池袋チャイナタウン(China town in Ikebukuro) ―『日常』の空間としての池袋北口―
今回のGenZのたまり場を担当します、Student Picker三期生の小勝周(おがつ あまね)です。先に謝らせてください、今回のコンテンツ、めっちゃくちゃ長いです。
前回は、第3期student pickerの中川朝子さんがAIをテーマに記事を書かれていました。私も友人のエンジニアやコンサルタントに話を聞いてみると、Chat-gptをがっつり使っていこうぜ!という意見とChat-gbtなんて使えない!という意見に分かれていました。個人的には、研究などの領域にも活躍されてゆく未来もあったりするのかなーと思いつつ、やっぱりAIには調査・研究しきれない分野の方が多いなとは思います。意味論的な要素が強い「個人の生活史」とか。
今回は、私が香港という地域を研究していることもあり、中華文化(Chinese Culture)、とりわけ、池袋の「チャイナタウン」について書かせていただきます!「え、池袋?」と思うかもしれませんが、実はすっっっごく面白い地域なんですよ!!!
【内容項目】
1. 池袋チャイナタウンって何?
2. 歩いて回った池袋チャイナタウン
3. 中華圏からの留学生から見た池袋チャイナタウン
4. 比較としてのシンガポールのchinatown
1. 池袋チャイナタウンって何?
日本で流行している海外の文化というとBTSやTWICEといったK-POPの韓国カルチャーがぱっと思いつきますが、実は中華カルチャーも近年、日本の若者の間でひそかに流行しつつあったりします!例えば、日本版Tiktokでは先日、中国語ラップである「真的没喝多(マジで全然飲んでないって)」がバズり、多くの日本の歌い手が中国語でカバーした動画を投稿していたり、こちらも若者に大人気なThe First takeに香港ポップ(広東ポップ)のアイコン的存在(本当に?)である陳柏宇(ジェイソン・チャン)が出演し、一発撮りのパフォーマンスを披露するなどしています。
そのような中、中華カルチャーの最も象徴的なものとして「ガチ中華」ブームが挙げられます。2022年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされ、数多くのメディアや番組で取り上げられている「ガチ中華」ですが、東京のガチ中華を継続的に取材されてきた「東京ディープチャイナ研究会」の中村正人さんは著書『東京ディープチャイナ 海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品』にて「ディープ(ガチ)中華」を
「海を渡って日本に来た中国語圏の人たちが経営し、調理している料理店のこと (中村 [2022]、6頁)」
と定義しています。すなわち、私たちがイメージする「町中華(レバニラやエビチリなど)」ではなく、本場と変わらないガチの中華を楽しめるお店が「ガチ中華」であるという認識です。そのような「ガチ中華」の代表的な集積地(ハブ)が「池袋の北口エリア」となっています。
→東京ディープチャイナ研究会の代表である中村正人さんがNewsPicksに寄稿してくださった「ガチ中華」に関する記事
そんな「ガチ中華」のお店が集積する池袋北口エリアは横浜や長崎、神戸といった「○○中華街」ではなく、「池袋チャイナタウン」と呼ばれています。この「池袋チャイナタウン」という呼称は立正大学の山下晴海教授が最初に使用し始めました。山下教授は著書『世界のチャイナタウンの形成と変容――フィールドワークから華人社会を探究する』の中で、中華街と池袋チャイナタウンの違いについて、下記のように指摘しています。
「日本では、チャイナタウンを『中華街』と呼び、『中華街』と言えば、横浜中華街を思い浮かべる人が多い。このため、『中華街=観光地』という固定したイメージが醸成されてきた。池袋に形成されたチャイナタウンは観光地というよりは、華人同胞に必要なサービスを提供する地区という性格が強い(山下 [2019]、300頁)。」
すなわち、池袋チャイナタウンは「日本人向けの観光地」というよりかは、日本に住んでいる中華圏出身者間でサービスなどのやり取りが行き交う、まさに、彼らにとって「日常としての空間」が形成されていると言い換えることが出来るかもしれません。
2. 歩いて回った池袋チャイナタウン
私たちがイメージする「中華街」とは大きく異なる、中華圏出身者の「日常の空間」としての「池袋チャイナタウン」を実際に歩いて回ってみました。
