加藤 嘉一

米中対立と言われながら、両国間では米閣僚の相次ぐ訪中、第三国での戦略対話、今回のような作業部会の設置などあらゆるレベル、分野で意思疎通が行われています。日中はもちろん、日米以上に成熟したメカニズムが機能しているとさえ言えます。それだけ難しく複雑な関係だからという背景も当然ありますが、日本としては、米中対立に巻き込まれるとか受け身になって怯えるくらいなら、米中それぞれに対して行動したほうがいいと思います。我々が自認しているほど米中両国にとって日本というファクターは重要ではありません。

景気回復の遅れ、構造改革の遅れ、デフレ、少子化、通貨安、不動産バブルの崩壊危機...金融緩和や財政出動を含め、マクロ政策を駆使しつつ、景気を下支えしていく姿勢を示し、実際に行動はしていますが、リーマンショック後のトラウマもあり、大規模な景気支援策は出せない。 岐路に立つ中国を眺めながら、出さなければならない解の数に比べて、方程式が少なすぎる光景に映ります。

投打に渡って何でもできてしまうし、人間性も野球に取り組む姿勢も素晴らしいから、頑張りすぎてしまっているのかもしれません。周りからの期待もプレッシャーも凄まじいですから。でも、いまはゆっくり休養して、長い目で競技に取り組んでほしいです。日本の宝である大谷翔平も、世界のオオタニも神様じゃない。私達と同じ人間だということを、我々応援する側も肝に銘じるべきだと改めて思います。

「内部の会合で口頭で指示」とのことですが、中国の政策立案、策定、伝達、指示といった一連のプロセスは複雑且つ極めて”柔軟”なものです。「指示」が絶対とは限らないし、まずは市場や関連当局の反応を見るために試験的にやってみるケースも大いにあります。指示＝指令ではなく、指令＝命令でもありません。本記事における指摘が事実であったとしても、中国政府が中国EV業界で本当に外資排除に向けて動くのかどうかは慎重に見極めていく必要があると思います。

CCTVなど中国官製メディアも速報。本件は中ロ北の枠組みで捉えるべきと思います

習近平指導部は3期目入りし、ヒトの使い方に変化が出ているように見受けられます。現時点でその良し悪しを評価することはできませんが、戦略的、意図的に回していることは間違いないでしょう。G20に李強首相を派遣したこと、北朝鮮建国75周年記念イベントに劉国中副首相を、現在ロシアに張国清副首相を送り込みました。国務院を最大限に活用しようという意図が見受けられます。人的資源に限りがあるとも言えます。韓正は確かに外交の専門家でも統括者でもないですが、国家副主席が外交を担うのはセオリー通りであり、政治的にも王毅氏よりも格上。外交軽視とは言えません。 ただ、米中首脳会談への影響は気になるところ。慎重に見極めていく必要があるでしょう。

習近平主席が解放軍内で反腐敗、党への絶対忠誠といった観点から粛清を行っているのは間違いありません。3期目は軍内が慌ただしい。台湾政策にどう影響するか。

中国人民銀行、証券監督管理委員会など当局の指導の下で企業再編、経営再建に向けたプロセスが進行していると理解していますが、それが市場関係者からどう見られるかは別問題です。人事の混乱が何を意味するのか。中国当局、アリババ、市場関係者。この3者の間の駆け引き、読み合い、せめぎ合いはもうしばらく続くと見て良いと思います。個人的にはアントグループの”再上場”に注目していますが。

９月6~8日、習近平総書記は黒竜江省を視察しています。元気でした。健康問題でないことは明らかです。自らが絶対支配する中国の基準、スタイル、ペースで事が運ばない外交の場、特に西側や民主主義国が主催するオケージョンに嫌気が指しているのでしょう。側近たちも親分に恥をかかせないというポイント稼ぎに走っている結果が現状なのでしょう。

中国当局による「戒厳令」を受けて、一般市民たちがIphoneの購入や使用を止めるとは思えませんが、それでも印象は非常に良くないです。一方、私が知る限り、政府機関や国有企業の関係者などは、今回の指令が出るだいぶ前から、自らの意思で、或いは所属機関内における「暗黙の了解」の下、Iphoneを使用することを止め（或いは控え）、Huawei、OPPO、XIAOMIなどを使用していました。 今後、中国は米国発の製品や技術、企業に益々警戒的になり、自ら主導的にデカップリングを進めていくのでしょう。国産化、内製化の方向性は変わらないと思います。結果的に、ナショナルブランドも盛り上がってきています。 多国籍企業にとってのチャイナリスクは、米中対立という世紀の構造下で顕在化していくのでしょう。日本企業にとっても当然他人事ではありません。

職場で禁止しても、プライベート＋@では使うでしょうね。少し前に某当局が主催したセミナーに参加しましたが、若手を中心に、多くのスタッフが、明らかな職場で、I MAC AIRを使用していました。

国内事情、習近平氏の性格、側近たちの思惑など、複合的に絡んでいると思います。G20サミット異例の欠席を含めて。