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円安と「切っても切れない」関係?「デジタル赤字」が示す日本の“弱さ”とは
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
本文見る限り、私が過去2年弱申し上げてきたことと文章やデータ、図表全てそっくりですね・・・
それはさておき、デジタル赤字のサイズは年間5~6兆円、円安に無関係ではないですが、切っても切れないというほどのサイズではありません。この分析を展開して以降、どんどんこれに乗っかる識者が増えて円安と絡めて議論する人が多くなり、率直に戸惑いがあります。
財務官懇談会でもお話したように、デジタル赤字やCF経常赤字に象徴される国際収支の変容は日本経済の課題が表出した結果であり、円安もまた、結果の1つです。ただし、デジタル赤字はその増勢傾向に終わりが見えないという意味で超長期的に見て経常黒字を食う恐れはあるでしょう。この1点を針小棒大に捉えて円安と語る論調は要注意です。
こうした全ての議論は以下の1冊にまとめさせて頂きました。刊行2週間で既に供給が追い付かず、多方面にご迷惑をおかけしておりますが、今週から再び供給が始まります。もし宜しければご参照下さいますと、嬉しいです。
弱い円の正体 仮面の黒字国・日本 (日経プレミアシリーズ) 新書
https://www.amazon.co.jp/dp/4296120344?tag=gorogoro054-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1
コラム:動き出した家計金融資産、「いずれ日本に戻ってくる」の危うさ=唐鎌大輔氏
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
6月末に公表された資金循環統計では家計の外貨建て資産、株式資産などが過去最高比率を更新しました。とりわけ円安との関係で着目される前者については現状、色々な議論があります。ポジティブには「国際分散投資が動き始めた」という意見、ネガティブには「円安を後押ししている」という意見です。どちらも一定の理がありますし、そもそも現状でも円資産の比率は高いですから、前者の意見はスナップショットとしては正しいとも言えます。
しかし、どうせ戻ってくるのだから心配しなくて良い、という意見に私は賛同はできません。確かにそうかもしれませんが、いつ、どういった時間軸で戻るかが分からない以上、円安が実質成長を抑制している現状とは天秤にかけられないはずです。そもそも外貨を外貨のまま使わせるサービスは既に一部のネット銀行では始まっているもので、将来的に流行る可能性もあるでしょう。
資産運用機運が盛り上がっていること、円安を活かす政策が求められていることはその通りとしても、このままでいいのだから邪魔するなという意見は些か無責任ではないかと感じる部分もあります。
まだ「円安は日本にプラス」と言っていられるのか
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
直情的な議論が交錯しやすいこのテーマですが、一応、毎日、様々な企業や業種のお話をお伺いさせて頂いている立場からすると、ミクロ的には「円安はプラス」とはとても言えない雰囲気が現場にはあります。
一方、エコノミストとしてこれ(円安のメリット)を擁護する論陣があることも理解できなくはありません(積極的に賛成はしませんが)。ただ、先般の短観がそうだったように、今の円安は明暗がメリット・デメリットを受ける人の溝がかなり深く分断されており、しかも両者の間で効果の波及は十分ではないという現状があります(歴史的にも十分ではなかったと言って良いでしょう)。
円安は分配の問題と整理すべき状況にあります。この辺り、22年1月の展望レポートで(ややバイアスがかかっていましたが)見られた論点整理が使いやすいのでご紹介しております。頭の整理にご参考になれば幸いです。
「生産性向上で投資呼び込め」財務官主催の懇談会が提言 - 日本経済新聞
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
今後の日本の課題を概観する上で良い報告書になっていると思います。個人としても良い経験になりました。このような機会を与えてくれた財務官に感謝しています。結局のところ、国際収支で起きていることは日本経済の課題というよりも「課題を放置した結果」であるため、報告書が示すように論点が多岐にわたるのは避けられないかと思います。最終的に「投資を呼び込むべし」というのはTSMCに象徴される熊本ケースをどれだけ作れるのかという論点にもなってくるかもしれませんが、その場合、大きな壁となる問題としてエネルギーと人の供給制約があります。日本の政治はいずれに対しても回答を出せていないというのが非常に大きな問題です。
止まらぬ円安、金融市場のFRB支配が鮮明に-日本に打つ手なく
唐鎌 大輔株式会社みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
金利差拡大と縮小を軸にした解説も相変わらず多く見られておりますが、4月以降のドル円相場と金利差のチャートを作るとむしろ逆相関の雰囲気すら感じるのですが、本当に相場を見ているのだろうかと、感じます。金利差に基づいた解説は直感的に分かりやすい分、思考停止に誘う側面が非常に大きいと感じます(特に予備知識のない人達に対しては、です)。
金利差は重要ですが、昔ほど全てではない、くらいの心持ちで良いと思います。その傍らで注目されるようになったのが今や花盛りになった国際収支構造の変容にまつわる議論です。この辺りは以下のコラムにも詳しいので宜しければご参照下さい。そもそも特定通貨ペアの動きだけに執着する分析がミスリーディングなのだと私は考えます:
「ドル円」の数字だけを見て円安を語ることなかれ
対ドル160円、対ユーロ170円、対ポンド200円は節
https://toyokeizai.net/articles/-/767497
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