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【音楽全史】サブスクの「次」に来るイノベーションとは?
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
著者の榎本です。本書はいわゆる音楽業界本ではありません。サブスクが音楽の世界に誕生したのが今から二十年近く前であったように、音楽産業で起きたことは世界の雛形になることが多い。Sonyの盛田昭夫や大賀典雄、あるいAppleのスティーブ・ジョブズのように、音楽産業を推し進めた企業家たちは、いわば人類の未来を創造していました。
このインタビューでは、ポストサブスクの具体例に米中のケースを挙げましたが、ほんの一例に過ぎず、本書ではポストサブスクのフレームワークを事例を交えながら提示しました。音楽産業の歴史を踏まえるならば、それは或いは、人類の未来に近しいかもしれません。しかし本書を七年かけて書いた本意は、答えを手っ取り早く知ろうする世間で大多数の読者層にではなく、自ら答えを創造するヒントを探している少数派の助けになることです。この記事を機に拙著がそうした方に一人でも多く会えるのなら、作家としてこれ以上の幸せはないでしょう。
【新】音楽ビジネスの歴史に学ぶ、危機の時代の乗り越え方
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
著者の榎本です。久々にNewsPicksに登場することになりました。本の反響をSNSで検索してみましたが、嬉しかったのが自ら起業した方々や、社内で新しいことをやろうと日夜励んでいる方々からの絶賛が多かったことでした。執筆時、僕の想定していた読者層とNewsPicksの読者層はかなり重なっているのではと今、気づいた次第です。本書は音楽産業を題材にしつつも、そのテーマは音楽業界を超えて「一度衰退してしまった産業や国家は、復活することが可能なのか」「敗者の烙印を押された人間は、志を実現できるのか」というものになっています。そうした魂の訴えが届くようにビジネス書ではなく、ドキュメンタリー小説のスタイルを選んでいます。最後にインタビューを、非常にレベルの高い記事にまとめて下さった編集部の藤田さんに改めて御礼申し上げます。みなさま、後編もよろしくお願いいたします。
アップル、楽曲認識アプリ「Shazam」を買収(AFP=時事)
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
これはアプリの時代からエージェントの時代へ移り変わる流れを利用して、先行されているSpotifyやYouTubeを巻き返す戦略と見てよいでしょう。
AppleはShazam買収で「ヘイSiri、この曲なに?」というのを自社でやり、その後「この曲がお好きでしたら、おすすめの音楽をかけましょうか?」とApple Musicで自然に提案できるようになります。Apple Musicに備わった人工知能は、個人の好みを把握してプレイリストを自動生成できるのです。
さらにShazamの楽曲認識技術をOSレベルで統合すると、テレビやYouTubeで音楽を聴いてても「ヘイSiri、この曲好き」と言えば、同じようにおすすめの音楽プレイリストをApple Musicで作成してくれるようになります。
どの場所にいても、どのアプリを使っていても何を聴いているかAppleが把握できるようになるとAppleの音楽AIは将来、圧勝するかもしれません。
音楽AIに強いPandoraがアメリカでSpotify、Apple Musicに圧勝していることがこの戦略に影響していそうです。
知財コンテンツ論議、スタート(中村伊知哉)
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
タイトル硬いけど、クールジャパン戦略の見直しについてとてもよい意見が並んでいます。がんばってほしいですね。↓二番目、三番目は昔会議に出させてもらった時、提言した記憶がある。
「・クールジャパン政策はネーミングを含めコンセプトを再考すべき。
・ゲーム、アニメなど個別ジャンルでの政策評価よりも、プラットフォーマーの動きをデータとして整理し、プロアクティブに動くべきだ。
・マンガ・アニメは配信が大ビジネスになるが有力なプラットフォーマーが存在せず、日本企業も弱い。
・純血にこだわりすぎている。日本酒を売るだけでなく、日本だけどウィスキーという発想が欲しい。
