VCってどんな時間配分でどんな仕事をしてるん?

2024年1月21日
全体に公開

まず初めに、2024年1月1日に発生した能登半島地震で、被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興を祈念致します。北陸エリアは2013年から担当していて、石川はじめ北陸三県は思い入れのあるエリアです。自分なりにできる復興支援をやっていきたいと思っています。

今日のテーマ:VCで働く人の業務ごとの時間配分(私の場合)

よく頂く質問の一つに、「新規投資の仕事と投資先の仕事とどんな配分で仕事しているんですか?」というものがあります。

確かに、あまり表に出てこないテーマだと思うので、今日は私の実際のデータを使ってご紹介したいと思います。

かねてから「時間配分が下手」という認識があった私は、2018年9月から、Toggl(https://toggl.com/)というツールを使って、自分が何にどれだけ時間を投下しているのかを計測しています。

「1分1秒」までを正確に測ることが目的ではなく、時間を投下している業務や配分のトレンドを大枠で理解することを目的にしているので、あまり神経質に計測してはいないです。

ここでは、2023年通年の私のデータを少しデフォルメして見てみたいと思います!

2023年は、新規投資関連と投資先関連の仕事で50%くらい

これが2023年に私がしていたざっくりとした業務ごとの時間配分です。

各分類について、以下で簡単に説明しますね。

【新規投資】

名前の通り、新しく投資をする先の開拓・ご出資の検討の業務です。

昨年は私が担当する西日本エリア(東海圏以西)で4社に新たに投資を実行しましたが、全体でいうと20%くらいのリソース配分でした。

【投資先への関与】

関わり方は各投資先で異なりますが、取締役会への出席、経営会議への参加、顧客候補の紹介や、管理業務の支援など多岐に渡るテーマで、各投資先の支援をしています。

投資先が増えてくると、当然ここのリソース配分が増えていく形になりますね。

【パートナー関連】

2022年6月より、SV7ファンドのパートナーの役割を担わせて頂いていますが、それに関連する業務です。

投資委員会の参加に代表されますが、ポートフォリオ全般や、全社的/組織的な課題などについてのディスカッションも多く、しっかりと時間を投下して取り組んでいます。

【ファンド関連業務】

VCという仕事のスタートポイントは、VC自体の資金調達です。私たちのファンドに出資頂く、出資者(LP:Limited Partnerと言います)の開拓やその後のフォローアップは大事な仕事です。

4%とパーセンテージで見ると少なく見えるのですが、これは投資先1社にかける年間の時間と同等かそれ以上だったりします。

【その他】

ここでは細かすぎるので「その他」という形でまとめましたが、それ以外にも、ピッチイベントへの参加とか、大企業で新規事業をご担当される方とのオープンイノベーションについての意見交換などの業務があります。

時間配分で意識していること

特に意識しているのは、「新規投資」に一定の時間を投下し続けることです。

私のケースで言うと、年次を経て担当投資先が増えてくる際に、各投資先へ関わる時間が増えて、新規投資に割く時間が少なくなる傾向がありました。やはり、毎年コンスタントに新規投資を実行していこうと思うと、一定量の時間投下は必須で、このバランスにとても苦しんだ時期がありました。

ここでご紹介したTogglを使って月次で時間配分を振り返り、新規投資以外の業務を棚卸しして効率化を図ることで、新規投資に投下する時間をきちんと確保するようにしています。

実際に数字で見ると、「ハッ」とすることも多くあり、適正な時間配分に大きく役立っています。なので、西日本支社のメンバーにもこのやり方を共有し、支社としての新規投資リソースを可視化していたりしているんですよ。

いかがだったでしょうか?

感想や「次はこんなのが聞きたいぞ」といったリクエスト、ご質問あれば是非コメント頂けると嬉しいです!

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写真:Getty images

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