A. 池袋チャイナタウン(手前)
池袋西口を出て、右側に進むと「歓楽街」としての池袋北口エリアへの入り口「中央通り 西一番街」のゲートが見えてきます。「歓楽街」への入り口でもあると同時に、「池袋チャイナタウン」の入り口でもあります。
中央通りゲートのすぐ近くに、24時間営業の中華マーケット「陽光城」があります。中華系の食材や調味料が何でも買うことが出来る物産店でもあり、代表的な在日華字新聞である「陽光導報」を発行するメディアとしての側面も持っています。
「陽光城」から駅方面に向かって横断歩道を渡ると、池袋チャイナタウンの象徴的な建物「大和ビル」が見えてきます。ちなみに、大和ビルの前ではよく、「大紀元時報(法輪功の関係者が発行しているとされている新聞)」を配っている方々がいます。
入口に入ると、エレベータが見えてきます。
今回は2Fと4Fのお店の身を紹介しますが、3Fには中華出身者向けのカラオケ「PANDAカラオケ」があり、中華圏の歌を歌うことが出来るうえに、日本のカラオケと違い、内装がめっちゃくちゃゴージャスです(キャバクラみたいな感じ)。
2Fには、本屋 兼 フードコートを兼ね備える「中文書店(食府書苑)」が入っています。書店には中国版「週刊文集」から中国語の絵本、村上春樹の中国語翻訳版まで、品揃えは豊富です。
書店の前にあった注意書き。「この自販機以外のごみは捨てないでください。ごみは各自で持ち帰ってください。文明的なイメージを保つことは皆さんの責任です。ポイ捨てをしたものを見つけた場合、10000元(約19万円)の罰金を科す (筆者、邦訳)」
4Fには、池袋の代表的な中華マーケット「友諠商店」、そして、日本のメディアでもよく取り上げられる「友諠食府」が入っています。店内にいるお客さんのほとんどは中華圏の方で、私が商品の会計が終わった時も、店員さんから「要袋子吗? (袋いりますか?)」と聞かれました。友諠商店の魅力は何といってもその「品揃え」の良さです。中国のお菓子や調味料から羊のブロック肉や豚頭・豚足、さらには、鯉やエビなどの生きた海鮮も売っています。
中国の冷凍の牛肉パイやネギパイ。
品揃え豊かな缶ジュースとアルコール類。中国の代表的なお酒「紹興酒」には5年物・10年物・15年物の主に3つがあるのですが、熟成年数が増えてゆくにつれて、「さらっ」と飲みやすい口当たりになっていきます(沖縄の泡盛と似ているかもしれません)。
こちらが非常に有名な中華フードコート「友諠食府」。「友諠商店」に隣接する形で営業をしています。上海から四川、台湾まで様々な地域の中華料理を楽しむことが出来ます。
こちらは台湾の代表的な朝ごはんセット、「油條(甘くない揚げパン)」と「豆漿(豆乳)」。油條は揚げたてで、豆漿もしぼりたてなので熱々で美味しいです。
初の「油條・豆漿」で「豆乳に揚げパンを浸す」という本場の食べ方を自ら導き出した友人。
「友諠商店」の店内には中国語で書かれたチラシやバイト募集のチラシが壁に貼り付けられていました。このような点からも、中華コミュニティ内で雇用が創出されていることが分かります。
B. 池袋チャイナタウン(メイン通り)
それでは、長居をしてしまった大和ビルを出て、もう一度、中央通りゲートに入り、街を散策してみましょう。
以前は居酒屋だったフロアに新しく「火鍋専門店」が入ったようです。看板には中国語のみで書かれていることから、メインのターゲット層はやはり、中華圏出身者なのでしょうね。どんな店内なのでしょうか、、、気になります!
こちらはとても興味深い建物です。1Fは普通の日本の焼き肉屋ですが、2Fがベトナム料理屋、3Fが中国の重慶・雲南省における麺のお店、4Fがおそらく中華圏出身者向けの美容室、そして、5Fがベトナムマーケットで6Fがおそらくタイ出身者の方の株式会社のオフィスとなっています。まさに池袋の多様性を象徴する建物ですね。
こちらは有名な羊肉串(ヤンローチュアン:後ほど説明します)のお店「千里香」。それぞれの卓に串をくるくると自動で焼いてくれる機械が導入されています。
この裏通りは本当にすごいです!まさに「ガチ中華」の集積地です。手前から四川料理の「知音食堂」、お隣が飲茶(ヤムチャ)のお店、そして、一番奥が「小魏鸭脖店(居酒屋?屋台飯?的な感じのお店)」。この「小魏鸭脖店」は看板もそうですが、店内で話されている言語もメニューも、そして、お客さんも完全に中華なので、私は緊張して入ることが出来ていません、、、いつか挑戦してみたいですね、、、!
