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「トランプ再選」で世界的な物価高騰が再燃...日本も避けられない「インフレ地獄の本番開始」
現代ビジネス
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
関税が輸入品の値段を上げて自国民の負担に帰すのは当然です。それはそれとして、コメは一粒たりとも入れない、との大方針のもと、我が国は農業・畜産業を高関税で守る傍ら、工業製品の関税をほとんど全廃しています。この結果、日本から米国に自動車等の工業製品を輸出しようとすると多くの品目に関税がかかるのに、米国から日本に輸入する場合はほとんど関税が掛かりません。この状況は多くの他国との間でも同じです。 米国の市場は大きいですから、米国の関税が上がれば日本企業は日本での生産を諦めて米国に進出して米国の関税をクリアし、必要とあればそこから関税のない日本に輸入する動きを強化しかねません。その一方、関税の無い日本に外国企業が進出する動機は乏しく、仮に日本が対抗的に関税を引き上げても、ドイツに抜かれて世界第4位に経済規模が落ち消費意欲が乏しい我が国に、敢えて進出して生産する外国企業は少なかろうと思います。 「インフレ地獄」もさることながら、資源の多くを輸入に頼る我が国にとって、米国の関税引き上げを嚆矢とする各国の関税引き上げは、致命的な経済停滞に繋がりかねないように感じます。難儀な事態になって来ましたね・・・ (・・;
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財務省、日銀国債購入は銀行保有余力踏まえた減額重要と認識-関係者
Bloomberg.com
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
日銀が国債の購入量を減らして国債の需要が減れば、国債の値段が下がります。国債の値段が下がるというのは国債の金利が上がるというのと同義ですから、国債をスムーズに発行して金利を抑え、政府が抱える1200兆円の借金の利払いを増やしたくない財務省が、日銀に代わる引き取り手がある範囲内に減額幅を抑えるよう日銀に圧力を掛けたくなるのは当然です。 異次元緩和が始まる前の2012年6月時点で銀行等は発行済み長期国債の41.2%を保有していましたが、2024年3月時点では11.7%%にとどまります。一方、2012年に9.4%だった日銀の保有割合は53.2%に上がっています。国債市場で国債を頻繁に売買し、一定の購入義務(≒入札への応札義務)を負うことと引き換えに有利な条件で国債を引き受けることができる銀行等(≒プライマリーディーラー)が手持ちの国債を減らしたわけで、要すれば、日銀が購入を減らした分だけ銀行等に買って貰う必要があるわけです。 日銀自体も600兆円に迫る国債を抱えていますから、長期金利が上昇して巨額の含み損を蒙るわけには行きません。その点で政府と日銀は共通の利害を持っているわけで、日銀も無理な減額は避けるように思います。そうすることで金利を低く抑えて灰色のサイ(1200兆円の借金を抱える政府、600兆円の低利国債を抱える日銀、長期債を買い込んだ一部の地銀、変動金利ローンを抱える家計、短期借入で長期運転資金等を賄う企業)が暴れ出すことを防ぐわけですが、その皺が寄るのが円の相場とインフレ圧力。 今月末に迫った日銀の金融政策決定会合に大きな注目が集まる所以です。
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日本人の資産額は世界17位 円安でドル建て額伸び悩む
共同通信
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
去年と同じ17位とはいえ遂に台湾(16位:110,521ドル)に抜かれたのはショックと言えばショックですけど、「生活実感に近い中央値」に限っていえば米国が14位(112,157ドル)、スペインが15位(111,270ドル)、日本を追う韓国が20位(95,872ドル)、日本より遥かに豊かなイメージがあるシンガポールが18位(104,959ドル)と聞けば、トップのルクセンブルグ(372,258ドル)、2位のオーストラリア(261,805ドル)、3位のベルギー(256,185ドル)などとは大きな差があるものの、なんとなく安心できるんじゃないのかな? とはいえ平均値で見ると姿は全く違い、アジアの中に限っても香港(4位:582,000ドル)、シンガポール(8位:397,708ドル)、台湾(16位302,551ドル)韓国(21位245,298ドル)がかなり水を開けて日本の上にいて、中央値で日本とさして変わらぬ米国も、日本を圧倒的に上回る564,862ドル4位です。平均値と中央値の差で見る格差は日本が圧倒的に小さいですが、団栗の背比べ状態の日本だけが経済に勢いがないこともまた事実。2023年の統計なので、円安が更に酷くなった2024年はどうなるか・・・ 平成元年に世界第4位を誇った日本の一人当たりGDPが、今では世界31位に落ちています。貯蓄の中央値が17位に踏みとどまるとはいえ、日本の貯蓄は高成長を経験した高齢者に偏る傾向がありますので、10年先の順位はどうなっているものか。少々気にならないでもありません。(・・;
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植田日銀総裁の異例の長い沈黙、決定会合前の利上げ思惑交錯の要因に
