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下落幅はG7で最下位 執拗な円安の背景はどこなのか?
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
9月末も終わるところで、主要通貨のスポットリターンを測ると円よりパフォーマンスが劣る通貨はロシア、トルコ、アルゼンチンという状況にあります。もちろん、これらの国と日本が同じだというつもりは毛頭ありませんが、日本の事情が良く分からない海外筋からすれば「CPIで米国超えでもマイナス金利を継続している通貨」というのは十分売りのテーマ性があると思います。
また、需給面でも貿易収支はこれから確実に悪化に向かう雰囲気があります。従前申し上げているキャッシュフローベースの経常収支の議論を含めますと、やはり円を売りたい人が多いというシンプルな現実が統計から読める状況もあります。
現状把握のお役に立てれば幸いです。
「貯蓄から投資」に秘められた円安マグマ、注目される個人の外貨買い=唐鎌大輔氏
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
SMBCの外貨預金のニュースは恐らく元々金融商品に明るい方々からすると、もっと金利の付くネット銀行の同質商品はありましたし、それほど新味はなかったのではないかと察します。しかし、大手行の預金金利引き上げは資金循環統計(奇しくも本日発表)に大きな影響を持つであろう高齢者層の行動に影響を与えそうという意味で注目はしたいところです。
なお、直近の資金循環統計における株式比率はもう少しで過去最高というところまで肉薄しており、また、外貨性資産(筆者試算)も相応に増えているという点で注目しました。この辺りも簡単に記述しております。もし宜しければご査収くださいませ。
なぜ円安はユーロに対しても続くのか。その賞味期限はいつまでか
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
基本的に「ユーロ/円」という取引は為替市場には無いので、実務的にはドル/円とユーロ/ドルに分解した上で考えることになります。ドル/円の堅調は言うまでもないこととして、ユーロ/ドルも欧米実体経済の格差に照らせばさほど弱くないという印象があります。これはひとえにユーロにも相応の金利が付くということに帰着すると思いますし、ドル/円でも同じ理由が使われていることを踏まえれば、結局は「日銀がマイナス金利でECBは利上げしているから」ということになります。
もちろん、それだけではありませんし、そうは言ってもドイツは貿易黒字ですから需給面でユーロは買いという考え方もあります。なお、実効ベースで見ても今年のユーロ(や欧州通貨)はドルよりもパフォーマンスが良く、日本人が思うほど今年はドル高ではないです。
「円安の終わりはアメリカ次第」という思い込み
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
年初来8か月の為替市場を総括すると、G7通貨で円以外は大体、対ドルで横ばいです。基本的に欧州通貨は強めです。
一番弱い通貨から順にアルゼンチン、トルコ、ロシア、そして日本です。もちろん下落幅には差がありますが、上述の通り、日本の属性(G7)を考えると、「これって本当に米金利の話だけなのか?」と考えるのが普通の感覚だと思います。例えば本日時点でロイターには「ドル2週間ぶり安値」というヘッドラインが出ていました。しかし、ドル円は146円台です。ドル高ではなく明確に円安であり、その原因を日本に求めようとする分析態度はやはり妥当と感じます。
年初、夏の終わりは円安の終わりだと言われていたはずです。このあたりを8月31日ということで一度まとめさせて頂きました。

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