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AI生成コンテンツで検索順位の上位を狙えるか
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
LLM・生成AIを使ってマーケティング・コンテンツを作成させようというアイデアは、すべてのマーケターが思い付くところですが、実態としては記事の通り、SEO的な効果は期待できないとのことです。
ただ個人的には、これは生成AIを使ったかどうかではなく、やはり内容の質の話だろうと思っています。
前提として生成AIは、最も使われる・言われる確率の高い単語を出力させることに全力を注いでいるシステムです。つまり、コンテンツの全てを生成AIに任せれば、多くが知っているであろう一般的な内容の"差し障りない"コンテンツになることは当然でもあります。
そうなれば「Contents is King」に則る検索エンジンからしてみれば、新規性もオリジナリティもないコンテンツの評価を上げることはあり得ない話になります。
一方、SEO観点では、ある程度メインストリームの情報を含んでおかないと、それもまた評価を下げることになります。
つまり、広く知られる一般知識して押さえておくべき部分(=LLMがデータとして学習している)と、オリジナリティを発揮すべき部分(=データ化されていない作成者自身の考えや主張など)とのそれぞれで、AI生成と人間作成を使い分けることが重要なのだと思います。
生成 AIによって「誰でも書ける」的なムードも出てきていますが、むしろそれは逆なのでしょう。前者の汎用情報が簡単に生成できるようになった今、後者の独自情報の重要性がむしろ高まってきており、人間側がより専門的な知識やアイデアを持ってコンテンツに含める努力を行わないとと、大量の情報の海に沈んでいくことになるのだと思います。
エヌビディアに牽引されている「AIバブル」の崩壊に備えよ | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
NVIDIAがいつ、どうなるかということは神のみぞ知るところですが、大局的に見れば、経済成長のドライバーの一つであるテクノロジーというものは、進化しつつづけることがある種絶対的に内包された概念でもあり、その永続的な進化が我々人間の高度化を支え続けてきました。
新たなテクノロジーが生まれ、使われ続けることが資本主義経済の成長に密接に関連しているとすれば、記事にある「愚者理論」やテクノロジーのハイプサイクルなどで示されているように、一つ一つのテクノロジーの栄枯盛衰が繰り返されることはある意味で必然でもあるのだと思います。
AIという技術ももちろんその類を免れておらず、広く「AI」とみれば永続的なものに見えつつも、個別の技術を見てみれば、ベイズ統計、機械学習、ニューラルネットワーク、ディープラーニング、トランスフォーマーなどと、歴々と用いられる技術・手法が変化・変遷を辿っています。
そしてNVIDIAが関わるAI半導体は、その用いられる技術によって左右されることになり、CPU、GPU、TPU、NPUや、昨今盛り上がる生成AIのベースとなっているトランスフォーマーの計算処理に特化した半導体が誕生するなどの変遷がやはり起きています。
小局的に見るとこうした動向が企業間の「競争」と言われることになるわけですが、一つの企業が永続するのか、消えていくのかは別として、繰り返される競争の新陳代謝が今の世界の成長のドライバーになっていることは間違いありません。
「パーソナライズ機能」は、なぜ魅力的? ナイキやびっくりドンキーなど多業界で広がる
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
マーケティング分野でのAI活用のメインストリームがこの「パーソナライゼーション」と言っても良いと思います。
似たようなタスクに、「レコメンデーション」「マッチング」などもありますが、基本的には全てユーザーに対して最適と思われるコンテンツを提案する仕組みに変わりありませんが、提案の粒度、数、データなどに違いを見て取れます。
レコメンデーションは比べると、市場の大まかなデータ傾向から複数の提案を当てていくことに対して、マッチングは同じく市場の傾向から1対1の提案を行うタスク、パーソナライゼーションは、個人に紐づくデータを元に最適化されたドンピシャな提案を目指すもので、時代と共に活用されるデータと提案の粒度が個別化してきたものと捉えることができます。
その背景には、より個人に近い閲覧・購買・行動データの収集が可能になってきたこと、LLMを含めたAIのアルゴリズムの精度が向上してきたこと、半導体性能の向上により複雑な予測計算を従来よりもスピーディーにできるようになり、リアルタイム提案サービスとして耐えられるようになってきたこと等、環境が整ってきたことが挙げられます。
テスト前の一夜漬けに成功した日本、AI活用は正念場へ-松尾豊教授
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
松尾先生が仰る「技術利用に当たっては試行錯誤をして成果につながるまでやり遂げられるかが問われており」は、まさにその通りだと思います。
AIという技術はIT技術とは異なり、ビジネス環境に導入し実データを入力してみないと、望んだ出力をするかが事前にわからない特性がどうしてもあります。
「PoC疲れ」などの言葉も未だよく聞かれますが、一般的な魔法のようなAIのイメージとは裏腹に、こうした泥臭い作業を重ねることがAI開発・導入・活用の実際。その先の成果を得るためには、根気よくアジャイルに開発↔︎運用を繰り返し、少しずつ理想に近付けていく努力と覚悟、そして人的・金銭的な投資が必要になります。
昨今の国内の状況から短期的な成果を求めがちではありますが、"DX"と呼べるほどのゴールを達成するためには、長期的な目線で運用することを前提としたロードマップを描くことが、本当に重要だと感じます。
AI とファッション業界のリアル〜AI時代の印象作り
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
ファッション業界のAI活用は確実に進展しています。とくにこのAIモデルの生成、言い換えれば画像生成AIの応用はその代表格でしょう。
一方、難しさが伴うのは印象が重視されるファッションもやはりビジネスであって、「生成できること」と「売れること」の関連性が、現時点では未知数であるということです。