最近できた香港、、、、、??の火鍋のお店。でも、私の香港の友人たちはこの看板を見て「??」となっていました。これは行くしかありませんね!
上海小籠包のお店「永祥生煎館」。毎回、このお店の前を通るたび行列が出来ており、小籠包もスープがたっぷりで絶品です。
こちらもガチ中華のお店がいっぱい入った建物です。1Fが東北料理を提供する本格中華料理屋「四季香」、2Fがハラール中華を提供し、羊肉料理が絶品の「阿麗婭(アリヤ)」、そして、4Fが四川料理を提供する、ネオンの看板がトレードマークの「撒椒」。かつて、「阿麗婭(アリヤ)」に行ったことがあるのですが、お客さんはもちろん、ほとんど中華圏出身者の方ですが、料理は一般的な中華料理とは違い、イスラム圏料理の影響を受けたものが多く、とても面白かったです。
池袋チャイナタウンを進んでゆくと、とても目を引く看板が見えてきます。こちらがメディアなどでも頻繁に取り上げられ、日本人にも人気が非常に高い、新しくできた中華フードコート「沸騰小吃城」です!
「沸騰小吃城」は3Fにあるのですが、2Fが関連の火鍋のお店、4Fが中華圏出身者向けのカラオケ店「大任 KTV」が入っています。
店内はこのような感じです。比較的、最近オープンしたこともあり、店内はとてもきれいな感じでした。店内は中華圏出身者の方もいらっしゃいましたが、他のフードコートと比べて圧倒的に日本人が多い印象です。
注文は卓上にあるQRコードを読み取って行います。注文できる料理も上海や東北、福建まで本当に多様な地域の料理が並びます。
私はひき肉の餡を揚げたパンで挟んだ「福建バーガー」と東北地方のジャンクフード「羊肉串」をオーダーしました。福建バーガーは本当に餡が美味しく、羊肉串も絶品です!!
「沸騰小吃城」が入る建物の地下一階には香港デザートを提供する「香港誠記」が営業をしています。私の香港の友人曰く、「エッグタルト」がおすすめらしいです。
C. 池袋チャイナタウン(外側)
お次は、池袋で最もおいしい「羊肉串」を食べることのできる東北中華料理屋「京華閣」。ここは私も大好きなお店でよく通っております。
最近、リニューアルオープンしたこともあり、店内はとてもきれいです!奥には、中華圏では非常におめでたい意味合いを持つ「白菜」の置物が置かれ、店内あるテレビからは中国のミュージックビデオやなんかの動画が流れています。お客さんは中華圏の方がメインで、中国語が飛び交っていますが、最近は日本人のお客さん、さらには大学生を見ることもあります!
友人らといった時の様子(食べかけでごめんなさい、、、) 手前の揚げた料理は「鍋包肉(ゴウバオロー)」という東北地方の代表的な料理で、日本語で言うところの「豚肉の甘酢炒め」です。薄い豚肉のスライスを衣付け、カラッと揚げたものに甘酸っぱいソースを絡めた料理です。奥にある茶色い饅頭(?)は「炸饅頭(ヂャーマントウ)」という中華デザートで、蒸しパンのような「饅頭」を油でカラッと揚げたものに、たっぷりの練乳をつけて食べる、まさに「背徳的な味」を持っています。
Youtubeにこの京華閣を取材された動画がありました。この動画を見たら、きっと行きたくなること間違いなし!!
池袋チャイナタウンで今も残る、最も古いガチ中華(?)と呼ばれる東北中華料理店「永利」。ここは本当にどんな料理でもめっちゃくちゃおいしいです。中華圏出身の家族連れの方などもよく見かけて、アットホームな雰囲気を感じることが出来ます。
ゴーヤが入った卵チヂミ。中華料理あるあるですが、一皿に来る料理の量が尋常じゃないぐらい多いです(3人前ぐらい)。なので、デートなどの2人のシチュエーションの時はお気をつけて!
