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「言うべきことを言わない」と金融庁が糾弾したみずほ銀行から学べる本当の教訓 - 組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進
鈴木 文彦大和総研 主任研究員
ガバナンスを一言で言えば上の言うことを聞くこと。上が下に舐められず下剋上が起きていない状態のことをいう。
だとすると、金融庁が指摘した「言うべきことを言わない、言われたことしかしない姿勢」がどうしてガバナンスの欠如なのか、たぶんだいたいの人は一瞬迷う。これこそサラリーマンの従順を示す姿勢だからだ。
上の命令に従うには変わりないので見分けがつきにくいが、こうした姿勢は従順ではなくむしろ消極的な反抗とも言える。昔の組合のような明らかな怠業ではないのでかえって始末におえない。
元々、この手のガバナンス不全は公務員のお家芸だったと思う。根っこにあるのが、「成功しても特に褒められることもないが、失敗したらどえらく怒られる(左遷される)」文化だ。それを知っての上で、金融庁の内部改革の決意も込めての「言うべきことを言わない、言われたことしかしない姿勢」という厳しい指摘だったのではないか。むしろ身内に向けたメッセージだったのかもしれない。
もっとも官僚系銀行の場合、公務員と違って建前上キャリアシステムではなく、昇進の動機が失敗を恐れる文化に拍車をかけるので根が深い。みずほ銀行に限った話ではなく銀行業界に共通する課題だとは思うが、優劣関係がない3行合併である分それが如実に表れてしまったのではなかろうか。出身行への郷愁が社内競争への遠慮をなくしてしまうからだ。
自治体の財政診断入門 「損益計算書」を作れば稼ぐ力がわかる
鈴木 文彦大和総研 主任研究員
ありそうでなかった自治体財政の入門書。
特に「行政キャッシュフロー計算書」を解説するのは本書が初めてです。銀行が融資先の財政診断に使う財務書類に損益計算書がありますが、返済能力を重視する銀行は、真の「稼ぐ力」を測るため現金ベースに引き直します。この自治体版が「行政キャッシュフロー計算書」です。4つの検査値(分析指標)から借り過ぎ、赤字、金欠病の3つの病気(財政課題)を診断する方法を説明します。
伝統的な分析手法も網羅します。使うのは自治体財政を1枚に要約した「決算カード」。ただし行間の省略が多いのが難点です。そこで本書は要約前の原資料「地方財政状況調査」(決算統計)に着眼しました。中心指標の「経常収支比率」からさかのぼって分析し、決算カードのさらに奥にある決算統計の数字の森を踏み分けます。
また財政診断を切り口に様々な地域課題を分析しました。平成大合併の効果はあったのか、財政改善に資する地方創生策とは何か。公立病院や第三セクターの経営から公共インフラの老朽化まで事例を踏まえ解説します。
読者特典として、全国1741市区町村の行政キャッシュフロー計算書が簡単に抽出できる特製Excelファイルを用意しました。地方財政に興味のある方から自治体の実務家、コンサルタントから研究者まで幅広い方々にお読みいただくことを期待しています。
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761527990/
第1章 地方財政の現状と既存指標の課題
第2章 知っておきたい自治体財務の基本
第3章 損益計算書による財政診断
第4章 損益計算書でわかる地方財政の実態
第5章 損益計算書を踏まえた財政改善の視点
「やけくそ」でつくった切り餅調理機が大ヒット 洗車機トップシェア企業の個性的な開発方針とは
鈴木 文彦大和総研 主任研究員
「アイデア家電を生み出す方法について言うと、実は弊社には、企画部門などはありません。事前の市場調査やマーケティングもほとんど実施していないのです。
お客様の欲しいと考える製品の一歩先、『これが欲しかった』と思ってもらえるような商品を作りたいと考えています。発想にブレーキをかけてしまわないためにも、市場規模や何台売れるのか、といったことはあえて聞かないようにしています」(丸山氏)
それよりも大切なのが販売したあとの調査だと丸山氏は語る。購入したお客様の意見を聞き、修正すべき点は修正していく。また協力工場で製造した製品の場合は、発注ロットの範囲の中で売れ行きをウォッチして追加発注をするか見定めている。
「社員には、私の感覚は当てにしないで勝手にやれと言っています。というのも、私は『黒にんにくメーカー』は売れず、『TEGARU=SEIRO』は売れると思っていたのです。しかし初年度だけで見たら『黒にんにくメーカー』のほうが売れていました(笑)。私の役割は、ダメだったときにやめさせるだけ。アイデアを製品化するゴーサインは各事業部長に任せています」(丸山氏)
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