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1ドル157円台半ば→一時153円台に急騰 NY市場
土田 陽介三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 副主任研究員
因みに、本邦における為替介入は、財務省の外為特会のドル資金を用います。財務省は外貨準備のうち、現金は、主に海外中銀に預託しています。
為替介入に関して、日銀はあくまで財務省のエージェントです。したがって、介入により、日銀のバランスシートの負債サイドに計上される政府預金と当座預金は変動するものの、日銀自身のドル勘定への影響は余りないと考えられます。もちろん、日銀自身が外貨を売り、円貨を買っている可能性もありますが、規模が異なります。
ところで、今回は円資金の吸収になるため、その分、金融引き締め効果を持つはずですが、不胎化(になるのでしょうか、この場合も)しているのでしょうか?
【3分解説】円安は158円台に。それでも日銀が「動かない」理由
土田 陽介三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 副主任研究員
15年前のユーロが、ある意味ではこのような状況でした。その時は、日本は通貨金融政策の自立性があるから、と言った話が主流でした。他山の石としなかったツケかもしれない。
巨視的には、円安により内外均衡調整を図るということなのだと思いますが。かつてほど輸出は出ませんから、輸入抑制、つまりは総供給抑制による引き締め効果が強く出るのでしょうし、既に実質所得の減少というかたちで、それは出ています。人口動態に鑑みた縮小均衡を先取りしているとも言える。
これで需要を刺激すれば、更にインフレは加速します。日銀の真の狙いが持続的な物価上昇の実現にあるかのは個人的に疑問がありますが、そう言わざるを得ない状況ではあるのは確かでしょう。
最低時給が2000円越えした「賃金上がりすぎ」イギリスで起こっていること
土田 陽介三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 副主任研究員
今回、このエッセイを作成するにあたり、統計をいじっていて気づきましたが、マクロ的には、2015年前後の最低賃金の導入以降、英独は賃金・物価スパイラルに陥っていたように感じました。それを増幅させたのが、コロナショックにロシアショックという印象です。
日本の場合は、賃金が上がらないという構造的な問題を抱えて久しいです。その意味で、最低賃金の引き上げが持つ意味合いが変わるのかもしれません。ただし人手不足は深刻で、その点から賃上げ圧力を抱えていることは確かだと考えています。
計画経済のようにパラメータで塩梅を決めることはできないわけですが、匙加減を間違えると、最低賃金は経済活動の毒になり得ることを、欧州の経験は体現していると感じた次第です。
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