「選ぶ」ときの苦悩

2022年3月11日
全体に公開

Netflixで何を観ようか決めるとき、定食屋さんで何を食べるか決めるとき、ネットでどの服を買うか決めるとき…

日々のちょっとした決断で、迷ってしまうことはありますか。私はよくあります。

「どうやったらより良く決断・選択できるだろう」と本を読む中で、興味深いコンセプトに出会いました。

ここでひとつ、みなさんに質問です。

新しいコートを買おうと、ショッピングにでかけたとします。一軒目で「まあまあ良いな」と思えるコートが見つかったとき、即決してそこで買い物を終えますか?

それとも「もう少し好みにぴったりくるのがあるかも」「もうちょっと安く買えるところがあるかも」と考えて、買わずに探すのを続けますか?

(こういう写真を選ぶときにも、悩みます。)

前者の人は、「satisficer」(自分の基準を満たすものに出会ったら、そこで決断を下す)、後者の人は「maximizer」(一番良いものを探そうとする)とよばれるそうです。

飛行機の機内エンターテインメントで、「見たいかも」と思う映画を見つけたらすぐに見始めるか、ラインナップを全部一度確認しないと気がすまないかといった違いにも現れます。

興味深かったのは、「決断の満足度が高いのは、maximizerよりもsatisficerである」ということ。

客観的には、maximizerの方が品質が高く手頃なコートを買うことが出来ているかもしれません。でも、maximizerは「自分が買ったものより、もっと良いものがあったのではないか」と考えてしまうため、自分の決断に満足できないそうです。

これは、買い物に限らず、あらゆる決断で言えることだなあと身にしみました。小さなことで迷ってしまったときは、この話を思い出して、ひとまず決めることを心がけるようにしています。

📚今週の偏愛📚

小説(ミステリー系)

昔から、探偵やスパイに憧れがあります。謎解き要素がある小説が好きです。

去年読んだ中で一番のおすすめは、The Plotという小説です。

主人公は、くすぶっている小説家。デビュー作以降いい作品が書けず、小説を書きたい人向け講座の先生をやっています。

そこで出会ったのが「俺が書く予定の小説のプロットはまじですごい」と豪語する生徒。ある日の面談で、彼は主人公にその構想を明かします。

数年後、主人公はその生徒が不慮の事故で亡くなったことを知ります。彼が構想していた小説が世に出ていないことを知り、主人公はいてもたってもいられず、記憶していた筋書きをもとに小説を書いてしまう。

その小説はたちまちベストセラーとなり、主人公は大人気の作家先生に。でもある日、「その筋書き、あなたのものじゃないですよね」というメールが届き…

というお話です。

主人公が良い小説をかけずにくすぶる描写や、大ヒット作家になっても「どこかでばれてしまうんじゃないか」とハラハラし続ける姿が、とてもリアルでした。最後にどんでん返しがあり、「うわ、こわいぞー」という読後感です。

最近、「黒牢城」をおすすめしてもらったので、それを読みはじめています。おすすめの小説がありましたら、ぜひ教えてください。

それでは、みなさま一週間お疲れさまでした。今週も良い週末をお過ごしください。

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