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2024年問題が修学旅行を直撃 バス運転手を確保できず 路線バスの大幅減便も
産経ニュース
室田 善弘
40年前の旅行会社の新入社員時代の出来事を思い出しました。 この年の10月、都内の公立中学校の修学旅行に同行。 私がチーフ添乗員を任された。 行き先は定番の京都・奈良で、2泊3日の行程。 学校から東京駅までは貸し切りバスを手配していたが、 予定していた7時15分になっても来ない。 バス会社に電話すると 「今日、そんな予約はありませんよ」 と言われた。 手配担当者が日程を間違えて依頼し、 私自身も前日の確認も怠っていたのだ。 教師や生徒、保護者たちは一様に 「えっ、大丈夫なの?」という表情。 なんで、たった1本の電話を怠ってしまったんだろうか。 今すぐ、この場から逃げ出したい。 「大変申し訳ありませんが、東京駅へは電車で向かいます」 悩む時間すら惜しいなか他の選択肢は見当たらず、 そう宣言した。 学校を出たのは7時半ごろで、東京駅へは 乗り継ぎも必要だった。 ホームの端から端まで分散して、 一斉に満員電車に乗り込むことに。 東京駅の新幹線ホームで、全員そろっていることを 確認したのは9時ジャスト。 出発の3分前だった。 校長先生のもとへ行き、経緯を説明して謝罪した。 「すべては私の自分の個人的な確認ミスです。」 しかし校長先生からは 「今回の件を許すことは、まかりならん!」 と一喝された。 怒られて頭が真っ白になり、 会社を辞めるしかないと思った。 この修学旅行が最後の仕事だ。 そう思って気持ちを切り替えた。 せめて迷惑をかけた罪滅ぼしになればと、必死で働いた。 昼は急病になった生徒に対応したり、 夜は生徒指導の教師といっしょに 宿舎内の見回りをしたり。 旅程管理だけでなく、自分ができる 精いっぱいのことをした。 修学旅行を終えた翌日、辞表を持って出社。 自分が責任をとって退職でもしない限り、 許してもらえないと思っていた。 辞表を渡そうと上司のところへ行ったら、 反対に一通の封書を渡された。 「昨日、校長先生からお前に渡してくれと 預かったものだ」 開いてみると、達筆でこんな風に書かれていた。 「自分の失敗を挽回するために 必死になっている人を見ると、誰だって応援したくなります。 それが人情というものです。これからも宜しく」 その校長先生から贈られた言葉がある。 「逆境の時にこそ、その人の真価がわかる」
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