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電力価格の高騰抑制を 東京都、東電に株主提案
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
東京都のウェブサイトを見ると、定款に以下の条文を追加することを提案したようです。 > 第7章 電力価格の高騰抑制・安定供給の確保・再生可能エネルギーの活用促進 (電力価格の高騰抑制) 第40条 電力価格の高騰抑制に向け、次の取組に最大限努めることと する。 (1)様々なコスト縮減を含めた不断の経営改革 (2)省エネや効率的な電気の使用の推進による利用者負担軽減の促進 > 東京都のエネルギー問題アドバイザリーボードの委員を依頼されているので、第1回で、「東京都の電気料金抑制に向けて知事にお願いしたいのは、柏崎刈羽原子力発電の再稼働に同意いただくよう新潟県の皆さんに頭を下げること」と申し上げたのですが、全く反応は無かったうえでのこの動きは、自分ができること、やるべきことを丸投げしているように思います。 そもそも電力の小売りは全面自由化しているので、安い小売り事業者がいればそこから買えばよいはずです。あれば、ですが。(むしろ自由化したにもかかわらず、「経過措置」として残置された規制料金が抑制されていたので、新電力と言われる新規参入事業者の価格の方が高くなってしまい、新電力が続々つぶれるという訳の分からない事態が発生しています。自由化したのか、自由化していないのか、東京都から経産省に聞いてほしい。) 自由化されて競争しているのですし費用抑制は当たり前、そして再エネ促進は公言しているので、定款に入れるというのは意味が分からない。株主として主張すべきことなんですかね? 知事のパフォーマンスが過ぎませんか。
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再生可能エネルギー「足りないのに捨てる」いつまで 脱炭素に矛盾 エネルギー基本計画の論点(下) - 日本経済新聞
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
本文では、電気が一瞬一瞬で需要と供給をぴったりと合わせなければならない(同時同量)極めて難しい財であることに触れられてはいますが、全体として再エネの出力抑制は悪という論調であり、見出しの「足りないのに捨てる」に至っては、長い時間で見た需要量の話と混同しています。 その瞬間は、余っているから捨てるんです。需要に合わせて供給を調整するのは当然で、それを避けるためには蓄電池で供給のタイミングをずらしたり、電気を使うタイミングをずらすしかありません。ただ、蓄電池はエネルギーを生むわけではなくあくまでタイミングをずらすだけ。そのためのコストとしては蓄電池はまだ高すぎるので、再エネを大量に導入し余った時には捨てる方が安いのです。 使うタイミングをずらしても良い柔軟な需要を束ねるような取り組みも進みつつありますが、まだ十分ではありません。 「既に再エネに投資をした事業者」の立場にたてば出力抑制は少ない方が良いに決まっていますが、今後さらに再エネへの投資を拡大するのであれば、出力抑制は避けて通れません。 東京新聞、毎日新聞、朝日新聞はさておき、日経も、再エネをさらに導入すべき、と言いつつ、出力抑制を否定していますが、電気のイロハを理解しているのでしょうか?
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2024年度の容量拠出金額を検証する、小売競争がゆがむなら容量市場は失敗だ
日経エネルギーNext
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
先日朝日新聞の「間違いだらけの有料記事」を批判しましたが、今度は日経エネルギーnext。こちらは新電力向けの媒体で、日経の名前を冠しているものの(日経本体のエネルギー関連記事も相当の低打率ではありますが)、その主張はかなりおかしなものが多いとして、以前から定評があります。 今回は、めちゃくちゃな謎理論を持ち出してきて、容量拠出金に抵抗しています。2020年11月にも同様の謎理論の記事を掲載したので、U3イノベーションズのnoteに解説記事も掲載しましたが、届かなかったのでしょうか。容量拠出金をオプション価値と捉えるのは間違っていませんが、具体的な定義が全く間違っている。もし意図的に謎理論で煙に巻こうとしているのであれば、相当に悪質と言わざるを得ません。 先日の朝日新聞やこの記事に辛辣なことを申し上げるのは、間違っているからではなく(間違っているくらいで怒っていたら、この分野の報道なんてほとんど読めない)、相変わらず日本のメディアが「二項対立を演出することで、この世界を悪くしていることに対してあまりに無自覚」だと思うからです。 メディアは「原子力vs再エネ」、「旧電力会社vs新電力」という構図を取り、旧電力会社に比べて不利な新電力や、原子力という悪に比べて善の再エネを優遇すべき、という主張に立つことがほとんどです。 その構図が何をもたらしたか。過剰なまでの再エネ優遇により、再エネ賦課金は膨張、自然との共生をないがしろにする甘いFIT制度が通りました。市場調達で電気を転売するだけの電力小売りが何百社も生まれ、消えていきました。 わが国の電力システム改革は、原子力停止と小売り全面自由化、再エネ大量導入の同時進行であったことに加え、限界費用玉出し強制という愚策によって、既存事業者の体力が急速に削られました。安定供給に必要な余裕が急速に乏しくなったことが問題になっています。この容量拠出金は、限界費用玉出し強制のおかげで「ただ乗り」していた人にもコスト負担をしてもらう「是正」。負担増と主張するのは、全体最適を考えていないことを示しています。 これまで電気事業に関わった経験の乏しい新電力の方たちに情報を提供する媒体は必要だと思っていましたが、こんな記事は変な被害者意識を与える以外に何ら効果はなく、むしろ有害。 これを書いた人、載せた人に問いたい。あなたは何をしたいのですか。