本当はこれの3倍ぐらい、紹介したいお店がありますが一旦ここまでとさせていただきます。今回は主に飲食店を中心に紹介させていただきましたが、このほかにも中華圏出身者が中華圏出身者を対象にサービスを提供する企業なども数多く存在しています。
3. 中華圏からの留学生から見た池袋チャイナタウン
このように池袋北口には「チャイナタウン」が形成されています。では、そのような池袋チャイナタウンを中華圏出身者はどのように見ているのでしょうか?中国のB省出身のAさんにお話を伺いました。
・本インタビューは日本語、一部英語で行われました。下記には筆写が邦語訳したものを掲載しております。また、インタビュー対象者のプライバシーに最大限の配慮を払い、個人が特定されうる固有名詞の使用は避けております(2023年3月13日)。
(1) Aさんが日本に来た理由
(小勝) インタビューを受けてくださり、ありがとうございます!では、早速Aさんの出身地域と来日した理由についてお聞きしたいです。
(Aさん) はい、私は中国のB省という地域で生まれ育ちまして、日本にはコロナ流行前の2019年に留学という形で来日をしました。でも、「中国の見通しが暗かったから」という理由もあります。
(小勝) 「中国の見通しが暗い」とは経済的に暗いということですか?
(Aさん) はい、そうですね。経済的にもですし、国際情勢的にもです。中国の将来が暗いので、日本で就職して、生活していきたいなと考えていました。日本には「逃げてきた」という感じになるかもしれません。
→現在の中国の若者たちの間では中国の今後の政治的・経済的な面を不安視し、「私たちの世代で最後にする。(子どもには私たちのような苦しみを味わってほしくないから)子どもは持たない」のような、「最終世代運動」と呼ばれる考え方が広まっていると指摘されています。
(2) Aさんと池袋チャイナタウン、初めての接触
(小勝) なるほど、、、。では、Aさんの池袋チャイナタウンの経験についてお聞きしたいです。初めて池袋チャイナタウンを訪れたのはいつ頃でしょうか?
(Aさん) 2021年の8月頃です。所用で東京に来ていて、池袋北口にも観光みたいな感じで行きました。
(小勝) はじめて見てみた池袋チャイナタウンはどのようなイメージでしたか?
(Aさん) 中華料理店や(中国)物産店がたくさんあるなと思いました。友諠商店という中国系の物産展に行ったのですが、中国の様々な商品や食材が置いてあり、フードコートなどもあり、とても驚きました。
(小勝) 友諠商店のフードコート!中国の色々な地域の料理を提供していますよね。実際に、池袋チャイナタウンを見てみて、中国の雰囲気と似ていましたか?
(Aさん) うーん、そうですね、、、。池袋チャイナタウンの街並みの雰囲気は似ていませんが、お店の中の雰囲気は似ていると思いました。特にフードコートとか。よく中国にはああいうフードコートがあります。
(3) Aさんの池袋チャイナタウンに対する視点
(小勝) たしかに中国の方って、よく朝ごはんや夜ごはんを屋台やフードコートでとっているイメージがあります!少し変わりますが、Aさんは月に何回ぐらい、池袋チャイナタウンに行きますか?
(Aさん) 月に2・3回ぐらいですかね、、、。よくネットで知り合った中国出身の友達と東北や四川の中華料理をレストランに食べにいきます!
(小勝) やっぱりそのようなレストランは中国のような雰囲気ですか?
(Aさん) そうですね、、、。やっぱりお店に入った時は中国にいるような感じになります。私が行った時はほとんどのお客が中国の方で、店員も中国人でしたので、普通語(中国語)で注文したり、話したりしました。あと、ちょっと床が油でべとべとしている感じとかですかね(笑)
(小勝) はは(笑)
(Aさん) でも、池袋チャイナタウンのお店にも2パターンあるのかなと思っていまして、日本人のお客も狙って、サービスや衛生がしっかりしているお店と最初から中国人のみを対象としているお店ですね。あと、今はどこも現金に加えて、電子マネーが使えるようになってきています。
(小勝) 確かに、日本語のメニューをしっかりと置いていたりするお店もありますもんね。特に、メデイアに露出しているお店は前者のイメージがあります。
(Aさん) 中国人は基本的にアプリでお店を探すので、お店もあんまり看板をしっかりと出さないし、出していても中国語のお店の名前だけで、何のお店か分からなかったりします。そういうお店には日本人は入りづらいでしょうね。
(小勝) なるほど、、、。たしかに、普通の日本人からしたら、ハードルはかなり高いですよね。
(Aさん) あと、私は横浜の中華街にも行ったことがあるのですが、あそこは本当に中国の様々な地域のお店がありますね。街並みもとても中国ぽいですが、お店の中は、たしかに中国の雰囲気ですが、どこか日本ぽいという印象がありました。サービスがしっかりしていたり、店内がきれいだったり。
(小勝) まさに観光地化された中華街としての「横浜中華街」と池袋チャイナタウンとの違いですね。本日はインタビューを受けてくださり、ありがとうございました。
(Aさん) ありがとうございました。
4. 比較としてのシンガポールのchinatown
池袋チャイナタウン、そして、そのような空間に対する中華圏出身者の方の視点を見てきました。では、世界のチャイナタウンはどのような感じなのでしょうか?今回は偶然ぶらぶらしていたシンガポールのチャイナタウンについて、少し紹介させていただきます!