Bloomberg
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
3月の政策修正時が一つの典型ですが、植田総裁は、金融政策決定会合に向けて中央銀行総裁としては異例なくらい緻密な情報発信をして市場を驚かせないよう努めてこられたように感じます。その結果、長期金利も円相場も会合を受けて良くも悪しくも大きくは動きませんでした。それを踏まえると今回は確かに様子が違うかも。植田総裁の胸中を推し量る術はこれっぽっちも持ち合わせていませんが、仮に円安傾向に止めを打って過剰なインフレ圧力を和らげたいと内心思われているならば、事前に情報を流さず、サプライズを起こす方がインパクトは強いかもしれません。  国債購入量の減額計画をそれなりの規模で示すと日銀は前回の会合で公言していますけど、年間200兆円以上も国債を消化しなければならない我が国で国債購入量の大幅減額は劇薬で長期金利に上昇圧力が掛るのは必至でしょうし、政策金利の引き上げを同時にやるとなったら衝撃は更に大きそう。 政府が1200兆円の借金を抱え日銀が600兆円の国債を抱え、低金利下で家計と企業が低利の変動金利の調達を増やし、利上げ出来ない構図に陥った日本経済と、利上げしなければ止まりそうもない円安起因のインフレとを前に、日銀は果たしてどんな一手を繰り出すものか・・・ ショック療法で円安が止っても、景気が一気に悪化したら元も子もありません。植田総裁も悩んでいらっしゃるんじゃないのかな、知らんけど f(^^;
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政府、25年度財政黒字化の試算 物価高で税収増、目標達成が視野
共同通信
日本のクルマの税金はアメリカの「29倍」...!!《過去最高の税収》を4年連続更新している日本政府が無視し続ける「ドライバーたちの叫び」
現代ビジネス
東京消費者物価は2カ月連続2%台、利上げで慎重な判断迫られる日銀
Bloomberg
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
インフレ心理に火が付くと簡単には収まらず、資源配分を歪めて庶民の生活を圧迫する、というのが人生で何度かインフレ局面を経験した私の実感です。政府と日銀はインフレを一時的なものと見做して直ぐ収まるようなことを言い続けて来ましたが、そう簡単に収まるはずがないと私は当初から感じておりました。 インフレ率は遠からず低下するとの楽観的な見通しを日銀が出し続け、予測の期限が迫るたびに上昇修正せざるを得なかったところに、一旦生じたインフレ心理を止めることの難しさが端的に表れています。インフレに金利が追い付かず蓄えた預金の価値(≒購買力)が目減りし、実質賃金が26ヵ月連続で減少し、累進的に増える所得税と社会保険料が追い打ちを掛けたことで、資源配分の歪みが庶民を貧しくすることもはっきりしたんじゃないのかな (・・? インフレ・デフレが予測の範囲内にあって賃金も年金も金利も物価もそれに応じて安定していれば、インフレ・デフレが実体経済に大きな影響を及ぼすことはありません。インフレ目標はもともと想定外に嵩じたフレを抑制するためのもので、インフレを起こすために設けるものではありませんでした。そこに異を唱えたのがインフレ・デフレは貨幣的な現象だからベースマネーを増やしてインフレ期待を高めれば実体経済が改善して国民が豊かになると主張する”理論”です。円をジャブジャブばら撒いたところで資源価格が上昇してインフレ心理に火が付いたのですから堪りません。 前年比10%近く上昇して一旦0%近傍に下がった企業物価指数(≒企業が仕入れるモノの値段)が再び騰勢を強めて2.9%に達し、企業向けサービス価格もじわじわ上がり続けて3%に達しています。庶民を苦しめるインフレが簡単に止まることはないでしょう。 安定状態にあると評価して然るべきほぼゼロパーセント近傍の価格下落をデフレと称して過大に問題視し、円安でインフレを起こせば国民が豊かになるとの幻想を振りまいたこれが帰結であるような気がします。日本を成長させてデマンドプルのインフレを起こすには、生産性の向上で企業が儲かり、それが賃金と更なる生産性向上投資に回る好循環を起こすほかありません。 2%というインフレ目標を掲げて円安とインフレを起こす施策が本当に日本を成長させて国民を豊かにするものか、あたらめて考えてみる必要がありそうな・・・ (・・;
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米GDP 2.8%成長に加速 8期連続でプラス 米経済はソフトランディング軌道
TBS NEWS DIG
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
新型コロナウィルスが襲った瞬間、僅か2か月で米国の失業率は4%から14%まで一気に駆け上がり、仕事が無くなった企業と産業から仕事が増えた企業と産業に人が移って今の失業率はコロナ禍前に戻っています。一方、我が国では失業率は殆ど上がらず、一気に増えたのは雇用調整助成金を受け取るなどして雇われ続けているけど仕事がない社内失業状態の人たちで、厚労省はこれが600万人に達したと見ています。失業率に換算すると10%程度に相当しますから、日本でも米国並みに仕事が消えていたのです。米国並みに経済活動を止めたのですから当然です。その後我が国では、元の企業と産業が残業を減らす、ボーナスを減らす、出向先を捜すといった形で労働力を吸収して行きました。欧州辺りはその中間といったところでしょうか・・・ 結局のところ、良くも悪しくも自由度が高く企業と産業の新陳代謝が進む米国の経済が強烈に強く、規制と保護で安心安全を求める欧州と我が国、とりわけそうした傾向が強い我が国の立ち遅れが顕著で円の価値も落ちました。円安の背景にあるのは彼我の金融政策の違いだけではないことを、米国の強さにあらためて感じないでもありません (・・;