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内閣府の再エネタスクフォース資料に中国企業の透かし 河野太郎氏「チェック体制の不備」
産経ニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
再エネタスクフォースの委員である、自然エネルギー財団事務局長(孫正義氏が設立した再エネ推し財団)が提出した資料に、中国の国営電力会社である国家電網の透かしが入っていた件。(数年前からこの方の資料には国家電網の透かしが入っており、金融庁や経産省でも確認済み) 内閣府の規制改革推進会議本体は、設置法があり、首相名で任命書を頂きますが、この再エネタスクフォースは、河野太郎大臣が規制改革担当大臣になったときに立ち上げたもの。担当参事官は、経産省出身ながら反原発で有名な山田正人氏。委員は4人で、自然エネルギー財団の関係者が2名。 この委員会はこれまで数々、専門家から見ると「おかしな提言」をしていますが、最も話題になったのは容量市場の即時廃止を求めたことでしょう。太陽光発電がたくさん入ると火力発電所は晴れている日中などはほとんど発電できなくなります。稼働率が低下し休廃止される火力発電所が増加すると、夏の夕方や冬の曇天などに需給ひっ迫が生じやすくなります。そのため、火力発電所の設備維持を確保する仕組みが容量市場。安定供給のためのコストです。それを、この再エネタスクフォースが即時廃止を求めるという荒業に出ました。 当然、専門家から強く批判され経産省もこの時はきちんと踏みとどまりましたが、日本のエネルギーに極めて大きな影響を及ぼすところでした。 今回透かし入り資料が提出されたのは、太陽光の更なる拡大に向けて、その補助(FIP)について議論する会議。日本は震災後のFITで、菅直人総理と孫正義氏の結託で不当に高い買取価格を設定し、極めて重い国民負担にしてしまいましたが、同じような失敗を繰り返さないように気をつけねばなりません。 エネルギーは安全保障・経済に深く関わります。他国が政策に影響を与えたり、そうであると疑われるような事態は許されません。 太陽光も風力も、関連設備・物資の生産シェア等は中国が高く(太陽光パネルは中国産が約8割)、再エネ拡大=中国依存の上昇であることは仕方ない。それを全てダメと言っているわけではないことは申し添えます。 内閣府はサイト上から資料を一旦削除しましたが、公的文書の扱いとして首を傾げる対応。 いま審議されているセキュリティ・クリアランスの法案の遵守を徹底するとともに、政治家や官僚、有識者など、立場問わず対象とする必要があるように思います。
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5月電気代、大手全社値上がり 政府の再エネ賦課金引き上げで
共同通信
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
再生可能エネルギー賦課金の上昇に伴う電気料金の上昇。燃料費の上昇による「値上がり」も、頑なに「値上げ」と書いて、批判の矛先を大手電力に向けていた共同通信ですら、このニュースのように「値上がり」と書いているものを、Yahoo!ニュースは「値上げ」という見出しで報じています。 Yahoo!ニュースは、エネルギーに関しては少なくとも極めて恣意的なあおり見出しをつけることなど、前々から問題だと感じていましたが、これは、あれですか? 再エネ賦課金がこれだけ高騰することになったのは当時の菅直人総理と孫正義さんがFITの買取価格を不当に高く設定させたからだと国民みんなに批判されないようにということですか?電力会社による「値上げ」にしておきたいということですかね? 孫さんご自身は優れた投資家として尊敬している部分もありますが、エネルギー事業が一般的な投資事業とは異なることを理解できなかったんでしょうね。エネルギー事業は「儲からなかったらやめる」は許されない。強い言葉を使えば「死んでもやめられない事業」。周りにもわかっている方がいなかったのでしょう。 FIT制度についてはこれまで何度もその問題点を批判してきましたが、高いIRRを設定すればバブルを創り出すことは出来るものの、バブルはいつか弾けるもの。結局日本の中にはパネルやパワコンの産業も、専門の施工業者などもほとんど育たず。 こんな制度にしたことを、関係した人には猛省してほしい。 で、Yahoo!ニュースの見出しはどういうことなのか、誰かに調査でもしてほしい。 なお、再エネ賦課金は、再エネ以外の発電の原価と再エネの買取価格との差分なので、燃料価格の高騰によって再エネ以外の発電の原価が急騰した去年一時的に下がったというものであり、今回激しく上がっているのはむしろ通常運転に戻ったというところです。 また、やはり九州と関西が安いのは原子力の稼働が大きく効いています。
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オイシックス、藤田会長の「放射能汚染水」発言で謝罪
Reuters
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
