46【共通テーマ:受験体験談】NHKラジオ講座の徹底的活用

2023年3月19日
全体に公開

 受験シーズンが終結を迎えつつあります。私の話は完全なる昔話ですが、今でも、かつ、入試以外でも通用しそうなものをいくつか。大学受験における英語学習の記憶からです。

 私は、さほど語学の才能がある方だとは思いません。さっときれいな発音ができる人や、ネイティブの話しをどんどん聞き取れる人をみると羨ましくも思います。私の母校の東京外国語大学には、そんな人がたくさんいました。

 今の会社では、英語の世界であり、「あれ、これはどう伝えれば良いんだっけ」と思うことは少なくなく、DMM英会話「なんてuKnow」などにはかなりお世話になっています。

最強のコスパのNHKラジオ英語

 さて、受験と英語の話しを進めましょう。

 英語入試はかなりの難易度だったと思いますし、私が合格した当時の後期日程は、確か異様に長いテスト時間だったのを記憶しています。今は、ネットでの学習方法がかなりありますが、それでもなお有効なのは声に出して読むことだと思います。

 飛躍的に伸びたなと思ったのは、NHKラジオ講座の活用。今は絶版ですが、当時出ていたラジオ講座活用本を参考にして学習しました(類書が今ありますが、当時の本は非常に良かった)。また、同級生で英語が大好きで、第一希望の某大学の外国語学部に受かった人がいましたが、彼もNHK講座を活用していました。

 放送中はとにかく集中して、内容に従って学ぶ。

 終了したら、新しい単語、知らなかった単語を調べる。私はこの段階でカード(単語帳は小さすぎるので少し大きめのカード)を活用。ただ、単純に表に単語、裏に訳語というやり方はしませんでした。単純な暗記が目的ではなく、あくまで用法・語法を身に付けて、その結果、覚えているようにするためでした。具体的には上に見出しとして単語を書き、例文を書く。ラジオ講座の文章を書き、さらに辞書に良い例文があればそれも記載。和訳は全文を書くこともあれば、ポイント部分のこなれたところだけを書くこともありました。

 次は耳と口を活用。音声を流しながらの声を出すシャドウイングを10回、単純な音読を10回。これを行えば、比較的短文の1回分の内容はかなり身につく感じです。そして、NHK講座には再放送があります。週末にまとめて聞き、再放送の時も音声重視で復習。

 また、日本語訳を見ながら英語を聞くことも役に立ちます。英語が第一言語や、日英の完全なるバイリンガル環境で育った人は別ですが、日本語のみや日本語中心の環境の人にとっては、日本語の理解が必須ですし、個人的に外国語が母語よりも上手になることは無いと思っています。NHK講座のテキストは、適度にこなれた日本語であり、その日本語を見ながら英語を聞くと、なるほど、こう表現するのか、と納得することが多くあります。

 「母語以上に外国語が上手になるはずはない。」

 これは、私が高校時代に通っていた、語学の達人の先生が経営している英語会(塾と呼ぶなと言われていました)での教えです。「単語を覚えるには辞書を引いたら食べてしまえ」、「自分の身長に到達するぐらい問題集を解けという」、ユニークかつ過激な先生でした。

 と、脱線を戻すと、上記の一連の流れで勉強すると、放送時間15分を含めて、概ね1時間ぐらいの学習時間かと思います。

 これを愚直に繰り返したところ、急速な伸びを感じました。

 私は、高校3年の最後に、地元のクイズ大会で優勝したときの商品でグアム島に行ったのが初めての海外体験であり、周りにも海外と縁のある人は非常に少ない環境でした。帰国子女でもなんでもなく、むしろ、外国や外国語とはかなり遠いところで育ったと思っています。そうした環境の中、NHKラジオは、本場の英語を、日本人にとっての勘所を踏まえて教えてくれる最強の講座だったと言えます。

 英語以外の言語にも活用できるでしょう。私が大学で専攻した言語はマレーシア語のため、ラジオ講座はもちろんありませんし、市販教材にも十分なものはなく、先生の手作り部分がかなりありました。教材は異なっていても、比較的似たような勉強法で身につけたと思います。最近は中国語と韓国語を学習していますが、こちらは充実したラジオ講座や市販教材があり、非常に勉強しやすいと思います。

 また、ラジオ講座は音声データを購入できるのでリアルタイムで聞かなくても良い、のではなく、できるだけリアルタイムに聞くようにしてください。その方が情報量が多いのと、ペースメーカーになります。「まあ、あとでいいや」が無いようにすることが大切です。

 非常にコストが低く、かつ、上達する勉強法だと思います。

 もちろん、NHK講座以外にも良質で素晴らしい教材は多々販売されています。ただし、毎日のペースメーカーとしてはNHK講座が優れていると思います。日常はNHK講座、そして具体的な語学試験や志望校対策には、それ用の対策本を週末などを利用してまとまった時間で解いていく。そんなやり方が良いのでは、と思います。

受験・試験勉強は転職にも役立った

 最後に受験勉強や試験勉強は、その時だけにしか役に立たず意味がない、という意見について。ある程度そうかとも思いますが、自分の場合はその後も役に立っています。

 語学はもちろんですが、外務省試験で勉強した専門科目(経済学・国際法・憲法学)は、思いのほか、今でも役に立っています。特に経済学については、証券会社に転職するときに「外務省の試験で勉強したと思うからマクロ経済学とミクロ経済学は大丈夫だよね。他の細かいことはJOTで身に付ければよい」というノリだったのには助かりました。初の民間転職には、公務員試験の経験が役立ったという訳です。また、国際法は地政学的な視点において重要な補強になっており、今は直接的に仕事に役立っています。

 ということで、受験や資格試験を受ける皆様、頑張ってください。私もいくつか今年や来年に受けようと思っているものがあるので、勉強していきたいと思っています。(目下の目標は、韓国ドラマや中国ドラマを字幕無しで理解出来るレベルのヒヤリング力です)

(バナー写真:Unsplash/JESHOOTS.COM

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