年収が高い人ほど、リスキリングを重視している

2023年11月1日
全体に公開

日本における人材不足は深刻化する中、労働力の供給側の強化が重要となっています。

内閣府は2023年10月25日、「新しい資本主義実現会議(第23回)」を開催し、省人化投資、高齢者就労の活性化、リスキリングなどの供給サイドの強化の在り方について、議論・検討を行っています。

ミドルシニア就業者はどこまでリスキリングを重視しているか?

中でも重要となるのが、ミドルシニア就業者(35歳~64歳の就業者)のリスキリングです。

リスキリングを実行するミドルシニア従業員の割合は、仕事やキャリアに関して継続的に学習を行っている層(「リスキリング層」)は14.4%。趣味の学習だけをしている層(「趣味学習層」)は8.2%。学び直す意欲はあるが学んでいない層は29.8%、となっています。

「学び直し」が多い職種は、「情報処理・通信技術職」

「学び直し」が多い職種は、「情報処理・通信技術職」「商品開発・研究職」「専門・技術職」です。逆に、「学び直し」が少ない職種は、「配送・物流・運輸職」「事務職」「生産工程・管理・製造」となっています。人手不足の職種においては、省人化・省力化投資とそれに合わせた従業員のリスキリングが重要となっています。

出典:内閣府 新しい資本主義実現会議(第23回) 2023.10

年収が高い就業者ほど、「リスキリング層」が多い

年収とリスキリングの数値をみると、年収が高い就業者ほど、「リスキリング層」が多く、自ら学び直す意欲はなく実際に学習もしていない「不活性層」が少ない傾向となっています。

年収2000万以上は、41%がリスキリング層で、1500万以上2000万未満の層でも38%。一方、200万円未満ではリスキリング層は一桁となっており、不活性層は50%を超えています。

出典:内閣府 新しい資本主義実現会議(第23回) 2023.10

学び直しは年収が高まる

学び直しが年収に与える効果もみてみましょう。学び直していないミドル・シニア就業者(正社員)と同質のグループが学び直しをしていたと仮定し、学び直していない場合との年収の差を推定したところ、年収が高まることが確認されています。

出典:内閣府 新しい資本主義実現会議(第23回) 2023.10

習慣化と地道な行動も

私自身のIT系の職業では、日々テクノロジーが急速に進化しており、日々の学びは意識しながら取り組んでいます。

年収は一つの目安ではありますが、これからの社会や経済全体を底上げをしていくためには、生成AIなどのデジタルテクノロジーも活用しつつ、学び直す意欲を高め、実際に学習をし、そして、成果につなげていく、といった習慣化と地道な行動がより大切となっているのかもしれません。もちろん、スピード感や柔軟性も大切だと思います。

応援ありがとうございます!
いいねして著者を応援してみませんか



このトピックスについて
樋口 真章さん、他1643人がフォローしています