人間のモデルを活用することのリスクや制作コストの低減は確かにこうした生成AIによって貢献が期待される一方で、その画像がどのように定性的・感覚的にユーザーにどのように受け取られ、どのように感情を揺さぶり、どう売上に跳ね返ってくるか、売上トップラインの貢献度がわからないのがこれら画像生成AIの現状です。
ですが、近年、こうしたデザインやクリエイティブに対する内的な消費者感情を定量的に評価し、実績へのフィードバックを得るようなAI活用の試みも生まれてきていて、これからがビジネスとしてのファッションAIの活用の本番というところです。
この辺りの動向は下記の記事で大変詳しく議論されています。
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Biz/Zine 「AIが変える創造性の未来──次代のクリエイティブにおける人間の“役割”とは」
https://bizzine.jp/article/detail/10690
Sakana.ai、浮世絵風イラスト生成AIを公開 浮世絵をカラー化するAIも
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
Sakana.aiが言わんとしていることは「浮世絵生成ができる」ことではなく、学習データに忠実な再現性が得られたことなのだと思います。(浮世絵は単に著作権が消滅しているものが多いため使用しているだけと想像)
同社のリリースにその凄みは詳しく書かれていますが(https://sakana.ai/evo-ukiyoe/)、現状使えるOpenAI・ChatGPTやAdobe・Fireflyなどの画像生成では、けっこう画像が崩れてしまったり、場合によってはかなりホラーなものが出来上がってくることが多々あります。
それに対して、デモも試してみましたが、このEvo-Ukiyoeかなり違和感のない出力ができていることには驚きます。その裏側には、当初からSakana.aiとともに語れれている「進化的モデルマージ」(=多様な能力を持つ幅広いオープンソースモデルを融合して、新たな基盤モデルを構築するための方法を、進化的アルゴリズムを用いて発見する手法)の存在があるようです。
技術の詳細は不明ですが、画像生成に新たな可能性が現れてきていることを感じます。
チャットGPTに廉価版 米オープンAI
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
価格なのか、という点は個人的には気になるところです。
明確な市場シェアの推移が見えないところですが、市場の先行者として圧倒的な市場浸透を見せたOpenAI・ChatGPTですが、ここ直近、ClaudeやPerplexityなど、後発にあたる競合サービスの性能・UI・サービスがより優れたものになってきており、競争としては苦しくなっていることは間違い無さそうです。
またOpenAIを巡っては、セキュリティ・危機管理に懸念を訴える声明や活動が多発してもおり、その点の対策がユーザー拡大の歯止めになっているように感じます。
これらの先駆的サービスを利用するユーザーは、いわゆるイノベーターやアーリーアダプターと呼ばれる人達で、それほど値段を気にせず積極的にこれらサービスを採用・利用する傾向があることを思うと、実質的な機能削減と低価格化により、ChatGPTの利用者拡大につながるのか、市場の受け止めを見守りたいと思います。
無印良品がおじさんの「見た目劣化」を食い止める“最前線ショップ”になりそうな理由 - Lifestyle Analysis
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
若年層の男性においては韓国ブームの影響などもあって化粧水などの美容商品が浸透し始めていますが、ミドルエイジ以上となるとなかなか習慣として受け入れられていない現状があるように思います。
数年前から化粧品・コスメ各社が男性用ケア用品を発売していますが、市場としてはまだ小さいと想像していて、商品そのもののマーケティングに加えて、いかに文化として浸透させ、「周りも使っている」という状況を作れるかなのでしょう。
既存市場への新製品の投入とは異なり、これまでとは異なる習慣を根付かせるための市場創出のためのマーケティングはコスト・期間ともに掛かることから、企業にとってはリスクも伴います。
無印良品というミドルエイジも買い慣れたブランドが本格的に進出することによって、男性ケア市場が文化として根付いていくのか、非常に楽しみです。
富士通、AI新興CohereとLLM共同開発 日本語に長けたモデル「Takane」(高嶺)
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
NEC(cotomi)、パナソニック(自社内活用)などに続いて富士通もということで、国内メーカーのLLM開発も本格化してきた様相です。
NTTやKDDIなどの通信キャリアもLLM開発に着手していますが、海外AI企業に比べて不足するリソースを提携・出資などのパートナーシップで補いながら、ビジネス戦略との掛け合わせで開発を進めて行くのか、独自開発にこだわるのか、国内企業の戦略が分かれているのは非常に興味深いところです。
また、Cohereは元々BtoBで企業向けの開発に注力してきたことで知られていますが、同じ日本語特化モデルでもどの市場セグメントをターゲットに置くかで明暗が分かれてくるのかもしれません。
【注目技術】Microsoftがもたらす音声生成の革新と課題
和田 崇㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティング部長
生成AIの適用領域としては画像生成から始まり、テキスト生成、映像生成、そして音声生成も相当に精度が高まってきているようですね。
自然言語→音声変換は比較的前から取り組まれていますが、内容や文脈に合わせて声のトーンや抑揚をコントロールするなどは、複数の処理を同時に行うこと等からも難しさがありました。より人間的な対話の生成の実現が近づいているように感じます。
精度が高まる一方で懸念されるのは、人権侵害や情報操作などのリスク面ですが、このMicrosoftのVALLE-2については、あくまでR&Dで公開はしない方針とのことです。
世界初となるEUのAI法案がこの8月に発効、25年内に段階的に適用が開始される見込みでもありますが、各社において開発とリスク対策のバランスが求められていくことになりそうです。
NORMAL
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