こうした非科学的で不適切極まりない発言に対して、株価下落や不買運動が起きるようになったのは、健全な動きですね。 ただ、本件は「高齢の会長がよくわからないつぶやきをしてしまった」といった甘い認識で済ませてはいけないのだと思います。 藤田会長は、農業関係者を含め多くの方がご指摘の通り、これまでも種子法、種苗法、農薬関連などでさまざまなデマをまき散らしてきたそうです。そしてそうしたデマをまき散らすことで、「そうではない安全なもの」を売るというビジネススタイル。こういうモデルは、関係者に対する風評加害にとどまらず、消費者に対して不当に高いものを買わせる不誠実な商売です。 通販生活やクレヨンハウス、生協なども、こうしたビジネスモデルをとってきましたが、いい加減もう許すべきではないでしょう。 いまベルリンに来ており、昨日大使館の方と会話する機会がありましたが、中国が処理水放出を理由にホタテを禁輸したことについて、データをもって非科学的であることを説明したらドイツの方たちはわかってくれた、と仰っていました。それでも相当苦労されたそうです。そうした努力を、福島みずほ氏のような政治家やこうした企業の顔のお立場にある方が踏みにじるのは見たくない。有権者、消費者が意見を発信していくことが大切ですね。
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脱炭素と安定供給の板挟み 次期エネルギー計画に複数案
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
エネルギー基本計画は三年に一度程度見直すことが政府の義務になっています。基本計画は、文章で綴られる定性的なものなのですが、それに付随して公表される長期エネルギー需給見通しは将来のエネルギー構成を描くものです。 これまで、先進国でもこんな計画を作っているのは日本くらいなもので(欧州などで、再エネの比率などの目標はありましたが)、国際会議で話すと驚かれることもしばしばありました。 前回の計画から「これは必ず達成する計画ではなく、ビジョンのようなもの」という趣旨の注意書きが付されていましたが、2050年が近づいた今回はさらに辻褄のあう計画にするのが難しくなっている、というか、経産省は悶絶することになります。 本来、発電事業を自由化したのですから政府が計画を書くのも変な話といえば変な話なのですが、エネルギー政策の日本における重要性を考えると仕方ないとも言えます。 COP28では、各国から1.5℃目標を北極星に例える発言が聞かれましたが、そういう捉え方で考えるのか、温暖化の目標に対してそういう捉え方をすれば環境面からは非難され、必達目標として計画を書けば、エネルギー安全保障に悪影響を及ぼしかねない、複数シナリオを示して逃げれば、企業が混乱する。 いや、ほんとに悶絶です。
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東北電の原発費用、電気料金を底上げ 女川2号機再稼働しても…引き下げ効果の約4倍に
河北新報オンライン
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
電力・原子力関係の報道がヒドイというPickを昨日もしたところですが、ホント、多いんです。 この記事も、この世界に長い立場からすると、引用している学者さんのお名前見たところで、だいたいの想像がつくのですが、多分そうじゃない方も多いので今日もコメントします。(以前NewsPicksでも、この先生のインタビューのみで特集記事を構成しておられたので、批判申し上げたことがあります) 記事の概要は、 ・東北電力の原発関連による電気調達費用は維持管理コストを含め年間1,617億円に上ることが、龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)の分析で分かった。 ・今年5月以降に予定する女川原発2号機の再稼働で、同社が主張する料金原価の引き下げ効果(年間372億円)の約4倍に相当する。 ・標準家庭(使用電力量月260kWh)で試算すると、再稼働による料金引き下げ効果は月額140円の一方、原発を維持することによる費用は月額611円となる。 ・消費者庁の電気料金アドバイザーも務める大島氏は「月140円安くなるために、611円を支払うことが不合理なのは明らかだ」と語った。 とのこと。 これに対して、東北電力さんが既に抗議をされていますので、詳しくはそちらをご覧いただけれればと思います。 https://www.tohoku-epco.co.jp/information/1238940_2521.html 大島さんの試算は、いずれも東北電力の規制料金値上げ時における公表資料の中からデータを採っておられますが、なんと、「女川2号機単体が再稼働することによる料金原価低減効果」と、「東北電力原子力の全ユニットに係る運営費用および他社原子力との受給契約に基づくコストの合算」とを比較しておられるとのこと。東北電力さんは女川だけでなく東通にも原子力ありますし、もはや「何と何の比較をしてるの?????」としか言いようがありません。 原子力のコストが安いとは言いませんが(安価な電力を大量に供給するポテンシャルはある技術ですが、そのためには、建設時の資金調達コストを低下させるような制度設計や、稼働率を向上させる規制活動などが必要)、こういう試算を世に出すのはいかがなものかと思います。 メディアはそういう試算であることは認識して出したのか、認識もしていなかったのかわかりませんが、いずれにしても質が問われます。
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