・日本の魅力の一つは「ブレードランナー」であり、都心の姿をそのままロケ特区として海外に映像で見せるべき」
僕はゲーム・漫画の強みを活かし、まずトウィーン市場(8〜12歳)で勝つプラットフォームを創るべきという意見を付け加えました。子供はみんないずれ若者になりますからね。
まあプラットフォームの時代って終わるかもしれませんけどね。ブロックチェーンとAIをお金や自動運転以外に応用するとそうできる。ただそれは10年以上先だろうから、今からそっち行くのは勇気が要ります。みんなに「はあ?」って言われるのに耐える勇気が。
エンタメ界を席巻する『Fate』、ソシャゲの常識覆す“100万字超”の物語(オリコン)
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
『Fate』の大ヒットで、ゲームと映画を手掛けたソニーミュージックはソニーのなかでもファイナンスに匹敵する稼ぎ頭になっていることは、ビジネス界でもあまり知られていません。本業の音楽では乃木坂が荒稼ぎ。ほかにアニメ、映画、ソシャゲも『Fate』が一大ブームとなり、多角化のお手本みたいな会社に。「音楽会社はオワコン」というのも古い常識。世界の音楽会社は、定額制の好調でプラス成長が続いてますが、その中でも多角化に成功した日本のソニーミュージックの稼ぎはトップクラスになってます。
『Fate』の熱狂は、100万字の重厚なストーリーが若者に大受したからで、活字離れというのも嘘だとバレました。元はこれ、同人漫画だったのですからソニー・ミュージックの発掘力には舌を巻きます。
iTunesストア誕生の裏でSonyに起きていたこと~スティーブ・ジョブズが音楽産業にもたらしたもの
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
「Sony MusicはCDを守るためAppleのiTunesに反対していた」と信じている方には、この舞台裏は驚きの事実となると思います。それは日本が「失われた20年」に入った背景でもありました。21世紀初頭、ジョブズはApple復活のためにスカリー流のアメリカ式経営を捨て、Sonyの盛田流の経営を取り入れiPodとiTunesを創りました。一方で、出井さんが創業者世代と差別化しようとアメリカ式経営を取り入れたSonyは失速(Aiboも廃止)。日本の「失われた20年」のきっかけとなったことは象徴的な出来事でした。Aibo復活、二十年来の株価復活、iPhone X発売を記念して、休日の読み物にどうぞ
追記)実は、Sony Musicってむかしからかなり先進的な会社で、Apple Musicが始まるよりもずっと早く定額制配信へ舵切りしてずっと好調です。Sony Music Japanもプレステ、着うたを産んだ過去がありますが、いちはやくライブ重視に舵切りし、今はアニメとスマホゲームが絶好調で、Sonyの金融系に匹敵する黒字を出しています。国内報道とのイメージのズレですね。
訂正)図のスマホ市場の数字が一桁ずれてましたので修正。すみません。
恋ダンス削除は「やってみた文化」の終焉か?「恋チュン」との違い…
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
記事に出た榎本です。この件、レコード会社の現場でも意見が割れてます。面白いのは「YouTubeはフル尺でも宣伝になる」が多い層は、学生時代PC(でニコ動)とケータイを使ってたアラサーや独身のアラフォー世代ということ。
スマホネイティブの学生さんやおじさんたち(50代)は、「まあ確かにフル尺にしちゃうと、YouTubeでタダで見て終わりだよね」とあっさり同意する人が多い。アラフィフのおじさんはスマホネィティブ世代の子供がいるからすぐ分かるという逆転現象ですね。
追記)なお、定額制配信の急成長で世界のレコード会社はおおむねプラス成長に戻ってます。日本の音楽不況はCDうんぬんというより今は少子高齢化が課題になってます。ライブの売上もマイナスになりました。
iPodで進化したジョブズの組織づくり~スティーブ・ジョブズが世界の音楽産業にもたらしたもの(榎本幹朗)
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
