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2024年4月20日 公開

【緊急解説】イスラエル、イランに報復。これから何が起こるのか

19日、ついにイスラエルがイランへの報復攻撃を行った。中東の大国同士が直接攻撃しあうのは初めてのことだ。事態は沈静化するのか、さらに拡大してしまうのか。キアラシ記者が専門家への取材内容を交え緊急解説する。
※動画の収録は日本時間4月19日19:00頃行いました。

出演:キアラシ ダナ
取材協力:鈴木一人(東京大学公共政策大学院 教授)

制作:
バナーデザイン:石丸恵理/撮影:小田切瑞穂/撮影補:川村拓希/制作補:相原加奈/ディレクター:小西健太郎
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中東戦争とは、第1次の1948年から第4次1973年まで、エジプトをはじめとするアラブ諸国とイスラエルが戦うものでした。
 現在のイスラエルがいう「長い戦争」は、パレスティナが争点になっている点では、4次に渡る中東戦争と同じです。
 しかし、今回は、アラブ諸国は1つもイスラエルに対して宣戦していません。
 イランが一方の主役であることが、過去の4次に渡る中東戦争と違う点です。

4月13日にイランがイスラエルに対して300以上のミサイルとドローンを放った際、イスラエル軍や米英仏軍とともに、サウディアラビア軍とヨルダン軍も撃墜に参加し、イスラエル防衛に参加しました。
 今回は、アラブ諸国は、口頭ではイスラエルを非難しているとはいえ、行動においてはむしろイスラエルの味方です。戦況がどうなろうと、アラブ諸国がイスラエルに宣戦することはほぼ考えられません。
 イランは、民族的にはペルシア人、宗派としてはシーア派が多数派で、イラン・イラク戦争で1980年代にアラブ諸国と戦ったように、アラブ諸国との関係は良好ではありません。イラクとシリア、イエメンの政府は、同じシーア派が多いこともあり、イランの影響下に置かれていますが。

この「長い戦争」は、ガザ地区での戦闘と同時並行で、中東各地で戦闘が起きていきます。
 イランに対して釘を刺したイスラエルは、次はガザ地区の最南端、ラファ市での掃討作戦を開始します。4月19日のイラン本土への攻撃は、米国との調整の結果であり、交換条件として、ラファ市での掃討作戦開始を米国が(非公然に)承認し支援することになっています。
 その後は、最大の戦線はレバノンのヒズブッラーとの戦闘に移っていくでしょう。

イランは、正面からイスラエルとやりあう覚悟も準備もなく、傘下の勢力を使った非正規の攻撃をイスラエルに対して続けていくでしょう。
 レバノンのヒズブッラーやイエメンのフーシー派は従来通り活用されますが、イランが狙っているのは、ヨルダン川西岸地区とヨルダン国内のアラブ人の間に傘下の勢力を増やし、イスラエルへの非正規な攻撃を増やしていくことです。
 イスラエル軍は、イラン陣営からの攻撃を根絶するため、そちらにも兵力を割くことを強いられるかもしれません。
イランとイスラエルは世界で最もお互いを憎しみ合う国同士です。イスラエルがこれまでアメリカの強力な後ろ盾の元で動いてきた一方、イランはイラク、シリア、レバノン、イエメンといった具合に中東全域に「親イラン組織」という名の手下の武装組織を携えています。

今回、直近の動きを見ると
①イスラエルがイラン大使館を空爆

②イランが報復のミサイル・ドローン攻撃

③イスラエルがさらに報復の攻撃
という流れになっています。

次のボールは今、イランが持っていると状況と言えます。イランが今回の③を深刻に捉え、中東にいる親イラン組織も携えながらイスラエルに反撃した場合、それは本当に地域を巻き込んだ戦争になります。
本当にそうなるのか、その場合どんなシナリオが考えられるのか。専門家への取材をベースに動画で解説しています。
現地情報と時間軸を通して捉える。

大使館云々を口実にしてイランはイスラエル本土を攻撃したとされるが、通常の大使館業務を逸脱した活動をしていたから攻撃対象となった。当然これ以上は書けない。

第五次中東戦争云々の時間軸で見出すと、ローマ帝国、中東エリアの植民地支配などキリがない。第二次世界大戦を区切りとする見方は、よくされるが、それで全て片付けられる訳もなく、偏った意見になってしまう。

シリアとイスラエルは一部陸地が接するとはいえ、本土同士が陸続きになっていない事が、唯一の救いか。

いずれにしろ事態の根本解決は難しくはあるが、沈静化は強く望む。これが大国の発言となると、双方に自制を促すと言う言い方になるのであろう。
両国が抑制的であることに、希望を見出したいが…
イランのイスラエルへの攻撃も、事前予告など含めてかなりされていたものと認識しており、大使館を攻撃されたので反撃をしないことはイラン国内へのメッセージ含めてなかったのだと思うが(そして今回のイスラエルの反撃も同様)、一方でお互いにエスカレートをするデメリットの深刻さは分かっている状態には見える。

あと、本論ではないが、世界の軍事バランスとして中東とウクライナで同時に実戦を伴う緊張感が高まっている。そのなかで、台湾・北朝鮮という日本により近い地域での米軍の展開力は下がる。そういうときに、変な動きがなければよいが、攻める側からすれば、だからこそこういう時にかく乱する意図も含めてやる好機でもあるわけで…

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