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東京の保育園、子どもの遺伝子検査を推奨・仲介 保護者3割が応じる
毎日新聞
最新研究でわかった「メガネは視力だけでなく年収も“3割”上げてくれる」 | 老眼鏡が途上国に与える経済効果
クーリエ・ジャポン
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
こちらの記事および元となったニューヨーク・タイムズの記事では、バングラデシュの高齢な労働者に無料でメガネを提供することが彼らの収入に与える影響についての研究が取り上げられています。この研究は、PLOS Oneという医学雑誌に掲載され、メガネを受け取った労働者がメガネを受け取らなかった労働者に比べ、収入が33%増加したことを報告しています。この研究には、細かい作業を行うお茶の摘み取り、裁縫などの職に就く800人以上の成人が参加したということです。 類似の知見は、過去の研究でも報告されています。例えば、2018年に報告されたインドのお茶摘み労働者を対象とした研究では、メガネを提供された場合の生産性が22%増加し、50歳以上では32%増加したことが記録されています。 これらの研究結果は、公衆衛生上極めて重要だと思います。なぜなら、これまではあまり重要視されてこなかった視力矯正が発展途上国の経済安定と生活の質に深い影響を与える可能性があることを示しているからです。多くの地域で手頃な価格の眼鏡が不足しており、これが生産性の低下や早期退職につながっています。この問題に対処することで、個人の収入が改善されるだけでなく、より国家として経済的利益がもたらされる可能性があります。 発展途上国では、感染症対策ばかりが重視されがちで、視力への介入は見過ごされがちですが、実は費用対効果の高い介入なのかもしれません。比較的低コストで経済的なアウトカムや生活の質を大幅に向上させる可能性のある介入であり、眼科領域への投資というのはもっと促進されて然るべきなのかもしれません。
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iPS心筋シート移植の治験へ 阪大、拡張型心筋症の重症化防げ
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
拡張型心筋症は心臓を取り囲む筋肉に起こる病気の一つで、進行すると心臓の筋肉(心筋)が正常に機能しなくなり、うまく血液を体中に送り出せなくなる状態に陥ります。特に心臓で主なポンプ役をしている左室が大きくなり(拡張し)、壁が薄くなります。その結果、血液を効率良く送り出せなくなり、体への血液供給が不十分になります。 現状では、薬物治療やペースメーカーなどのデバイスを用いて症状の進行を遅らせることはできますが、疾患の根本的な解決には至っていないのが現状です。また、重度の場合には心臓移植が選択肢となることもありますが、移植適用者は限られており、ドナー不足も大きな課題です。 今回取り上げられている心筋細胞シートの移植は、この病気の治療法の一つとして期待されています。この技術は、実験室で育てた心筋細胞を薄いシート状にして、それを弱った心臓の筋肉の代わりになるよう貼り付けるというものです。これにより働きの悪くなった心筋と一緒に働いて心臓のポンプ機能を補助してくれると期待されます。さらに、これらの細胞から放出される様々な因子が心臓自体の修復を促すことも期待されています。 この技術の大きな利点は、心臓のダメージを直接的に修復し、患者さんの心機能を改善する可能性があることです。しかし、安全性や効果を確認するためには、さらなる研究(今回紹介されている治験)が必要です。今後の進展によっては、拡張型心筋症を含む多くの心疾患の治療に大きく貢献する可能性があります。
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紅こうじ摂取か、新たに1人死亡 死者計5人、小林製薬が午後会見
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
原因の特定のために必要なプロセスには、以下のようなものが挙げられます。 • 症例対照研究: 腎疾患や死亡が発生した患者(症例)と、体調に問題のない人(対照)を比較し、特定のサプリメント摂取の有無や頻度、製造日などを調査します。これにより、腎疾患が発生した人に共通した特徴、製造日などを特定していき、絞り込みをできる可能性があります。あるいは、患者側の共通した特徴、持病などの偏りが浮き彫りになるかもしれません。 • 生化学的分析: サプリメントの成分の分析を行い、有害な物質が含まれていないか、または特定成分の摂取量が安全基準を超えていないかを調査します。特定の製造日のサプリメントに限定して、混入物や汚染物質がないかも検討します。 • 毒性試験: 動物実験を用いた毒性試験で、サプリメントの安全性を検証します。実験動物における腎機能への影響を調査し、人間への影響を推定することができます。 • 臨床データの分析: 既存の医療記録や、患者自身からの報告を利用して、特定の症状や病歴、他の薬剤との相互作用なども検証できるかもしれません。  これらの研究手法を組み合わせることで、因果関係を明らかにし、原因の絞り込みを行うことができます。研究には、このように多角的なアプローチが必要となり、第三者の介入やそれ相応の時間が必要になります。被害が明らかになっても、即座にその原因を掴めないことも決して稀ではありません。
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小林製薬の「紅麹」サプリ摂取し死亡2人に 厚労省がサプリ3商品の廃棄命令を通知
TBS NEWS DIG
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
