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【5分解説】学会連合が科学研究費の「倍増」を求める理由
NewsPicks編集部
塩崎 悠輝静岡県立大学国際関係学部 准教授
これ、最初の方を読めばわかりますが、 「国内の主な学会連合が連携し」要望、といっても、連携しているのは理工系、特に医学の学会中心なのですよね。  たとえば、日本社会学会とか日本政治学会とか日本宗教学会といった大手は入っていません。英文学会とか、哲学とか法学とかの学会も入っていません。  科研費(科学研究費助成事業)というのは、8割は理工系の研究者が獲得するものだからです(金額だと87%)。  毎年2万5000件の採択数の内、人文・社会系が獲得するのは5000件です(金額だと13%)。 令和4年度科学研究費助成事業の配分について(11ページ目) https://www.mext.go.jp/content/20230131-mxt_gakjokik-000027279_3.pdf 科研費の獲得というのは、実績が重要な審査基準となります。  国際的に高く評価された論文(当然、英語)をたくさん書いている研究者ほど、科研費採択率が高くなります。  つまり、そういうものを書いている研究者というのは、理工系に多いということで、しかも大学別の採択率を見ると(31ページ目)、1位東京大、2位京都大、3位大阪大、です。 社会学や文学や法学や宗教の学会に属する研究者からすると、 「科研費が増えても、それを獲得するのはトップ大学の理工系研究者ばかりではないか(自分たちはもらえない)」というのが本音でしょう。  これら科研費をあまりもらえない研究者が多い分野でも、予算をもっと増やしてもらいたい、という要望は大いにあります。  具体的にどういうふうに増やしてほしいかというと、運営交付金というかたち、つまり、研究実績に関係なく、教員や学生数の頭数に応じた予算の配分を増やしてほしい、という要望が主流です。  頭数での配分だと、人文・社会系の教員、学生数が多い私立大学が有利になります。 予算を増やしてほしいといっても、 研究実績に応じて予算を割り振ってほしい  vs. 頭数に応じて予算を割り振ってほしい という路線対立があるため、全国の研究者が一丸になるということはありません。 文部科学省やその上にいる財務省としては、 科研費を増やす、という路線には理解を示すでしょう。  つまり、研究実績に応じて理工系を中心に研究のための予算を増やして割り振る、という路線については、通る可能性が高いです。
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【3分解説】ANA・JALもタッグを組む「カスハラ問題」の深刻度
NewsPicks編集部
片平 知宏NewsPicks編集部 記者
最近ニュースでもよく聞くようになった、カスタマーハラスメント(カスハラ)。航空大手のANA、JALがタッグを組んで対策に乗り出しました。 カスハラは社員が心を病むし、辞めやすくなるので、企業にとってもばかにできないコスト増の要因です。 カスハラ対策に詳しい弁護士なども取材して、航空業界だけでなくカスハラ問題の概要をサッと理解できるようにまとめました。 本記事とは無関係ですが、記事を準備していて同僚から吉本興業の元外資系CA芸人のクレイジーココさんYouTubeチャンネルの動画を教えてもらいました。 CAの立場からは普段こう見えているのかと耳が痛かったです。23分と長いのでお時間ある方限定ですが、普段飛行機利用される方も多いと思いますので、カスハラをしてしまうリスクを下げるためにもどうぞ。 【クレーム大爆発】CAからお客様への逆クレーム募集したら不満の溜まり方が異常だった件🔥 https://youtu.be/dX0Fqsm9BeQ?si=VMGhN4FLOcdWypl5 追記 ご質問があったので。 カスタマーハラスメントは日本語の造語で、英語だとcustomer abuseやabusive customersと言うようです。以下のような記事もあったので、日本のように神様文化ではないかと思いますが、従業員をどう守るかの課題は海外でもあるようです。 https://www.zendesk.co.jp/blog/abusive-customers/
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【超習慣】歩くと人生が変わる
NewsPicks編集部
池田 光史NewsPicks CXO
きっかけは、1つの靴との出会いでした。それはいわゆる「歩きやすい靴」ではなくて、「足の指が自由な靴」でした。2年ほど履くと、他の靴が履けなくなったばかりか、こんなに歩くのって楽しかったっけ?と考えが変わっていきました。なぜなら、身体も頭も、常に軽い。 そこから今度は、子供にもそれを体験させたい──と考えるに至り、もっとちゃんと理由を知りたいとなった(親の感情です)。これはただ僕だけの感覚なのか、それともサイエンスされている世界なのか、好奇心が止まらなくなりました(子供に履かせたい靴は、市場にはあまりに選択肢が少ないこともわかってきた)。 そして、そもそも人間ってどうやって歩いていたのだっけ、なんで身体や頭が軽いのだっけ、と奥深い世界を追っていくことに。そうした好奇心や疑問は、僕だけが抱えていたものではなく、実は英米では大きなムーブメントになりつつあることもわかってきた。これは特集になるなあ・・・というわけで、本特集へと相成ります。騙されたと思って、まずは第一回をぜひお読みください。どこでも書かれていない視点も含めて、チームの総取材のエッセンスをすべて、ギュッと凝縮しています。
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