相良 俊輔

出遅れましたが、asset-heavyになりがちなカード事業のコスト構造を、提携によって軽減したことで、調達した5.5億円をほぼuser interfaceとuser acquisition/retentionに投じることができるというのは本件の一つのポイントでした。 プロダクトで既存市場を破壊するのではなく、プロダクトを共創することで建設的に併存するという考え方は、同じくシードラウンドをリードしたナッジにも通ずる思想です。 Go シャトル！

ジェネシアからもシードラウンド以来複数回に渡り追加投資をさせていただいてますが、極めてポテンシャルの大きい期待の支援先です。 今後検索エンジンはジェネラルなそれと、バーティカルなそれとが複層的に併存していく可能性が高いと思っています（既に求人サイトなどでは起きている事象ですが）。専門的な情報や知見はググって探すコストが非常に高く、ピンポイントに欲しい情報が得られないからというのが主な理由です。 もう一つHOKUTOが捉えているニーズは、モバイルネイティブな情報収集&保存の波です。多くの業務支援SaaSがPCベースのUIを構築する一方で、医療や介護、建設などエッセンシャルワーカーが多く働く現場産業においては、忙しい業務の片手間で学習コストなく自然に使えるUIが求められます。 ブラウザからログインして使用するWebサービスのオンボーディングコストに比べて、生活者として日常的に利用しているモバイルアプリを業務システムとして使うことのハードルは低いからです。 医師にとっての頼れる外付けHDD（あるいは拡張版のメモリ）として、今後も更なる飛躍を遂げていくことと思います。Go HOKUTO！

3号ファンドではこれまで注力してきた①産業のDX、②ニューエコノミー（シェアリングやクリエイターエコノミーなど）、③メディア・エンタメに次ぐ第四の芽としてフロンティアテック（宇宙開発やロボティクス関連事業など）への投資も手掛けていきます。 また足元では連続起業家の大型増資ニーズが顕在化したり、スタートアップが対象とする課題が社会性を帯びて産業の奥深くまで入り込んだりするケースも増えていることから、事業の仮説検証サイクルを一回転させるまでに必要なリードタイムや資本金もそれに比例して増加傾向にあります。そうした需要側の変化に対応すべく、3号ファンドでは1社あたりの投資金額も2号ファンドから6割ほど増額し、最大5億円まで支えられるよう予算組みをしています。 ジェネシアでは引き続き、アジアで革新的な産業創造や産業変革を志す起業家のチャレンジを資金面、非資金的リソース面の両面から下支えしていきたいと考えていますので、皆さまどうぞよろしくお願いします。