このような報告は今後も増えてくるものと思います。中には因果関係のある例が含まれる可能性もあるものの、同様に必ずしも因果関係のないものも次々と報告されるはずです。これだけ報道が目立つようになれば、このサプリメントを飲んでいた人は、多くがあらゆる体調不良、過去の死亡も含めて、サプリメントが原因ではないかと声を寄せるようになるはずです。その結果として、健康被害の可能性のある例、入院した例、死亡例は過剰なまでに報告されるでしょう。 紅麹自体は、コレステロールを低下させる有効成分であるモナコリンKを産生すると同時にシトリニンという物質を産生すると知られており、これによる腎臓への障害や発がん性などが指摘されることから、欧州では注意喚起が行われており、一部の国では発売が禁止されているようです。ただし、今回のサプリからは今のところシトリニンは検出されていないとのことで、その報告を信じれば、今のところ明確な因果関係を指摘することはできません。 サプリメントと今回の事象の関連を示すには、症例対象研究と呼ばれる手法の研究を行う必要があります。例えば、腎疾患になった人となっていない人で同条件で比較して、明らかに特定の製造ラインから多く報告されれば、少なくともその製造ラインと腎疾患との関連が浮かび上がることになります。その上で、シトリニン以外にも健康被害を起こしうる成分がないか丁寧な検証が必要になるでしょう。
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東京都民は全国で一番「食道がん」にかかっているその「驚きの理由」と「都民がほとんど食べていないもの」
現代ビジネス
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
この記事のデータの解釈には注意が必要です。本記事は、残念ながらほとんど誤誘導に近い内容になっていると思います。 ここで語られているのは、都道府県ごとの食生活などの違いと発がんリスクの違いから関連性を導く論法で、ecological studyというタイプの研究で用いられる手法です。地域の食生活とがんのリスクとの間に関連性が見られる可能性はあるものの、これは因果関係を保証するものでは全くありません。さらに、これを個人レベルに落とし込むのはもってのほかです。 このようなデータから、特定の食生活が発がんリスクに寄与していると言ってしまうのは教科書的な誤解であり、統計学の世界では、”ecological fallacy”と呼ばれています。 このようなトリックを知っている反ワクチン活動家は、同様のecological studyを根拠にコロナワクチン接種回数が高い国ほどコロナ感染率が高いとして、人々にワクチン接種をしない方がいいと説明してきました。 このワクチン接種の例は実際には、因果関係がecological studyの示す「関連性」と全く逆になる場合があるということを示す好例です。それを証明するためには、個人レベルの因果関係を示すための研究を行う必要があります。 立場のある方が、このような初歩的な誤解を導くようなコメントを繰り返されており、残念に思います。
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マイクロプラスチックが健康に影響することがわかった血管疾患を起こす可能性が高い
Business Insider Japan
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
もちろん一つの研究が全てを明らかにできるわけではないものの、これは比較的重要な研究だと思います。 これまで他の動物で指摘されてきたように、人間でもマイクロプラスチックやナノプラスチックが健康リスクにつながる可能性が前向き試験で初めて示唆されています。 マイクロプラスチックやナノプラスチックはその小ささから容易に血流にのって全身の臓器に取り込まれることが知られています。その「臓器」には血管も含まれるわけですが、血管におけるマイクロプラスチックの存在が、心臓の病気のリスクの2倍以上の増加と関連するということがこの研究で示唆されています。 これはもちろん、他の交絡因子の存在を否定できるわけではなく、直接的な因果関係を保証するものではないですが、今後の研究を促進し、プラスチックの使用拡大に警鐘を鳴らすのには十分なものかもしれません。今後、発がんリスクなどについても明らかにしていく必要があるでしょう。私たちは、手遅れになる前にプラスチックとの付き合い方を真剣に考え直さなければならないのかもしれません。 参考文献 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2309822
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首相、老害発言「極めて不適切」 成田悠輔氏巡り
共同通信
山田 悠史マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー
老年医学を専門とする医師として、ここでは言葉遣いに焦点をあててコメントさせていただきます。「老害」という言葉の使用自体が、いわゆるエイジズムにあたると考えます。エイジズムとは、年齢に基づく偏見や差別を指します。 「老害」という言葉は、老いと害という言葉をくっつけることで、年齢に基づく社会的な分断を促進するものになりえます。特定の年齢層を否定的な方法で一括りにすることで、世代間の理解と協力をマイナスの方向に促進します。多くの人にとってより身近な性差別で例えれば、例えば女性に対して「女害」という言葉を作り公に使うようなものです。 当然すべての高齢者が社会や組織に害を及ぼすわけではないにも関わらず、このようなラベリングが個々の多様性を無視する方向に働き、年齢に対する一方的な見方を促進するのです。 その下流にあるものとして、この種の言葉の使用が広がることで、職場や社会生活における高齢者の機会を制限する可能性があります。結果として経済的損失にもつながるでしょう。また、高齢者自身の自尊心や自己効力感に悪影響を及ぼす可能性があります。自身が社会に負の影響を与えているとみなされることは、実際そうでなくても孤立感や不安を高め、健康に悪影響を与えるでしょう。年齢差別のこうした影響は、すでに数々の研究で示されていることです。 「老害」という表現を使用することだけでも、十分差別を助長する行為であり、年齢差別という観点から全く許容できるものではないと考えます。
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NORMAL