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麻しんの患者が国内で増加 自身のワクチン接種歴を確認しよう
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
忽那先生の記事。
麻疹の予防接種率が下がってきているなか、流行は待ったなしの状況です。そのような中でタイムリーな記事ですね。
そういえば先日、AbemaPrimeで麻疹の流行に関しての解説動画があって、おおむね良い内容だったと思いました。
しかし、気になる点もありました。
『母親に”私がはしかに罹ったことがあるの?と聞いたら、罹ったことがある”と聞きました。ワクチンは必要ですか』という質問に対し、『一度かかったことがあれば、ワクチンは不要です』と答えられていたことです。
今回の忽那先生の記事にもあるように、「小さいとき麻疹になってる」と言われている場合も、「罹った」という記録や記憶は不確かなことがあります。
ですので、記憶が不確かな場合はワクチンの追加を考えたほうがよいのではと考えています。
米、子の肺炎予防ワクチン承認へ 妊婦に接種
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
RSウイルスに対するワクチンに関して、昨年11月に解説記事を書きました。
▷特別な治療法がないRSウイルスに、50年越しで開発された新しいワクチンとは?小児科医が解説
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20221108-00323140
RSウイルスは、いわゆる『かぜ症候群』の原因になるウイルスとして、生後2歳までの子どもは、RSウイルスに1回は感染をするということがわかっています。
しかし、初めて感染したとき、年齢が低いときに感染したとき、そして心臓や肺に重い病気を持っている方などは、重症化しやすくなります
世界的に、5歳未満の子どもの死因の 50人に 1人がRSウイルスによるものと考えられています。
1960年代に米国で開発された最初のRSウイルスワクチンは完全に失敗に終わり、その後50年以上、さまざまな手法が考えられてきました。
今回、 先に妊婦さんにRSウイルスワクチンを接種し生まれてくる子どもを守ろうとする方法により、実用化されました。
子どもが「磁石セット」「水で膨らむボール」を誤飲して開腹手術。アメリカでは死者も。相次ぐ事故で販売禁止へ
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
子どもが大きく口を開けたときのサイズは39mm×51mmといわれています。
これより小さなものは子どもが誤飲する危険性があります。
今回の報道の磁石は、ネオジム磁石の磁力であり、手を挟んで接着するくらい強力です。腸をはさんで向かい合ってくっついた場合、腸管に穴をあけてしまう(穿孔)させてしまいます。そのため、最近、開腹手術になった例の報告が増えています。
冷蔵庫などに貼り付けて使用するマグネットも、大きさが小さなものはリスクがあります。
そして『水で膨らむボール』は、『最初は小さく、そして腸管で大きくなってしまう』ことが大きな問題で、やはり腸をつまらせてしまいます。
さらに、『ボタン電池』もとても危ないです。電圧が高く、イヌを用いた研究では、30分で食道を貫通したという報告もあります。医薬品もリスクが高く、成人の薬を誤飲して受診する方も少なくありません。
参考)小児科診療 85(2): 219-226, 2022.
東京都内で男女がはしかに感染 都内では3年ぶり 2人に面識なし
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
麻疹(ましん)は侮れない病気です。
日本でも、戦前には1年間に1万人の子どもが亡くなっていましたし [1]、現在の先進国でも肺炎は100人に5人、脳炎が1000人に1人に起こり、後遺症も起こしやすいのです。
コロナ禍のなか、麻疹の予防接種率が下がってきています。
麻疹はとても感染力がつよく、2回接種が95%を割り込むと、流行の可能性がでてきます[2]。
2019年に、接種率が下がった大阪市や三重県で集団発生しています[3][4]。
すなわち、現在はいつ流行してもおかしくない状況になっています。ご自身の予防接種を見直す機会にしていただければと思います。
[1]新型コロナが怖くて予防接種しないとどうなる? 小児科医が恐れる感染症の怖さ
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200504-00176635
[2]J R Soc Interface 2010; 7:1537-44.
[3]大阪市ホームページ
https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000005758.html
[4]IDWR 2019年第19号<注目すべき感染症>麻しん 2019年第1〜19週
https://www.niid.go.jp/niid/ja/measles-m/measles-idwrc.html
(再コメントです)
新幹線に乗り合わせた男女2人はしか感染、東京都で3年ぶり確認(読売新聞オンライン)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
麻疹(ましん)は侮れない病気です。
日本でも、戦前には1年間に1万人の子どもが亡くなっていましたし [1]、現在の先進国でも肺炎は100人に5人、脳炎が1000人に1人に起こり、後遺症も起こしやすいのです。
コロナ禍のなか、麻疹の予防接種率が下がってきています。
麻疹はとても感染力がつよく、2回接種が95%を割り込むと、流行の可能性がでてきます[2]。
2019年に、接種率が下がった大阪市や三重県で集団発生しています[3][4]。
すなわち、現在はいつ流行してもおかしくない状況になっています。ご自身の予防接種を見直す機会にしていただければと思います。
[1]新型コロナが怖くて予防接種しないとどうなる? 小児科医が恐れる感染症の怖さ
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200504-00176635
[2]J R Soc Interface 2010; 7:1537-44.
