黒瀬 浩一

世界経済指標がハイパーグローバル化する前は、企業の利益は国内経済から来ました。この時代にはこの記事にあるバフェットの法則は成り立ちました。しかし、ハイパーグローバル化が進み、GAFAMのような世界的な独占企業が現れてからは、もはや成り立たなく成りました。S＆P500の時価総額は約1京ドル、M7は3000兆円と約30％、これら企業の収益の大半は海外から来ます。この数字からしてバフェットの法則は成り立ちません。

早期の財試再建を目指すべきか、円安を利用して産業再生のための政府投資を優先すべきか、問題はここにあると思います。米国は、財宇赤字を容認して世界中から工場の投資資金を集め製造業ルネサンスと呼ばれるブームになっています。最も投資する国は日本です。日本製鉄2兆円、トヨタ、住友林業、積水ハウスなどです。一方で日本に投資する国はTSMCなど半導体、データセンターなどです。日本は脱炭素と電力コストを下げるための投資にもっと注力すべきだと思いますね。

日銀の利上げ、更に言うと米国の利下げ観測そのものは、160円台だった７月上旬にもありました。従って、要員の１つではあっても重要ではないと思います。むしろ、円安を当て込んだ投機筋の円売り（ショート）ポジションがシカゴ商品取引所（IMM）で大きく膨らみ、反対売買で円買いに転じたことが要因としては大きいと考えられます。ファンダメンタルズ要因というより需給要因なので、相場の方向性に持続性はあまりないと思います。IMMのポジションは以下で確認できます。 https://www.central-tanshifx.com/market/indicator/immposition.html

市塲連動の賃金を取り入れたら、システム小会社の賃金が親会社を上回るのは、当然ですが、それを本当に実現できることが凄さだと思います。日本企業の多くは真逆です。そうなると、次々に問題が送ります。たとえば、システム小会社は親会社が買うのは100％保証されているので、弛み切ってバグだらけの不良システムしか作れない会社になります。よーくあることです。

欧州は中国のEVに対し米国に同調して関税を引き上げる方針です。報復を想定しておくのべきだと思います。

将来の予想は当たらない、だから予想はしないというのはインデックス投信の思想的背景として正しいです。JPIFなど機関投資家は、もう一歩進めて、株式と債券の市場規模に応じて、債券にも資産配分しています。この背景はCAPM（現代ポートフォリオ理論）と呼ばれる考え方でシャープが発見しました。彼はこの功績でノーベル経済学賞を取りました。ただ、CAPMの最大の問題は、過去の運用実績が将来にも当てはまるという点にあります。ここだけは常にチェックが必要です。たとえば、米国が移民を制限したら、インドで改革派閥リーダーが次々と暗殺されたら、等です。2012年の第二次安倍政権の誕生もこれに相当します。だから80円代の円相場が160円になり、8000円の日経平均が40000円になりました。