この回の元になる長編を書いた時、「アメリカは日本の何を学び、超えていったのか」ということを考えながら書いてました。ソニーとアップル、盛田昭夫とジョブズというのは、僕にとってそういう象徴です。それは多くのことを教えてくれましたが、専門である音楽業界の範疇を超えてしまい、じぶんがどこへ行くのかわからないという苦悩を背負うことになった気がします。でも、少子高齢化が音楽業界を直撃する昨今、「日本とは何か。アメリカとは何か」といったテーマはもう避けて通れない。待っていても誰もやらないなら、自分がやるしかない、という点ではSpotifyやPandoraを5年前、扱ったときと同じ気持ちといえるかもしれません。
民進党:枝野氏ら新党結成へ 党名「民主党」を検討
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
(チラ裏)一週間前にニュースを見たときから「合流は建前だ。前原さんは枝野さんに党を割らせる気だ」と思っていた。そしてその名は民主党になるだろうことも。それは僕が政治の専門家でなく、民進党に強い感情も無いから見えたのだろう。人は当事者になると逆に状況が見えなくなるものだ。それが証拠にじぶんが来年、何のしごとをしているのかはさっぱりわからない。一週間前、この筋書きの作風は小沢一郎さんの匂いがすると思ったが、彼は選挙後に密かに合流するのがキャラに合っている。この世界が物語ならこの後、小池さんは全マスコミを敵に回す危うさを出して描くのが自然だ。反原発で読売(日テレ)が、反自民で日経(テレ東)・産経(フジ)が、反リベラルで朝日(テレ朝)・毎日(TBS)が敵にまわりうる危うさの中、小池さんはビスマルクのようにメディアに均衡をつくれるか。枝野新党を機に朝日とTBSが希望の党を暗く報道するだろう。その影響で自民の支持率が少し盛り返して過半数を確保する皮肉を、じぶんが作者なら描きたいが、さて世界の真の創作者(神なのか?)はどんなプロットを用意して主役や黒幕役をも翻弄していくのか。市井の野次馬は深夜、終わらぬ執筆をさぼって思いに耽るのであった…。
追記:枝野民主党は遠い将来、自民に吸収されると思う。自民は小池党よりリベラルで、社会主義は流行らないので。
「恋ダンス」動画消す苦悩 拡散させたい、でも売れない
榎本 幹朗個人 音楽コンサルタント、作家
記事に登場した榎本です。補足しときましょうか。
1. ビクターは著作権法上、問題があるから削除したんではないです。
2. ここ2年、欧米では「YouTubeは新しいメディア。宣伝すれば売れる」という捉え方はミュージシャン的にも時代遅れになってきています。
「YouTubeでたくさん再生されたし、マスメディアにも取り上げられたけど、CDも配信も売れなかった」という事例が、国内でも増えてる現状があります。
4.「ライブで食えばいいじゃないか」というのは、星野源さんくらいのビッグアーティストならそのとおりなのです。ライブは、一定以上の規模のホールを埋めて黒字になるビジネスです。でも、それは一握り。
5. 「YouTuberのように広告で稼げばいい」というのは、音楽ビデオでは難しいです。0.1円 x 100万回再生 x 年2本 = 20万円。曲とビデオの制作費で200万x2は下らないので赤字。シングル曲はYouTuberのように毎日出せませんし、二次利用の総再生数も結局、オリジナルを超えないもんです。
6. YouTubeで再生数を取れば金になる時代じゃなくなったので、音楽会社は模索中です。最近増えたショートバージョンもその一例です。
「恋ダンス」のケースからおそらく得た学びは、「はじめから1:30の『踊ってみた』用の公式ビデオと音源を用意すればよかった」「はじめから二次利用は1:30に区切って許可したい。そういう機能をGoogleに要請していきたい」といったところでしょうか(僕が昔から言ってることだったりしますが)
7. 僕はまったく別の捉え方をしてます。欧米やアジアを見ても、YouTube一強の時代が終わりそうです。
たとえばYouTubeの平均CPMは2ドル。ネット広告でも最低クラスですね。そしてYouTubeの全視聴数のうち30%が音楽です。音楽メディアならMTVのCPMは10ドル、ウェブ系のPandoraも7ドル近くCPMがあります。
ファイル共有がきっかけで、音楽会社は定額制配信を発明しました。同じように動画共有を機に、新しいもの創ったほうが早いと思ってます。
NORMAL
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