[3]大阪市ホームページ
https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000005758.html
[4]IDWR 2019年第19号<注目すべき感染症>麻しん 2019年第1〜19週
https://www.niid.go.jp/niid/ja/measles-m/measles-idwrc.html
アトピー性皮膚炎の早期治療は、重症化やアレルギーマーチの予防につながる。赤ちゃんに負担が少ない検査への期待【研究発表】(たまひよONLINE)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
『あぶらとり紙(オイルブロッティングフィルム)で皮膚表面にある脂質に含まれるRNAを調べる』というのは、花王株式会社の先端的な研究で明らかになってきていました。
▷Communications biology 2022; 5: 215.
▷JEADV 2022; 36: 1477-1485.
そして、今回の研究は以下のものです。
▷Yamamoto-Hanada K, et al. mRNAs in skin surface lipids unveiled atopic dermatitis at 1 month. JEADV 2023.
脂質の代謝や合成やアレルギー性の炎症をおこす情報伝達物質に関連した分子の変化を痛みをほとんど伴わない検査で明らかにしたことになります。RNAという不安定な物質を検出することができるのは、素晴らしい技術といえます。
(Yahoo!コメンテーターコメントの転載)
花粉症「舌下免疫療法」、注文相次ぎ出荷調整 治療開始に制限も(毎日新聞)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
舌下免疫療法は8割程度の方に有効で、2割程度の方は症状がほぼ消失します(2割程度は無効ともされています)。『3割程度』はあくまで臨床試験の指標の低下の程度です。
そしてスギ花粉舌下免疫療法でアナフィラキシーを発症する可能性はきわめて低いとされています。そもそも、皮下免疫料より舌下免疫療法のほうがリスクが低いのです。
日本における1000例程度の規模の臨床試験でも、1例も発生していません。
▷JACI In practice 2019; 7: 1287-1297.e1288.
そして、舌下免疫療法の期間が長くなると、内服薬の使用量が少なくなっていきます。
▷Allergology International 2019; 68: 494-505.
(Yahoo!コメンテーターコメントの転載です)
(なんだか、ちょっと?なYahoo!コメンテーターコメントがあって、思わずコメントをしました)
大幸薬品に課徴金6億円超 「クレベリン」過去最高額―消費者庁:時事ドットコム
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
以前からNewspicksでも、『効果がない、むしろ害がある可能性が』と書き込みをしてきました。
https://newspicks.com/news/6476068?ref=user_5351485
https://newspicks.com/news/6949688?ref=user_5351485
https://newspicks.com/news/7022838?ref=user_5351485
そもそも、措置命令がでているのに販売は継続という状況が異常だったと思います。
そして『対象となった商品は表示を変更して販売を再開しているという。』という部分で、この会社も懲りないな…と感じます。

「子宮頸がんのない未来」は見えるか。HPVワクチンの現在地
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
稲葉先生が、丁寧にコメントをしてくださっているので、ぜひ御覧ください。
付け加えるとすれば、HPVワクチンは世界中で取り合いになっている現状があります。HPVワクチンは作成に技術が必要で、量産は思った以上に大変です。
そのため、そもそも9価ワクチンは貴重です。接種率が上昇していったとして、供給もスムーズであることを願っています。
▷子宮頸がんを予防するHPVワクチンが、入手困難になるリスクが高まっています
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20210831-00255943
なお、さまざまな副反応といわれていた症状に関し、大規模研究では『接種者と非接種者で差がない』という研究が数多くなされています。
ブログでは、2020年7月から10月にかけて、積極的に論文を翻訳して発信しました。
https://pediatric-allergy.com/?s=HPV
クルミのアレルギー表示が義務に 25年春に完全施行 基準を改訂(朝日新聞デジタル)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
卵、牛乳、小麦、エビ、カニ、ピーナッツ、そばの7品目に加え、アレルゲンの表示が義務付けられている食品にクルミが追加されるということです。
最近、ナッツ類が小麦を抜き、食物アレルギーの原因食物の第3位となったことが背景にあります。
クルミのたんぱく質はさまざまで、アレルギーを起こしやすいクルミのタンパク質はJug r1(ジャグアールワン)と名付けられています[1]。最近、そのJug r1に対するアレルギー検査が保険適用となりました。この検査だけで確定診断ができるわけではありませんが、一般的なクルミの検査だけでなく、併用するとくるみアレルギーの推測がしやすくなります。
その他、増えているナッツ類アレルギーにカシューナッツなどがあります。それぞれアレルギーとして独立しているので個別に判断を要します。
[1]Asian Pac J Allergy Immunol 2021; 39:190-6.
