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新型コロナが心配です。酸素濃度を測る器械を持っていた方がいいですか?
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
Yahoo個人の記事を更新しました。
スマートウォッチで新型コロナの感染を予想できるかもしれないというニュースがあり、話題を呼んでいます。
また、酸素飽和度をはかる器械を持っておいた方が良いかどうかを尋ねられることもふえました。
個人的には、こういったデバイス自体の研究も進んでほしいと思う一方で、『自分自身の体を見つめ直す機会』にしていただくことがより大事だと思っています。
そのようなテーマを記事にしました。
新型コロナワクチン接種後の死亡者が増加-ノルウェーの高齢者
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
Bloombergの記事がややミスリーディングだと思えるのは、おおもとの報告では『フレイル(frail)』であることを強調しているのに対し、単なる『基礎疾患の高齢者』であることしか書いていないことです。
フレイルとは、『加齢により心身が老い衰えた状態』です。
一般的な高齢者以上に、もともと亡くなる可能性が高い状況といえます。
ノルウェー当局は、老人ホームの入所者の予防接種を優先しています。
その多くは基礎疾患を持つ”超”高齢者であり、中には末期の患者もいらっしゃるそうです(山田先生が引用されているBMJの記事より)。
ですので、新型コロナワクチンで亡くなっているかどうか不明ですし、もともと、ノルウェーでは老人ホームの入居者のうち毎週約400人が亡くなっています。
今後の調査は必要でしょうけれども、まだ『なんともいえない』情報でしょう。
ワクチン接種、全国1万か所拠点に…氷点下75度の超低温冷凍庫を配備
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
毎年のインフルエンザワクチンシーズンですら、とても厳しい状況になります。ですので、ワクチンがスムーズに接種できるかどうかはオペレーションに依存してくるでしょう。
コールドチェーンはなんとかなっても、堀江さんのおっしゃるとおり、まずはコールセンターではなくオンラインでの予約ができるようになることが望まれます。
また、最前線で接種するマンパワーが重要です。
率直に申し上げるなら、医師がすべてを直接接種しているようではオペレーションが進まないでしょう(多くの大学病院は医師が接種し、母子手帳に記録をしています)。
そして筋注が基本になるはずなので皮下接種に慣れている場合は訓練をする必要があると思います。
今後のオペレーションに関し、早急に決めていただきたいところです。
Apple Watchが無症状のうちに新型コロナ感染が検出できるかもしれないとの研究報告
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
高麗先生のおっしゃる通りですが、特異度は高くないように思えます。
未査読ではない先行研究では下記のようなものがあります(一応IFは19で高いです)。こちらの研究はFitbitというメーカーのスマートウォッチです。
▷Mishra T, et al. Pre-symptomatic detection of COVID-19 from smartwatch data. Nature Biomedical Engineering 2020; 4:1208-20.
約5,300人からCOVID-19に感染した32人に関する生理データ・活動データを分析すると26人(81%)に心拍数・歩数、睡眠時間に変化があったとしています。
とはいえ、他の感染症との区別は難しい(特異度は低い)ので、あくまで普段の健康管理の一環と考えるといいのかなあと思います。
ただし、日本で正式に販売されているスマートウォッチの多くは、酸素飽和度の測定に関して認可が降りている機種がすくなくセンサーは装備されているのに測定できないものが多いです。
私はgalaxy watch 3を持っているのですが、センサーが装備されているはずなのに測定できないんですよね…
自宅療養者の死亡相次ぐ 病床逼迫で入院調整難航の高齢者も
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
どの病気もそうかもしれませんが、予想外の悪化は起こり得ます。そしてコロナはその性質がもともと大きいことは皆さんご存じの通りです。患者さんの数が増えてくれば、同じような例は増えてくるでしょう。
不備はもちろんあるにせよ、日本医療が受診しやすく入院が比較的しやすい、入院しても比較的安価であることは、海外赴任経験のある方は実感されていると思います。
英国においてコロナ入院病床が3割から半数がコロナ病床になっているという報道がありました。
ということは、他の病気の入院が困難になっているということの裏返しでもあります。
コロナで入院することが困難になってきている現在、他の疾患の重症患者さんの受け入れもさらに難しくなってくるでしょう。すくなくとも、これまでの医療の維持が難しい状況であることは確かだと感じます。
思いがけず感染することはあるかもしれませんが、感染リスクを低減できるように、現状では続けていくしかなさそうです。
新型コロナ 第二類感染症相当からダウングレードを - 和田政宗
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
まだ、こういった提言をされる方がいらっしゃるんですね…
指定感染症=2類感染症とお考えの方がいらっしゃいますが、そういうわけではありません。
指定感染症は『新しい感染症への対策を迅速に法に基づき行うために、期限付きで運用できるようにするためにつくられたカテゴリー』です。
▷指定感染症とは?
