なぜAI時代に図書館活用術なのか?
AI時代こそ調べる力が必要
対話型の生成AIにより、調べ物が以前よりもずっと簡単にできるようになりました。いままで人間が行っていた作業を代行し、負担を軽減してくれます。
しかし、AIを利用して自分に必要な情報を得るには、調べる力が必要になります。AIの回答は、捏造や誤り、抜けがあったりすることがあるからです。
伊藤穰一氏は、著書『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』において、次のように述べています。
ジェネレーティブAIは過去の膨大なデータを学習しているので、人間のオーダーに従って、過去に書かれた研究論文やレポートを世界中から探してくることもできます。
ただし現時点では、ジェネレーティブAIが、ありもしない論文を捏造して提示するということも頻繁に起こっています。
ジェネレーティブAIが出してくれる答えを鵜呑みにせず、それらを別の方法でチェックする必要があります。それでも自分でゼロから調べるよりは、かなりの労力削減になるはずです。
調べ物は、AIに任せきりにするのではなく、人間が最後にAIの回答を確認する必要があります。そのためには、自分で調べる力がいままで以上に求められます。
AIも認める図書館の有用さ
AI時代に調べる力が必要なことは、ChatGPTですら認めています。AI・インターネット検索・図書館の資料を組み合わせることで、信頼性の高い情報を得られると回答しています。
私(中崎):
AIとインターネットの検索の併用、図書館の資料との併用で、情報収集の精度が高まりそうですね。
ChatGPT:
その通りです!AIとインターネットの検索、そして図書館の資料を併用することで、情報収集の精度と幅が高まります。それぞれの情報源には異なる利点と限界がありますが、組み合わせることで補完的な情報を得ることができます。
インターネットの検索は、迅速に広範な情報を取得できるメリットがあります。特に最新のニュース、著者や本の詳細情報、オンライン上の資料などにアクセスするのに役立ちます。
一方、図書館の資料は学術的な情報や専門書、歴史的な資料など、より信頼性の高い情報を提供してくれることがあります。
図書館の書籍や専門家による研究には、厳密な根拠や精緻な情報が含まれていることが多いです。AIは一般的な知識や多くの質問に対する応答に役立ちますが、特定の専門知識や最新の情報に関しては限定的です。しかし、AIの力を借りることで、様々な質問に対する洞察や指針を得ることができます。
情報収集の際には、AIの力やインターネットの検索、そして図書館の資料を組み合わせることで、より総合的で信頼性の高い情報を得ることができます。その結果、情報収集の精度が向上するでしょう。
AI時代の情報収集は、AI、インターネット検索、図書館の資料、それぞれの特性を活かすことが重要になります。
本トピックでお伝えすること
本トピックでは、AIの利用を前提とした、AI時代の図書館の活用方法についてお伝えします。以下のことをお話する予定です。
・情報を集める前に行うこと
・情報の信憑性を判断する方法
・資料の特徴とアクセス方法
・目的別探し方
・図書館の利用法(図書館の設備やレファレンスサービスの利用法など)
・集めた情報をアウトプットする方法
簡単な自己紹介
私は大学図書館で司書をしています。主にレファレンスやガイダンスを担当しております。図書館利用者の相談や、データベースの使い方などの講義をしていたりします。
レファレンスとは聞き慣れないことばかもしれません。自分のほしい資料がうまく見つからなかったり、図書館のなかにあるデータベースの使い方がよく分からなかったりしたときに相談するのが、レファレンスです。資料を一緒に探してくれたり、データベースの使い方を教えてくれたりします。
本トピックは、大学での図書館司書の経験などから、AI時代の調べ方のTIPSをお伝えします。みなさんのお役に立てますと幸いです。
トップ画像:UnsplashのGunnar Ridderströmが撮影
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