(1). シンガポールのchinatownとは?
シンガポールにあるチャイナタウンはイギリス植民地時代、広東・福建・潮州といった中国本土からの移民が移民船でやってきて、指定された華人移住区内で発展した街になります。現在は、中華系の方々の移住区的な特性というよりかは「観光地」としての側面が強いと指摘されています。
(2). 歩いて回ったシンガポールchinatown
シンガポールの地下鉄線MRTの「chinatown駅(牛车水駅)」を降りると、目の前にはchinatownが広がります。漢字の看板が並び、中国語がいたるところから聞こえてきます。
駅近くのお店。
駅前には多くの中華料理屋が並んでいます。
Chinatownのメインストリート。中華圏の文化とヨーロッパの文化が混じった、そのような雰囲気の街並みです。訪れたのが旧正月近くだったこともあり、ウサギのオブジェや正月用の飾り付けがされていました。
chinatownのきれいな街並み。
Chinatownで食べた火鍋。
シンガポールは日本と同じか、それ以上に物価が高いので、筆者の日々の食事は
chinatownにあるフードコート「Maxwell Foodcourt」でとっていました。
めちゃくちゃ美味しかった海鮮系の辛い米麺。一杯、約500円ぐらい。
シンガポールの代表的なモーニングセット「カヤトーストとKopi」。カヤトーストはカヤジャムというココナッツミルクをベースとしたジャムとバターをサクサクのトーストで挟んだもの。Kopiは東南アジア特有のあまい珈琲です。Kopiという単語は中国福建省の「珈琲(カァーフェー)」という発音がなまったものと言われています。卵も含めたセットで約350円ぐらい。
5. おわりに
ここまで、池袋チャイナタウンの「定義」や「街の様子」、「中華圏出身者の視点」、「シンガポールのchinatown」と幅広く見てきました。いかがでしたでしょうか?池袋チャイナタウンの様子はなんとなくイメージ出来たでしょうか?
私たちは異なる文化に対して、時として、距離をとってしまったり、過激な言葉を投げかけてしまったります。中華圏の方々が集まる「池袋チャイナタウン」も例外ではありません。これまでもヘイトスピーチのようなものが行われてきましたし、新型コロナウイルスが日本で流行し始めた当初、心無い誹謗中傷が行われていたと聞いています。
でも、そのようなことを行ってしまう人々は本当に「池袋チャイナタウン」を知っているのかなと思ってしまいます。「日常の空間」としての池袋チャイナタウンに生きる人々が毎日、どのような生活をしているのか、どのような人間関係があるのか、それぞれの人々にどのような物語があるのか。ヘイトスピーチを行ってしまう人々はきっと、お子さんを連れて、中華のお店で夕飯をとる、穏やかな家族の様子もカラオケに行って朝まで歌う若者らの青春も知らないんだと思います。
だから、私はsnsやテレビから流れてくる情報だけで、「何か」を判断せず、実際に、その場に足を運んでいただきたいなーと思っています。確かにそこには、日々を懸命に生きる名もなき人々のストーリーがあります。そして、そのようなきっかけの一つにこのコンテンツがなっていただけると幸いです。
【参考文献】
中村正人・碓井正人(2022) 『東京ディープチャイナ 海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品』 東京ディープチャイナ研究会編、産学社。
山下清海 (2019) 『世界のチャイナタウンの形成と変容――フィールドワークから華人社会を探究する』 明石書店。
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