チームの合意形成を加速する! 優秀なリーダーの「二つの意思決定ルール」

2024年4月1日
全体に公開

いつもトピックスをお読みいただき、ありがとうございます。

本トピックスでは、リーダーシップやキャリアについて解説をしていますが、今回その集大成として、NewsPicks主催の「NewSchool」にて、3日間のリーダーシップトレーニングを開講することとなりました。

どんな組織でも結果を出すリーダーになるために、必要になる3つのスキル

・多様な人材を早く育てるリーダーシップ

・複雑な環境での意思決定力

・フィードバック・コーチングスキル

を理論的に学んでいただき、リーダーとしての強みとチャレンジが分かる集中トレーニングです。すぐに実践できるメソッドを余すところなくお伝えしますので、ぜひご参加ください!

さて今回は、トレーニングの内容にも含まれる「優れたリーダーの意思決定のコツ」について解説します。

◇なぜ、上司と部下のすれ違いが起きるのか?

ビジネスにおいて、上司が意思決定をしたり、部下の提案に対して指摘したりする場面は多くあります。ただこのとき、部下が上司からの指摘に困ることは珍しくありません

・上司が指摘する内容が毎回違う

・「なぜ」ばかり言われて、何を修正すればよいのかわからない

一方で、上司からすると、こんな思いもあるのでしょう。

・部下の説明がわかりづらく、いろんな部分が気になってしまう

・人によって企画書の書き方が異なり、全体像がわからないので「なぜ」と聞いてしまう

こういった状況が続くと、部下は次からどう改善すればよいのかわからなくなり、上司に対する信頼そのものもどんどん落ちてしまう、という悪循環に陥りがちです。

そこで覚えておきたいのが、「上司と部下が互いに納得し、効率的に意思決定をするための2つのルール」。グローバル企業ではリーダーに最初に必ず教えることであり、すぐに実践できるのが特徴です。

◇意思決定のルール①「判断基準を表明する」

リーダーが意思決定をするとき、いつも完全に同じ基準で判断していれば、周囲も納得しやすくなります。しかし、常に過去と同じことが起きるわけではありませんし、十分な判断材料が揃わないことも多々あります。「合理的な判断よりも、情緒的な判断が必要になる」というケースも発生するでしょう。

「これまでプロジェクトリーダーは、過去の経験とスキルに基づいて決めてきた。そうなると、このプロジェクトはAさんに担当してもらうのが妥当だが、今回だけは今後の成長に期待してBさんに担当してもらいたい」

こうした意思決定をするときもあるでしょう。ここで大事なのは、「リーダーが判断基準を周囲に表明すること」です。

上の例の場合、プロジェクトへのアサインメントの結果だけを、そのままAさん、Bさんに伝えてしまうと、

Aさん「なぜ今回は自分ではないのか? 期待されていないのか?」

Bさん「なぜ自分なのだろう? Aさんに気を遣うし、ちょっと荷が重いな」

と思うかもしれません。これでは双方が納得できない状態でプロジェクトが始まることになります。

そこで事前に、次のように一言表明しておきましょう。

「今回は短期的なプロジェクトの成功率だけでプロジェクトリーダーを決めるのではなく、中期的な組織力向上を考えたうえで担当を決めます」

こう伝えることで、周囲はリーダーの考えを理解し、結果を受け入れやすくなります。

意思決定にはさまざまな背景や状況が絡み合うので、常に同じ基準で判断しようとすると、無理が生じて逆に説明できなくなってしまいます。だからこそ、リーダーは自分の判断基準を表明する習慣を身につけることで、部下との信頼関係を強化できるのです。

◇意思決定のルール②「企画書のフォーマットを共通にする」

少し前ですが、アマゾンで「社内会議の資料としてパワーポイントを使用せず、ワードを使う」というニュースがありました。

「アマゾンの会議」でパワポ資料がNGな理由

これは、アマゾンに限らず欧米企業ではよくあるルールです。パワーポイントは「プレゼンテーション用」の資料作成ツールなので、「魅せる」ことにどうしても偏り、スライドの枚数が増えがちです。

しかし社内会議では、「何がどこに書いてあるのか」が一目で確認できないと、意思決定やディスカッションに時間がかかってしまいます。そこで書類作成に特化して一覧性の高いワードを使う場面が多いのです。

ここで大切なのは、どのソフトを使うかではなく、「どこに何が書いてあるか」を統一すること。これが徹底できていないと、ワードを使用しても効果は期待できません。

想像してみてください。ワードで作成された長い論文や白書を読んで何かを判断するのは非常に難しいですよね。ワード文書は「見やすさ」には長けていないので、何ページにもなってしまうと、パワーポイントよりも見づらくなります。

そこで大切になるのが「企画書のフォーマットを決めること」。もっとも一般的なつくり方は、ロジカルシンキングのフレームワークを使うことです。

①「目的、目指す姿」

②「課題(現状とのギャップ)」

③「課題の要因」

④「要因を解決する企画、アイデア」

この4つの要素を上から順に記述し、1ページまたは2ページのワード文書に落とし込みましょう。日本によくある企画書は、人によって内容や順番がバラバラだったり、最初に④のアイデアから書いてあったり、課題や目的が後付けでどうつながっているのかわからなかったりするものも多く見られます。

フォーマットが揃っていると、準備する部下も、指摘する上司も、提案内容を把握しやすく、指摘もフォーマットに沿って順を追ってできるので、次回の修正がしやすくなります。

今回解説した2つの方法は、普段からできていそうで、実際には徹底されていないことが多いものです。ぜひ一度、みなさんの普段の職場を見返して実践してみください。

また、冒頭に紹介した「NewSchool」のトレーニングでは、意思決定スキルを基礎からしっかりと学んでいただけます。ぜひご参加ください!

Top画像@Linustock

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