む公明党に配慮したものと推察されます。
公明党は以前は「原発ゼロ」を掲げていましたので、政権与党として新設を認められず、与党内で意見が不一致の状態でした。
ところが、昨年7月の参議院選挙の公約ではそれを取り下げ、「将来的に原子力発電に依存しない社会を目指す」という表現に。そして、昨年12月12日に公明党が岸田首相に提出したエネルギー・原子力政策に関する提言書で、原発の新増設に関して「現時点で認められない」としつつ、リプレースは「地元からの強い要望」「安全性が既存炉より向上する」ことを条件に、「例外的に、その可能性を追求していく」と方針を転換したと伝えられています。
修正された公明党の方針に合わせ、政府が建替え限定に方針を譲歩することで、与党内の意見を取りまとめたということになるのだと思います。
安定供給、原子力…参院選、各党エネ関連の公約は
https://www.denkishimbun.com/sp/211842
【主張】エネルギー政策提言 原発に依存しない社会めざす
https://www.komei.or.jp/komeinews/p269574/
公明党、原子力政策で提言/リプレースを条件付き容認
https://www.denkishimbun.com/archives/247623

NORMAL
投稿したコメント