(Yahoo!コメンテーターコメントの転載です)
別途、昨年6月のくるみアレルギーの記事のURLもご紹介します。
▷食物アレルギーにおいて3位の頻度になったナッツ類アレルギー。検査は?治療は?
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20220619-00301605
秋生まれの赤ちゃんは1歳までに湿疹の発症が多い! 富山大が調査 (1)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
出生季節により、アトピー性皮膚炎の発症リスクが変わることは、以前から複数の報告があり、滋賀県立小児保健医療センターの楠先生の報告が有名です。
そして、このテーマの発端は、日光へあたる時間が短い北側に住むひとのほうが食物アレルギーが多いという報告は、緯度とエピペン処方率の関連をしらべた研究です。
日光へさらされている程度が食物アレルギーと関連していると推測されたのですね。
そして日本からも、秋冬出生の子どもの方がアレルゲンへの感作リスクも高いという報告があります。出生後3か月間の日光への曝露量に関連したともされています。
これらの報告の中で、日光暴露がすくない、緯度が高い地域ではビタミンDの産生が少なくなるからではないかという考え方が出てきました。
では、ビタミンDを新生児期や妊娠中から内服するするとアレルギー疾患を予防できるかというと、明らかになっているとはいえません。
その中で、個人的に興味深いと思う研究が報告されました。
2019年に行われた研究では、ビタミンDを内服させてもアトピー性皮膚炎の発症には有効ではなく、むしろ日光へさらされている方がアトピー性皮膚炎の発症をすくなくしたかもしれないと報告されたのです。
個人的には、ビタミンDは交絡因子(日光にあたっている量を反映しているだけ?)と考えていますが、結論はでていないということです。
とはいえ、日光浴を積極的にするかに関しては反対意見も大きいでしょう。なぜなら紫外線曝露は皮膚の老化や皮膚癌の発症に関連するからです。
雑にまとめると…
1)出生季節とアトピー性皮膚炎の発症リスクは関連
2)日光暴露で産生されるビタミンDでアトピー予防…には今のところ十分な再現性がない
3)むしろ今回の富山大学からの報告は、夏生まれの子供の生後1ヶ月での湿疹のリスク上昇が大事な点かもしれない
といった印象でした。
出生季節でのアトピー性皮膚炎の発症は、『すごく大きい数の研究で少し差がある』程度です。
ですので、個人的には皮膚バリア機能が下がりやすい冬にはとくに、保湿成分の含まれる保湿乳液などをしっかり塗ってあげるといいのかなと思います。
※ツイートの雑な転載です。
https://twitter.com/ped_allergy/status/1631926599997337601
小児がん・難病治療薬の「ドラッグラグ」解消へ、新制度検討…米の法制度を参考に
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
小児がんは、一般的に15歳未満の発症のがんと定義されており、2016年の全国がん登録によれば年間2114人の発症です[1]。
2016年に日本人で新たに診断されたがんは101万例ですので、桁が3つ異なることになります。
つまり小児がんの粗罹患率は人口10万人当たり13.4です[1]。
小児がんの特徴は非常に種類が多いことが特徴で、10万人当たり新規診断年間6例未満のがんが『希少がん』という定義にあてはめると、『すべての小児がんが希少がん』です。
年間数例のさらに少ない小児がんも多く、全国で検討しても、新しい薬が開発される見込みがないことになり、記事にあるような『製薬企業に対し、がんの分子標的薬を開発する際は小児用も同時に進めることを義務付ける法律』が必要となります。
他の薬にも言えることですが、そもそも小児はマイノリティであるという意識が必要と思います。
[1]日本臨牀 79(増刊号1): 124-130, 2021.
(Yahoo!コメンテーターコメントの転載です)
鳥インフルで少女死亡、父親も陽性 WHO懸念(AFP=時事)
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医・医学博士
1997年からH5N1亜型、H7N9亜型鳥インフルエンザウイルスが家禽で流行しており、稀にヒトに感染し致死率が高い(30~50%)ことから問題になります[1]。
ヒトでの一般的なインフルエンザの流行が収まっていた時期である2021-22年シーズンは、家禽のインフルエンザ感染とそれに伴う大規模な殺処分が増えていました[2]。
そして、2022年シーズン(国内)において、野鳥における高病原性鳥インフルエンザウイルス陽性の確認件数は、1道26県で194件(2023年2月24日現在;環境庁)です。
現時点では、ヒト・ヒト感染が容易に起こる状況ではありませんが、偶発的に鳥からヒトへ感染が報告された亜型が複数あり、さらなる変異が懸念されている現状です。
[1]日本医事新報 (5056): 35-36, 2021.
[2]インフェクションコントロール 31(11): 1142-1146, 2022.
(Yahoo!コメンテーターコメントの転載です)

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