https://note.stopcovid19.jp/n/n02ac1ce1d7cd
5類感染症に固定するということは、実情にあわせてカスタマイズができなくなることを意味します。
指定感染症をはずすと、
1)新型コロナの方への行動の制限の措置(入院させる、仕事を休ませる、濃厚接触者に外出自粛要請をするなど)を行うことができなくなる
2)医師の報告義務がなくなり、さらに流行状況の把握や予測がむずかしくなる
といったデメリットも出てきます。
さらに、昨年10月には入院措置の対象者も緩和されています。
▷新型コロナにおける入院措置の対象が変わりました
https://note.stopcovid19.jp/n/n4675ea69377f
軽症患者さんがたくさん入院しているという状況ではありません。
軽症患者さんは自宅待機になっていますし、中等症の方も既に入院が難しくなってきています。
乳幼児の予防接種“控えないで”
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
コロナ禍であっても、『その他の予防接種』を控えないようにしてくださいという呼びかけ。とても重要です。
新型コロナよりも、『再生産数がずっと高く』『歴史のあるワクチンがある』感染症はたくさんあります。
Yahoo!で、いくつか関連記事を書いています。
よろしければご確認ください。
▷はしかの死者が世界で20万人超、日本は大丈夫? アウトブレイクが起きかねない懸念も
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20201115-00207915/
▷新型コロナが怖くて予防接種しないとどうなる? 小児科医が恐れる感染症の怖さ
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200504-00176635/
新型コロナ ワクチン接種対象 当面16歳以上で検討 厚労省
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
治験の結果がある年代から接種を開始するのは自然な流れですね。
学童に関してどうするかは今後、治験が進んだ後に考えていくことになると思います。ロックダウン前のベルギーにおいて、保育園に通う生後6~30ヶ月の児にロックダウン直前まで定期的にPCR検査をおこなっても、1例も陽性にでなかったという報告もあります。
▷J Med Virol. 2020 Nov 24:10.1002/jmv.26689. doi: 10.1002/jmv.26689. Epub ahead of print. PMID: 33230857
もちろん、小児が感染しないという意味でも感染を広げるリスクもないという意味ではありませんので、段階的に進めていく必要があることには変わりありません。
感染症医「もう破綻している」 あふれるコロナ重症患者
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
現場の状況をよく伝えている記事と思います。
『日本の病床はあまっている』『軽症患者を入院させているから』という意見も散見しますが、
>中等症・軽症の利用率は6~7割ぐらい。重症は4床を超えて、7人受け入れています。中等症のベッドを転用する形で、重症の患者を診ている
>若い軽症の人たちは現在、自宅やホテルでの療養になっているため、ここにはほとんどいません。
という状況です。
ただし多くの医療機関で軽症・中等症の方も、あふれてきているのも実情と思われますが…一昨日、2400人が入院先を『探している』と聞いています。
そして現在、軽症・中等症の患者さんをみている病床で、重症患者さんをみている状況になってきているでしょう。
しかし、
>呼吸器を扱えるスタッフの数が十分にいないのです。
というのも現状です。
熟練した医師も、医師の総数も、容易には増えません。
何度か申し上げていますが、感染のピークから
>さらに1~2週間たってから重症者のピークを迎えます。
>今月末ぐらいまでは重症者のピークは下がらないでしょう。
というのが、現在置かれている状況です。
そして、
>通常の医療に携わるスタッフを新型コロナにシフトする必要があります。そうすると、確実に通常の医療に破綻が起きるでしょう。
いま受けている医療も、『受けられなくなる』可能性があります。
もともと日本の中等症以上を診療するための医療は少ない人員でぎりぎりの綱渡りを続けていました。
本来、『過労死の残業時間の上限』は月80時間(年960時間)ですが、医師には『上限1860時間』となっています。
>医師の残業上限「1860時間」という新たな案に激論
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/no1860toiutanani
第一線では、無理な状況が『コロナ前から』常態化していたのです。
現在は、脆弱な防波堤に感染症の津波がきているようなものかもしれません。
しかし自然災害にたいして人間の力は無力ですが、それぞれが感染症から身を守る術はもうご存じかと思います。
皆さんご自身が、それぞれ感染対策をしていきましょう。
お疲れでしょうが、よろしくお願いいたします。
東京都で2447人感染確認 重症者121人ともに過去最多
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
PCR検査数が増えたから患者数が増えた…という論調を見かけることがありますが、現実として人工呼吸器を装着されている方は1月6日段階で全国498件となり右肩上がりで増加しています。