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景気判断「足踏みみられるが緩やかに回復」で据え置き、輸出を下方修正=7月月例報告
Reuters
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
2020年のコロナ禍中で米欧並みに経済活動を止めて我が国のGDPは米欧並みに落ち込みました。2021年に入ると米欧はワクチン接種をしっかりやって社会経済活動を正常化する方向に舵を切り始め、2022年にオミクロン株が拡がると、感染しても気にしない普通の病気として扱うようになりました。この結果、米欧は2021年にコロナ禍前の経済規模を取り戻し、2022年に大きく積上げました。 片や我が国は2021年に入ってもワクチン接種が間に合わない、医療体制が崩壊すると主張して緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を繰り返し、2022年に入っても、感染症対策はやり過ぎくらいが良いと就任早々の岸田総理がおっしゃって前半はまん延防止等重点措置を繰り返し、後半に入ってからも政府の専門家という人達が、第7波が来た、第8波が来ると大騒ぎして水際対策を含め社会経済活動を止め続けました。その結果、我が国だけが2022年になってさえ、コロナ禍前の経済規模を取り戻せない事態になったのです。 2023年に入ると流石に我が国も通常に動き出し、コロナ禍中に蓄えた貯蓄が取り崩されて家計の消費が盛り上がる、コロナ禍中で抑制された設備投資もデジタル化と省力化を目的に盛り上がる、外国からのお客さんも回復するなど、日本は遅れて来たリバウンドで力強い回復が続く、と期待されたのに、個人消費は23年のゴールデンウィーク明けに旅行と飲食で盛り上がったのち円安とインフレと国民負担への警戒感で落ち込んで、企業の設備投資も意欲先行で実際には進みません。インバウンド需要こそ盛り上がったものの、民間主導で日本が力強く成長する気配は見えません。 コロナ禍で前年比▲3.9%も一気に落ち込んだのですから回復がゆっくりで良い筈がありません。本年度の政府の成長率見通しが0.9%であるのに対し、民間エコノミストの平均は0.4%程度といったところです。円安とインフレと積み上がった政府の借金が重しになっているのは明らかじゃないのかな (・・? 新型コロナの第11波が来たと喧伝する向きがあり、病院に行っても先ずは体温測定、というところが今なお多く残っているようです。新型コロナの5類への見直しが遅れに遅れ、漸く見直した今にになってさえ11波なんて騒ぎを演じているようじゃ、一時が万事、国民が元気になれるはずがない・・・ (・・;
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サービス価格指数、3.0%上昇 6月、実質33年ぶり伸び率
共同通信
辛坊 正記(株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)
一時は10%を超えるほど上昇したのち0%台まで下がった企業物価指数(≒企業向けのモノの値段)も今年に入って1月0.3%、2月0.7%、3月0.9%、4月1.2%、5月2.6%、6月2.9%と再び騰勢を強めています。かてて加えて、賃金の影響を受け易い企業向けサービス価格も遂に3%に達したわけですね。企業向け物価の過去の値上がり分が消費者物価に十分織り込まれないうち再度の企業物価の上昇が始まって、企業向けサービス価格も3%まで上がって来ると、消費者物価の上昇が簡単に止まることはなさそうです。 今の日本は明らかにインフレ状態で、消費者物価の上昇圧力は欧米に勝るとも劣らぬ勢いです。物価に責任を負う日銀は金利を引き上げ円の価値を高めてインフレを止める必要があるはずですが、1200兆円に達する政府の借金、600兆円に迫る日銀保有の国債、低利の資金で生き延びる企業群、バブル的に上がったマンションを低利の変動金利ローンで買った家計等々への悪影響を考えると、金利を安易に引き上げるわけには行きません。 日銀と政府は賃金と物価の好循環がまだ定着していない、基調的インフレ率は2%を超えていない、などと称して脱デフレを宣言避けていますけど、資源価格の上昇と円安で交易条件が悪化して企業が生産する富の一部が外国に流出していますから、一時的にはともかく、インフレを上回る賃金上昇が恒常的に起きるはずがありません。恒常的な”賃金と物価の好循”を待っていたら、いつになるか知れたものではありません。3年近くも続く高インフレを前に基調的インフレ率が2%を超えていないなどというのも、利上げしないための方便にしか私には思えません。 ”インフレ税”で国民が貧しくなり続ける状況は、簡単には収まりそうもないですね・・・ (・・;ウーン
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