▷日本COVID-19対策ECMOnet COVID-19 重症患者状況の集計
https://crisis.ecmonet.jp/
感染者数が増えることは、結局は重症患者さんが増えることに繋がります。
当然ながら、人工呼吸器が必要なのはコロナだけではありません。
医療資源が急速に消費されている状況です。
現場でのお話をさせていただいても伝わりにくい状況なのだなあ…と当直明けの頭で感じています。
なんだか、目の前で大事故をみたことを人に伝えても信じてもらえず、『そんなはずはない』と言われている気分です。
でも、再度お話したいです。
医療資源が減っていること自体で一番被害を被るのは国民全員です。
政治家がよろしくない感染対策をしていようと、我々が真似をする必要はありません。
皆さんご自身が感染するリスクを減らし、ご自身を守る行動をしていただければ嬉しいです。
自分自身も、感染対策を続けます。
自分自身と家族、そして拝見している患者さんのために。
東京都 新型コロナ 2000人超の感染確認 2日連続で過去最多更新
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
PCR検査数が増えたから患者数が増えた…という論調を見かけることがありますが、現実として人工呼吸器を装着されている方は1月6日段階で498件となり右肩上がりで増加しています(全国)。
▷日本COVID-19対策ECMOnet COVID-19 重症患者状況の集計
https://crisis.ecmonet.jp/
感染者数が増えることは、結局は重症患者さんが増えることに繋がります。
当然ながら、人工呼吸器が必要なのはコロナだけではありません。
医療資源が急速に消費されている状況です。
現場でのお話をさせていただいても、なかなか伝わりにくい状況なのを、当直明けの頭で感じています。
なんだか、目の前で大事故をみたことを人に伝えても、信じてもらえず、『そんなはずはない』と言われている気分です。
でも、再度お話したいです。
医療資源が減っていること自体で一番被害を被るのは国民です。
政治家がよろしくない感染対策をしていようと、我々が真似をする必要はありません。
皆さんご自身が、感染するリスクをへらしていただければ嬉しいです。
自分自身も、感染対策を続けます。自分自身と家族、そして自分自身の拝見している患者さんのために。
母の子宮頸がん、子に移行 羊水に混入、肺がんに―世界初・国立がん研究センター
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
心が痛むニュースです…
HPVワクチンが普及することにより、今後このような悲劇が減ることを期待したいです。
2価・4価HPVワクチンは定期接種であり、さらに9価ワクチンが認可がおりたところです。
HPVワクチンが前がん病変(がんになる前の組織の変化)だけでなく、子宮頸がんそのもののリスクを大幅減らすことはすでに明らかになっています。
▷N Engl J Med 2020; 383:1340-8.
さらにHPVワクチンは、心配されているような、慢性疲労症候群・複合性局所疼痛症候群(CRPS)・体位性起立性頻拍症候群(POTS)などの発症リスクを増やさないことも大規模な研究であきらかになっています。
▷Bmj 2020; 370:m2930.
一度接種率がさがったデンマークでは、国をあげてのキャンペーンで接種率が回復しましたが(Vaccine 2020; 38:1842-8.)、我が国の政府の対応は残念な状況がつづいています…
米CDC、新型コロナワクチンのアレルギー反応を注意深く監視
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
インフルエンザワクチンの100万人中1.3人という、記事中のアナフィラキシー頻度に関しては、以下の報告と思われます。
▷Journal of Allergy and Clinical Immunology 2016; 137:868-78.
https://www.jacionline.org/article/S0091-6749(15)01160-4/abstract
念の為、留意しておかなければならないのは、新型コロナワクチンには世界の注目が集まっており、その副反応は『最大限の情報がひろいあげられている』可能性が高いということです。
一方で、前述のインフルエンザワクチンのアナフィラキシーの頻度に関する報告は、カルテ上からの後ろ向きの情報収集であるため、頻度が低めにでている可能性があります。
別の薬剤に対するアナフィラキシーに対しても、頻度を把握すると体感しやすくなります。
たとえば抗菌薬に対してのアナフィラキシーの頻度は、100万人あたり1人~1000人と推定されています(幅が広いのは研究ごとに差があるからです。
▷New England Journal of Medicine 2001; 345:804-9.
そして、解熱鎮痛剤に対するアナフィラキシーの頻度は、100万人の過去1年あたりで考えると30~500人程度ではないかと考えられています。
▷ Current Treatment Options in Allergy 2017; 4:320-8.
アナフィラキシーが起こったときの対応をきちんと配慮した上で、リスクを過大に受け取らないようにしていく必要性があるでしょう。

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